ぶらりドリブルの旅

ひたすらサッカー観戦がメイン

DAZN観戦 2023年J3リーグ第4節 松本山雅FCvsテゲバジャーロ宮崎

2023-03-30 16:01:00 | サッカー視聴記(2023年その他)

<両軍スタメン>

J3に参入以降、そのサッカーで注目を集める存在となっている宮崎。
しかし今季は、前年までの攻撃的スタイルを改めるかのような選択を採り、守備構築に定評のある松田浩氏を新監督に選びました。

近年のJリーグでは個の力で負けない同数守備と、それに伴うマンツーマンの色が強まっているディフェンス事情。
プレッシングの重要性が高まっている事もそれに拍車を掛けているようですが、一方でその意識の強いチーム程、脇に置かれた感のあるゾーンディフェンス。
そんな傾向に待ったを掛けると言わんばかりに、2021年途中に突如トップチームの監督へと復帰した松田氏。(当時は長崎監督に就任)
前年も死に体のガンバを見事J1に残留させる大仕事をこなし、新たな戦いの場はJ3。
監督業復帰以降、途中就任では成果を挙げているものの、果たしてシーズン頭からのチーム構築で結果を出す事が出来るか。

という訳で、前年とは真逆と言ってもいいスタイルを中心に戦う宮崎。
しかし相手の松本も今季は、オフに監督交代を挟み、霜田正浩氏の下ボールポゼッション+ハイプレスのサッカーに取り組んでいるとの事で。
宮崎とは逆に、守備的→攻撃的へのスタイルチェンジをしているようであり、そうした最中同士のぶつかり合いとなりました。

キックオフから展開されるロングボールの蹴り合いの最中、コンパクトにディフェンスを固める宮崎。
しかしそうした姿勢が反則も生んでしまい、そこから松本がフリーキックから放り込みを何度か行うといった立ち上がりとなりました。

そんな時間が過ぎ去り、いよいよ宮崎の4-4-2ブロックによるゾーンディフェンスが冴え渡る……と思いきや、中々苦しいシーンが目立ちます。
前半11分、松本の最終ラインからのビルドアップに対しハイプレスを選択しましたが、それをいなされた末に菊井にスルーパスを裏へ送られ。
滝が走り込む所を、GK清水が前に出てクリアして何とか凌ぎましたが、不安ぶりを醸し出します。

その後もブロック構築が今一つ。
その要因として左サイドハーフに入るベテラン・石津の存在で、ここ数年不本意なシーズンを過ごした末に、宮崎に拾われる格好となって加入したアタッカー気質旺盛な選手。
先程のプレッシングに出たシーン然り、他のMFに比べて高目の位置を取る事が多く、その姿はカタールW杯でのフランス・エムバペ(ムバッペ)の前残りのようでもあり。(逆に他の前線5人が前に出た際は逆に下がり目になるという事もあった)
また攻撃でも、左に張るのではなく中央~右へと張り出して攻めに絡むシーンが目立ち、当然その分ブロックに加わるのも遅れ。
フィールドの11人全員が同じイメージを共有しなければ難しいサッカーで、こういった選手が居るのでは厳しくもなるのも当然、といった所でしょうか。

果たして、松本のパスワークに対して苦しさを見せる宮崎。
反則スレスレのディフェンスで何とか止めるといったシーンを量産させ、それが松本のホーム・サンプロアルウィンスタジアムの大観衆にフラストレーションを与えるに至り。
22分には再び松本の最終ラインでの繋ぎから、下川のロングパスで裏を突かれると、小松の落としに対し跳び出したGK清水。
両者交錯して倒れ込んでしまう事となり、エリア内に落とされたボールは繋がらずと、そのスタンドの苛立ちがピッチ上にも現れるような終わり方となりました。(小松・清水両者とも無事に立ち上がり)

完成度が不十分な宮崎のスタイルを受け、松本がどう崩していくかという前半戦。
圧され気味の内容を受け、石津も自重を見せる事で次第にブロック意識を強めていく宮崎。
それに対する松本の手段は、リトリートに徹する相手を楔のパスで崩しにかかるか、あるいは一旦戻して相手のプレッシングを呼び込むかの二択といった感じに。
手っ取り早いのが、ロングパスで裏を突ける分後者での攻撃といった所でしょうか。
30分にもGKビクトルへと戻して宮崎のプレッシングを呼び、ここは長いボールを使う事無く右サイドでのパスワークでかわしたのちに藤谷がドリブル。
そしてエリア手前でパスを受けた鈴木が、中央やや左からミドルシュートを狙いましたが枠を捉えられず。

