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ぶらりドリブルの旅

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DAZN観戦 2021年J2リーグ第33節 ヴァンフォーレ甲府vsFC琉球

2021-10-12 17:12:41 | サッカー視聴記(2021年J2)

※前回の甲府の記事はこちら(26節・千葉戦、1-1)
※前回の琉球の記事はこちら(28節・長崎戦、1-3)

残り10試合と、今季も佳境に入っているJ2。
甲府と琉球、上位対決とはいえ、昇格圏に居る2クラブとの差が大きい状況。
ともにもう負けられないというサバイバルな意味合いが強いカードとなりました。

その中で琉球はここに来て失速気味で、4連敗ののち前節やっと引き分けで止める(岡山戦・1-1)という有様で、追撃態勢を整えられずジリジリと後退。
メンバー的には、知念の故障離脱でセンターバックが不安定という状態で、金井が穴埋めに入るなどスクランブル体制を強いられていた連敗中。
この日は福井・岡﨑のコンビで、ともに背番号は3と4と、一般的なDFらしき番号の選手。
前年から長らく背番号9の李栄直(リヨンジ・この日はベンチ)が入っていた琉球のCBだけに、見た目的に新鮮となりました。

試合が始まると、琉球は従来のようなボールポゼッションを高めてのパスワークによる攻勢は影を潜め。
最終ライン~ボランチで繋ぎつつ、裏狙いのロングパスに活路を見出すスタイルへとチェンジしていました。
それによりともに隙を伺う入りとなるも、前半5分にボールの異常が訴えられて交換の運びとなる水入りが。

8分にGK猪瀬のフィードから、左サイドで受けた沼田を経て風間宏矢のドリブル突破。
そのままエリア内左へ進入し、カットインの姿勢からシュートを放ち(ブロックされGK河田キャッチ)しましたが、以降琉球の流れは断ち切られ。
甲府がボールポゼッションを高めて攻撃権を支配する展開となります。

ウィリアン・リラ狙いのロングパスを多めにした立ち上がりを経て、普段のスタイルである中央CBが一列前に出てのビルドアップを展開。
そしてその基本形から、13分に好機。
ボールを持った新井の前進から山田→野津田を経由し左へ展開、荒木から野津田→宮崎へと渡ると、中央へ向かい前進する宮崎。
そして果敢にミドルシュートを放つと、ボールは無回転でゴール右へと突き刺さるゴラッソとなります。
泉澤の故障以降、救世主的な活躍を魅せている宮崎、この日も得点を叩き出しました。

先制した甲府、その泉澤離脱(今季絶望との事……南無)の影響か、立ち上がりはウイングバックの荒木が左サイド攻撃の中心となる事が目立ち。
そんな状況故、宮崎がゴールを狙いやすくなったのかな……などと、泉澤のボールキープする姿を頭に浮かべながら考えつつありました。

それはともかくとして、以降早めに反撃に出たい琉球。
序盤のロングパス攻勢に加え、ショートパス主体から縦パスを差し込む攻撃を混ぜるものの、それが悉く裏目に。
読まれていたのか、甲府CB(メンデスや浦上)が前に出てカットし、そこから好機に繋げる事が目立っていたこの時間の甲府。
攻撃の芽が摘まれた状態となった琉球を尻目に、甲府は主体的な好機も量産していきます。
19分にはGK河田からショートパスで繋ぎ、野津田の左→右へのサイドチェンジを経て、受けた関口が一気にドリブルでエリア内右を突いてシュート。(ブロック)
25分には左サイドをパスワークで前進、荒木のパスからのリラのポストプレイは繋がらずも、琉球ディフェンスのミスでリラがエリア内左で拾ってそのままシュート。(左ゴールポスト直撃)
完全な甲府の流れのまま、飲水タイムへ突入します。

ブレイクを経て修正したい琉球でしたが、逆に甲府がマイナーチェンジを加えてペースを保つ事となった第2クォーター。
左サイドの中心だった荒木が中央に絞る事が多くなり、その分宮崎が、泉澤の姿を彷彿とさせるような左サイドへの張り出しを見せ。
そこに主に野津田を加えての左での攻撃の組み立てを中心に、以降も琉球に流れを渡さない時間が続きました。

それでもフィニッシュシーン的には、36分にメンデスの縦パスを収めたリラのシュート(ブロック)ぐらいのもので、スコアは動く気配は無く。
終了間際にようやく琉球の時間帯となり、1トップの阿部が開いてボールを受ける事により好機を演出。
それでも、阿部がクロスを上げるも手前で阻まれる事が多く、結局フィニッシュは生まれず。
1-0のまま前半を終えます。

現在琉球の監督である樋口靖洋氏は、横浜での監督業(マリノス・横浜FC・YS横浜全てで経験あり)が白眉である経歴。
しかしこの日の対戦相手である甲府でも、2015年に指揮を執った経験があり。

前年までの甲府は完全な「引きこもり・カウンターサッカー」を展開し、城福浩氏(現広島監督)の清々しいまでの割り切りによりJ1残留を果たしていたというクラブ。
それが攻撃的な思考を持つ樋口氏を次期監督に選択した結果、突如としての転換についていけなかったのか、低迷して早期辞任を余儀なくされてしまいました。

その後YS横浜での3年間を経て、現職である琉球に働き場を移して手腕を発揮していますが、樋口氏が去って数年経った甲府でも変化が。
伊藤彰監督の指導の下、攻撃サッカーへと意識が移り現在に至るという「革命」が敢行されています。
それでも行われているサッカーは、あくまでベースの堅守を基にした、ボールポゼッションを有効に使い攻守ともにペースを保つスタイル。
このスタイルを導入したのは伊藤体制2年目と、緩やかなシフトチェンジも功を奏したのか、違和感無くチームが運営されているという印象です。
チームの伝統を保ちながら、新たなスタイルを導入するという方策で毎年昇格争いに絡んでいる甲府。
それでも前年(徳島・福岡)・今季(磐田・京都)と上位2クラブの牙城を崩せずにいますが、その成果が報われる日は来るでしょうか。

