ぶらりドリブルの旅

ひたすらサッカー観戦がメイン

DAZN観戦 2023年J3リーグ第15節 FC琉球vsテゲバジャーロ宮崎

2023-06-29 16:00:45 | サッカー視聴記(2023年その他)

<両軍スタメン>

監督人事が非常にややこしい事になっている琉球。
前年暫定監督を務めた倉貫一毅氏、(ナチョ・フェルナンデス氏の就任→シーズン後退任を経て)今季は冒頭から指揮を執っていたものの、成績不振を理由に10節(鹿児島戦、0-2)終了後に解任。
そして新たな監督には、前年途中に解任された喜名哲裕氏が(暫定を経て)就任する事となり。
前年は喜名氏→倉貫氏へ、今年は倉貫氏→喜名氏へ受け渡しと、傍らからでは監督役の回し合いをしているだけに見える流れを築いてしまいました。

降格クラブだけに、「一年での(J2)復帰を」と意気込んで挑んだものの、結局空回りに終わる言わば「良くあるパターン」でしょうか。
選手編成においても、チームの精神的支柱というべき上里が引退した過渡期であり、そのような状況で内輪のみでの人事で昇格を目指すには厳しかったか。(まだシーズンは終わっていませんが)
新たな選手獲得も大ベテラン金崎に、不祥事で前クラブ(札幌・レンタル先福岡)を解雇された柳と、寄せ集めの色が濃くなっているのがその昇格への「力み」を感じさせてしまい。
成績的にも、全試合出場者が武沢のみ(しかし途中交代も絡み時間は多くない)と、一本心を感じない記録が残っており。
上里不在ななか、クラブのDNAを何処に据えるのかが問われているでしょうか。

この日の相手は宮崎で、クラブ事情はともかく、サッカースタイル的には強固な守備陣というストロングポイントが定着しつつあるチーム。
そんな相手に早々に、永田の左サイドの突破からコーナーキックに持ち込まれる(前半2分)と、キッカー下澤のニアサイドへのクロスを石津がフリック気味に合わせるヘディングシュート。
中央で井原が足から跳び込んだのもあり、GKカルバハルもセーブが遅れて右ポスト内側を叩きゴールに吸い込まれます。
電撃的な宮崎のゴールで、早くも追い掛ける苦しい立場となってしまいました。

こうなると、松田浩氏お馴染みの4-4-2ブロックによる守備組織が冴え渡る展開に。
以前の記事では、石津の加入によるその構築の遅れを不安視した自分ですが、彼を最前線に起用する事で懸念は払拭されたようであり。(それでも攻撃では、盛んに降りてパスを受けに来る石津ですが)
ポゼッションスタイルを貫く琉球が、それをどのように崩すかという一点となる注目ポイント。

立ち上がりは深さを取る攻撃で、盛んにサイド奥へとロングボールを送る琉球。
そして相手もロングボールへと傾倒していき、こうなるとボールが落ち着かず宮崎の陣形の乱れも必至な状況に。
7分にはそんな絵図から、牟田の跳ね返しを拾った中野がドリブルで右ポケットを突き、戻しを経て平松エリア内中央へパス→野田ポストプレイという流れでシュートチャンス。
放たれた武沢のミドルシュートはエリア内での青山のブロックに防がれるも、期待感を膨らませる流れとなり。

しかし13分、攻撃の最中に永田の反則気味のプレスバックで奪われると、反則と思い込み足を止めてしまった事で宮崎のカウンターに。
こぼれ球を大熊の縦パスで一気に運ばれる(左から永田のクロスに繋がるも撃てず)という具合に、相手の守備強度に怯む場面も作ってしまいます。
その後も琉球はボールを握り、(GK以外)全員が敵陣に進入する場面も目立ちますが、宮崎の強固なブロックの前に「アタッキングサードからが勝負」といった状況に。

そんな相手の攻めを防ぎ続ける宮崎、カウンター一本といった攻撃に入るのが普通ですが、首尾よくその状況に持ち込んでも急いで攻め込まず。
リードを最大限生かすべく、戻して作り直しを選択する事も多く、この辺りが松田氏の「ポゼッションを守備力(相手に攻撃機会を与えない)に使う」真骨頂と言うべきか。
自分達のターンを作ると、GK青木も前に出てビルドアップに絡むという、松田氏以前の宮崎のスタイルを否定する事無く取り入れる姿勢も披露します。
中々活路を見出せない琉球は、21分GKカルバハルがプレスを掛けられてのフィードを強いられ、それを南野のブロックに遭い拾われ宮崎のビッグチャンスを招いてしまい。
右ポケットに進入した北村知が中央へ横パス、受けた南野がシュートしますがGKカルバハルがセーブして何とか防ぎ。
こうした立ち回りを続ければ、それだけ相手にミスが生まれ易くなり労せずして決定機が作れる。
そんな宮崎のスタイルが、腰が安定しない近況の琉球を苦しめます。