さらに時間が進むと、宮崎のリトリートに対し松本は全員(GK以外)敵陣に入ってのパスワークで崩しにかかるシーンが膨らみ始めます。
広範囲に顔を出しパスを引き出す菊井を軸に、その守備網の攻略を試みる松本。
しかしソリッドな宮崎ディフェンスの術中にハマるといった感じで、そこからは中々崩す事が出来ず、逆襲を浴びる事もあり。
出来ればもうワンテンポ速い、ブロックが整う前でのタイミングで崩しのパスを送りたい所。

敵陣での崩しが駄目ならばという具合に、トランジションの直後を狙うシーンも目立った最終盤の松本。
しかしこうなると相手に隙を与えるという事でもあり。
アディショナルタイムこそ、下川がボールカットから早いタイミングでクロスを送り、ファーサイドで収めた鈴木がシュート(ブロック)と好機を作り。
一方で45分には宮崎がボールの奪い合いを制して前線でスローインを獲得、素早いリスタートから右サイドで下澤がクロス、これを橋本がヘディングシュート(GKビクトルキャッチ)とピンチも招きます。
結局前半でスコアが動く事は無く。
松本は全体的に攻撃権を握るも、時間が進むにつれて宮崎の網に難色を示すといった感じで終えました。

完全ホームと言わんばかりの、大声援を背にして後半に挑む松本。(ともにハーフタイムでは交代無し)
後半の入りに攻勢を掛け、前半の時と同様、反則を受けてのFKによる放り込みも交えて攻め上がります。

落ち着きをチームに注入したい宮崎、前年までのスタイルであるボールポゼッションを交えて何とか松本の圧をかわさんとし。
しかし松本のプレッシングも鋭さを増し、何とか相手に当ててのスローインに逃げるのが精一杯というシーンを量産させてしまい。
その宮崎の自陣からのスローインも、直接カットして好機に持ち込むなど、ホームという地の利を活かすように敵陣でサッカーを展開する松本。

そして10分に絶好機を迎え、自陣からの繋ぎを経て左サイド・センターライン付近から喜山が斜めの縦パス。
これを鈴木のスルーを経て中央に渡ると、小松はダイレクトで前へ送る事を選択、エリア内へ送られた浮き球に先程スルーした鈴木が抜け出して収め。
まさに前述のワンテンポ早い仕掛けが見られた格好となりましたが、放たれた鈴木のシュートは(GK清水が視界に入った事もあり)浮いてしまいゴール上へと外れて逃す事となりました。

守備を固める宮崎も、前半の終わり際とは違って守備を強いられるといった感があり。
そうした流れを経てベンチが動いたのが16分で、石津・橋本→高橋・南野へと2枚替え。
恐らくは前年の岡田(北九州へ移籍)の役どころを期待されたであろう石津ですが、まずはチームのスタイルを身に付け、その上でストロングポイントを還元させる方法を確立させたい所。
一方松本ベンチも同時に、滝→村越へと交代します。

共に同時に交代し、新たな局面を迎える……という事は無く。
スコアは突然動き20分、下川がロングパスで宮崎最終ラインの裏を突くと、これが絶妙な眞鍋の後方直ぐの所で小松の足下に収まるボールとなり。
眞鍋に当たりこぼれ、大熊もクリア出来ずに流れたボールを菊井が拾い、すかさずエリア内右を突いてシュート。
GK清水の股を抜いてネットを揺らし、先制点を挙げた松本。
宮崎ディフェンスの小さなミスが重なっての事でしたが、流石にこれだけ攻められては単調な攻めも通り易くなる、といった格好だったでしょうか。

ビハインドとなった事で、前掛かりな姿勢を入れなければいけなくなった宮崎。
つまりはプレッシング意識を高め、攻め込んだのちの即時奪回も目指さなければ同点は望めない状況ですが、同時にカウンターによる追加点の危惧も高まる諸刃の剣。
22分に早速その松本が裏へのロングパス一本で、走り込んだ藤谷が右からクロス、鈴木がボレーシュートと脅かしを見せ。(枠外)

そんな後方の危惧を抱えながら同点を目指す宮崎。
23分には一旦攻撃が途切れるも高橋がボール奪取に成功、下澤がエリア内へスルーパスを通し、南野のクロスが防がれてコーナーキックと即時奪回からの好機。
ここからCKを2本続けるも、2本目でのクロスがGKビクトルに掻き出されると松本のカウンターが発動、しかしここは村越のスルーパスがズレてスピードダウンし命拾いします。