ビハインドを跳ね返したい琉球は、ハーフタイムに2枚替えを敢行。
上里・阿部→風間宏希・清水へと交代し、ペースを握られていた試合展開を変えに掛かります。

早速キックオフからの琉球の攻撃、風間宏希のロングパスを清水が落とし、左からの沼田のクロスに繋げ。(シュートには繋がらず)
その後も、風間宏希の出足の良いボールカットで攻撃権を増やす琉球。
後半5分に福井の低いロングパスを清水が収め、左サイドで繋いだのち清水がエリア内へ浮き球を送り、クリアされるも尚も攻撃。
右への展開から金井がクロスを入れ、清水がヘディングシュートを放ちますがGK河田がキャッチ。
良い流れが生まれたものの、これにより最終ラインからのロングパスに頼る意識が強まってしまい、以降も金井や岡﨑のロングパスが放り込まれるシーンが数多。
「(琉球は)最終ラインからしっかりと繋げるチーム」という放送席によるコメントが聴かれたものの、この日の後半はそれとはかけ離れた攻撃となっていた感がありました。

琉球の跳梁により甲府は攻撃機会こそ減ったものの、前半同様の攻撃で琉球ゴールを脅かすシーンを作っていきます。
7分、ここもGK河田から繋いでの攻撃で、左ハーフレーンで宮崎が細かいタッチでの前進からエリア内右へとスルーパス。
走り込んだ関口が低いクロスを入れる(クリアされてコーナーキックに)際どい攻撃となり。
17分には左サイドで宮崎がボールキープののちスルーパス、野津田のクロスがクリアされるも、こぼれ球を山田のポストプレイを経て宮崎がシュート。(枠外)
この日の宮崎は総じて、泉澤の姿と被って見えるかのような活躍ぶりを展開していました。

琉球は19分に再度交代カードを切り、武田→中川へと交代。
これで2列目の配置が変わり、風間宏矢=左サイドハーフ→右SH・池田=トップ下→左SHにシフトして中川がトップ下に。
一方の甲府も、次のタイミングで宮崎・野津田→鳥海・野澤へと2枚替え。

交代策を経ても、一向に琉球はムードが上向かず。
サイドからの攻撃も、5バックが基本の甲府故、しっかりと固められては手も足も出ず。
奥まで切り込めずに、クロスも手前から上げるものばかりとなり、簡単に対応されていた感がありました。
そんな琉球を尻目に、甲府はボール奪取からの攻撃で好機を作るシーンが目立ち。
21分には山田のボール奪取からリラが前進して右へ展開、中村のスルーパスに走り込んでエリア内でシュート。(GK猪瀬キャッチ)
28分にはメンデスが前に出てパスカット、拾った鳥海がそのままミドルシュート。(ゴール左へ外れる)

そして再度交代に手を付ける琉球(28分)、池田→上原慎也。
これで清水・上原慎の2トップへとシフトして4-4-2となります。(中川が左SHへ回る)
縦パス→上原慎ポストプレイという流れから形を作り、多少強引ながらも何とか押し込む体勢を築き上げた琉球。
一方の甲府も33分に荒木・中村→須貝・三平へと2枚替え、運動量を補填する体制を取ります。

琉球は35分にプレスを嵌め、GK河田の縦パスを中央で風間宏希がカット。
そしてこぼれ球をエリア内で中川がボレーシュートに繋げましたが、枠を捉えられず。
肝を冷やした甲府、以降も宮崎に代わって鳥海が突破力を活かして攻め上がりますが、エリア内で鳥海と須貝が被ってしまいシュート出来ず(35分)となるなど今一つ。
終盤も間近となった39分、引き締めるかのように大ベテランの山本が投入されます。(山田と交代)

ベテラン効果を得たのか、その後は攻撃権を支配して何度もサイド奥を抉るシーンが目立った甲府。
一方の琉球は、判定の異議で風間宏矢が警告を受けるなど(ラインを割ったと思い込んで足を止めていた)、集中力が途切れたかのようなシーンを見せる一幕も。
43分にその風間宏矢に代え、赤嶺を投入し前線のターゲットを増やす体制へ。

アディショナルタイムに突入し、その体制で最大のチャンスが訪れた琉球。
ゴールキックを収めたのち風間宏希からロングパス、エリア内左でバウンドしたボールを上原慎がダイレクトでクロスを入れ、この高いボールをファーサイドで清水が合わせにいき。
こぼれた所を中川がシュートと、パワープレイ成功かと思われましたが、前に出たGK河田のブロックに阻まれモノに出来ず。

これで万策尽きた感があり、最後は甲府がボールキープで時間を使う体勢となり、タイムアップを迎え。
1-0のまま甲府が逃げ切り、昇格戦線に何とか踏み止まる勝利となりました。


DAZN観戦 2021年J2リーグ第33節 東京ヴェルディvsファジアーノ岡山

2021-10-11 16:22:02 | サッカー視聴記(2021年J2)

※前回のヴェルディの記事はこちら(30節・新潟戦、1-3)
※前回の岡山の記事はこちら(26節・大宮戦、1-0)

既に昇格の可能性は薄い中位チーム同士の対戦。
下を見ても、岡山の方がこのまま未勝利が続けばどうかというぐらいの位置で、来たる将来にどう繋げていくかという意識にウェイトが割かれても仕方なく。

ヴェルディは既に(イレギュラーな要因ながら)監督交代を敢行し、堀孝史氏の下、積極的に石浦・深澤といった将来の主力候補を起用させている状況。
まさしくそんな意識が強まりを見せつつありますが、そんな中でGKはマテウスの離脱により、大ベテランの柴崎が久々にピッチに顔を見せています。
若手主体のメンバーの中で、おっさん臭さ(失礼)を醸し出すその姿は貴重でもあり異質でもあり。

