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ぶらりドリブルの旅

ひたすらサッカー観戦がメイン

DAZN観戦 2021年J2リーグ第25節(順延) レノファ山口FCvsツエーゲン金沢

2021-09-16 16:41:18 | サッカー視聴記(2021年J2)

※前回の山口の記事はこちら(28節・栃木戦、2-3)
※前回の金沢の記事はこちら(23節・千葉戦、1-2)
※夏の移籍情報についてはこちら

19節以降未勝利と、長いトンネルに入ってしまった金沢。
おかげで11位だった順位(18節終了時点)は、とうとう降格圏の19位にまで転落と、残留争いにどっぷり浸かる羽目になってしまいました。
10戦で引き分けすら2度あるのみ(8敗)と、深刻さが伺える星取り。
順延のため、中2日でウィークデーに開催となったこの試合。
そのためスタメンを5人入れ替えて臨み、その中には育成型レンタルで加入した平松の名前もありました。

一方の山口は、金沢以上にコンディションに気を遣い、8人入れ替えという大処置を敢行。
金沢同様に、育成型レンタルで加入した桑原が左ウイングバックで初のスタメンとなり。
こうした状況下で、普段通りのサッカーを貫けるかどうかが注目となるでしょう。

金沢ボールのキックオフで試合が始まり、その最初の攻撃で藤村の大谷狙いのロングパスが巧く繋がり、嶋田のシュートが生まれます。(GK吉満キャッチ)
しかし山口は前半3分右サイドから高木がサイドチェンジ、受けた桑原が手前からクロスを入れると、こぼれ球を拾った大槻から受けた高井がシュート。(ブロック)

普段よりも3バックの左右の上がりは自重気味で、上記のシーンのようにWBへとボールを送ったのち、長いパスを使っての攻撃が目立った山口。
桑原の他、戦線復帰を果たして実に15試合ぶりのスタメンとなった高木が右WBを務め。(出場自体は12試合ぶり)
両翼がフレッシュな顔ぶれだったため、立ち上がりに出来るだけ多くプレーに関わらせる配慮があったでしょうか。

そんな中で迎えた10分、ここも最終ラインから右で受けた高木が中央へ縦パス。
大槻のポストプレイは繋がらずも、奪い返した池上がそのままエリア手前中央からシュート。
グラウンダーでゴール右へと突き刺し、先制に成功した山口。

幸先良い立ち上がりとなり、尚も11分に高井が中央をドリブルでエリア内を伺い、左へ展開されたのち桑原のクロスが上がり。
これを大槻がバイシクル気味にシュートしますが、枠を捉えられず。
ここまでは盤石と言って良かった山口の流れ。

一方の金沢、立ち上がりはひたすら大谷の裏抜けを狙った攻撃を繰り広げるも有効打とはならず。
その間にスコア的にもビハインドとなってしまいましたが、15分に大橋の縦パスを受けた大谷から左へ展開し、長峰のクロスが上がり。
丹羽の折り返しから、大谷がボレーシュートを放ちましたが僅かにゴール右へと外れ。

大谷を使った攻撃は変わらずも、狙いを微調整して掴んだ好機。
ここから金沢は、裏抜けを他選手(丹羽・平松)に狙わせる手法が多くなり。
21分には右サイドで松田がボール奪取、パスワークを経て中央の大谷がドリブルで前進、左に叩いたのち平松がエリア内に進入しシュート。
しかしゴール右へと外れてしまい、1-0のまま23分に飲水タイムが挟まれます。

ブレイク明けは再び主導権の掴み合いとなり、27分にはGKのスローからお互い好機を作り。
その内訳は、山口は池上の左からのクロスを大槻が受けにいくも、金沢・石尾に倒され撃てず。(反則無し)
一方の金沢、平松→大谷→大橋→丹羽と繋ぎ、丹羽がエリア内右からシュート(ブロック)とフィニッシュまで持っていきました。

そんな両者の結果が影響したか、以降山口は攻撃権を握るも、シュートまで繋げられずに時間を費やし。
逆に金沢は40分過ぎからペースを掴み始めます。
42分に大橋の左サイド裏へのロングパスが大谷に通り、カットインを仕掛けるも山口・高木に倒され奪われ。(反則無し、このシーンの影響か44分に異議で嶋田に警告)
その直後にも嶋田の裏へのロングパスを大谷が折り返し、丹羽がヘディングシュート。(GK吉満キャッチ)
アディショナルタイムには、藤村のロングパスを大谷が落としての好機となり、嶋田のミドルシュートがブロックされたのちも尚大谷がエリア内で拾い継続。
右から横パスを入れた大谷、これを藤村が合わせますが枠を捉えられず。
最後に流れを掴んだ金沢でしたが、同点には追い付けず前半を終えました。

共にハーフタイムでは交代無く、前半のメンバーを継続して後半に臨み。

入りの後半1分、金沢は左サイドの長峰(特別指定)・平松の初スタメンコンビの関係性で好機を演出。
2人のパスワークで前進したのち、大橋からクロスが入り中央で大谷が合わせにいくも撃てず。
ここからペースを掴み、6分には松田のボール奪取から、大谷がエリア内右へと進入してシュート。(枠外)

一方、前半立ち上がりに見せたWBを使っての好機は影を潜めつつあった山口。
高木が故障明けという要素もあり、徐々に体力が落ちて来たような印象でした。
9分河野が右→左へサイドチェンジを送り、受けた高井がエリア内左へ進入しクロス。
前半の高木・桑原の役割がシャドーに移ったかのようなシーンが描かれると、これをファーサイドで合わせたのは高木でしたが、枠には飛ばず。
チーム事情による方針転換が伺えたものの、迎えた12分に左コーナーキックの好機。
キッカー池上のクロスをニアサイドで高木がフリックすると、中央で高井が合わせゴールネットに突き刺します。
高木のアシストで追加点を得た山口。

しかし高木はこれがこの日一世一代の仕事だったようであり。
また15分にはこぼれ球の処理を桑原がミスし、大谷が拾って金沢に好機を作られます。(大谷→平松へのミドルパスが繋がらず終了)
こうした状況で、17分に山口は高木・桑原→川井・石川へと2枚替え。
当然過ぎる動きでしょうが、WBにレギュラー2人をあてがい残り時間に挑みます。

