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ぶらりドリブルの旅

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DAZN観戦 2021年J2リーグ第28節 松本山雅FCvsジュビロ磐田

2021-09-06 18:30:50 | サッカー視聴記(2021年J2)

※前回の松本の記事はこちら(22節・山形戦、0-1)
※前回の磐田の記事はこちら(24節・甲府戦、2-2)
※夏の移籍情報に関してはこちら

残留争いに向けて、中断期間を実りあるものにしたかった松本。
その最中に、前年まで在籍していたセルジーニョの再加入が発表されました。
今季開幕前に退団が発表されてから、韓国・大邱FCに加入したものの、家庭の事情により退団。
フリーになっていた所を、とにかく戦力が欲しい状況の松本が拾ったという図式でしょうか。
そんなエースの加入もあり、余剰戦力となりそうな戸島・浜崎を放出。
2人ともヴェルディにレンタルと、ユニフォームの色を変えない移籍な辺りが多少可笑しかったものの、今の松本にそんな事を思う余裕は無いでしょう。

故障による離脱期間を多発させているルカオや、前々節にようやく復帰した山口と、中心に据えたい選手ほど使えない状況に陥る事が多い最近の松本。(他は田中隼磨・橋内か)
中断明けの最初の試合で大勝(24節・秋田戦・4-1)したものの、押しも押されぬ主力となっていた前がその後故障で離脱してしまい、次戦から水を差されたかのように連敗。
特に前節は、最下位だった大宮に0-4の大敗という戦績になってしまい、そんな中で迎えた首位・磐田との対戦。

名波浩監督にとっては思い出深いチームですが、試合前のコメントではあまり触れずと、やはり自チームの状況が状況だけに余裕は無さそうであり。
対する磐田監督の鈴木政一氏、奇しくも教え子率いるクラブとの対決になったものの、それに関するコメントは無し。
こちらも昇格争いを戦う事に意識が振れていたと思われます。

最初にシュートに辿り着いたのは松本で前半3分、前述のセルジーニョが敵陣でボールカットし、そこからFWの伊藤翔へミドルパス。
エリア内中央で受けてシュート(ブロックされコーナーキックに)と、セルジーニョと同様夏の移籍で加入した伊藤翔が放ったものでした。
6分には再びセルジーニョがスルーパスを送ると、磐田DFの裏で受けた伊藤翔がエリア内右へ進入。
GKと一対一という状況になりましたが、放ったシュートは前に出たGK三浦にブロックされ先制ならず。
移籍組2人のホットラインで、首位チームを脅かします。

そんな松本ないしは名波氏の挑戦を受ける立場の磐田。
この日は山本義道が、普段とは逆の右センターバックでの出場となり、左CBには伊藤槙人。
前節は大井の出場停止で、伊藤槙が中央を務めていましたが、そこからさらにマイナーチェンジ。
動きを見ていると、どうやら山本義をセルジーニョに付かせる意図があったようで。

そんな最終ラインの守備から徐々にリズムを掴み始める磐田でしたが、その傍らで山田大記に受難が。
9分にセルジーニョの蹴ったボールが勢いよく鳩尾に入ってしまい、倒れ込む事態となった山田大。
その際は暫くして起き上がり復帰したものの、17分にはそれとは別に、どうやら足を痛めたようで早くも交代の憂き目に遭ってしまいます。(大森と交代)

ペースを掴んだ磐田が、先制点に辿り着いたのはその間の時間でした。
12分、右サイドのスローインから繋ぎ、大津が奥へ進入してグラウンダーでクロス。
クリアされるも、跳ね返りを拾った山本康裕がそのままミドルシュートを放つと、松本・星キョーワアンのブロックでコースが変わったのもありニアサイドをぶち抜き。
前節(相模原戦・1-1)に見せた豪快なミドルシュートから、運気はまだ続いていた様だった山本康、先制点を叩き出します。

(↓前節でのゴール)

先制された松本、最終ラインからボールを繋いで攻めようとするも、19分にはトラップミスを磐田・ルキアンにカットされて冷や汗。(シュートには繋がらず)
3バックの最終ラインを、右CB・宮部を右へと張り出させて2CB化したうえで、左にセルジーニョが降りて来ての形が主体。
そして両ウイングバックに高目でプレーさせるのが狙いなのでしょうが、磐田のプレスに悩まされていたようで中々攻め込めず。

飲水タイム(24分)が明けた後も攻撃機会を得れない松本を尻目に、磐田が攻勢を掛けます。
30分にはCKの二次攻撃から、右から山本義のダイレクトクロスが跳ね返されたのち、拾った大津がミドルシュート。(ブロック)
31分にもエリア内に松本昌也が運んだのちのクリアボールを、山本康が拾ってミドルシュート(ゴール右へ外れる)と、相手クリア直後のミドルシュートが一つのブームになっているような磐田の攻め。

そしてポジションを激しく変動させてのパスワークはこの日も健在。
人数を掛けてパスを繋いでいるうちにボランチの山本康や遠藤が前に出て受けるなど、積極的なポジションチェンジを有効に崩しに繋げ、松本ディフェンスを翻弄していきます。
それは松本サイドの可変しての攻撃に対し、「ポジションチェンジとはこうやるものだ」とメッセージを送っているようでもあり。

磐田が主導権を握ったまま時間が進むも、アディショナルタイムには松本がようやく反撃。
右CKを経て、キッカー・セルジーニョのクロスに鈴木国友が合わせてヘディングシュートを放つも、GK三浦がキャッチ。
後半へ繋げたいフィニッシュが生まれた直後に、前半終了の笛が。

そしてその通りに、後半頭から攻勢を掛ける松本。(共にハーフタイムで交代は無し)
早速右サイド奥で表原が磐田・伊藤槙に反則を受け、FKを得て攻撃。
セルジーニョのクロスの跳ね返りを、エリア外からの佐藤のヘディングがゴールを襲ったものの、ゴール上部に惜しくも外れ。
後半5分には中央で伊藤翔のポストプレイを絡めて前進、鈴木国のスルーパスに宮部が走り込み、右サイドからグラウンダーでクロス。
これを伊藤翔が合わせシュートするも、ブロックに阻まれてゴールならず。
前半と比べ、セルジーニョ中心の左サイドでボールを持ってから、素早く逆の右へと展開して仕掛けるシーンが多かった後半の松本。
それが磐田の目線をずらす効果となっていたのでしょうが、結果からすれば、松本は勝つとしたらこのタイミングでの得点が必須だったと思います。

