※前回の愛媛の記事はこちら(25節・北九州戦・2-2)
※前回の大宮の記事はこちら(26節・岡山戦、0-1)
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降格圏同士の直接対決という重要なカード。
特に愛媛にとっては、リーグ再開後から続いていた「残留争いのライバルが相手の試合」は、この試合でひとまず終わり。
30節以降は上位・中位との対戦ばかりとなるので、是が非でも勝ち点3が欲しい試合になるでしょう。
重要な一戦を迎える中、茂木と近藤の2人がベンチ外となり、西岡と榎本が再開後初スタメンを果たすなど若干再編成気味なメンバーに。
移籍加入してきた高木をメンバーに加えた事で残留へのピースは揃ったようですが、その一方で流動的な構成を余儀なくされているのでしょうか。
一方の大宮、前回の記事で「2勝しないと追い付けない」と書いたのですが、その途端に連勝してあっさりビハインドを跳ね除け。
得点力がついに爆発し、成績的には愛媛と同じ勝利数(5勝)ながら、意気は軒昂といった様相が伺えます。
立ち上がり、キックオフからの攻撃を大宮がエリア内で河田がボールを持つ好機に繋げるも、その後愛媛が押し返し。
右サイドのスローインで前進していき、前半4分に奥からのスローインを受けにいった石井がスルーし、後ろから大谷が走り込んでシュート。
ブロックされ中央へこぼれた所を、榎本が右足アウトサイドでシュートしますが、GK南が何とかセーブ。
技ありのシュートで先制パンチを浴びせました。
しかし6分に大宮は、その出鼻を挫く事に成功します。
奥抜が左ハーフレーンをドリブルで持ち上がり、彼から受けた河田が右へ展開し、馬渡が手前からクロス。
これを奥抜がヘディングシュートで捉え、ゴール右へと突き刺し。
長い離脱期間を経て後半戦は全試合スタメン出場している奥抜、早速その攻撃力を発揮して先制点を齎しました。
これで流れは大宮へと傾き、最終ラインからじっくりと繋ぐスタイルで攻撃権を支配。
三門が最終ラインに降りる「丁の字型」でのビルドアップから、主に対角線のミドルパスで攻撃を組み立て。
愛媛のプレッシングが嵌らないのもあり、面白いようにこのパスが通り、クロスを入れるシーンを作り上げます。
逆に愛媛の攻撃は、大宮のプレッシャーで思うように繋げられず、16分にはGK岡本のキックミスでみすみすコーナーキックを献上してしまうなど奮いません。
25分に飲水タイムが挟まれたのちも、概ねその流れは変わらず。
31分には三門から右サイドへ展開し前進、黒川がカットインからエリア内右へスルーパスを送り、走り込んだ菊地がシュート。(ブロック)
攻撃権を支配し、着実にシュートを重ねていく流れを作った大宮。
しかしそれが油断に繋がったでしょうか。
38分の愛媛の攻撃、実に28分以来の攻撃機会(自分の集計)となり、最終ラインから作っていくという大宮のお株を奪う攻め。
栗山から左へ展開し、左サイドから攻める素振りを見せたのち、再び栗山の下へと戻してから右へロングパス。
これを受けた忽那からクロスが上がると、藤本が中央でヘディングシュートを放ち、ゴールネットを揺らします。
サイドを揺さぶった事以外は極めてオーソドックスな攻撃だと感じましたが、防げず試合を振り出しに戻された大宮。
直後に再び奥抜のドリブル突破から好機を作るも、シュートまでは持ち込めず。
逆に、シンプルながらも主体的な攻撃を結果に結び付けた愛媛。
キックオフからの大宮の流れを切ると勢い付き、41分には敵陣左サイドで榎本が拾ってからの攻撃。
藤本が石井とのワンツーで中央へ切り込み右へ展開、受けた小暮が前進してシュート。
ブロックされて右CKを得ると、キッカー川村はニアサイドへ低いクロスを入れる、フリックさせる事を選択。
これに入り込んだ西岡が足で合わせると、擦らされたボールはそのまま左サイドネットへと突き刺さり。
短い時間で逆転に成功した愛媛。
その後大宮は完全に流れを失い、好機を作れず。
アディショナルタイムには逆にパスミスから愛媛の好機となり、川村がミドルシュートを放つ(GK南キャッチ)など攻守交替の様相に。
これを何とか凌ぎ、2-1で前半を終えます。
ともに交代無く、迎えた後半。
ロングボールの蹴り合いの入りを経ても、中々主導権は定まらない流れに。
そして後半5分に最初の好機を掴んだのは大宮で、右サイドから馬渡のクロスが入ると、こぼれ球になった所を菊地がシュートにいき。
しかしディフェンスに入った愛媛・川村を蹴ってしまい(笛は鳴らず)、さらにこぼれた所を三門がシュートするもゴール上に外れ。
川村が痛んだため1分程試合が止まり、ファーストシュートは放ったものの流れは得られずといった感じの大宮。
すると愛媛の攻勢が始まり、8分には高木のボール奪取から敵陣で攻撃開始、左からカットインを仕掛ける榎本を小島が倒してしまい反則。
左ハーフレーン・エリアからすぐ手前のフリーキックを得た愛媛、これを石井が直接シュートしますが壁に防がれます。
大宮サイドが安堵したのも束の間、11分には愛媛のカウンターで、クリアボールを拾った藤本が右サイドをドリブル。