早めに1点を返したい金沢。
ボールを握らされる展開も増えていき、22分には山口のプレスを浴びつつ最終ラインでの繋ぎを余儀なくされるシーンが。
ここは必死に左右にサイドを振り何とか脱出し、長峰がクロスを上げる攻撃に繋げたものの、続く23分。
楠本の反則気味のチャージで敵陣で奪った山口、右→中央→左へと動かし、エリア内左から高井がクロス。
クリアされるも、楠本がダイレクトで送ったボールをエリア内右で河野が入れ替わりで収め、そのままシュート。
ゴールに突き刺さり、決定的といえる3点目が山口に入り、同時に(足を攣らせた河野とともに)飲水タイムへ突入します。

明ける際に山口は再度2枚替え、大槻・河野→草野・島屋に交代と、レギュラークラスの選手を逐次投入していきます。
逆に中々手が撃てずにいた金沢、既に3点差となってしまい。
28分にようやく平松・嶋田→大石・金子へ交代と動きます。

自陣から組み立てての攻撃は左サイドが多かったこの日の金沢、平松が退いた後でもそれは変わらず。
32分には左サイドで長峰がスルーパスを送り、クリアされるも丹羽が拾い、大石が奥へと切り込むもクリアされタッチを割り。
そのスローインから、中央の藤村へと渡りミドルシュートが放たれますが、ブロックに当たりゴール左へと外れ。
これまで4戦連続で無得点という現状を打破する事に目標を絞り、望みを捨てずに攻撃します。
33分には丹羽・大谷→瀬沼・力安へと交代と、2トップを入れ替え。(金子がFWへと回り力安が左サイドハーフ、大石が左SH→右SHへシフト)

一方の山口、金沢の反撃をいなしつつ、最終ラインからのロングボールにより組み立てるという余裕を持った攻撃。
しかしその形から、ロングパスを収めた草野が金沢・大橋に反則を受けてフリーキックを得たのが39分。
中央やや右・かなり手前という位置でながら、キッカー石川は低いボールで直接蹴り込み。
ボールはエリア内でバウンドし、そのままゴール左へと突き刺さるロングシュートとなります。
これで4点目を挙げた山口、3点ですら今季最多得点でしたが、早くもそれを更新する事となります。

お祭り騒ぎになっても可笑しくない(実際になっては駄目ですが)山口のホーム・維新みらいふスタジアムでしたが、そんな空気が悪影響となったのか。
直後の40分、自陣で川井がパスミスしてしまい、中央で大石が拾って金沢の攻撃。
パスを瀬沼に送ったのち、エリア内へのリターンに走り込んでシュート。
完全に裏を取った形となり、ゴールネットを揺らした大石、これでようやく5試合ぶりの得点を挙げた金沢。

その後も諦めずに攻め込んだ金沢でしたが、以降シュートまでは辿り着けず。
山口も44分に高井→田中渉へ交代(池上がボランチ→シャドーへシフト)と、守備へと傾倒するカードを切った事もあり、無理にフィニッシュを狙わず。
結局4-1のまま山口が逃げ切り、シーズン8勝目を挙げて勝ち点を30台に乗せました。

4枠が降格の残留争いですが、中断前は降格圏に居たクラブが揃って勝ち点を徐々に積み上げている再開後のJ2リーグ。
おかげで金沢がその波に呑まれ、山口も危険な状況になりつつありましたが、無事に一息付けたこの日。
中断前は金沢と山口が同じ勝ち点(26)だったという事もあり、蹴落としに成功したという表現がピタリと嵌ったでしょうか。


DAZN観戦 2021年J2リーグ第29節 愛媛FCvs大宮アルディージャ

2021-09-15 16:54:32 | サッカー視聴記(2021年J2)

※前回の愛媛の記事はこちら(25節・北九州戦・2-2)
※前回の大宮の記事はこちら(26節・岡山戦、0-1)
※夏の移籍情報についてはこちら

降格圏同士の直接対決という重要なカード。
特に愛媛にとっては、リーグ再開後から続いていた「残留争いのライバルが相手の試合」は、この試合でひとまず終わり。
30節以降は上位・中位との対戦ばかりとなるので、是が非でも勝ち点3が欲しい試合になるでしょう。
重要な一戦を迎える中、茂木と近藤の2人がベンチ外となり、西岡と榎本が再開後初スタメンを果たすなど若干再編成気味なメンバーに。
移籍加入してきた高木をメンバーに加えた事で残留へのピースは揃ったようですが、その一方で流動的な構成を余儀なくされているのでしょうか。

一方の大宮、前回の記事で「2勝しないと追い付けない」と書いたのですが、その途端に連勝してあっさりビハインドを跳ね除け。
得点力がついに爆発し、成績的には愛媛と同じ勝利数(5勝)ながら、意気は軒昂といった様相が伺えます。

立ち上がり、キックオフからの攻撃を大宮がエリア内で河田がボールを持つ好機に繋げるも、その後愛媛が押し返し。
右サイドのスローインで前進していき、前半4分に奥からのスローインを受けにいった石井がスルーし、後ろから大谷が走り込んでシュート。
ブロックされ中央へこぼれた所を、榎本が右足アウトサイドでシュートしますが、GK南が何とかセーブ。
技ありのシュートで先制パンチを浴びせました。

しかし6分に大宮は、その出鼻を挫く事に成功します。
奥抜が左ハーフレーンをドリブルで持ち上がり、彼から受けた河田が右へ展開し、馬渡が手前からクロス。
これを奥抜がヘディングシュートで捉え、ゴール右へと突き刺し。
長い離脱期間を経て後半戦は全試合スタメン出場している奥抜、早速その攻撃力を発揮して先制点を齎しました。

これで流れは大宮へと傾き、最終ラインからじっくりと繋ぐスタイルで攻撃権を支配。
三門が最終ラインに降りる「丁の字型」でのビルドアップから、主に対角線のミドルパスで攻撃を組み立て。
愛媛のプレッシングが嵌らないのもあり、面白いようにこのパスが通り、クロスを入れるシーンを作り上げます。
逆に愛媛の攻撃は、大宮のプレッシャーで思うように繋げられず、16分にはGK岡本のキックミスでみすみすコーナーキックを献上してしまうなど奮いません。

25分に飲水タイムが挟まれたのちも、概ねその流れは変わらず。
31分には三門から右サイドへ展開し前進、黒川がカットインからエリア内右へスルーパスを送り、走り込んだ菊地がシュート。(ブロック)
攻撃権を支配し、着実にシュートを重ねていく流れを作った大宮。
しかしそれが油断に繋がったでしょうか。