しかし結局はこの時間帯でモノに出来ず、その代償は高く。
磐田がペースを取り戻すと、11分には左サイドの攻めから大森がカットインののち右へサイドを変え、鈴木雄斗からクロス。
クリアされたボールがエリア内やや左へ浮き上がり、その落ち際を大森がボレーシュートにいきましたが、放たれたシュートはゴールバーを直撃。
松本にとっては九死に一生を得たシーンでしたが、直後の12分。
クリアボールをルキアンがポストプレイで繋いで磐田のカウンターとなり、大森を経由し中央で受けた大津がドリブルで前進し、そのまま豪快にミドルシュート。
地を這うボールがゴール左へと突き刺さり、やはりミドルシュートで仕留めた磐田。

2点差となり、以降磐田はサイドで人数を掛けてショートパスを繋ぎ、相手守備を走らせるシーンが増えていきます。
15分に磐田が松本昌→小川大貴へ交代すると、16分に松本も伊藤翔・セルジーニョ→山口・河合へと交代。(鈴木国がFWに回る)
初スタメンとなったセルジーニョ・伊藤翔は一定のクオリティは魅せてくれたものの、この日は残念ながら勝利を呼び込めず。

山口が加わった事で、サイド奥への意識から、遠目で勝負のパスを入れる意識が強まったでしょうか。
20分にエリア内へスルーパスを供給した山口、鈴木国が走り込むもオフサイドに。
その直後の21分、右サイドでパスを繋いだのち、右ハーフレーン手前から山口がクロス。
これに鈴木国が合わせヘディングシュート、しかしGK三浦にセーブされゴールは奪えません。

23分に磐田が長いポゼッションを経て山本康のミドルシュートで締めた(枠外)のち、後半の飲水タイムに。
明ける際に、スタジアムの照明の一部が落ちるというアクシデントもあったものの、さしたる影響はなく。
28分に松本・山口が右ハーフレーン遠目からシュートを放つ(枠外)という具合に、松本の姿勢も変わりません。(直後に表原→外山に交代、下川が左WB→右WBへ回る)

しかし29分、磐田に決定的な追加点が。
左サイドで伊藤槙の縦パスを受けた大津、コーナー付近でキープの姿勢からヒールで出すと、受けた大森がエリア内左を突いてグラウンダーでクロス。
中央でルキアンが合わせてネットを揺らし、3点目を加えた磐田。
松本サイドが人数を掛けて奪わんとしても、それを上回るクオリティを見せ付けての得点となりました。

その後守備の意識を強める磐田に対し、松本は攻撃権を支配していくも、万策尽きた感は拭えず。
35分に佐藤・鈴木国→山田真夏斗・阪野へと2枚替え。

38分には左サイド奥から外山からクロスが入ると、阪野が合わせにいった所こぼれ、河合がボレーシュートを放つもブロックに阻まれ。
惜しいシュートは何本か見られるも、最後まで得点は出来ません。

40分に磐田は3枚替え、ルキアン・大津・遠藤を、それぞれファビアン・ゴンザレスに金子と鹿沼に交代します。
以降双方攻撃が繋がらない時間が続き、磐田が支配力を犠牲にして守備力を上げたような終盤の展開となり、ATを迎え。

ATも松本が攻め上がり、何とか1点を奪わんとするも、それをいなされると磐田の攻撃を浴びる展開に突入。
最後の磐田の攻撃、左サイドで大井の裏へのロングパスが小川大に渡ると、前進からカットインでエリア内左奥を突いてマイナスのクロスを入れる小川大。
それを金子が合わせて仕上げ、磐田が4点目を挙げ、そのキックオフ直後に試合終了。
金子の移籍後初ゴールという副産物も得た、磐田の完勝という結果に終わりました。

2試合連続の4失点で敗戦してしまった松本、1試合消化が少ないのも影響し順位は21位(暫定)へと下がり。
18位まで勝ち点は24~26という僅差のため、それ以上にこの2戦で得失点差がマイナスに膨らんでしまった(マイナス25でリーグワースト)のが、終盤の際どい争いを想定すると痛いでしょう。
とにかく勝ち点を多く得るしかない状況で、明日はどうなるでしょうか。


DAZN観戦 2021年J2リーグ第27節 水戸ホーリーホックvsアルビレックス新潟

2021-09-02 18:29:08 | サッカー視聴記(2021年J2)

※前回の水戸の記事はこちら(25節・琉球戦、1-0)
※前回の新潟の記事はこちら(24節・大宮戦、2-2)
※夏の移籍情報に関してはこちら

前節(相模原戦・2-1)で4試合ぶりの勝利を挙げた新潟。
折りしも、夏に補強した高澤が1トップとして初のスタメン出場で、2得点に絡む活躍だったようで。
この日も引き続きスタメンで、試合前のアルベルト・プッチ・オルトネダ監督のコメントも「ゴール前での決定力を期待している」との事。
J1(大分)での経験を糧に量産体制に入るかどうか……と期待を寄せるとともに、開幕前に加入した鈴木孝司の立場の危うさも感じられました。

そもそも新潟の戦術として、1トップが得点源という訳でも無く、主に左サイドハーフの谷口(鈴木孝が居ない状況ではFWに入りますが)がチームトップの10得点を挙げており。
FWにはサイドに流れるのも厭わずという姿勢でポストワーク主体、谷口のためにスペースを作る献身的な仕事がこれまでの姿だと思われます。
アルベルト監督のコメントを真に受け、「鈴木孝があまり得点出来ない(4得点)ので、今度は高澤に期待する」という穿った考えを弾き出してしまう自分は性格が悪いのでしょうが、上位をキープしている状況ながら少しズレを感じてしまった試合前。
前年も、途中加入の鄭大世(チョンテセ・現町田)が、サイドに開いてクロスを入れるというシーンが増える現象を生んでいたこのサッカー。
果たして高澤はチームにフィットしたうえで、自分色をアピールする事が出来るか。