こうした流れの中、松本サイドは勝負が早くなっているのが気掛かりとなり。
25分にはGK清水のフィードを藤谷がカットし、拾った住田がワンツーを経て遠目からシュートを放つも、GK清水が正面でセーブ。
ボール保持のスタイルをこういった局面で使えなければ、それだけ相手に攻撃を許すという事であり。
前回の記事(水戸vs甲府)で述べたような、水戸の状況と類似した格好となり、そしてそれがスコアに繋がってしまいます。

27分に再度交代カードが切られ、しかも再び両チーム同時の交代となり。
宮崎は永田・青戸→山崎・小川へと2枚替えし、高橋がFWに回ってSHは右が小川・左が山崎に。
松本は鈴木・下川→榎本・山本へとこちらも2枚替え。

「忍び寄る危機」に気付く事が無いかのように、以降もシュートを重ねていく松本。
交代後の4分間で3本シュートを放ち、GK清水も2度セーブと宮崎ゴールを脅かし。
そして31分の村越のペナルティアークからのシュートが防がれると、宮崎が最終ラインからパスワークで組み立てつつ前進。
右サイドで繋いだのちに中央→左へと素早く運ぶと、密集を解くのが遅れる松本ディフェンスに対しフリーで受けた山崎が切り込み、エリア脇からグラウンダーでのクロスを許した末に南野が合わせシュート。
ゴールゲットし同点に追い付いた宮崎、ゾーンディフェンスの重要性をあろう事か自身の攻撃で相手に示す事となりました。

同点となったのも束の間、直ぐさま松本は喜山が(小川に)反則を受け、再びFK(左サイド遠目)からの放り込み。
これを小松がヘディングシュート、GK清水が辛うじてセーブして尚も右CKと続き、ここでも山本がクロスの跳ね返りをミドルシュート。
しかしコース上に居た小松に当たるという不運で防がれ。

ホームの雰囲気に押されて再びリードを目指さんとしますが、36分に宮崎はGK清水のロングフィード一本で、左ポケットを南野が付くという好機。
そこからパスワークを交えて仕掛ける宮崎、シュートには辿り着けずも、今度は松本が前掛かりのベクトルを突かれる危惧を抱えなければいけなくなったでしょうか。
それでも勝負を賭けなければいけない松本、37分に小松→田中想来へと交代。(以降菊井がトップ下に回り、榎本が左SHに)

一方ここまでチーム得点の全てを挙げている南野(2点)が、この後も果敢にゴールを狙いにいく宮崎。
40分にはCKのこぼれ球を繋ぎ、一度は奪われるも自らボールカットした南野、そのままミドルシュートを放ち。(GKビクトルセーブ)

終盤を迎えて嫌な雰囲気となってきた松本、それを示すかのようにカードも飛び交う流れに。
43分に空中戦で榎本が青山にチャージを受けた事で反則・青山に警告となると、その後のFKでの攻撃でも一悶着。
ゴールライン外へとこぼれ、ゴールキックの判定が下されると菊井が激しく異議を示し、すかさず黄色いカードを喰らってしまう事となり。

そのままATへと突入し、直後にパスワークでエリア内を突くも、住田が小川に倒されて途切れ反則無しに終わった松本。
不穏な空気は最高潮といった感じになると、松本が押される流れへと突入します。
そしてエリア内で好機に絡む南野、大熊のクロスをファーサイドに走り込んでシュートを放つも、右サイドネット外側に終わり。
その後CKでも、クリアされたボールを良い位置で拾う南野、戻しを経て小川のミドルシュートに繋げ。(GKビクトルセーブ)
しかし勝ち越し点にはもう一歩届かなかった宮崎。
結局1-1のまま試合終了となり、両者勝ち点1を分け合う事となりました。

大声援を受けながらも勝利出来なかった松本。
判定にも悩まされる内容となりましたが、年々地位が上がりつつあるJ3リーグのなか、自身の価値も上げられなければ再度のJ2昇格は夢のまた夢に終わり。
そんな思いからかサッカースタイル変換に臨んだシーズンなのでしょうが、果たしてその行方はどうなるか。


Jリーグランキング


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« DAZN観戦 2023年J2リーグ第6... | トップ | DAZN観戦 2023年J2リーグ第6... »

コメントを投稿