38分の愛媛の攻撃、実に28分以来の攻撃機会(自分の集計)となり、最終ラインから作っていくという大宮のお株を奪う攻め。
栗山から左へ展開し、左サイドから攻める素振りを見せたのち、再び栗山の下へと戻してから右へロングパス。
これを受けた忽那からクロスが上がると、藤本が中央でヘディングシュートを放ち、ゴールネットを揺らします。
サイドを揺さぶった事以外は極めてオーソドックスな攻撃だと感じましたが、防げず試合を振り出しに戻された大宮。
直後に再び奥抜のドリブル突破から好機を作るも、シュートまでは持ち込めず。

逆に、シンプルながらも主体的な攻撃を結果に結び付けた愛媛。
キックオフからの大宮の流れを切ると勢い付き、41分には敵陣左サイドで榎本が拾ってからの攻撃。
藤本が石井とのワンツーで中央へ切り込み右へ展開、受けた小暮が前進してシュート。
ブロックされて右CKを得ると、キッカー川村はニアサイドへ低いクロスを入れる、フリックさせる事を選択。
これに入り込んだ西岡が足で合わせると、擦らされたボールはそのまま左サイドネットへと突き刺さり。
短い時間で逆転に成功した愛媛。

その後大宮は完全に流れを失い、好機を作れず。
アディショナルタイムには逆にパスミスから愛媛の好機となり、川村がミドルシュートを放つ(GK南キャッチ)など攻守交替の様相に。
これを何とか凌ぎ、2-1で前半を終えます。

ともに交代無く、迎えた後半。
ロングボールの蹴り合いの入りを経ても、中々主導権は定まらない流れに。

そして後半5分に最初の好機を掴んだのは大宮で、右サイドから馬渡のクロスが入ると、こぼれ球になった所を菊地がシュートにいき。
しかしディフェンスに入った愛媛・川村を蹴ってしまい(笛は鳴らず)、さらにこぼれた所を三門がシュートするもゴール上に外れ。
川村が痛んだため1分程試合が止まり、ファーストシュートは放ったものの流れは得られずといった感じの大宮。

すると愛媛の攻勢が始まり、8分には高木のボール奪取から敵陣で攻撃開始、左からカットインを仕掛ける榎本を小島が倒してしまい反則。
左ハーフレーン・エリアからすぐ手前のフリーキックを得た愛媛、これを石井が直接シュートしますが壁に防がれます。
大宮サイドが安堵したのも束の間、11分には愛媛のカウンターで、クリアボールを拾った藤本が右サイドをドリブル。
対峙する西村をかわして尚も前進する所を、西村が後ろから引き倒す格好となり反則、当然警告の対象に。(カウンターかつエリア目前だったため、一発レッドでも可笑しくなかったが……)
今度は右ハーフレーン・エリアからすぐ手前という、先程と対称の位置でのFK、川村が直接シュート。
壁に当たるもゴール中央を襲い、GK南がパンチングで防ぎます。
菊地のプレーで端を発してしまったのか、反則による危機が続いた大宮。

しかし何とか乗り切った先に待っていたのは幸運でした。
13分、最終ラインからの組み立てで左→中央→右へとサイドを移したのち、ダイレクトパスの連続を経て小島がエリア内へスルーパス。
走り込んで受けた奥抜(セットプレーの流れで右サイドへ移動していた)からグラウンダーでクロスが入り、中央の菊地の下へ。
合わせるものの打ち切れずとなるも、愛媛・大谷に当たってゴールに吸い込まれ、オウンゴールの形となって同点に。
自身の得意な形からの得点を挙げた大宮、スコアの通り試合を落ち着かさんとします。

暫くどちらも攻撃機会を掴めない時間が続いたのち、17分に大宮が(2-2となった後)最初の攻撃。
小島が左ハーフレーンを黒川とのワンツーを絡め前進し、エリア内へとスルーパス。
受けた奥抜が切り返しからシュートするもブロックされ、エリア内右で拾った馬渡の戻しから三門がミドルシュート。
しかしこれがブロックされると、最悪の結果を招く事に。
跳ね返りが直接石井の下に渡って愛媛のカウンターが発動し、藤本がドリブルでエリア手前まで持ち込み。
中央へ流れたのち、左へ叩くフェイントを挟んでエリア内右へスルーパスを供給し、そこに完全フリーで走り込む石井。
そして放たれたシュートが左サイドネットを揺らし、再度勝ち越した愛媛。
皮肉にも大宮最初の攻撃が、愛媛のゴールを呼び込んでしまう事となりました。

自身がペースを掴んだ思ったら失点するという、いかにも下位に沈むチームらしい試合展開を描いてしまった大宮。
3失点目の直後に最初のカードを切り、奥抜・菊地→柴山・イバへと2枚替えを敢行し、ネジを巻き直しに掛かります。

その効果を得るかの如く攻め上がる大宮、19分には河田がエリア手前からシュート。(エリア内の黒川に当たりオフサイド)
続く20分にはエリア内中央でイバが収めて横パスという絶好機も、黒川の前でクリアされCKに。
立て続けにゴールを脅かすと、続く右CKで三度目の正直。
キッカー松本のクロスがニアサイドに入ると、河田がヘディングシュートを対角線に放ち、ゴール左へ突き刺し。
河田の3試合連続ゴールで、またも試合は振り出しとなります。

その後23分に愛媛ベンチも動き、小暮・藤本→忽那・唐山へと2枚替え。
大宮同様に交代効果を得て押し込み、26分にCKから、クリアボールを拾った榎本がシュートした(枠外)所で後半の飲水タイムに。

再開後、4点目を目指さんと両軍前掛かりになるベクトル。
その結果オープンな展開へと移行し、30分には1分間に併せて3度攻撃機会が生まれる(大宮2・愛媛1)といった事態も起こります。

その中で光ったのは愛媛・榎本で、30分には自らドリブル突破で自陣から一気にエリア内へと入るシーンを作り。(シュートまではいけず)
32分には石井とパス交換しつつ前進、左サイドから高木のパスを受け、エリア内からシュート。(ブロック)
両軍疲労感漂う中、突破力が非常に効いていた時間帯でしたが、35分にお役御免となります。(山瀬と交代)