水戸のホーム・ケーズデンキスタジアムで行われたこの一戦。
早速新潟は入りの前半1分に、福田の裏へのロングパスに谷口が走り込むシーンを演出。(GK牡川が飛び出してヘッドでクリア)
3分にも左サイドで、舞行龍ジェームズの裏へのロングパスを奥で受けた谷口、そこから繋いで福田のクロスを星がヘディングシュート。(枠外)
7分にも、左サイド奥でのスローインから谷口がクロスを上げ、星がヘディングシュートにいくもブロックでエリア内左へこぼれ。
そこを高木が拾ってシュートしますがゴール上へ外れと、まず攻撃の中心である谷口を使った攻撃を繰り広げました。

しかし高澤がボールに関わるシーンは少なく。
最終ラインからのロングパスの割合が普段よりも増大していたこの日の新潟、サイドへ振るパスを挟んだのち、執拗に谷口を走らせるボールを送る攻撃。
高澤は逆の右サイドへと開く事が多く、その分右SHの星が中央でフィニッシュに絡みにいくという具合にポジションチェンジを交え。
谷口の所に水戸センターバックのタビナス・ジェファーソンが付いてくる特性を利用する、流動性高い攻撃ながら、同時に「これで1トップに得点しろというのは酷じゃないか……」という考えも膨らみ始めました。

入りは後れを取った水戸ですが、8分に新潟のパスミスから中山仁がシュートを放つ(GK小島キャッチ)と勢いに乗り。
12分には左サイドから攻撃、奥田のパスを藤尾が入れ替わりで受けて裏に抜け出し、エリア内左からシュートを放つも再度GK小島がキャッチ。

その後も新潟はクロス攻撃を繰り広げますが、21分にコーナーキックからの攻撃がクリアされたのち、再度の繋ぎからエリア内へ送るもクリアされて水戸のカウンター。
奥田が左サイドから中央へ向かうドリブルで運び、囲まれるもパスを送り松崎にその役を代えると、エリア内へのラストパスを中山仁斗が絶妙にディフェンスラインの裏を取りつつ受けシュート。
ゴールネットに突き刺さり、新潟サイドがオフサイドを主張するも実らず。
先制点は水戸が手にしました。

これまで目立たなかった高澤は、26分に右サイドでパスを受けると、カットインからミドルシュートを放つもGK牡川のセーブに阻まれ。
アピールするものの、やはり高澤は中央付近に張ってのプレーで光る選手だと思われ、サイドに開いては威力も落ち。
そんなズレが垣間見える中、27分には高木が水戸・藤尾のチャージを受けて出血し治療する一幕が。
先程の先制点のオフサイド主張の影響もあり、審判の判定にも敏感にならざるを得なかったのか。
36分には水戸・村田が反則を犯した所、あろう事か高が村田を押し倒し、ヒートアップする場面も発生してしまいます。

ロングパス主体の攻めを前半は変えずに過ごした新潟。
恐らくは最終ラインの繋ぎで水戸のプレッシングを誘い、谷口に裏を抜けさせたかったのでしょうが、水戸サイドもタビナスがマンマーク気味に谷口に付いていたのが想定外だったでしょうか。
次第に手詰まりになり、終了間際には逆の右サイドから攻める場面が増えたものの、効果的とはいかず。
水戸がリードを保ったまま前半を終えます。

停滞感を打破するため、後半頭から本間を投入する決断に踏み切った新潟。
堀米と交代し星が左サイドバックに移り、本間が空いた右SHへ入り巻き直しを図りました。

入りの後半1分、水戸は藤尾がエリア内左からシュート(ブロック)する場面を作りましたが、その後は追い掛ける新潟が攻勢に。
投入された本間が居る右サイド主体の攻撃に移り変わり、本間の突破力をちらつかせつつ細かいパスワークで前進していく攻め。
高澤は中央で張る場面が増えたものの、クロスを合わせにいくのは谷口が多めと、やはりあまり絡む事が出来ず。
この辺は時間が解決してくれるかどうか、といった所でしょうか。

フィニッシュに繋げられずにいると、水戸の反撃に晒される事に。
6分に中里のスルーパスを受けた藤尾がエリア内右を突くと、一旦最終ラインまで戻されてタビナスから左へ展開ののち、中里のサイドチェンジで再度右へ。
すると松崎が新潟・本間のお株を奪うドリブルで前進、クロスはブロックされるもさらに攻撃継続し、エリア内右へ切り込んだ新里がクロス。
GK小島が直接パンチングで弾きますが、跳ね返りを右から奥田がクロス気味のシュートを放ち、ファーサイドの藤尾がヘッドで仕上げ。
サイドチェンジやドリブルも絡めた、最終ラインからの繋ぎを完結させて追加点を奪いました。

2点差を付けられ後が無くなりつつある新潟、11分にようやく中央で張る高澤が、星のロングパスをポストプレイで敵陣での攻撃に繋げ。
本間が中央でのキープから左へ展開ののち、受け直してカットインからシュート、ブロックでこぼれた所を反応した星がボレーシュート。
連撃を浴びせたものの、ゴール右へと外れてしまいました。

早めに点差を詰めたい新潟でしたが、それが叶わぬまま泥沼に。
その後再度水戸ペースとなり、17分にはまたも右サイドを松崎がドリブル突破。
エリア内右でのシュートはブロックされるも、繋いだのち今度は村田が右サイド奥からクロスを入れ、中央で合わせた中山仁がゴールゲット。
新潟に良い風が吹かない(余談ですが、この日のピッチ上はほぼ無風だったようで)状況で、決定的といえる3点目が入る事となりました。

尚、このシーンの後に苦痛な表情をしていた中山仁(足を痛めたか?)が、20分に安藤と交代。
するとその安藤がエリア内で仕事をしたのが21分。
大崎の裏へのロングパスに走り込み、千葉のチャージを受けるなかエリア内左で収めると、首投げのような形で倒されてしまい審判の笛が鳴り。
反則・PKを獲得し、自らキッカーを務めた安藤がゴール左へ思い切り良くシュートを放ち。
GK小島は反応し弾いたものの、威力に押されてゴール上へと突き刺さり4点目。
このシュート直前に2枚替え(福田、星→ロメロ・フランク、田上)し、何とかミスを誘うという狙いも実らず、残り20分強を4点という大差で過ごす羽目に陥った新潟。

一方大量リードとなった水戸。
飲水タイム(25分)ののちの28分、藤尾・中里→金久保・木村へと交代、ベテラン勢の投入で試合を閉めに掛かり。(奥田が左SH→FWへシフト)

