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TV観戦 天皇杯 第103回全日本サッカー選手権大会3回戦 鹿島アントラーズvsヴァンフォーレ甲府

2023-07-14 16:51:14 | サッカー視聴記(2023年その他)

<両軍スタメン>

  • 公式では鹿島vs甲府の順でタイトルはそれに従うが、スタジアムは甲府のホーム(JITリサイクルインクスタジアム)なのでそれに準じて表記。

今年も無事に2回戦(長崎戦、1-0)を勝ち上がった甲府。
前年の覇者という事で、その勝負強さは否が応でもマークされる存在となり。TV中継でも高知やV大分を差し置いてBS1で放送されるぐらいのマンマーク

そして3回戦は、前年のリベンジマッチで燃えるであろう鹿島が相手。
それなりにメンバーを落としてきたものの、ピトゥカ・植田・安西といったレギュラーがスタメンに加わり、その他のメンバーも荒木遼・GK沖を除き二桁試合出場とガチ度は中々のものでした。
一方の甲府は、関口以外の10人を入れ替えと、25節から中2日の影響は避けて通れないメンバー。

前半1分に早くも、甲府のキックオフからの組み立てで最終ラインからのロングボールを名古がブロックし、セカンドボールを拾って鹿島の攻撃。
クロスや横パスなどで何度もエリア内を突いた末に、左ポケットで荒木遼ポストプレイ→名古シュート(枠外)と、ファーストシュートに辿り着き。

その後強度の高さを活かして攻め上がる鹿島。
コーナーキックを量産する立ち上がりとなり、12分の左CKではキッカー荒木遼のクロスがファーに上がると、植田がヘディングシュートを放つもGK渋谷がセーブ。
引き続き右CKとなり、再びの荒木遼のファーへのクロスを植田がシュート気味に落とし、GKの眼前で名古が拾うも渋谷が腕を伸ばして何とか防ぎます。
直後にはGK渋谷のフィードに対しプレッシャーを掛けた垣田がブロック、ボールはゴールへ向かいあわや……という場面も。(ゴール上へ外れ)
前年の俺らとは一味違うという意気込みを見せ付けた……はずでした。

しかし16分にパスミスを宮崎に拾われ、そのまま放たれたミドルシュートがゴール左へと際どく外れ。
これを境に色を失う鹿島、以降甲府がリーグ戦よろしく、長短のパスを巧く使い好機を作る流れへ突入します。

それを防ぐ鹿島ですが、マイボールの際にもどうにもビルドアップが詰まり気味で攻撃権を支配出来ず。
特にベテラン・昌子の出来が芳しくないといった感じで、ボールを持った所・パスを受ける所を狙われて奪われるシーンを頻発させてしまいます。そりゃガンバでポゼッションサッカーに適応できず放出される訳で
植田・昌子のセンターバックコンビを見るや、懐かしさとともに「サッカーの最前線から5年ほど遅れているのでは」とも思ってしまうものであり。
リーグ戦でレギュラーの植田の方は杞憂でしょうが、11人の何処かに弱点を抱えていては、それを突かれるのがサッカーというスポーツ。

27分の宮崎のボール奪取はじめ、そんな状態の昌子を徹底的に突く甲府。
当然右サイドが主戦場となり、28分には右スローインで投げ込まれたボールを、松本孝が入れ替わりで昌子を置き去りにして奥へ進入。
そしてマイナスのクロスが送られ、中央で武富が合わせたものの、放たれたシュートは広瀬がブロックして何とか防ぎ。

下位カテゴリに苦戦の色を見せる鹿島。(前年の時は負けたとはいえ、これほど押されていた訳では無かった)
29分に垣田を走らせる右サイド裏へのロングパスを送ると、クリアに入ったマンシャに当たってゴールラインを割るラッキーな形でCKをゲット。
その後も垣田とマッチアップするマンシャは苦戦気味といった様相で、ここから再び流れを掴まんとします。