対峙する西村をかわして尚も前進する所を、西村が後ろから引き倒す格好となり反則、当然警告の対象に。(カウンターかつエリア目前だったため、一発レッドでも可笑しくなかったが……)
今度は右ハーフレーン・エリアからすぐ手前という、先程と対称の位置でのFK、川村が直接シュート。
壁に当たるもゴール中央を襲い、GK南がパンチングで防ぎます。
菊地のプレーで端を発してしまったのか、反則による危機が続いた大宮。
しかし何とか乗り切った先に待っていたのは幸運でした。
13分、最終ラインからの組み立てで左→中央→右へとサイドを移したのち、ダイレクトパスの連続を経て小島がエリア内へスルーパス。
走り込んで受けた奥抜(セットプレーの流れで右サイドへ移動していた)からグラウンダーでクロスが入り、中央の菊地の下へ。
合わせるものの打ち切れずとなるも、愛媛・大谷に当たってゴールに吸い込まれ、オウンゴールの形となって同点に。
自身の得意な形からの得点を挙げた大宮、スコアの通り試合を落ち着かさんとします。
暫くどちらも攻撃機会を掴めない時間が続いたのち、17分に大宮が(2-2となった後)最初の攻撃。
小島が左ハーフレーンを黒川とのワンツーを絡め前進し、エリア内へとスルーパス。
受けた奥抜が切り返しからシュートするもブロックされ、エリア内右で拾った馬渡の戻しから三門がミドルシュート。
しかしこれがブロックされると、最悪の結果を招く事に。
跳ね返りが直接石井の下に渡って愛媛のカウンターが発動し、藤本がドリブルでエリア手前まで持ち込み。
中央へ流れたのち、左へ叩くフェイントを挟んでエリア内右へスルーパスを供給し、そこに完全フリーで走り込む石井。
そして放たれたシュートが左サイドネットを揺らし、再度勝ち越した愛媛。
皮肉にも大宮最初の攻撃が、愛媛のゴールを呼び込んでしまう事となりました。
自身がペースを掴んだ思ったら失点するという、いかにも下位に沈むチームらしい試合展開を描いてしまった大宮。
3失点目の直後に最初のカードを切り、奥抜・菊地→柴山・イバへと2枚替えを敢行し、ネジを巻き直しに掛かります。
その効果を得るかの如く攻め上がる大宮、19分には河田がエリア手前からシュート。(エリア内の黒川に当たりオフサイド)
続く20分にはエリア内中央でイバが収めて横パスという絶好機も、黒川の前でクリアされCKに。
立て続けにゴールを脅かすと、続く右CKで三度目の正直。
キッカー松本のクロスがニアサイドに入ると、河田がヘディングシュートを対角線に放ち、ゴール左へ突き刺し。
河田の3試合連続ゴールで、またも試合は振り出しとなります。
その後23分に愛媛ベンチも動き、小暮・藤本→忽那・唐山へと2枚替え。
大宮同様に交代効果を得て押し込み、26分にCKから、クリアボールを拾った榎本がシュートした(枠外)所で後半の飲水タイムに。
再開後、4点目を目指さんと両軍前掛かりになるベクトル。
その結果オープンな展開へと移行し、30分には1分間に併せて3度攻撃機会が生まれる(大宮2・愛媛1)といった事態も起こります。
その中で光ったのは愛媛・榎本で、30分には自らドリブル突破で自陣から一気にエリア内へと入るシーンを作り。(シュートまではいけず)
32分には石井とパス交換しつつ前進、左サイドから高木のパスを受け、エリア内からシュート。(ブロック)
両軍疲労感漂う中、突破力が非常に効いていた時間帯でしたが、35分にお役御免となります。(山瀬と交代)
榎本が退いても、尚も攻め上がる愛媛。
36分には右サイドでの攻撃、忽那がドリブル突破から低いクロスを入れると、代わって入った山瀬が合わせるも枠を捉えられず。
38分にはカウンターで忽那がドリブルで持ち上がり、横パスを受けた唐山が左ハーフレーンからミドルシュートを放ちますが、惜しくもゴール右へと外れ。
榎本の代わりに忽那が突破力を発揮した格好となりましたが、肝心のゴールは奪えず。
押され気味となった大宮。
34分に黒川→中野へ、42分に松本→山田へと交代し、交代機会を使い切り。(馬渡が右SB→左SBへ)
それでも再度ペースを握るのは、愛媛が攻め疲れを見せた感のあったATまで待つ必要がありました。
試合終盤でも、最終ライン3枚での組み立てを貫き通す大宮。
それでも櫛引が右サイドを突破してクロスを上げる場面も見られるなど、なりふり構わず攻める姿勢も発揮し、4点目を奪わんとします。
柴山のクロスをイバが収めてシュートにいく場面や、かなり手前からのFKを西村が合わせる場面などありましたが、後一歩足りず。
既に3点奪っている以上、やはりこれ以上得点出来る運が転がり込む確率は低く。
結局3-3のまま引き分けとなり、降格圏を抜ける勝ち点3は齎されずに試合が終わりました。(一応大宮の方は、勝ち点1を得た結果18位に上がりましたが)
リーグ再開後、6試合消化で愛媛は7・大宮は9と勝ち点を少しずつ積み上げる戦いを演じ。
まさに残留争いの渦中のクラブといった歩みですが、とにかくこの戦いを貫き通し、朗報を信じる他ないでしょう。
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