何とか反撃したい新潟は30分に高澤を諦め、鈴木孝が投入されます。
33分には右サイド奥でロメロのボールキープから、高木のクロスをGK牡川がパンチングした所を田上がシュート。(枠外)
ここは右からのスローインでの攻撃で、どんな形でも……といった新潟の姿勢ですが、結果に結び付けられず。

逆に水戸は、35分に大崎・鈴木喜丈→黒石・細川へと2枚替えを敢行し、ここから再度攻勢。
長期離脱から復帰して2試合目となる金久保も攻撃に絡み、チームの一駒となるべく奮闘する姿を見せ。

新潟は40分に高→島田へと交代した直後、左から田上のロングスローによる攻撃を展開。
クリアボールを繋いだのち、中央から本間がシュートを放つもゴール左へと外れ。
以降は敵陣でボールを握り水戸を押し込んで攻撃。
長いショートパス攻勢に加えてサイドチェンジも見せ、崩さんとするものの時既に遅しの感は拭えません。

それでも45分にロメロのボール奪取から、中央で本間縦パス→谷口ポストプレイ→鈴木孝と繋がり、右へ流れた鈴木孝がミドルシュート。
しかしGK牡川が正面でセーブののち頭上でキャッチと防がれます。
そのままアディショナルタイムに突入し、水戸に時間を使われつつも最後に攻撃の局面が。
右サイドで本間が突破から横パスし、ロメロがエリア内右でシュート、GK牡川のセーブでCKへ。
そしてキッカー島田のクロスを田上が合わせヘディングシュート、しかしゴールバーに弾かれてしまい。
結局1点すら挙げられず、そのまま水戸の勝利となりました。

前年も後半に失速し、二桁順位にまで落ちてしまいシーズンを終えた新潟。
その兆候が見られるような結果となってしまいましたが、同じ轍を踏む事無く、昇格戦線に踏みとどまりたい所でしょう。


DAZN観戦 2021年J2リーグ第27節 京都サンガFCvs東京ヴェルディ

2021-08-30 16:50:16 | サッカー視聴記(2021年J2)

※前回の京都の記事はこちら(21節・長崎戦、0-2)
※前回のヴェルディの記事はこちら(23節・愛媛戦、2-2)
※夏の移籍情報についてはこちら

中断前を首位で折り返した京都。
現在は磐田の後を付ける2位に甘んじている(暫定)ものの、前年から掲げられている「今年こそJ2優勝」という断幕が相応しい状況に……という事を、2年前にこのブログで書いた記憶があり。当時の記事

2年前は中田一三監督の下、ポゼッションサッカーとハイプレスによる守備を主軸として、手探りな状況ながらもスタイルを確立。
しかし前年を引きずった選手構成故、スタイルに適合した選手の層の薄さで以降失速、昇格を逃す末路を辿ってしまいました。
今季は当時よりも尚ハイプレスに特化したスタイルながら、曺貴裁(チョウキジェ)監督就任と同時に、そのスタイルに見合った選手達を補強とオフから積極的に動き。
クラブが一丸となって昇格を目指す姿勢を開幕前から通し、そして結果に繋げるという判り易い歩みを演じています。まあ2年前はそもそも前年降格寸前だったチームだけに一本芯が通らないのは仕方ないですが

チーム作りが間違って居ないという事を証明するかのように、夏の補強はイスマイラ一人だけ。
しかしその一人の質が凄まじく、スーパーサブとして定着し、早くも貴重な戦力の一員となっているイスマイラ。
試合中止が交わり2試合のみながらも全勝という成績を残している中断明け、好調を維持できるか。

前半1分のヴェルディ、左サイド裏へのロングパスから、抜け出そうとした杉本が反則を受けてフリーキックに。
ここからキッカー佐藤優平のクロスを、中央でジャイルトン・パライバが跳び込んでヘディングシュート。(オフサイドで無効に)
先制攻撃を仕掛けたものの、以降は基調であるポゼッションが冴えず、京都のハイプレスの前に思うようにボールを繋げないシーンが目立ち。
京都もボール奪取するも、前線でのパスがズレてフィニッシュに辿り着けず。
その間にヴェルディは得意手を諦め、カウンターに近い攻撃に活路を見出す事となります。

具体的には最初の攻撃で顔を出した、左サイドの裏狙いを鋭化。
この日は得点源の小池が不在という状況故、左ウイングの杉本をロングパスで走らせる手法に活路を見出します。
10分には端戸のポストワークから、左サイドで受けた杉本がそのまま前進からカットイン、そしてシュートを放ちます。(ブロック)

しかし京都が攻撃権を支配する状況で、その圧が襲い掛かり。
ヴェルディの肝となっていた左サイドとは逆、つまり京都左サイドからの攻撃を目立たせていきます。
その原動力は左サイドバックの荻原で、12分には右サイドでのパスワークを経て、左ハーフレーンで受けて前進。
そしてピーター・ウタカとのワンツー(アウトサイドでパスを出したウタカ)でエリア内を急襲、シュートを放つもGKマテウスがセーブ。(その後福岡が詰めるもシュートはミートせず)
14分も敵陣で武田のボール奪取から、中央での細かい繋ぎを経て最後は荻原がシュート(GKマテウスセーブ)と、積極的にゴールを脅かしていきます。

それでもヴェルディは冷静さを保ち、荻原の前掛かりな姿勢を突くように、今度は右サイドで裏狙い。
小池不在ながら、この日はパライバがスタメンで、彼の突破力は説明不要であり。
それが実ったのが20分で、京都のプレッシングで自陣深くに押し込まれながらも、(半ば苦し紛れに見えた)ンドカ・ボニフェイスのロングパスがパライバに渡って状況が一変。
右サイドで受けたパライバがスルーパスを送ると、完全に京都ディフェンスの裏を取る形となり、走り込んだ梶川が中央へ横パス。
そして受けた端戸がエリア内でシュートを放ち、GK若原の脚に当たるもゴール左へと突き刺さり、カウンターを完遂。
京都にとってはまさに全てをひっくり返されたという形で、ヴェルディが先制点を挙げました。

しかし主導権は依然京都にあり、23分には再び荻原がシュート、ブロックされて以降コーナーキックが3本続き。
3本いずれもシュートに繋がりましたが、惜しかったのは2本目で、ショートコーナーを経てエリア外側を回した末に中央から三沢のミドルシュート。
ヴェルディ・ンドカが身体でブロックし、こぼれ球を尚も荻原がシュートしましたがまたもンドカが足を伸ばしてのブロックで防ぎます。
ギリギリの凌ぎを強いられるヴェルディ、何とかリードを保って飲水タイムへ。(25分)