36分に広瀬の縦パスを受けた荒木遼、長距離のドリブルを経てエリア手前からシュート。
ブロックされるもCKをゲットと、あまり良くない流れななか、CKは量産していく鹿島。
このCKを境に、甲府はサイドハーフ同士が入れ替わり武富が右・宮崎が左の位置を取り。
これにより再度攻勢を掛ける甲府、38分に宮崎が左サイドをドリブルで推進、左ポケット奥を取ってマイナスのクロス。
ハーフレーンを上がっていた小林がこれをニアサイドで合わせにいきますが、シュートはジャストミート出来ずミスとなってしまい先制はなりません。
40分にも宮崎のドリブルから、エリア内中央で横パスを受けた武富がシュート。(GK沖キャッチ)
それを受ける格好となった鹿島は、こちらもこの後SHを入れ替えて名古が右・藤井が左となります。

その後上位カテゴリらしく、普段あまり行っていないパスサッカーでポゼッションを高めての攻撃を試みる鹿島。
泣き所となっていた昌子も、プレッシャーがかかる前に縦パスを間へ通す事で何とかそれに貢献する形を採る事に成功します。
しかしここからはフィニッシュは生まれず、結局甲府に圧され気味という印象を覆すには至らずに前半を終えました。

ハーフタイムで鹿島が動き、早くも鈴木を投入(荒木遼と交代)して悪循環を断ち切りに掛かり。
一方の甲府は、途中で入れ替えたSHを元の位置に戻し、武富=左・宮崎=右として後半頭から臨みました。(鹿島のSHは入れ替えたまま)

垣田がポストワークに努めなければいけなかった前半から、何処にでも降りる動きをする鈴木が加わった事で、甲府サイドは非常に掴まえ辛くなったという印象の後半。
ペースを掴んだ鹿島、後半3分には鈴木が左ワイドからポケットへと切り込むも、関口の反則気味のディフェンスで倒されシュートは撃てず。(反則無し)

そんな鹿島の変化に難儀した甲府ですが、5分に大ベテラン・山本がボールを確保したのち左へ展開、小林が手前からクロス。
跳ね返されるもセカンドボールを確保し、敵陣でパスワークを続けた末に右サイドで飯島が(藤井に)反則を受けてフリーキックに。
このサイドからのFK、キッカー小林はグラウンダーでクロスを入れるという変化を付け、ニアサイドで安西のカットが入るもこぼれ球を叩き込んだのは野澤。
ボレーシュートがゴールに突き刺さり、前年同様先制点に辿り着いたのは甲府となりました。

リードを奪った甲府ですが、鹿島もそこからリバウンドメンタリティを発揮……というよりは、動じない精神と言った方が正しいでしょうか。
前年はリードを奪われて以降、ひたすらボールを握らされる展開を強いられて結局無得点に終わりましたが、この日は先制されても動揺を見せず。
交代により好循環を得ていたのは確かなので、それを貫く姿勢を見せて攻め続けます。

それを後押しすべく、ベンチも早めに動き11分に藤井・名古→仲間・樋口へと2枚替え。
これ以降、樋口がハーフレーンに張り気味となり、空いたスペースに広瀬が上がるというパターンを増やしていきます。
14分にはGK沖ロングフィード→垣田落としからの攻めで、佐野のエリア内へのパスを仲間がヒールでポストプレイ、そして鈴木がダイレクトでシュート。
野澤のブロックに阻まれるも右CKとなり、キッカー樋口のクロスから再び植田がヘディングシュートを放ちましたがゴール上へと外れ。

そして17分、最終ラインから植田が高い位置の広瀬へと縦パス、受けてすかさずクロスが送られ。
これを中央で合わせにいった垣田、競り合いで野澤を腕で外した末のヘディングシュートがゴールに突き刺さります。
最後は鹿島らしいマリーシアも加わり、同点に追い付きました。

追い付かれてしまった甲府、しかしファイティングポーズは崩さず。
直後のキックオフからの攻撃で、左サイドを前進していき小林がクロスを入れた事でCKをゲット。
未だ衰えずといった様相を見せると、鹿島もGK沖が躍動し、キャッチしたのちのすかさずのフィードで裏を突きカウンターに持ち込み。(鈴木がエリア内へ走り込むもGK渋谷が抑えて撃てず)
22分の甲府、再び小林が左からのクロス、跳ね返りを拾った関口のミドルシュートが襲うもGK沖がセーブし防ぎます。
この直後に甲府ベンチも動き、エースのピーター・ウタカ投入に踏みきり(松本孝と交代)、同時に山本・飯島→品田・長谷川に交代と一挙3枚替え。
レギュラーメンバーの一斉投入で勝負を託します。