試合が始まり、開始早々にそのGK柴崎にまでプレスを掛けにいった岡山と、それを柴崎が縦パスでいなしたのちクロスまで繋げたヴェルディの攻撃。
ヴェルディらしいポゼッションサッカーによる攻勢が展開されると思いきや、前半3分に岡山がパウリーニョのボール奪取からショートカウンター。
そしてパス交換を経てパウリーニョ自らミドルシュートを放っていき、GK柴崎のセーブで何とか防いだヴェルディ。
守備的に穴の多いヴェルディのサッカー故に、従来のマテウス同様に柴崎も早くも忙しさを見せる事となりました。

その後も、ヴェルディはパスワークで攻め込むもフィニッシュまで繋がらないシーンを頻発させつつ、岡山のフィニッシュシーンが目立つ展開。
14分に再度敵陣でボールを奪い、拾った山本大貴がミドルシュートを放ちますが枠外に。
17分には直接フリーキック、キッカー上門が直接シュートを狙い、縦の変化でゴール右を襲ったもののGK柴崎がセーブ。
22分にはパウリーニョの左へのミドルパスから、徳元のキープを経て中央へ展開され、石毛がシュートを放つもブロックに当たりゴール左へ外れ。
ヴェルディサイドも20分に梶川がミドルシュート(GK梅田キャッチ)、21分に山本理仁(この日は左サイドバック)がエリア内からシュート(ブロック)と応戦するも、全体的には岡山のゲームという印象で前半の飲水タイムを迎えます。

第2クォーター、岡山は裏狙いのパスを見せつつ、押し込むと徳元のロングスローを絡めて得点を狙いにいきます。
相も変わらず最後尾からのビルドアップに拘るヴェルディを尻目に、原始的ですが有効で、徐々に攻撃権が偏っていきます。

そして結果に結び付いたのが35分。
安部からのロングパスを上門が収め、右サイドへ展開して河野が前進からクロス。
ブロックされてエリア内右にこぼれた所を、石毛が浮かせて巧みにコントロール、そしてボレーシュートを放ち。
叩き付けられたシュートが左サイドネットへと突き刺さり、流石は元J1という技術を見せ付け、文字通り先制点を叩き出しました。

先制後も岡山の攻勢は続き、今度は喜山に対するヴェルディ・深澤の反則によるFKからのセットプレー攻勢。
2本続いたコーナーキックの1本目(右から・38分)、キッカー喜山(試合当初は石毛が務めていたがこの時間帯のみ喜山)のニアサイドへのクロスを井上がフリック、ディフェンスに当たりこぼれた所を中央で山本大がボレーシュート。
しかしGK柴崎がセーブし、追加点は何とか許さず。

次の2本目の右CKをヴェルディがカウンターに結び付け(シュートまではいけず)、反撃の意識を高めに掛かります。
しかし41分にも岡山が好機を迎え、相手ロングボールを敵陣で徳元ヘッド→上門落とし→喜山ダイレクトで縦パス→石毛→上門と繋ぎ、上門のスルーパスがエリア内左を突き。
そこに山本大が走り込むも、ヴェルディ・若狭に倒されて受けられず。(反則無し)
一歩間違えればPKというシーンで、ヴェルディディフェンスの危なっかしさが目立った前半。
結局0-1のまま終了となりました。

代表ウィークのため、J1は開催されずとなった今週。
下位カテゴリは代表とも休養とも無縁……のはずでしたが、こと岡山に至ってはそうはなりませんでした。
FWのミッチェル・デュークがオーストラリア代表に参加のためチームを離れる事態に。

デュークが代表選で得点を挙げる等活躍を魅せる一方で、この日は山本大が代わって入り。
実に19試合ぶりという山本大のスタメンでしたが、穴を作る事無く攻撃にリズムを与えたここまでの働き。
誰が入っても謙遜無く機能させるという、チーム運営の基本を憚らずも見せるに至っています。
先日の敗戦(サウジアラビア戦・0-1)でチームの機能性の問題が露呈し、混乱状態となってしまっている現在のA代表(とそれを取り巻く方々)……については触れませんが、何より基礎を固めるのが大事だと考えさせられます。

試合に立ち帰ると、ハーフタイムでヴェルディは選手交代を敢行し、深澤→森田。
これで右SBに森田・左SBに山本理と、ともに中盤の選手がSBという配置となり。
一見珍妙な布陣を取ったヴェルディですが、これが反撃の橋頭堡となる事になります。

小競り合い中心の入りを経て後半4分に岡山が最初の好機、敵陣での上門のボール奪取から、徳元がエリア内左を抉って低いクロス。(GK柴崎が抑える)
後半も岡山ペースかな、と思われましたが、その後はヴェルディが攻撃権を独占していきます。

森田・山本理のどちらかが中央に絞り、最終ラインの前に位置取るのを基本線とした後半のヴェルディ。
このイレギュラーな形によるビルドアップに岡山は翻弄されたか、プレスを掛けられなくなりゴール前を固める時間が増えていきます。
ボランチの佐藤優平が縦横に動き回り、押し込んでいくヴェルディ。

そして15分、敵陣左ハーフレーンで佐藤優が岡山・山本大に反則を受けると、後ろに居た山本理が素早くリスタート。
中央で受けた若狭からの縦パスを石浦がフリック、受けた森田がエリア内からシュート。
ブロックされるもこぼれ球が岡山・宮崎智彦に当たって跳ね返り、そのボールをエリア内中央で戸島がシュート、ゴールにねじ入れます。
戦略上の奇襲を経ての、FKでの奇襲が奏功して同点に追い付いたヴェルディ。