ビハインドとなった京都は、ブレイク明けに微調整。
この日アンカーでスタートした三沢が、以降ビルドアップの際は上がり目に位置し、福岡・武田にボランチ役を任せるシーンが目立ちます。
つまり4-1-2-3から、4-2-1-3or4-2-3-1のような形へとシフトしたでしょうか。

しかしその後はヴェルディが裏狙いを貫き、パライバを中心として京都ゴールに迫り。(31分には若狭のスルーパスを受け、エリア内右奥へ切り込んでシュート・ブロック)
攻守交替かと思われましたが、京都もペースを落とさずに攻撃。
35分に荻原が左サイドから切り込んでエリア内左を襲いクロス(GKマテウス直接抑える)と、相変わらずキレのある攻撃をチームに与える荻原。
それでもゴールは奪えない京都、アディショナルタイム最終盤にはヨルディ・バイスのミドルシュートが放たれるもブロックに阻まれ、前半を0-1で折り返す事となります。

それでも相手は、5戦連続でリードを守り切れず未勝利という最中のヴェルディ。
後半に勝算を得るには十分な内容の京都、それを手中に手繰り寄せるべくハーフタイムに選手交代。
三沢→イスマイラへと交代と、早くも逆転のために投入されたイスマイラ。(4-4-2へとシフト?)

後半、ファーストシュートを放ったのはヴェルディ(杉本のボール奪取+突破から、中央で端戸がシュート・枠外)でしたが、目立ったのは京都のプレッシングの前に逃げるのが精一杯というヴェルディの最終ライン。
特に投入されたイスマイラのチェイスが強烈で、それを受けて何とかタッチラインに逃れるというシーンが2度。

着実に京都の圧力がヴェルディにダメージを与えつつあり、迎えた後半11分。(10分に京都は荻原・武富→本多・荒木へと交代)
自陣での荒木のボール奪取からウタカへ渡ると、そのままドリブルで持ち上がり、エリア手前で中央へと切り返したのちミドルシュートを放ったウタカ。
ボールは綺麗にゴール左へと突き刺さり、ゴールハンターに相応しい存在感を見せ付けて同点に。
助っ人パワーに屈した形となったヴェルディでしたが、悪夢はここからでした。

尚もキックオフ直後、イスマイラがボール奪取し、ウタカのリターンを受けてエリア内でシュート(ブロック→GKマテウスキャッチ)と攻めかかる京都。
外国人選手の圧力を浴びせると、それを占めたのはもう一人の男でした。
15分に左CKを得た京都、キッカー松田の中央へのクロスをイスマイラが合わせに行き、ヴェルディ・ンドカとの競り合いを経てファーサイドにこぼれ。
するとバイスの足下に行き着き、すかさずゴール上部に蹴り込んだバイス。
ヴェルディにとってはどうする事も出来ない流れ・形のようで、たちまち逆転を果たした京都。

さらに18分にはイスマイラが、ウタカのスルーパスにエリア内へ走り込んでシュート。(GKマテウスキャッチ)
20分にも、福岡のスライディングでのボール奪取からイスマイラがエリア内に進入してシュート(GKマテウスセーブ)と、流れは止まらず。(19分にヴェルディは加藤・パライバ→山本・山下へと交代)
ウタカとバイスがゴールした事で、自身も果敢に得点を狙わんとフィニッシュを浴びせるイスマイラ。

そしてその姿勢が報われたのが22分。
自身のプレッシングも生きた形で中盤でウタカがカットしてドリブルで前進、エリア内へラストパスを供給し、そしてそこに走り込むイスマイラ。
3度目の正直でシュートをゴール左へと突き刺し、助っ人3人揃い踏みのゴールを達成。
僅か12分で3点を奪った京都、一気にホームスタジアムを勝利への進軍へとムードを変える事に成功しました。

一方、この日もリードを守れずとなったヴェルディ。
飲水タイム後も京都のプレッシングを受けつつも、それを剥がしてビルドアップと、ようやく自身の特徴を前面に押し出すスタイルへ。
しかしモチベーションが高まり帰陣も速い京都、ボール支配を高めるだけでは「ただボールを持たされるだけ」という流れとなり、攻めあぐねてしまいます。

その隙を突いて尚も京都がゴールを脅かす場面が目立ち、31分にはウタカがシュート。(GKマテウスキャッチ)
35分には自陣右からのスローインが直接裏を取る形となり、エリア内で受けたウタカが切り返しからシュート。
ブロックされた跳ね返りを曽根田(松田と交代で出場・30分)が詰めるもミート出来ず。
何とかヴェルディも36分、佐藤優のエリア内左へのスルーパスに端戸が走り込んでシュート(GK若原セーブ)と、反撃の機運を持ち込みつつ終盤へ。
そして38分に3枚替えを敢行したヴェルディ。(杉本・梶川・端戸→阿野・石浦・佐藤凌我)

以降は投入された阿野・石浦を軸にした右サイドで展開(山下が右WG→左WGへシフト)しつつ、右SBの浜崎が多彩な動きで攻撃に加わり。
44分に好機が訪れ、右サイドから石浦が左へサイドチェンジのパスを送り、カットに入られるも佐藤優が拾って攻撃継続。
浜崎も逆から加わってパスワークに参加した末、福村のクロスが上がると、ファーサイドで阿野がボレーシュート。
京都・本多がブロックした跳ね返りがゴールへ向かったものの、ゴール前でバイスがヘッドでクリアして得点ならず。
ATにも直接FKを得る(浜崎が直接シュートも壁に当たり枠外)等、ノーチャンスでは無かったヴェルディですが、2点差を跳ね返すにはパワーは足りず。
結局ゴールを奪う事は無く、3-1で京都が逃げ切り、磐田をかわして首位に躍り出る事に成功しました。


DAZN観戦 2021年J2リーグ第25節(順延) 栃木SCvsザスパクサツ群馬

2021-08-27 16:36:59 | サッカー視聴記(2021年J2)