榎本が退いても、尚も攻め上がる愛媛。
36分には右サイドでの攻撃、忽那がドリブル突破から低いクロスを入れると、代わって入った山瀬が合わせるも枠を捉えられず。
38分にはカウンターで忽那がドリブルで持ち上がり、横パスを受けた唐山が左ハーフレーンからミドルシュートを放ちますが、惜しくもゴール右へと外れ。
榎本の代わりに忽那が突破力を発揮した格好となりましたが、肝心のゴールは奪えず。

押され気味となった大宮。
34分に黒川→中野へ、42分に松本→山田へと交代し、交代機会を使い切り。(馬渡が右SB→左SBへ)
それでも再度ペースを握るのは、愛媛が攻め疲れを見せた感のあったATまで待つ必要がありました。

試合終盤でも、最終ライン3枚での組み立てを貫き通す大宮。
それでも櫛引が右サイドを突破してクロスを上げる場面も見られるなど、なりふり構わず攻める姿勢も発揮し、4点目を奪わんとします。
柴山のクロスをイバが収めてシュートにいく場面や、かなり手前からのFKを西村が合わせる場面などありましたが、後一歩足りず。
既に3点奪っている以上、やはりこれ以上得点出来る運が転がり込む確率は低く。
結局3-3のまま引き分けとなり、降格圏を抜ける勝ち点3は齎されずに試合が終わりました。(一応大宮の方は、勝ち点1を得た結果18位に上がりましたが)

リーグ再開後、6試合消化で愛媛は7・大宮は9と勝ち点を少しずつ積み上げる戦いを演じ。
まさに残留争いの渦中のクラブといった歩みですが、とにかくこの戦いを貫き通し、朗報を信じる他ないでしょう。


DAZN観戦 2021年J2リーグ第29節 水戸ホーリーホックvsブラウブリッツ秋田

2021-09-14 16:53:04 | サッカー視聴記(2021年J2)

※前回の水戸の記事はこちら(27節・新潟戦、4-0)
※前回の秋田の記事はこちら(26節・長崎戦、1-1)
※前回の両クラブの対戦はこちら(10節、秋田 1-0 水戸)
※夏の移籍情報についてはこちら

中断明け以降5戦3勝(1敗1分)の水戸。
その3勝はいずれも上位クラブとの対戦(琉球・新潟・山形)であり、戦闘集団の本領発揮といった所でしょうか。

そんな状況で狙ったかのように、全く趣向の異なるサッカーを貫く秋田との一戦が組まれているのは日程のあやなのか。
前半での対戦は、早い時間に先制を許すと、ピッチに吹き荒れる強風にも苦しめられて完封負け。
何とかリベンジを果たしたい対戦となりましたが、その意気込みは今回も早々に挫かれる事となります。

前半1分、相手のクリアミスで安藤がエリア内でボールを持つシーンが生まれましたが、シュートまではいけず。
秋田のアバウトさが仇となるようなワンシーンでしたが、直後にそれを払拭するような攻撃で結果を叩き出します。
2分、フリーキックを素早くリスタートし武の収めから敵陣深め左サイドで攻撃。
細かい繋ぎからエリア内へ送られ、左から茂がシュートを放つと、これがナチュラルなクロスのようになりファーサイドで跳び込んだ吉田が合わせゴール。
最初の好機を綺麗に得点に結び付け、前回対戦時を上回る早さで先制した秋田。

早くもビハインドを強いられる水戸。
以降ボールを握らされる展開となり、かつ秋田のプレッシングの激しさを避けなければならないという状況。
それを警戒し、相手の2トップ(武・吉田)に対して、中里が降りて3人での最終ラインによるビルドアップの形を採り。
しかし以降の秋田はそれほどプレッシングを掛けず、自陣を固める方を優先する姿勢を見せ、肩透かしを食らったような状態となります。
当然ながらアタッキングサード~その一歩手前での秋田の寄せは激しく、水戸は攻撃機会は膨らむものの、フィニッシュへの道は険しいものとなりました。

18分にようやく最初の絶好機が訪れ、左サイドで攻める姿勢から一転右へと展開し、松崎のスルーパスを受けた安藤が奥からマイナスのクロス。
ニアサイドで村田が合わせましたが、ゴール左へと逸れていきモノに出来ず。
「少ないチャンスで全力を尽くす」というのは秋田のチームカラーでしょうが、この日の水戸も、違うアプローチながらもそんな精神を見せなければ勝てない。
そんな事を考えさせられるワンシーンとなりました。
22分に秋田・吉田が、水戸・細川との競り合いで頭部を痛めたというタイミングで飲水タイムへ。(吉田は無事に復帰)

前節(群馬戦・1-0)に、待望の後半戦初勝利を挙げた秋田。
苦戦を強いられ、各クラブ対策が進んでいるのでは……という懸念が過るタイミングでの勝ち点3は何よりの良薬となったようであり。

メンバー的には、守備の要であるセンターバックのポジションに苦心。
大ベテラン・加賀が故障で長期離脱となり、さらに谷奥が27節(琉球戦・1-2)で負傷交代。
千田の復帰があっても差し引きマイナスで、この日はCBの控えはベンチに不在という状況となっており。
苦しさが成績面にも現れる中、それでも自分達のサッカーを貫徹するのみという戦い。
そのスタイル的にも、水戸とは違った意味で戦闘集団と呼びたくなる雰囲気が感じられますが、ダブル達成でそれを見せ付ける事が出来るか。

ブレイク明けも水戸がボールを握る展開は変わらずも、秋田は一度攻撃権を得れば、パワーを持って敵陣に攻め上がり。
26分には沖野がパスカットからドリブルで前進、パスを受けた武が中央からミドルシュート。(ブロック)
31分にはクリアボールが吉田に繋がり、沖野が右サイド奥までドリブルで切り込んでクロス(シュートまではいけず)と、沖野の突破力を橋頭堡とする攻撃。

それでもメインの手法はクリア気味のロングボールをFWに送るもので、そのためサイドバックの攻撃参加は目立たず。
しかし36分、左サイドでの繋ぎから吉田が逆へと振り、受けた藤山(右SB)が前進から沖野へパス、そして追い越してリターンを受けてクロス。
これを武がニアサイドで合わせヘディングシュートと、綺麗なサイドからの崩しを見せてのゴール。
ワンポイントでSBが決定的な仕事を見せた秋田、前半のうちに追加点を奪いました。