何とか流れを変えたい琉球は、ボール保持が膨らむ宮崎に対してのプレッシングに活路を見出し。
30分にケルヴィンがボール奪取してそのままドリブルに入り、戻ってきた南野に倒されて反則。
これで中央からのフリーキックを得、遠目なためロビングを選択したキッカー平松ですが、クリアされてさらにCKに。
クロスがクリアされたのちも右サイドで細かく繋ぎ、武沢のミドルシュートに持っていきましたが、石津のスライディングでのブロックに阻まれ同点ならず。

しかし潮目が変わり、以降サイドハーフ同士を入れ替えた(中野が左・白井が右)事もあり、琉球の流れとなる試合展開。
あくまで能動的な崩しを貫くなか、39分に中盤で持った平松が左へのパスを窺わせると、すかさず青山が前に出てカットを狙う動きを取る宮崎。
これを見てキャンセルしたのち、パスワークを経て再び平松が左へパスし、福村→武沢→中野というパスワークでの前進。
その最中に再度パスカットにいった青山は武沢のパスをカットしきれず、フリーで中野が前進してワイドの位置からシュート(GK青木セーブ)と、高度な攻防を経てのフィニッシュに繋げ。

しかし宮崎の守備ブロックを掻い潜ってのチャンスクリエイトはやはり難度が高く、以降攻撃機会は膨らませるもフィニッシュが遠く。
40分過ぎから再度SH同士を入れ替えて元の位置に戻すも、好循環を齎す事は無く。
結局以降は、アディショナルタイムのCKからの牟田のヘディングシュート(枠外)のみに終わり、0-1のまま前半を終えます。

後半の琉球は攻め方を変え、ビルドアップの際は中野が中央に絞り、トップ下のような動きに。
その上で彼に繋げるべく、ボランチの1人は宮崎2トップの間に立ってパスを受ける形を多く作ります。
前線の守備の無効化(宮崎は守備ブロックが持ち味といえど、ボールの位置が低いと流石にプレッシングはする)を果たしつつ、流動的な動きで的を絞らせず、アタッキングサードへ押し込む流れを作るのが狙いだったでしょうか。

後半2分に得たCKからまたも牟田がヘディングシュート、今度は叩き付けるシュートもバウンドして枠外に。
この(後半の)ファーストシュートを切欠に、狙い通りの攻めで好機を多く作り。
宮崎ディフェンスを押し下げたうえでのミドルシュートが幾度も炸裂します。
7分には左→右へのサイドチェンジから、柳の戻しを受けた平松が前進からのミドルシュート、遠距離から威力あるボールが襲うもGK青木がセーブ。
尚も右奥で野田が拾って継続し、中野が幾度の切り返しで揺さぶったのちに柳のクロスが上がると、中央でケルヴィンがヘディングシュートを放ちますがこれも青木のセーブに阻まれ。
ここから3本CKを続けるなどひたすら押し込みましたが、この日の宮崎は最後の砦も堅かった。

結局ゴールを奪えないまま攻勢が途切れた琉球、再びその流れを作らんと15分に2枚替え。
ケルヴィン・白井→阿部・岩本へと交代します。

しかしその直後に、阿部が戻りオフサイドを採られる不完全燃焼な攻撃をしてしまうと、そのFKでのGK青木のロングフィードからの攻めを止められない琉球。
左サイドで永田がフリックで落とし、拾った南野がカットインで左ポケットを突く好機となる宮崎。
そしてシュートを窺わせながら十分に溜めての横パスが出されると、中央で合わせたのは石津で、GKカルバハルの右を際どく破りゴールイン。
これでこの日2ゴール目と、FW起用はやはり白眉といった石津。
同時にクリスティアーノのSH起用という、長崎時代の松田氏の苦い思い出(と思われる)も醸し出される事となりました。

点差を広げられてしまった琉球、勝ち点のためにはとにかく攻め上がるしかないのは変わらず。
阿部が積極的に降りる事で縦パスの選択肢も広がり、そこから活路を見出しに掛かります。
そこからサイドへ展開してクロス攻勢、18分に野田が、19分に阿部がヘディングシュート(いずれも枠外)とフィニッシュに繋げ。