※前回の栃木の記事はこちら(17節・京都戦、0-0)
※前回の群馬の記事はこちら(23節・岡山戦、1-0)
※夏の移籍情報についてはこちら

北関東ダービーも後半へ。
前半戦1勝1分という好成績で折り返した群馬、水戸の連覇を止めるには願っても無いシーズンとなりました。
この試合も勝てば、水戸との直接対決(33節)には引き分け以上で初の戴冠となる重要な試合。

一方栃木は、暫定ながら前節で降格圏に転落と、そんなダービーの展望を考える余裕はあるのかどうかという状況。
前年在籍していたGKオビ・パウエル・オビンナに、黒﨑・溝渕を再移籍させ、文字通り「前年のサッカーをもう一度」という補強策。
3人ともレンタルな所が、買い取る程の財力の無さを示していますが、逆にその一方で鳥栖から完全移籍で大ベテラン・豊田を獲得と強気な補強。
残留への切り札的存在とする意図なのは明白で、メンバーを揃えて挑む後半戦は果たしてどうなるか。

ともに好機を作れない時間が長く続く入りを経て、ロングボール攻勢を貫く栃木へと傾きかける流れ。
前半5分に森の推進力が生きて敵陣右サイドでスローインとなり、黒﨑のロングスローからニアサイドで畑がフリック、クリアされた所を西谷がミドルシュート。(ブロック)
豊田が加わっても、やる事は変わらないという栃木のスタイル。

しかしその後は逆に群馬がお株を奪い。
10分に左サイド奥からスローインを得た群馬、岩上はロングスローと見せかけて後ろに送り、高橋から受け直してクロス。
中央で北川のヘディングシュートが炸裂するも、GKオビンナのセーブに阻まれ。
電撃作戦は実らずも、これで栃木サイドは色を失った感がありました。

そして13分の群馬の攻撃。
右から吉永クロス→流れて拾った高橋が左からクロスという右往左往を経て、エリア内で拾った内田がシュートし、ブロックされた跳ね返りを栃木・矢野が落とすもこれを内田が拾って攻撃継続。
再度の内田のシュートもブロックされるも、青木が拾ったのち左から高橋がクロスを上げると、群馬・三國ケネディエブスに当たってこぼれた所を北川がシュート。
今度はGKオビンナも止められず、栃木にとってはアバウトさが仇となったような失点となり。
群馬が先制に成功し、優位に立ちました。
その後は反則が散見する栃木に対し、岩上がフリーキックをエリア内に送るシーンを目立たせつつ、前半の飲水タイムへ。(23分)

ブレイク明け、反撃したい栃木は25分にプレスを嵌めてボール奪取からショートカウンターの形を作り。(シュートには繋がらず)
直後の26分、スローインからの攻撃で西谷のクロスが右から上がり、クリアされた所をエリア内右で豊田がボレーシュート。(ブロック)

これで栃木ペースになるかと思われましたが、やはりアバウトな放り込みが基本のスタイル故、攻撃権を得ても繋がるのは時の運といった感じ。
ペースが途切れた所に群馬が攻撃、最終ラインでの繋ぎを交えつつ、サイド奥へとスルーパスを送ってからクロスを入れるという一本の狙いを感じさせる攻め。
しかしこちらもフィニッシュまでは辿り着けずと、お互い不発の時間が続きます。

終盤を迎え、39分に溝渕が反則を受けてFKを得、ここから攻勢に入った栃木。
そのFK、中盤から放り込んだのちの二次攻撃、溝渕の右からのクロスをファーサイドで畑が収めるもクリアされて撃てず。
そこから敵陣でのスローインを続けるなどセットプレーで押し込みを見せます。
44分には左コーナーキック、キッカー黒﨑はエリア手前へのクロスを送ると、ファーサイドで受けた畑が中央へ流れたのちミドルシュート。(枠外)
アディショナルタイムには黒﨑のロングスローから、クリアされたのち再度黒﨑が右からクロス、中央で豊田が合わせヘディングシュート。(枠外)
何度か矢玉を浴びせるも、後は精度といった流れを作りつつ前半を終えます。

ハーフタイムで共に選手交代を敢行。
栃木は西谷→松本へ、群馬は進→久保田へ交代と、1人ずつ代えて後半を迎えました。

後半2分、栃木が相手クリアを跳ね返し、拾った豊田の後ろ向きでのヒールパスを矢野が受け、エリア内からシュート。(ブロック)
少ないタッチ数でのフィニッシュから、その後CK攻勢に入る栃木らしい攻めを見せた入り。

しかし6分に群馬が右からスローイン、これがエリア内を突くスルーパスのようになり、吉永が走り込むというシーンが。(シュートには繋がらず)
以降両チームともスローインを量産する、言わば漸進戦術のような攻撃が続き。
お互いぶつかった結果、上記のような巧さを最初に見せた群馬が流れを掴みます。
スローイン(岩上のロングスローも含む)からの攻撃→クリアされてCKに、という流れを続け、栃木陣内でプレーする時間が膨らんでいき。

その群馬の攻勢が途切れたのち、今度は栃木がスローインを交えて好機、左サイドからクロスを入れ続ける攻撃。
ロングスローを多用するチーム同士の対戦らしく、スローインからの攻撃が肝となるかのような展開に。
しかし共にフィニッシュに辿り着けない時間が長く、ややもするとアグレッシブさに欠けるようでもありました。

そんな展開のなか、珍妙なシーンを生んだのもやはりスローインでの一幕でした。
25分に栃木の攻撃を切り、自陣からスローインとなった群馬。
高橋が投げ込まんとする所、目の前に立つ栃木選手を気にして中々投げ入れられず。
するといざスローしようとした所で笛が鳴り、選手交代が敢行されます。
群馬が吉永→高木へと交代(青木がFW→右サイドハーフへシフト)した後にさらに笛が鳴り、そのまま飲水タイムに突入というコンボに繋がり。
何ともハッキリとしない流れとなりました。
ちなみに栃木も、明ける際に豊田→谷内田へと交代。(畑が右SH→FWへシフト)

以降栃木は谷内田が入った右サイドから攻勢を掛けるも、実らずシュートまでいけないシーンが続き。
それでも押し込まれがちとなった群馬、31分に再度動き、高橋→金城ジャスティン俊樹へと交代。(小島が右サイドバック→左SBへシフト)

35分に群馬がゴールキックからショートパスを繋ぐビルドアップを経て、右サイドでジャスティンがロングパス。
北川が落とすもクリアされ、拾った岩上から受けた北川がドリブルで持ち上がり、エリア手前右からシュートを放つもGKオビンナがキャッチ。
長らくフィニッシュが生まれず(16分、群馬がCKからクロスを内田が合わせたシーン以降か)という、不作な試合展開に終止符が打たれました。