こうなるとヴェルディは雰囲気にも後押しされ、岡山エリア内で攻撃を展開していくシーンが増え。
細かいパスワークでの崩しも有効でしたが、そこに落とし穴が待っていました。
空中戦でヘッドの応酬から、拾ったパウリーニョが一気にエリア内右へとスルーパス。
そこに上門が抜け出すという、パス一本で決定機が生まれると、上門は強烈なシュートをゴール上部に突き刺し。
ヴェルディサイドに冷水をぶっ掛けるような勝ち越し点となりました。
このゴールの直後に、山本大→川本へと交代した岡山。

一旦は好循環を持ったヴェルディでしたが、再びのビハインドを強いられ。
22分に右サイドでの繋ぎから中央→左へとサイドを移し、切り込んだ杉本が低いクロス。
GK梅田が飛び出してパンチング、こぼれ球を石浦が拾ってシュートするもこれも梅田がセーブして防がれます。
攻勢は続いたものの、それに水を挟むような飲水タイムが23分に挟まれ。
明けた後は岡山の時間となり、窮地に立たされるヴェルディ。

28分にベンチが動き、何と3枚替え。
戸島・杉本・梶川→佐藤凌我・新井・山下へと代え、小池が中央にシフト。
小池はトップ下(4-2-1-3?)のようでもあり、佐藤凌と並ぶ2トップ(4-4-2?)のようでもあり。
流れを変えたいという堀監督の意思が伺える采配でしたが、果たして練習などで試した末の手段なのかと疑ってしまうような布陣でもあり。

その新布陣が機能というよりは、左ウイング(左サイドハーフ?)に入った新井の突破力を盾に攻め込むヴェルディ。
30分に早速左からカットインしてミドルシュートを放った(ゴール左へ外れ)のを皮切りに、再三左サイドで切り込みを見せる新井。
これを受けた岡山も警戒してか、33分に徳元・パウリーニョ→濱田・木村へと2枚替え。
フォーメーションを3-4-2-1へと変える(石毛がボランチに回る)、定番の布陣を取ります。

36分に再び新井が左からカットインしエリア内左でシュート、味方の山本理に当たってしまうも、拾い直したのち新井が今度はクロス。
中央で佐藤凌が合わせるもミートせずクリアされるなど、惜しい所まではいくも得点出来ないヴェルディ。
時間も押し迫る40分、総攻撃に出るべくさらに交代カードを切り、ンドカ・ボニフェイスに代えて福村。
前回見せたような、佐藤優をセンターバックに回す交代となります。(福村は左SBに入り、山本理がボランチに回る)
どうも堀監督は、選手を動かす交代を優先させるきらいがあるようです。(浦和時代の2018年然り)
セットプレー要員としてンドカを取っておく選択肢は無いのでしょうか。

その後前掛かりの意識を突くように、41分に岡山のカウンターが炸裂。
クリアボールを収めた川本が右サイドを前進し、上門→木村と渡ってエリア内左へ進入、木村がシュートを放ったものの左ゴールポストを直撃しゴールならず。
危うく前回のような追加点を献上する所だったヴェルディ。

アディショナルタイムも目前となり、岡山が攻撃権を掴み、CKを得ながら時間を使っていく展開に。
そしてボールを奪ったヴェルディがカウンターを仕掛けるというあべこべなシーンが見られましたが、この山下の右サイドの渾身のドリブルを、必死で戻った岡山・上門が戻って防ぎ。(山下の反則となる)
これでヴェルディの得点の芽は完全に摘まれた状態となり、その後再度ボールを持ち、最後も自陣から脱出させなかった岡山。
1-2のまま逃げ切り、遅まきながら勝ち点を40台に乗せる事となりました。


DAZN観戦 2021年J2リーグ第32節 ツエーゲン金沢vsアルビレックス新潟

2021-10-07 16:12:26 | サッカー視聴記(2021年J2)

※前回の金沢の記事はこちら(順延25節・山口戦、1-4)
※前回の新潟の記事はこちら(30節・ヴェルディ戦、3-1)
※前回の両クラブの対戦はこちら(8節・新潟 1-0 金沢)

試合前のアルベルト・プッチ・オルトネダ監督のインタビューで、金沢サポーターが迎える雰囲気に触れられたこのカード。
ダービーマッチに劣らぬ結び付きの強さと、ダービーマッチに反するようなお互い暖かさを持って相対する、複雑かつ濃密な関係といった所でしょうか。

周知の通り、2004~2017年という長期に渡りJ1の座をキープしてきた新潟。
その間に金沢がJ2入りし、前新潟の柳下正明氏を監督に迎えたという所で、同じ舞台で戦いを繰り広げる事となり。
同じ北陸地方のクラブ、というだけに留まらない関係がそこにはありました。クラブアンバサダーに辻尾真二氏が就いた事も影響しているのか

しかし今季は、開幕から昇格争いを繰り広げる新潟と、中盤から勝てなくなり一気に残留争いに巻き込まれた金沢と明暗がクッキリ。
特に13戦未勝利という汚泥にまみれている状態の金沢の方は、縁故ともいえる新潟相手に勝つ事で起爆剤としたい所でしょう。
堅守を売りとしたいにも拘らず、守備が崩壊気味の今季。
そのためセンターバックが流動的であり、この窮状で頼れるのはベテランのみ、という思惑か廣井を重用しているここ最近。

前回対戦でもシュート数で圧倒していた新潟。
当時とはチーム状態も差が開いている(といっても、新潟の方も当時の勢いは無いでしょうが)現状、一層新潟ペースの時間帯が長くなる事が予想され。
前半3分に最初に好機を掴む新潟、右サイドで早川のロングパスが通り、福田が奥へ進入してクロス。
これをファーサイドで鈴木が収めてシュート、ブロックに阻まれるもこぼれ球を繋ぎ、後方から島田がミドルシュートを放つもこれもブロックに防がれました。
この先制パンチを切欠にペースを掴みたい新潟でしたが、冷水を浴びせられる事となります。