しかしその後は鹿島が押し返し、垣田へのロングボールで強度を盾にする展開で押し込み。
それを防がんとするマンシャが、倒されて垣田に対しヒートアップを見せたのもこの時間帯(26分)で、一歩間違えれば失点の危機に陥っていた感があった甲府。
27分には右サイドでスルーパスを受けて深さを取った垣田から、戻しを経て中央へ渡り、ピトゥカがコントロール重視のミドルシュートを放ちますが惜しくも左へと外れ。

対策を図る甲府、30分に再びレギュラーの蓮川を投入。
アタッカーの武富との交代で、これにより3-4-2-1へとシフト(3バックは右から蓮川・野澤・マンシャ)し、5バックの体勢で鹿島の跳梁を防ぎに掛かりました。

自陣で5-4-1の布陣で守る甲府に対し鹿島がどう崩すかという、前年の対戦の絵図に似た様相となり。
こうなると鹿島は能動的な崩しはままならず、強引にポケットを狙うパス(主に浮き球)を送る事が目立つようになります。
甲府は40分に最後の交代を使用し、関口→須貝。

それでも43分、敵陣で安西の左→右へのサイドチェンジで、受けにいった広瀬がワントラップにより奥へ切り込んでクロス。
ブロックされてCKと、苦しい時のセットプレーという好機は依然として多いですが、ここで防がれて甲府のカウンターが発動。
ショートパスの連続で抜け出した須貝がドリブルからスルーパス、そして走り込むウタカに渡る絶好機に。
しかし左ポケットから放ったウタカのシュートも、当たっているGK沖が止めて凌いだ鹿島。

乾坤一擲のカウンターはモノにならなかった甲府。
鹿島もその後攻め続けたもののゴールは割れず、アディショナルタイムはあっという間に過ぎ去り。
そして1-1のまま笛が鳴り、後半終了となったものの延長戦へ。

エンドは前半時へと戻り、甲府のキックオフで始められた延長前半。
いきなりマンシャのウタカへのロングパスから、セカンドボールを拾った宮崎がシュート(ゴール右へと外れる)と甲府がフィニッシュで終わらせ。
その後鹿島の攻勢を浴びるも、延前4分には須貝のミドルパスがエリア内のウタカに収まる好機。
そして放たれたシュートは植田がブロックした末GK沖がキャッチと、一刺しの強烈さでは甲府が上回る流れとなります。

ここが勝負所と見るや、7分にベンチが動き追加された交代枠を使用、ジェトゥリオを投入します。(宮崎と交代)
一方交代機会を温存していた鹿島は2度交代が出来る状況でしたが、6分に垣田が頭部へダメージを受けたらしく倒れ込み。
これにより9分に垣田→土居へと交代し、前線はパワーダウンといった印象となり。

投入されたジェトゥリオは早速、8分にウタカのラストパスを受けてシュート。(昌子がブロック)
これで得た左CK、キッカー品田のニアへのクロスがクリアされて2本目となると、今度はファーに高いクロスを上げる品田。
これが直接ゴールを襲うボールとなり、右ポストを直撃して跳ね返り。
狙ったかどうかは不明ですが、とにかく偶発的でも何でも決めた方の勝ち、という延長戦の戦い。Vゴールでは無いぞ

それを甲府は前年の戦いで痛いほど理解したでしょうか。
散々フィニッシュを放った末に、迎えた15分マンシャ縦パス→小林前方へポストプレイ→長谷川ドリブルで素早く持ち込み、ミドルシュートを放った長谷川。
これをGK沖が正面でキャッチにいき、弾いてしまうもすかさず詰めたジェトゥリオのシュートもブロックして防いだ沖。
その後の須貝のシュートも植田がブロックと、鹿島も「20冠」のクラブの意地を見せて勝ち越しは許しませんでした。

そして延長後半へと突入、既に体力も限界な両クラブ。
鹿島は圧され気味な延長前半を過ごした事で、攻撃はすっかり衰えてしまったでしょうか。
崩しを選択せず、サイド手前からのクロスへと傾倒する形となりましたが、肉体的にも精神的にもエンプティな状況では仕方無く。
たまに放たれるピトゥカのミドルシュート(延前・延後ともに1本ずつ)がどうか、という攻めに終始します。