反撃体制に移りたい栃木、直後に右CKを得て、佐藤→有馬に交代。(谷内田がボランチにシフト、畑が右SHへ戻る)
そのCK、キッカー松本のクロスが流れたのち、逆サイドから森のクロスがエリア内中央へ。
矢野が合わせにいった所、GK松原が飛び出して交錯するという際どいシーンが生まれてしまいます。
このプレーも燃料にしつつ、終盤に向けボルテージを上げていく両チーム。
以降は群馬が果敢にプレッシングを掛け、栃木が最終ラインで繋いでそれをかわすという、あべこべと思わざるを得ないシーンも見られました。

それでも「いつものやり方」に頼らざるを得ない栃木。
41分にはCKから、こぼれ球をエリア内右で拾った有馬からクロスが入ると、中央で三國がヘディングシュートを放つもGK松原がセーブ。
44分には左サイドで森・溝渕・谷内田が繋いだのち、森が手前からクロスを入れ、矢野がヘディングシュートを放ちますがこれもGK松原が防ぎます。

43分に北川→光永へと交代し、3-4-2-1へとシフトした群馬に対し、AT突入後も圧を掛ける栃木。
しかし最後までゴールを割る事は出来ず。
逆に群馬のカウンターで、右サイド奥へ抜け出したジャスティンに対し松本が反則、警告を受けてしまうと共に群馬に時間を与えてしまい万事休す。
このFKからのキープが途切れたと同時に、タイムアップを告げる笛が。
群馬が0-1のまま逃げ切り、ダービー制覇に王手を掛けました。

これで監督交代してから3勝2分と、好調を継続している群馬。
2度目の監督業となった久藤清一氏、天皇杯も交わっての過密日程も考慮しての難しい舵取りを強いられながらも、結果を出す事に成功しています。

サッカー的に見ると、以前の群馬の繋ぐサッカーを大事にしつつという、長所を消さずに残しているのが目立ち。
思えば前回監督時(福岡・2019年)も途中就任で、あの時は主体的が全く感じられないサッカーとなっていました。
前任(ファビオ・ペッキア氏)がイレギュラーな退任となり、しかも未だサッカーが浸透していない早期での交代という状況で、そのため局地的な凌ぎを余儀なくされ。
そんな事を思い返すと、チームに残ったものを活かすという手腕は今回初めて発揮出来る状況であり、苦境ながらもやり甲斐のある指揮となっているのかもしれません。


DAZN観戦 2021年J2リーグ第26節 ブラウブリッツ秋田vsV・ファーレン長崎

2021-08-25 16:02:05 | サッカー視聴記(2021年J2)

※前回の秋田の記事はこちら(19節・新潟戦、0-2)
※前回の長崎の記事はこちら(21節・京都戦、2-0)
※夏の移籍情報についてはこちら

中断期間が終わってさあ試合再開、という所で大雨により2試合も中止となってしまった長崎。
おかげで3日前の天皇杯4回戦が再出発の舞台となりました。

その天皇杯、3回戦で札幌を下す(2-1)という金星を挙げていた長崎でしたが、2度は続かずに鹿島に敗戦。(1-3)
メンバー的に見ると、J2クラブにとって重要性が高くない(と思われる)カップ戦ながら、再開後最初の試合という要素もあって熟考した節が見受けられ。
試合勘を取り戻すべく、レギュラー陣も過半数交えて起用した他、故障明けの亀川もスタメン出場。
そして3日後のこの日の試合、休養したメンバーが加わってのスタメンになるかと思われましたが、意外にも天皇杯のメンバーを継続。
入れ替わりはGK富澤とセンターバックの二見の2名のみとなり、中断前不動のレギュラーだったエジガル・ジュニオに都倉・澤田はベンチスタート。
特に名倉と植中の2トップはリーグ戦だけで見れば、名倉が14試合ぶりの出場で、植中は初スタメンという目新しい立場。

前半立ち上がり、秋田が得意のパワープレイで押し込み、山田のロングスローも披露しますがシュートには辿り着けず。
すると長崎に攻撃権が移った前半6分、早速植中に絶好のチャンスが訪れます。
名倉が降りてのポストプレイを交えたのち、毎熊のスルーパスで裏を取った植中、GKと一対一を迎えます。
そしてエリアに入るかどうかという所でシュートしますが、GK田中にセーブされてモノに出来ず。
尚も長崎の攻撃は続き、カイオ・セザールのミドルシュートがブロックされ、さらにウェリントン・ハットもミドルシュートを撃ちましたが枠外で終わり。
決定機を逃してしまった長崎。
さらに9分には秋田のコーナーキックからカウンター、ハットがドリブルで持ち上がったのちロングパスをエリア内の植中に通し、中央に切り返してシュートを放った植中。(枠外)
チャンスをモノにせんと果敢に撃っていきましたが、結果は得られず。

強度の高い秋田相手にも、しっかりと最後尾からパスを繋いで攻撃を組み立てていく長崎。
サイドにボランチが流れてのパスワークを展開し、サイドハーフ(右=ハット・左=毎熊)には中央寄りの位置を取らせつつ、逆サイドに流れて攻撃に加わる事も多々ありました。(その所為か19分には、カイオのパスを受けにいったハットが毎熊とSH同士被るという可笑しなシーンがありましたが)
カイオを中心とした中盤の底は強力ですが、あえてサイドでのプレーを多くした辺りが、秋田の中央の堅さを意図的に避けているようでもあり。

そんな工夫を凝らした攻めで、15分頃からは完全に攻撃権を支配した長崎。
秋田に思うようなプレッシングをさせる暇を与えず、好機を作っていきます。
17分には右CKから決定機、二次攻撃で右からハットがクロスを上げると、ファーサイドで毎熊が折り返したボールを中央で名倉がシュート。
GK田中の右を抜くもその横で千田がブロックし、辛うじて防いだ秋田。