8分に左サイドから攻撃を作る金沢、大橋の縦パスが遮断されるも長峰がこぼれ球を繋ぎ、今度は逆の右へ展開。
藤村から受けた松田、早い段階で手前からクロスを入れると、低いボールがエリア内中央を突いて右足で合わせたのは丹羽。
新潟サイドにとってはやや想定外というような、手前から低いクロス→ファーサイドから走り込んだ選手がボレーシュートという攻撃で、ゴール右隅に突き刺さり金沢が先制点を奪います。

金沢リードとなりましたが、同時にこれが主導権を新潟に固定させる事にもなり。
ボールを支配し、主体的な攻撃を以降飲水タイムまで継続した新潟。
右サイドバック・早川が中央に絞り、その分右サイドハーフの三戸がサイドに張り付く、3バックのような基本形で攻撃を組み立てるのは以前の通り。
長短織り交ぜたパスで金沢の守備を崩さんとしますが、金沢サイドは前半のうちにリードを奪ったのは14試合ぶりと、丁度最後の勝利(18節・愛媛戦、3-1)まで遡り。
攻められ続けてもモチベーションは下がる事無く、FW(丹羽・大谷)も積極的にプレスバックでディフェンス参加を見せます。

ボールを握ってもフィニッシュまで辿り着く事は出来ないという、ポゼッションスタイルの宿命ともいうべき時間を強いられた新潟ですが、22分に金沢・廣井の反則でゴール正面からの直接フリーキック。
これを高木が直接狙いますがゴール上へと外れ、それと同時に飲水タイムへ。

明けた後も攻勢を掛ける新潟ですが、一瞬の隙を金沢が突くシーンも目立ち始めます。
27分に大石のドリブルをロメロが反則で止めてしまい、金沢の右サイドからのFK。
キッカー藤村のクロスは逆サイドに流れるも、拾った平松が左奥から再度クロス。
中央の庄司を越えてファーサイドの丹羽に収まり、すかさずシュートを放ちネットに突き刺した丹羽でしたが、トラップの際ハンドを取られてノーゴールに。

肝を冷やした新潟でしたが、以降も主体的な攻撃を貫き、全員(GK除く)敵陣で攻めるシーンも増えていきます。
37分に左サイドを福田が前進したのちサイドチェンジ、受けた三戸がカットインの姿勢からゴールへ向かうクロスを入れ、合わせにいったのはロメロ・フランク。
しかしカンフーキックのような恰好で、飛び出したGK後藤と激突してしまい反則で終了となり。
新潟のドイスボランチに着目すると、ミドルシュートを持ちプレースキックも出来る島田が攻撃の軸と思いがちですが、好機を演出する仕事をするのは福田の方が多め。
そのためボール保持の際は福田が前に出て縦関係となるのが主で、両サイドに動き回り福田がパスワークに参加する事が目立っていました。

その後も攻撃権を支配する新潟ですが、金沢ディフェンスの前にフィニッシュを量産する事は出来ず。
32分に早川が、45分に千葉がミドルシュートと遠目から放つもモノに出来ず終わり。
前半は金沢1点リードのまま終了となりました。

2強(京都・磐田)の追撃に向け負けられない新潟、逆転のため早くも手を打ってきたハーフタイム。
鈴木・早川→本間・藤原へと交代し勝負を賭けにいきます。
空いた1トップにロメロが入るというシフトチェンジに加え、早川と性質の違う藤原が同ポジションに入る事で、ビルドアップの形も変えに掛かった節があり。

早々の後半1分に舞行龍ジェームズのロングパスから、堀米が受けにいったこぼれ球をエリア内でロメロが収め、そのままシュート。(GK後藤キャッチ)
ロメロ1トップはそのポストワーク能力で十分機能を見せ。
また右サイドで藤原が上がり目の位置を取る事で、福田が逆の左サイド中心でのプレーに傾倒していたでしょうか。
左サイドに人数を増やして組み立てていく後半立ち上がり。
4分にはロメロのポストプレイから左サイドで前進、福田のスルーパスに走り込んだ高木がエリア内左からグラウンダーでクロスを入れるも、GK後藤がダイブして抑えます。

しかし金沢もパスカットからのカウンターで対抗し、10分には丹羽のカットから右サイドで組み立て、大石のグラウンダーのクロスがニアサイドを突くも合わせにいった大谷がオフサイドを取られ。
前掛かりになって逆に追加点を奪われる、という展開だけは避けたい新潟。

攻撃の一翼を担っていたロメロ・福田ですが、ともに故障がちでフルは持ちづらいのが難点。
16分にベンチもそれを踏まえ、両者を交代させるという手を打たざるを得なくなりました。(谷口・高と交代)

直後に金沢が自陣からのスローインで攻撃。
右サイドで大石のスルーパスに丹羽が走り込み、入れられたマイナスのクロスを中央で大谷が合わせる絶好の形になるも、シュートはふかしてしまいモノに出来ず。
2人が退いた影響か、この時間帯の新潟は主導権を失い、直接FKを堀米が直接シュート(壁の下を通すもGK後藤キャッチ)した場面のみとなり。
(21分に金沢は平松→力安に交代)

こぼれ球を拾いにいった松田を新潟・本間が倒してしまい、反則・警告となったタイミングで、後半の飲水タイム。(23分)
敵陣でのFKという事で、再開後直接放り込む選択をした金沢でしたが、集中力を切らさず撃たせない新潟。
27分に堀米→田上に交代と、早くも5人の交代枠を使い切る事となりました。

堀米と異なり、田上は中に絞ったうえで上がる動きが中心で、HTでの交代同様に変化を付けて同点にせんとする新潟。
そして32分の新潟の好機。
千葉縦パス→谷口ポストプレイ→高木右へパスという流れで受けた三戸が、クロスかシュートか区別しづらいボールを入れると、GK後藤が何とか弾き。
ファーサイドへのこぼれ球に走り込むのは田上、しかし金沢・力安に後ろから倒されると、反則の笛が鳴り響き。
最後は田上の特徴が活かされ、貴重なPKをゲットした新潟。