そして21分、攻撃が途切れるもゲーゲンプレスを掛けて阿部が反則気味にボールを奪い継続し、パスワークを経て右へと展開し柳が奥を突き。
戻しを経ての(武沢の)手前からのクロスを選択すると、ファーサイドでまたも野田のヘディングシュートが炸裂しますが、これもGK青木のセーブに阻まれ。
尚も詰めにいった野田でしたが青山を削ってしまい反則と、どうしてもゴールを奪えない琉球。

複数点のリードはあるも、押し込まれ続ける宮崎。
23分に松田監督もカードを切り、石津→東出へと交代して永田がFWに回り。
長らく欠場が続いていた東出、(プレッシングにいかないシーンを目にした)ベンチから大声で罵声に近い指示が飛ぶなど、その松田氏のサッカーへの適応力が試されていたでしょうか。

その後も攻め込む琉球、26分にまたも野田を目掛けたクロスが左から上がり、こぼれ球を拾った中野からの戻しで武沢にシュートチャンス。
しかし素早い寄せに阻まれ、一層守備的な意識になった宮崎を前に状況は厳しく。

打開を図らんと、27分に再度動く喜名監督、武沢・野田→富所・金崎へと2枚替え。
しかしまたも、投入直後の隙を狙われてしまいます。
直後の宮崎の攻撃はゴールキックで、2点目同様にGK青山のロングフィードからで、南野が合わせるも高く上がったボールを拾いにいった富所がよりによってコントロールミス。
拾った永田のスルーパスがエリア内へ送られ、走り込んだ南野のシュートがゴールネットを揺らします。
止めというべき3点目で、しかも投入した富所の逆起点と、流れを変えるはずが相手へのブーストとなってしまったベンチワーク。

メンタルに来る失点で勢いを失う琉球を尻目に、宮崎は30分に二度目の交代。(北村知・田中→山崎・北村椋太)
安全圏となった宮崎はのびのびと、というサッカーになり、30分には自陣でのボール奪取から南野が果敢にロングシュートを狙い。(枠外)
33分には不安視された東出が敵陣でボール奪取し、そこから山崎が右奥を突いてグラウンダーでクロス、クリアされた後も尚も奥で細かくパスを繋ぐ攻め。
交代選手も跳梁を見せる事で、4点目のプレッシャーを与えるとともに時間を使っていきます。
琉球サイドも、投入された金崎が深さを取らんとするも、その際に反則を犯してしまうなどで流れを齎す事が出来ず。

そして37分に決定機を迎える宮崎。
永田のパスカットから、切り込んだ南野が再びエリア内でシュートチャンスを迎えますが、放たれたシュートはGKカルバハルがナイスセーブ。
これだけでは終わらず、39分にはカウンターでまたも決定機、クリアを収めた南野のパスを受けた永田が抜け出し。
今度は両者逆の流れで、GKと一対一を迎えた永田でしたが、右ポケットからのシュートはこれもGKカルバハルの前に出てのセーブに阻まれます。
前半からファインセーブを目立たせていたカルバハルでしたが、孤軍奮闘も実らずという形になりました。

琉球の最後のカードは40分で、中野→高安へと交代して岩本が右SHに回り。
一方宮崎は43分に永田・南野→高橋・江口へと交代し、山崎1トップ・下澤トップ下の4-2-3-1(4-4-1-1?)といった布陣に。

最終盤を迎えても、攻撃に一向に勢いが出ない琉球。
柳の推進力を押し出さんとするも、既にスタミナもきつくその能力は十分に発揮されず。
結局フィニッシュを(35分の富所のシュート以降)放てないまま終着となりました。

そして逆に宮崎が押し込む流れとなったAT。
CKを獲得し、時間を掛けながらという立ち回りを窺わせつつ、左ポケットから山崎のマイナスのクロスを受けた大熊がシュート。
牟田のブロックで防がれるも尚もCKとなり、今度はクロスを選択してクリアされるも、跳ね返りを直接山崎がボレーシュート。
GKカルバハルのセーブでゴールはなりませんでしたが、ここで試合終了の笛が鳴り。
どちらが得点が欲しい状況なのかという疑問を抱かせながら、宮崎の快勝で試合の幕は閉じられました。

Jリーグランキング にほんブログ村 サッカーブログ J3へ


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« DAZN観戦 2023年J1リーグ第1... | トップ | DAZN観戦 2023年J2リーグ第2... »

コメントを投稿