それを突きたい甲府、あくまでサイドでは奥を取る姿勢を崩さず。
右サイドでは蓮川も高い位置で絡み、攻撃的な3-4-2-1と見間違うような攻めも何度か見られ。
しかし入れられるクロスは、GK沖の好判断のパンチングもありシュートには繋げられません。

そして延後10分、鹿島も最後の交代で佐野・広瀬→松村・関川へと2枚替え。(樋口がボランチに回る)
フレッシュとなった右サイドから攻め上がらんとする鹿島ですが、フィニッシュには届かず。
突入したATでは、鹿島のカウンター→甲府のカウンターというせわしない絵図も生まれますが、そのカウンターも精度を欠き。
既にプレーするだけで精一杯、というような疲労度合いだったでしょうか。

そして1-1からスコアが動かぬまま、とうとう延後終了を迎え。
決着の舞台はPK戦へと移りました。

鹿島1人目のピトゥカ・甲府1人目の須貝が、ともにGKが同方向に飛ぶも届かないシュートを決めての幕開けとなったPK戦。
しかし2本目、鹿島は樋口が右へとシュートするも、GK渋谷がセーブ。
これで優位に立ったはずの甲府でしたが、ジェトゥリオも右へのシュートをGK沖がセーブと防がれ。

3本目、鹿島は土居がようやくGKの逆を突くシュートを決め。
これで一息つくかと思われましたが、甲府は長谷川が中央へのシュートを選択。
グラウンダーのボールを、右へ跳んだ(キッカーから見ると左)GK沖が残した足で触れますが跳ね返せずゴール。
何とか成功させた甲府。

4本目で関川が成功した鹿島、それに対し甲府はウタカを選択。
大ベテランらしい、ワンテンポ置いたキックでGK沖を釣り出して逆を突く技巧で成功します。

いよいよプレッシャーのかかる5本目ですが、鹿島は鈴木では無く仲間。
鈴木はリーグ戦で17節・湘南戦(1-0)での2連続失敗(一度止められ、蹴り直しも止められる)という事象があり、この局面でそれを考慮したものの結果的に拙かったか。
仲間の左へのシュートはコースが甘く、同方向へ飛んだ渋谷に身体であっさり止められてしまいます。
これで絶体絶命の鹿島ですが、甲府5本目を務めたマンシャに対し、GK沖はここで左右に動くスタイルを採り揺さぶりに掛かり。
そしてそれが奏功したか、左に放たれたシュートを見事セーブした沖。

これでサドンデスに持ち込まれ。
6本目から、安西・松村・植田・昌子が成功させるも、依然としてキッカーに出て来ない鈴木。
一方の甲府も6本目以降、野澤・品田・蓮川・松本凪が成功。

迎えた10本目も鈴木は蹴らず、GK沖がキッカーに。
これを物怖じせずゴール左へ強烈に突き刺した沖。
これで自身が止めれば……という所でしたが、(水分補給したため)遅延行為で警告を受けてしまいミソを付け。
それでも効果はあったようで、小林の左へのシュートを弾いた沖。
しかし威力を殺す事は出来ずゴールに吸い込まれ成功となり、とうとう11本目に。

止むにやまれず、という感じで出て来た鈴木。
ゴール中央へのシュートを選択して成功と、悪夢を振り払い。
一方の甲府は残っていたGK渋谷が務め、これも沖同様に強烈なキックをゴール左へ突き刺し。

とうとう一巡してしまい、二巡目も順番は同一なため12本目はピトゥカと須貝。
ピトゥカはGK渋谷も反応できない程のシュートを右へと突き刺し。
そして須貝も決め、この攻防はどこまでエスカレートするのかと思いを巡らせる外野の自分。

迎えた13本目、お互い一度目を失敗している両者のキック。
鹿島は樋口で、今度はGKが届かない所へ……という意識が強かったでしょうか。
ゴール左へ放ったものの、上を狙いすぎてしまったかゴール上へと逸れて失敗。
これで決めるのみとなった甲府、ジェトゥリオが放ったシュートはゴール右へ。
強烈なシュートはGK沖が反応できずネットを揺らし、決着が付きました。

キックオフから3時間に迫るという激戦を制したのは甲府。
再び鹿島を下し、今季も優勝を狙うクラブへと名乗りを上げました。
しかし勝ち進むとACLも加わっての超過密日程が……

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