長崎ペースのまま22分に飲水タイムが挟まれたのちは、ややペースダウンして双方攻め合う展開に。
しかし長崎は植中に裏抜けをさせる姿勢は変わらず、29分にはスローインで直接裏を取った植中、秋田・千田にスライディングで倒され反則。
フリーキックを得てからの攻撃で、さらに左CKへと移るセットプレー攻勢となり。
そこからキッカー毎熊のクロスをGK田中がパンチングし、こぼれ球を新里がシュート。
ブロックされるもさらにエリア内でカイオがシュートし、ブロックされてエリア外に出た所を尚も加藤聖がミドルシュートと、3連撃を浴びせましたがこれもブロックに阻まれました。

フィニッシュ攻勢を掛けるもゴールを割れなかった長崎。
その後はハットの輪笠への反則から、秋田が逆にセットプレーで押し込む展開へと移行し、嫌な流れが過り始めます。

しかしそれを断ち切る得点がとうとう生まれます。
38分、二見のロングパスを左サイドで名倉が収めたのち、毎熊が中央へとカットインしてシュート。
これはまたもブロックされますが右CKとなり、キッカー加藤聖のクロスがクリアされて二次攻撃、中央から加藤大のロビングがエリア内へ。
中央でカイオが合わせにいき、クリアされた所をエリア内右からハットがダイレクトでシュート。
秋田・山田のブロックに当たるも、そのまま左サイドネットに突き刺さり、待望の先制点を挙げました。

その後は秋田がロングパス攻勢で反撃せんとしますが、中々好機に繋がらず。
しかし長崎もそれに付き合い、ロングパス中心の組み立てへと傾倒していき、双方攻撃機会が減少する時間帯となり。

しかし45分、秋田は千田のラフなロングパスが裏を取り、しかもエリア内に齋藤が走り込む好機に。
エリア内左の角度の鋭い所ながら、放たれた齋藤のシュートはゴール上へと外れ。
モノに出来なかったものの、一発のパスが脅威となる秋田らしい攻めを見せ、後半に希望を残して前半を終えます。

その後半を前に、秋田は2枚替えを敢行。
吉田・山田→中村・藤山へと交代し、反撃体制を整えます。
この度の夏の移籍期間で出戻り移籍を果たした藤山、今季秋田での初出場と同時に、記念すべきJ2初出場となりました。

ボールの収め役が中村になった事で、パワー溢れる攻撃を敢行していく秋田。
後半7分、千田のロングパスを中村が胸で落としてから敵陣で攻撃。
一旦クリアされるも左サイドで茂が拾い、輪笠が手前からクロスを入れると、合わせにいった中村に対しGK富澤が飛び出し。
ボールが足下にこぼれるも、すかさずクリアされシュートは撃てず。
前半は誤解を招きかねない表現をすれば、ラフな蹴り出しが偶然好機に結び付いたといった印象を受けた秋田の攻撃。
しかし中村が加わった事で、ロングパスからのポストプレイが映え、それによりペースを取り戻していきます。
それでもこの直後の長崎の攻撃で、名倉がエリア内左に進入してシュート(GK田中セーブ)と再び際どいピンチを招いていましたが。

14分にはクリアボールを再び中村が収めにいき、こぼれた所を拾ったのち、茂が左サイドからエリア内へ向かうドリブル。
エリア内左へと切り込みCKに繋げるなど、パワープレイ以外にも見せ場を作っていく秋田。
それを受けた長崎は、ペースを取り戻さんと17分に2枚替えを敢行。
温存していたであろう、エジガルと都倉を揃って投入します。(名倉・植中と交代)

しかしこのツインタワー投入で、ロングボール攻勢の比率が大きくなり。
完全に秋田のサッカーに付き合う形となってしまったのが拙かったでしょうか。
また19分に秋田のCKで、クロスに対し競り合いにいった都倉と二見が味方同士で頭部激突。
ダメージが大きかったのは二見の方(一旦ピッチ外へ)だったでしょうが、都倉もその後のプレーは精彩を欠いたか、あまり目立つ事無く時間を経過させてしまいました。

飲水タイムが挟まれて(23分)暫く経った所で、26分に秋田は再度交代。
茂・齋藤→三上・武へと2枚替えを敢行し、同点を狙いにいきます。
対する長崎も、27分にハット→米田へと交代。
両SHにサイドバックが本職の選手を置いた4人体制(?)を採り、失点を防がんとします。

直後に長崎・カイオが秋田・沖野と交錯し足を痛める場面があったのち、30分の秋田の攻撃。
GK田中のロングフィードが右サイド奥へと渡り、飯尾のクロスに中村が中央で合わせるも、擦れた当たりで逆サイドへ流れ。
しかし稲葉が拾って攻撃を継続させ、一旦クロスがクリアされるも尚も繋ぎ、三上がクロスを上げると見せかけて左ハーフレーンの武へと横パス。
武はターンしたのち、エリアライン際から果敢にシュートを放つと、ボールはゴール右へと突き刺さり。
エリア内を固める長崎の裏をかき、見事同点に繋げました。

試合終盤も目前という所で振り出しに戻されてしまった長崎。
エジガル狙いのロングパスから攻撃を組み立てたのが33分で、毎熊のエリア内右へのスルーパスに走り込んだエジガル、シュートを放つもブロックに阻まれ。
その後は前半に見られたショートパスでのビルドアップや、毎熊を走らせるロングパスなども見せましたが、モチベーションの上がった秋田ディフェンスの前に効果的とはならず。
逆に秋田も、前半のようなラフなパスから好機を作る場面が増えていき。
そこからセットプレーを交えて押し込み、40分にはCKからの二次攻撃で、稲葉のロビングをエリア内で中村が収めて反転シュート。(ブロックされたのちGK富澤セーブ)
ゴールを脅かしはするものの、もう1点奪うには後一歩足りないといった印象。

そして同点のままアディショナルタイムを迎え。
長崎は米田が左サイドからクロスを入れ、ニアで澤田(加藤聖と交代で出場)が胸で落とした所を毎熊がシュートしましたが、GK田中がキャッチ。
その後秋田は谷奥のラフなミドルパスを、受けにいった武がナチュラルにスルーする格好となり、奥で受けた中村が抜け出しエリア内へ。
そしてシュートを放つも、こちらもGK富澤がキャッチ。
互いに枠内シュートを撃ち合ったものの、ゴールを割る事は出来ず。
試合終了の笛が吹かれ、1-1でドロー決着を迎えました。

中止・順延の影響で、今後連戦が待ち受けている長崎。
夏の補強は無しと、好調なクラブ故の自信が伺える策を採りましたが、やや不安を残した中断明けの一歩となりました。