以降も水戸は攻撃権を握るものの、秋田の速い寄せの前にシュートは撃てず。
FWへ縦パスを入れても収めるのは困難、サイドから攻めてもクロスは悉くブロックされるというシーンが続き。
エースの中山仁斗も、狭いスペースの中そもそも仕事をする場面が生まれ辛い状況で、結局0-2のまま前半を終える事となります。

流れを変えるべく、ベンチもハーフタイムで3枚替えという大胆な策に踏み切った水戸。
奥田・村田・新里→伊藤・黒石・金久保へと交代。
金久保がボランチを務める、(恐らくは)初の布陣を披露しての反撃体制を採ります。

その後半の水戸のビルドアップは、中里が降りるという場面は減り。
代わりにサイドハーフ(右=松崎、左=伊藤)が降りて来てCBからパスを受けるシーンを増やす振る舞い。
立ち上がりにこうしたギャップを作る事で秋田の目線をズラそうという狙いは明白で、実際に時間が進むにつれてその動きは収まり、オーソドックスなボックス型での繋ぎが目立っていきました。

しかし相変わらず、スペースを作らない秋田のディフェンスの前に苦戦。
後半13分にようやく、右サイドで金久保が前進ののち松崎に渡り、ディフェンスに遭いこぼれた所を中央から松崎がミドルシュート。(枠外)
それでも苦し紛れに放った感は拭えずというフィニッシュで、中々好循環を作れない水戸。

一方、8分に2トップを揃って交代した秋田。(武・吉田→中村・齋藤)
浅めのFKから、長いロビングをエリア内へ折り返すという手法を採っていた攻撃ですが、そんな姿勢が幸運を招き入れます。
17分に左コーナーキックを得ると、キッカー輪笠のクロスがGK牡川に跳ね返されたのち、逆サイド手間から稲葉のクロス。
ファーサイドで増田が合わせにいく中、その前で中村が水戸・安藤に倒された所で、主審(岡宏道氏)の笛が鳴り響き反則・PKとなります。
これを中村がしっかりゴール中央へと蹴り込み、貴重な追加点を得た秋田。

このゴールの直後に両軍選手交代。(水戸=安藤→藤尾、秋田=沖野→三上)
水戸はさらに23分、松崎→山根へと交代し、早くも5人の交代枠を全て使いきる事となった秋葉忠宏監督。

既に攻める必要性が無くなった秋田に対し、過剰ともいえるボール支配により攻め上がる水戸。
そうせざるを得ないという側面もありますが、それでもその姿勢が良い結果を呼ぶとは限らず。
秋田のブロックの外側でボールを回し、チャンスボールを打ち込んでもすぐに寄せられ跳ね返される、といった大きく変わらないシーンが続きます。
29分には中山仁狙いのロングパスから、中央で細かくパスを繋いだのち、伊藤の中央突破からのこぼれがエリア内の中山仁に渡る絶好機に。
しかし間一髪で秋田・千田がクリアしシュートは撃てず。

3点リードしているうえ、外側である程度持たせても良いという意識が、心理的有利を齎しているようである秋田。
こちらも32分に最後の交代カードを切り、輪笠・茂→才藤・井上へと交代。
藤山がボランチに回り空いた右SBに才藤が入る、こちらも(恐らくは)これまで見られない配置に。
その直後に決定機が到来、右サイドで中村が浮き球を収めたのちさらに裏へロングパスを送り、受けた齋藤から繋いで三上が奥へ進入。
そしてマイナスのクロスがエリア内へ入り、走り込んだ飯尾が合わせるも撃ち切れず、こぼれた所を井上がシュートするもブロックに遭い。
守勢の中にあっても、一度カウンターで敵陣に進入した際は恐ろしさを見せ付けます。

焦れる水戸、終盤には金久保と伊藤の位置を入れ替え、伊藤がボランチの位置から左右に動き回る体制を採り。
43分には右サイドで組み立て、一旦奪われるもクリアボールを中里が拾い、伊藤がクロス。
ニアで金久保のフリックを経て、ファーサイドで藤尾がボレーシュートを放ちますが枠を捉えられず。
秋田の守備が乱れている間に好機を作ったもののモノに出来ず、そして以降そんな絶好機は訪れる事は無くなります。

アディショナルタイムに入り、強引にでも崩さなければならない状況の水戸。
山根が右からエリア内へと仕掛けるシーンもありましたが、実る事は無く。
最後は中里のミドルシュートがブロックされたのち、尚も繋いで山根がミドルシュートを放つも枠外に終わり。
そして秋田の勝利を告げる、試合終了の笛が鳴り響きました。

終盤の選手交代からも、CBだけでなく全体の選手層の薄さが露わになりつつある苦しさが垣間見えた秋田。
それでもブレる事の無いサッカースタイルを持ち合わせているのが何よりの支えであり、一体感はリーグ屈指といえるでしょう。


DAZN観戦 2021年J2リーグ第28節 栃木SCvsレノファ山口FC

2021-09-08 16:32:48 | サッカー視聴記(2021年J2)

※前回の栃木の記事はこちら(順延25節・群馬戦、0-1)
※前回の山口の記事はこちら(22節・磐田戦、2-2)
※夏の移籍情報についてはこちら

開始早々の前半1分、溝渕のラフな蹴り出しが、ワンバウンドして山口ディフェンスの裏を取るボールとなって栃木の決定機を演出。
これを受けた畑がエリア内からシュートするも、GK関がキャッチ。
何とか凌いだ山口ですが、これがハプニング性高いゲームの幕開けのようなシーンとなりました。

「ストーミング」スタイルを基調とする栃木とは裏腹に、山口は最後尾からしっかりと繋ぐスタイルを軸に、相手の隙を突いての攻撃を仕掛けるチーム。
しかしいきなりのピンチに浮足立ったか、4分にも栃木が決定機。
畑のボール奪取から谷内田が中央をドリブル、そしてエリア内へスルーパスを送ると、走り込んだ有馬がシュート。
GK関が前に出てセーブするも、勢い余った有馬と交錯してしまったのが山口にとって運の尽き。
跳ね返ったボールを西谷がダイレクトでエリア内に送ると、待ち受けていた豊田がバックヘッドでゴールへねじ入れるという技ありのシュート。
関が動けない状況ではどうにもならず、早々に先制した栃木。
この後関はその場で治療を受け、何とかプレイを続けるも、9分にこぼれ球を抑えた際に再度痛んでしまい続行不可能となってしまいます。
そしてベンチに入っていた吉満が急遽交代出場。