キッカーは谷口が務め、その間に金沢は選手交代。(大谷・大石→杉浦恭平・高安)
チームトップスコアラーの谷口、その存在感を発揮して同点にしたい所でしたが、放たれたゴール右へのシュートをGK後藤が読み切ってセーブ。
高木が詰めてシュートするも枠を捉えられずと、最大の好機を潰してしまう事となりました。

その後は田上が絞る分、左サイドに張る本間を橋頭堡とした攻撃を仕掛ける新潟。
37分にはカットインからミドルシュートを放った本間でしたが、枠を捉えられず。

一方無事にリードを失わずに済んだ金沢。
強まる新潟の攻勢を受けつつも、一矢を放つ姿勢を見せ。
38分にはゴールキックからの攻撃、左サイドで繋いだのち藤村のスルーパスに長峰が抜け出し、奥からクロスを入れる体勢に。
最初のグラウンダーのクロスがブロックされるも拾い直した長峰、今度はマイナスのクロスを選択し、受けた丹羽がワントラップからのシュートを狙うもディフェンスに阻まれて撃てず。
前回対戦時も、シュート数は少ないながらもその攻撃で新潟ゴールを脅かしていた金沢。
ネットに突き刺したシュートがオフサイドを取られる事もあり、一歩何かが違っていれば結果は逆になったかもしれない内容であり、そう考えればこの日の結果は妥当なものといえるでしょうか。
しかしこれ以降は新潟の一方的な展開となり、耐え忍ぶ事を余儀なくされます。(39分に松田→片倉へ交代)

それでも新潟サイドももう人数を掛け押し込むしかないという試合終盤。
CBの千葉・舞行龍も積極的に持ち上がり、人数を増やしたうえでパスワークで崩さんとします。
アディショナルタイム最初の攻撃、舞行龍の左への展開を経て、受けた本間から高→島田→田上→高木と繋いで最後はエリア内の谷口へ。
DFに付かれながらも強引にシュートを放ちましたが、威力無くGK後藤がキャッチ。
金沢の集中力は途切れる事無く、最後は田上のロングスローという手段に訴えるしか無くなった新潟。
そこから藤原がミドルシュートを放つ(ブロック)シーンも生まれましたが、結局最後までゴールを奪う事は出来ず。
自陣で耐え忍び試合終了の笛を聞く事となった金沢、ついに長いトンネルを脱出する勝利を挙げました。


DAZN観戦 2021年J2リーグ第32節 V・ファーレン長崎vs京都サンガFC

2021-10-06 16:56:11 | サッカー視聴記(2021年J2)

※前回の京都の記事はこちら(30節・山形戦、2-0)
※前回の長崎の記事はこちら(30節・町田戦、3-3)
※前回の両クラブの対戦はこちら(21節・京都 0-2 長崎)

昇格圏に居る2強状態のクラブ(京都・磐田)を追い掛けるには、もはや敗戦は許されないという状況。
3位の新潟ですら2位との勝ち点差は9であり、その2つ下の順位に居る長崎。
折りしも相手が首位の京都であり、直接対決で下して逆転の堰を開く事は出来るでしょうか。

前回対戦時では見事京都に勝利を収めている長崎ですが、それにより首位の京都サイドの方が雪辱に燃える一戦と化しており。
そんな思いを乗せるように、立ち上がりから京都ペースで試合は展開します。
最終ラインでパスを繋がんとする長崎に対し、いつものように果敢なプレッシングを掛け、ショートカウンターからの得点を狙いにいく京都。
前半9分、敵陣中央で武田のボール奪取から、拾ったピーター・ウタカがエリア内へ切り込む好機となったものの長崎・江川の決死のディフェンスで撃てず。
するとその直後の長崎の攻撃、江川の左サイド裏へのロングパスがエジガル・ジュニオに渡ると、中央で名倉が受けてエリア内左に進入。
そしてシュートを放ったもののGK若原がセーブと、決定機の応酬となりました。

前回の対戦でも京都ペースで推移していた前半。
何本もフィニッシュを浴びせ、長崎ディフェンスはGK富澤の好セーブで何とか凌いでいたという内容でしたが、この日は微妙に差異が。
ボール保持での攻撃も、一旦敵陣に攻め込むとダイレクトパスの連続でディフェンスを揺さぶり、崩していくのが京都の特徴。
しかしこの日は中々長崎守備陣も崩れる事無く、フィニッシュシーンも少なく時間が進んでいきます。
ウタカへの対応は言わずもなが、パスワークで守備の網を破って松田天や宮吉がシュートを放つといった、前回顕著だったシーンは限りなく少なくなり。
一度対戦した経験は織り込み済みと言わんばかりの、松田浩監督率いる守備網の強靭ぶりが地味に発揮されていたような展開で、京都は攻めながらも我慢を強いられるという難しいゲームとなりました。
京都のシュートシーンは18分、松田天馬の左からのクロスがクリアされた所を、ウタカがミドルシュート。
これがブロックにいったカイオ・セザールの腹部に入ってしまい、カイオが痛むシーンが印象に残ったといった第1クォーター。(カイオは無事プレー続行)

飲水タイムが挟まれる(23分)と、ペースは徐々に長崎の方に針が振れ始め。
京都の攻勢の中、ビルドアップの最中でも中々高い位置を取れなかった長崎サイドバック(右=毎熊・左=米田)でしたが、この時間帯で右の毎熊が躍動し始めます。
27分に鍬先のサイドチェンジを澤田が受けてから右サイドで攻撃、パスワークを経て毎熊が奥に進入すると、シュート気味にクロスを入れるもファーサイドに流れ。
続く28分には敵陣で鍬先がカットして右へ展開、受けた毎熊の低いクロスに中央で植中が合わせシュート。(ブロック)