ハプニングによる被害を被ってしまった山口の立ち上がり。
気を取り直し、ボールポゼッションにより攻撃権を掴んで追い掛ける展開を演じます。

軸となっていたのが左ウイングバックの石川で、栃木のプレッシングを最終ラインでいなした末に、フリーになっているシーンが多々。
強度の高い栃木相手にしては、労せずしてビルドアップの出口と化しており。
そこから石川が中央へ縦パスを打ち込んだり、前へスルーパスを送ったりと、左サイドを起点とした攻撃を繰り広げます。

それでも好機となるのは、最終ラインで左右を揺さぶったのちの、裏狙いのロングパスという手法が目立った山口。
16分には田中陸のロングパスをエリア内右で収めた草野、そのまま右へと流れたのちシュートを放つも、前に出ていたGKオビ・パウエル・オビンナのブロックに防がれ。
直後にはヘナンのエリア内左へのロングパスに、今度は島屋が走り込んでダイレクトでクロス。
ファーに流れるも、その先に居た川井がシュート。(ブロック)

飲水タイム(23分)ののち最初に好機を作った山口、今度も変わらぬ手法で結果に結び付けます。
25分、左サイドから石川が中央へロングパスを送ると、草野が栃木センターバック2人(柳・乾)に付かれつつも収め、そのままペナルティアークからシュート。
栃木CBの対応の拙さも交わりましたが、縦ポン一発という言葉が相応しいゴールとなり、同点に追い付いた山口。

その後も攻勢を続け、好循環を保つ山口。
31分からコーナーキック攻勢に入り、1本目はクリアされたのち左サイド奥で組み立て、島屋がエリア内左から切り返してシュート。(ブロック)
2本目はクリアボールを拾った石川がミドルシュート。(エリア内のヘナンに当たる)
この時間帯は右サイドからの攻撃も交えつつ、多彩な攻めで栃木サイドを押し込みつつありました。

しかし38分に、草野が栃木・佐藤祥に反則を受けると、栃木・谷内田が異議(遅延行為かも?)で警告を受け。
ここから両チームに警告が出される展開となり、44分には佐藤祥に対し後ろから引っ張った山口・田中陸が、アディショナルタイムには田中渉をアフターで削ってしまった栃木・佐藤祥がそれぞれ受ける事に。

こうした乱戦模様になると栃木の思うツボで、ペースを失った山口を尻目に、終盤はGKオビンナのフィードを中心に攻撃を展開。
43分には山口・田中渉のロングパスを有馬がブロックし、前線で奪ってのショートカウンター。
畑のドリブルからのシュートは有馬に当たってしまうも、その有馬のポストプレイから佐藤祥がシュート(ゴール左へ外れる)と惜しいシーンを作り。
序盤に起きた関の負傷によりATは長めでしたが、上記の警告シーンもあり特に絶好機は見られず、1-1で前半を終えます。

「屈む年」の典型となってしまっている今季の栃木。
明本・田代といった主力選手が抜け、成績的にも前年から低下。
それだけでは無く、類似したチームカラーの秋田がJ3から昇格してきたという外部的要素もあり。
その秋田が残留争いを高みで見下ろす中位の位置をキープしており、どうしても下位互換と見られてしまいがちな栃木のサッカー。
従来のJ2クラブ相手に一歩も退かない秋田の戦いぶりが、逆に否定意見を呼び起こし(記事例1記事例2)「アンチフットボール」と揶揄される現象も起きる等、今季の秋田の存在が(賛否は別として)一定の波紋を生み出しているのは明らかでしょう。

前年のサッカーを取り戻すため、夏の補強ではオビンナ・黒﨑・溝渕を獲得し「出戻り組」を形成。
前節に久々の勝利を挙げた(愛媛戦・1-0)ものの、実にこれが12試合ぶりと、中断期間も考慮すればとても長く感じたであろう未勝利の期間。
サッカー的に、どうしても爆発的な攻撃力は期待出来ないチーム状況ですが、この日はここから意外な展開を描く事となります。

後半が始まり、ロングパスの蹴り合いによる入りを経て、川井のドリブルで反則・フリーキックを得た山口のチャンス。
クロスがクリアされるも、拾った田中陸から再度前線にロングボールが送られると、川井の落としを草野が受けてエリア内右を突く絶好機。
しかし放たれたシュートは右サイドネット外側と、枠を捉えられず。

後半の山口の攻撃は、一転して右CBの眞鍋が前に出る形を採り始め。
その分右側に出た渡部が起点となり、右サイド重視と見せかけて左へ展開するなど、左右くまなく使う攻撃を仕掛けます。

しかしその効果が出る前に栃木が攻勢を掛け。
後半9分、溝渕のミドルパスを中央で受けた有馬、そのまま左に流れ前進してクロス。
これがファーサイドに上がると、大外で黒﨑がヘディングシュートを放ちましたがGK吉満がセーブ。
ファーサイドへのクロスの威力が表れると、続く10分にもその攻撃を完遂。
ボランチの西谷を中心に、サイドチェンジのパスも交えつつ左右を揺さぶるという栃木っぽくない攻撃を経て、左サイドで谷内田がカットインからのクロス。
これもファーサイドに上がった末、合わせたのは豊田。
今度はGK吉満も止められず左サイドネットに突き刺さり、豊田の空中戦のパワーが炸裂して勝ち越し点を挙げた栃木。

再び追う展開を強いられる山口。
14分には渡部のロングパスが低いボールで島屋に渡り、そのままシュート(枠外)と、渡部が起点となる攻撃は機能しており。
また依然として、ビルドアップから石川がフリーで受ける場面が目立つなど、チャンスの芽は依然として健在。
栃木が4-4-2、山口が3-4-2-1というフォーメーションのギャップが、綺麗にこの現象を生み出していたという印象でした。

有利に進める山口ですが、得点は奪えぬまま後半の飲水タイムへ。(25分)
しかも栃木お馴染みの武器であるロングスローもある位置でのスローインで試合が切られた事が、大きな影響を及ぼす事となります。

明ける際に、島屋・田中渉→高井・河野に交代。(池上がシャドー→ボランチにシフト)
反撃意識を高める交代でしたが、逆に栃木の最初の攻撃への意識が薄れてしまったか。
左からのスローインで試合再開、当然栃木は溝渕がロングスローを入れ、ニアで柳がフリック。
これはクリアされるもボールは柳の下に収まり、中央方向へ切り返したのちエリア手前からシュート。
GK吉満のダイブも届かず、ゴール右へと突き刺さり追加点を挙げた栃木。
シュートは鮮やかでしたが、スローイン以外は柳のみで攻撃を完結という、珍妙なゴールシーンともなりました。

直後に栃木ベンチも動き、有馬・谷内田→矢野・森へと交代。
当然矢野がFWに入るのかと思いきや、矢野は右サイドハーフに入り畑がFWへ回ります。
これまで何度も山口・石川をフリーにしているのを防ぐための処置でしょうか。

そんな事を考えている内に、32分に再び栃木の好機。
左サイドから森がクロスを入れると、再度ファーサイドに上がったボールを矢野が中央へ落とし。
豊田のトラップを経て畑がシュート(ミートせずGK吉満キャッチ)と、攻撃面で矢野効果が表れ。

一方山口の攻撃は、石川への対処を受け、高井が降りてビルドアップの出口役となるシーンが目立ち始めます。
33分にはその高井からエリア内へロングパスが送られると、中央で裏に走り込んだ川井が収める好機となりますがシュートまではいけず。

35分に眞鍋が痛んだのを契機に、山口ベンチは再度動き。
眞鍋・石川→大槻・澤井へと2枚替え、CBを削ってFWを入れるという交代の通り、フォーメーションも4-4-2へとシフトします。
一方の栃木も39分に畑→大島へと交代し、矢野が本来のFWへとシフト。

40分には再び栃木が、左サイドからファーへのクロスという攻撃で、森のクロスに大島が合わせヘディングシュート。
しかし枠を捉えられずに終わると、山口が反撃。
最終ラインから右へ展開、川井から中央へ打ち込まれると、草野の前で栃木・西谷にカットに入られるもこぼれ球がエリア内の河野の下へ。
拾った河野は躊躇無くシュートを放ち、ゴールネットを揺らした山口。
遅まきながら2点目を挙げ、1点差に迫ります。

栃木は豊田が足を攣らせてしまったのもあり、キックオフの前に再度交代。
既に佐藤祥→松本へ交代していた所に追加で、豊田→三國ケネディエブスに交代しました。
山口とは逆に、FWを削ってCBを加える交代で、3-4-2-1へとシフト。
しかし45分に裏へのロングパスを通され、エリア内左から大槻がマイナスのクロスを入れるシーンが。
5バックで固める策を採ったのとは裏腹に、ピッチ上での意識が曖昧な面が見られ。

その後は高井の左サイドでのドリブルで反則を受けてから、セットプレーで押し込む山口。
サイドからのFKやCK、川井のロングスローなどを絡めて最後の攻勢を見せましたが、フィニッシュには辿り着けず。
結局3-2のまま試合終了と相成りました。

降格圏に順位を下げてからの連勝で、池から顔を出し一息ついたかのような状況となった栃木。
前年とは裏腹に守備面で危なっかしさが見られたこの試合でしたが、ハプニングにも助けられて撃ち合いを制する事に成功しました。
全盛期は去ったとはいえ、豊田のパワーは相変わらず驚異的で、残留の切り札となり得るでしょうか。


DAZN観戦 2021年J2リーグ第28節 V・ファーレン長崎vsFC琉球

2021-09-07 16:18:30 | サッカー視聴記(2021年J2)

※前回の長崎の記事はこちら(26節・秋田戦、1-1)
※前回の琉球の記事はこちら(25節・水戸戦、0-1)
※夏の移籍情報についてはこちら

中止が相次いだ事で、中断明け早々に前年を彷彿とさせる連戦を強いられた長崎。(天皇杯含めて4連戦)
その影響で、ホームでの開催もこの日が(リーグ戦では)初と、ヴィヴィくんのカメラにズームアップするあざとい入場シーンとともに久々の感触となりました。

前節は千葉相手に、恐らくは松田浩監督就任以降の体制ではワーストゲームらしき出来での敗戦。(0-2)
連戦の最後という事を考えれば仕方無いですが、それだけにこの試合で盛り返せるかどうかが大事となるでしょう。
スタメンはFWにベテラン・都倉を復帰させるという微調整を敢行し、上位に居る琉球との対決に臨みました。

入りの長崎は、中盤を省略するように最終ラインから縦パスやロングパスをFWに送る立ち回り。
FWエジガル・ジュニオを活かしつつの攻撃を見せますが、そのエジガルがポストワークの最中に勢い余って反則を犯す事2度。
2回目のものは前半7分、左ハーフレーンからの琉球のフリーキックで、清武の直接シュートを招く結果となります。(ゴール左上へ外れる)

その後琉球は、特徴である最後尾でのビルドアップから、斜めの縦パスを軸にして攻め上がりペースを掴み。
11分には上里がミドルシュートを放つ(枠外)など、主導権を握ったかに見えました。

しかし長崎は12分、再び江川が前線へロングパスを送ると、エジガルフリック→都倉ヒールパス→エジガル前進からパス→都倉エリア内左へ進入と2トップでチャンスメイク。
都倉のクロスはクリアされるも、こぼれ球を加藤大がエリア内右へ送り、受けた毎熊がシュート。(ブロック)
強力なFWの関係性から後方の選手のシュートに繋がる攻撃を見せると、以降はビルドアップも巧く回るようになります。

22分に長崎・エジガルが、24分に琉球・武田がシュートを撃ち合った(前者はブロック、後者は枠外)のち飲水タイムが挟まれ。
再開後は琉球が攻撃権を握り、攻勢を掛けようとするも、要所で立ち塞がったのが長崎のカイオ・セザール。
縦パスを打ち込んでも、彼にカットされたり、受けた所を奪われたりと流れを切られるシーンが続出しシュートまで持っていけずに終わります。

そのカイオのボール奪取から33分に長崎が好機を作る(エリア内まで運ぶもシュートまではいけず)と、綺麗に攻守交替の運びとなり。
直後にエジガルのボールキープに対し、後ろから琉球・武田がスライディングで倒してしまい反則・警告。
中央ながらエリアからかなり手前という位置で、キッカー加藤聖はロビングを選択し、エリア内右へ上がったボールを都倉が折り返し。
中央でさらに澤田が頭で繋ぐと、エリア内で受けた毎熊が切り返しからシュートするもブロックに阻まれます。
段々とゴールが近くなってきたという印象の攻撃で、その予感通りに絶好のチャンスが訪れる事となります。