右サイド中心に押し込み始めると、30分に得た右コーナーキック。(これも毎熊の奥からのクロスがブロックされて獲得)
キッカー米田のクロスがファーに上がると、ヘディングで捉えたのは毎熊で、GK若原が弾くも及ばず右サイドネットに突き刺さり。
自身が呼んだ好循環を、自身のゴールで締める活躍を魅せた毎熊。

先制した長崎でしたが、再開後間も無く、得点を挙げた毎熊が肩を抑えて倒れ込むシーンが。
得点シーンの際の競り合いで痛んだと思われ、一旦ピッチ外へ出るも程無くして復帰。
長崎サイドは一安心でしたが、今度は34分に京都に受難が。
長崎・名倉の突破を止めにいった飯田が、接触の際に足を痛め倒れ込んでしまいます。
毎熊よりも長い時間倒れており、何とか起き上がりピッチには出ず復帰しましたが、これが終盤に影響してしまったでしょうか。

早めに反撃したい京都でしたが、以降もフィニッシュが目立ったのは長崎の方。
37分には直接フリーキックの好機で、左ハーフレーン・エリアからやや手前という位置から、キッカー米田が直接シュートするもGK若原がセーブ。
40分には敵陣で長くパスを繋いだ末に、米田の左からのクロスを中央で鍬先が収め、囲まれつつシュートを放つもブロックされ。
京都サイドは持ち前のダイレクトパス攻勢で崩さんとしますが、それでも長崎の中央は堅く、サイドからクロスを入れるのが精一杯。
唯一45分に右からの展開を経て、荻原がエリア内左を突いてクロス、ファーサイドで福岡のヘディングシュートに繋げたぐらいでしょうか。(GK富澤キャッチ)
結局前半は1-0と、長崎がリードを保ったまま終了となりました。

前回対戦と同様の前半のスコアとなりましたが、京都は前回よりも悪化したような内容。
ハーフタイムに早くもジョーカーのイスマイラを投入(宮吉と交代)し、早めに追い付く算段を立てます。
尚、ウタカとイスマイラの2トップに移行し、全体も4-1-2-3から4-4-2へとシフトして川﨑・武田のドイスボランチに。(福岡が右サイドハーフ・松田天が左SH)

その意気込みとは裏腹に、長崎がペースを維持した立ち上がりとなります。
エジガル狙いのロングボールも絡めつつ押し込んでいき、開始7分間でCKを3本獲得するなど攻撃権を支配。
後半3分にはそのCKから、エジガルがヘディングシュートを放ちますが枠を捉えられず。

京都は耐える時間帯を強いられたものの、ジッと好機を伺う姿勢を取っていたでしょうか。
すると8分に最大の好機が訪れ、武田のミドルパスの跳ね返りをウタカがブロックし、こぼれ球をダイレクトで松田天がイスマイラを走らせるスルーパス。
左ハーフレーンで受けたイスマイラから中央へ送られると、福岡がさらにエリア内へスルーパス、これにもイスマイラが走り込んでシュート。
イスマイラの走力をフルに発揮させての決定機となりましたが、シュートはGK富澤が足で防ぐビッグセーブとなり、逃してしまった京都。

直後の9分にさらに2枚替え(荻原・福岡→本多・白井)と、早めの同点を狙いにいく京都。
旺盛にゴールを狙わんとするイスマイラの存在もあり、ウタカが降りて来てゲームメイクに関わるシーンも増え。
長崎の隙を伺いつつ、イスマイラという飛び道具を使う攻撃を仕掛けるも、中々実らず。
逆に長崎はエジガル狙いのロングパス一本による好機が増え、カウンターの恐怖とも戦わなければならなくなった京都。
17分には浮き球に走り込むエジガルを前に、京都・麻田がクリアミスでCKを与えてしまうシーンも見られます。

傍らから観ても良くないと思える状況で、無理に同点を狙おうとついに痺れを切らす京都。
20分の攻撃、エリア周囲での細かいパスワークの末にウタカのエリア内へのパスがクリアされると、敵陣右サイドで拾ったのはヨルディ・バイス。
するとカットインを仕掛けたのち、果敢にミドルシュートを放ったバイスでしたが、これが最悪の結末となってしまいます。
江川がブロックしたこぼれ球がクリアされるとエジガルに直接渡り、一気に長崎のカウンターに繋がり。
必死に戻らんとするバイスの姿も空しく、エジガルのスルーパスが裏に抜けた植中に渡り、GKとの一対一を作ったのちペナルティアークから植中がゴール右へとシュート。
択一状態ではGK若原もどうしようも無く、ネットが揺れた結果長崎に2点目が入る事となりました。

京都はその後、裏狙いのパスによる攻撃を見せるも好機は作れず、23分に後半の飲水タイムへ。
26分には再度2枚替えを敢行と、長崎が1枚も切らないうちに全てのカードを使用する事となりました。
川﨑・武田→三沢・荒木へと交代し、松田天がボランチに回る事に。(三沢はボランチ・荒木は左SH)

30分に長崎・米田がファウルスローというシーンが見られたのち、京都が押し込みにかかる絵図へとシフトした試合。
早めに1点を返したい京都、最終ラインで隙を伺ったのちの長短のパスで前進にかかりますが、一層守備意識が強まる長崎に対しやはりシュートまで辿り着けない時間が続きます。
クロスを上げても合わせる前にクリアされ、またトラップに成功しても収まらず。
そしてクリアボールに対して直接シュート体勢にいっても、その前にクリアされる(34分、クリアボールを三沢がボレーシュートにいったがクリアされ撃てず)等、長崎のディフェンスの徹底ぶりが際立つ事となりました。