37分敵陣左サイドで名倉が拾い、ディフェンスに遭い中央へこぼれたボールを都倉とエジガルが繋ぎ、受けた加藤がエリア内へ進入しシュート。
これを琉球・李栄直(リヨンジ)がブロックするも、跳ね返りが自身の振り上げた腕に当たってしまい、審判の笛が鳴りハンドの反則に。
当然PKの運びとなり、リバウンドが当たったという事で李は判定に不服の態度を示しましたが覆る事は無く。
腕が上がっていたのが主審(大坪博和氏)にとって悪印象だったというような傍らからの感想で、VARが無い以上仕方ないでしょう。
キッカーはエジガルで、ゴール右に蹴り込みしっかりとGK田口の逆を突き、先制点を挙げました。

反撃したい琉球ですが、その後もカイオの守備に苦しみながらの攻撃で、フィニッシュに辿り着く事は無く。
45分にはカイオを避けるように、福井の斜めの縦パスを阿部がスルーしますが、奥の武田には繋がらずというシーンがそれを象徴していたように思えました。

そしてアディショナルタイムに突入し、直前のプレーで李が倒れ込む中、再びのカイオのボール奪取から長崎が攻撃。
さらに名倉の縦パスをポストプレイした都倉が倒され、ピッチ上で2人が倒れ込む事態になりますが、プレーは切られなかったため攻撃を続ける長崎。
右ハーフレーンを毎熊がドリブルののち、エジガルとのワンツーでエリア内を急襲、奥まで切り込んでの切り返しからマイナスのクロス。
これを澤田が合わせてゴールに突き刺し、何となく腑に落ちない状況ながら、流れるような攻撃で追加点を挙げた長崎。
前半を2点リードで折り返す事となりました。

仕切り直したい琉球は、ハーフタイムで選手交代を敢行。
武田→池田へ交代と、故障離脱していた池田をこのタイミングで復帰させる手段を採りました。

しかし反撃の体制が整わないうちに、最悪の形で失点してしまう事に。
キックオフから最終ラインに戻し組み立てようとしましたが、右サイドへのパスを加藤聖がカットして長崎のショートカウンターに。
拾った加藤大からエリア内左へミドルパスが送られると、走り込んだエジガルからダイレクトで中央へ送られ、都倉がボレーシュートをゴール左に突き刺し。
前半終了間際・後半開始直後というタイミングでそれぞれ失点と、結果だけを見るならば「何をやっているんだ」と言われかねない追加点となりました。

その後何とか反撃を試みる琉球、トップ下に入った池田が右サイドで攻撃に絡むも、やはりシュートには繋がらず。
逆に長崎の攻撃が映える展開となり、後半7分にはカイオのパスの散らしから、毎熊のエリア内右へのスルーパスに走り込んだエジガルがヒールでクロスを入れる珍しいシーンが。(澤田が収めるも撃てず)
9分はエジガルのポストプレイを受けた都倉がドリブルからエリア内へスルーパス、エジガルが走り込んでシュート(GK田口セーブ)と、再び2トップの関係性を活かして決定機。
その後も攻撃を遮断され、反撃を奥深くまで繋げられるという琉球にとって辛い展開が続きます。
流れを変えたい状況で、15分に2枚替えを敢行。
上原牧人・清武→上原慎也・清水へと交代し、阿部・清水の2トップとする4-4-2の布陣へとシフトします。(上原慎は左SBに入り、金井が右SBへシフト)

2トップにした事で、後方からのロングパスに活路を見出す琉球。
20分に李のロングパスをエリア内で清水が落下点に入り、こぼれた所を阿部が拾って横パス、走り込んだ風間宏矢がエリア内からシュート。
しかしGK富澤が足でセーブと、折角得た決定機もモノに出来ません。
その後も圧力を掛けて攻め込むも得点は奪えず、23分に再びカイオにボール奪取され、そのカイオが痛んだタイミングで後半の飲水タイムに。

明けた後も、琉球はロングパス攻勢を続け。
その姿勢は普段の琉球とはかけ離れたような光景ですが、この手法で後半初のシュートに繋げたという実績は無視出来ず。
そして攻撃権を支配する事に成功し、迎えた30分。
右サイド中盤で風間宏矢のボール奪取から攻撃に移り、ドリブルののちエリア内左へスルーパス。
フリーで受けた阿部が中央へ折り返し、清水が相手のブロックを外すように合わせた柔らかいシュート。
GK富澤が阿部に出ていった事もあり、GK不在のゴールに吸い込まれて1点を返した琉球。
直後にスタミナ面を考慮してか上里→風間宏希へと交代、反撃の機運を高めます。

31分に敵陣で風間宏希の左→右へのロングパスを、金井が足で折り返し、エリア内中央で阿部が跳び込んでヘディングシュート。(枠外)
尚もロングパスで好機を作る流れを継続します。
一方の長崎、ここまでカードを切らずに好循環を保っていたものの、32分についに動きます。
都倉・澤田→植中・山崎へと2枚替え。(名倉が左サイドハーフ→右SHへシフト)
前線をフレッシュにする事でロングパスを抑制する狙いだったでしょうか。

その後琉球は、プレッシング敵陣でボールを奪ってからの好機を作り。
そこから35分には阿部がシュート、41分には風間宏矢がシュートを放つもいずれも枠を捉えられず終わります。

42分に再度2枚替えを敢行した長崎。(エジガル・カイオ→玉田・鍬先)
以降ボールキープに傾倒し、最終ライン~中盤でパスを回し続けて相手のプレスをかわすという、逃げ切りには持ってこいの立ち回りを見せます。
しかし45分には一転して、植中がドリブルでエリア内に進入、カットインからシュートという一幕が。(ブロック)

ATにCK攻勢に入った琉球でしたが、シュートに繋げる事は出来ず。
結局3-1からスコアは動かず、長崎が悪い流れを断ち切るような勝利を挙げました。

既に序盤戦の新潟・琉球の2強時代から、京都・磐田の2強へと移り変わっている現在。
新潟・琉球ですら2強から離され始めている状態で、長崎はじめ後方から追いかけるクラブは、好調という表現だけでは追い付くにはまだ足りず。
大連勝が不可欠な状況で、この日の勝利をその切欠とする事が出来るでしょうか。