長崎ベンチは33分に最初のカードを切る(植中→都倉)と、後は着々と手駒を投入する体勢に。
38分には澤田・名倉→加藤大・山崎と両SHを交代。
そして最後のカードはアディショナルタイムで、この日ベンチに復帰していたビクトル・イバルボを投入、ピッチ慣れさせるという余裕も作られました。(エジガルと交代・同時に鍬先→玉田に交代、加藤大がボランチに回る)

一方の京都はアクシデントに見舞われ。
38分に飯田が長崎・都倉に反則を受けると、前半に受けた傷とも合わさってか、倒れ込み起き上がれない状態となってしまいます。
そんな中でもFKを始めた京都、ビハインドでの余裕の無さを示していましたが、それでも立ち上がる事は無かった飯田。
結局担架で運ばれ、以降10人での戦いを強いられる事となった京都。(白井が右SBに回り4-3-2にシフトか)

その後は数的優位になった長崎の攻撃時間も増え、時計を進められる京都。
何とかATに、ウタカがエリア内でシュートを放つもブロックされCKに。
最後のチャンスといったセットプレー、クロスをイスマイラが中央で合わせにいき、こぼれた所をバイシクルで撃ちにいったのはウタカ。
しかし生まれたのは、防ぎにいった長崎・都倉に足が入る危険なシーンであり、反則で終了となります。(都倉は頭を抑えるも、ボールが当たったという事で無事)
結局京都に得点が齎される事はありませんでした。

2-0と、前回対戦時と同様のスコアで長崎が勝利。
しかし京都のシュート数は前回よりさらに減り(9→6)、内容も上回っての完璧なダブル達成といえる長崎。
折り返し後は失点が膨らみ気味でしたが、この試合を機に引き締まり、上位追走といきたい所でしょう。


DAZN観戦 2021年J2リーグ第32節 ブラウブリッツ秋田vs愛媛FC

2021-10-04 16:14:37 | サッカー視聴記(2021年J2)

※前回の秋田の記事はこちら(29節・水戸戦、3-0)
※前回の愛媛の記事はこちら(29節・大宮戦、2-2)

4戦無敗(2勝2分)という現状の秋田。
混迷を極める残留争いから一歩上の位置に居るのは相変わらずで、安定性ある戦いを維持。
メンバーにもそれは現れており、この日で5戦連続の同一スタメンが選択され、このまま残留までバランスを保ち歩み続けんとしています。

この日も持ち前の、走力とフィジカルをメインにしたサッカーを繰り広げようとしますが、相手は現状最下位の愛媛。
どんな形でも良いから勝ち点が欲しい、という状態のチームの豹変ぶりを目にした事で、ペースが乱されたのでしょうか。
前半3分にコーナーキックの好機を得た秋田、ゴール前に密集を作った所で、ポジション取りを巡って主審から注意が与えられ。
そしてキッカー飯尾からクロスが上げられますが、GK岡本を倒してしまい反則で終了となります。

ゲームが動いたのはその直後で、5分に藤本がロングボールを収めた所、増田の反則で愛媛の直接フリーキック。
右ハーフレーン・エリアからやや手前で、直接かクロスかに(攻守とも)迷う場所でありましたが、キッカー内田は果敢に直接シュート。
ライナー性のボールが右ゴールポストを叩いた後、ダイブしていたGK田中雄大に当たってゴールに吸い込まれます。
前回対戦では開始1分も経たないうちにリードを奪った秋田でしたが、逆に早々にビハインドとなってしまったこの日。

秋田はCKから、9分に千田がヘディングシュート(GK岡本キャッチ)、12分にこぼれ球を武がヘディングシュート(眼前でクリア)を放つもののモノにならず。
13分の愛媛の攻撃、スルーパスに走り込んだ藤本が秋田・藤山のチャージを受ける(反則は無し)と、藤本が激高して騒然となるスタジアムの雰囲気。
秋田サイドはこうした球際でのバトルは日常茶飯事でしょうが、愛媛サイドもそれに合わせて応戦の姿勢を取るのはやや予想外でした。
しかし16分には忽那が副審のジャッジに対して異議で警告を受ける等、その意識がマイナスに作用した場面も生まれ。
前節(山形戦・0-4)は大敗となった愛媛でしたが、それが「相手の長所を消すサッカー」へと傾倒する開き直りへとシフトさせたのでしょうか。

フォーメーションも、通常の3-3-2-2から、藤本1トップ・川村がボランチとマイナーチェンジした3-4-2-1へとシフト。
繰り広げたサッカーも、その攻撃の殆どが藤本を狙ったロングボールで、守備でも大部分がクリアで逃げるシーンばかり。
球際で負けず、最終ラインで跳ね返すという専守ぶりを貫いていたこの日の愛媛。
前節欠場していた3バックの中央・栗山の存在もあり、セットプレー以外では秋田にシュートを放たせずに時間が進んでいきます。

そんな愛媛に対しサッカーを変えるという事はしなかった秋田、その副産物としてスローインの数が膨れ上がり。
遠目からでも時間を掛けて長いボールを入れるという両チームの姿勢もあり、どちらも試合の流れを得られないという感じで試合は推移。
スローインにより主審も中々切る事が出来ず、遅めの29分にようやく飲水タイムが挟まれるという運びになります。(自陣からのスローインでも、相手が高めの位置を取るためピンチ脱出になりづらいためか)

ブレイク明け、愛媛が秋田をインスパイアするようなロングスロー攻勢を披露。
内田がそのスキルを持っているのは周知でしたが、浅めの時間帯で早その体制を見せたのは傍らからも想定外で、愛媛のイメージチェンジぶりは手先足先まで伝わっていたかのようでもあり。

それでもセットプレーから好機を作ったのは秋田の方で、37分には愛媛・田中裕人のスライディングで稲葉が倒れて(どちらの反則か識別し難いシーンでしたが)得たFK。
敵陣ながらGK田中雄がキッカーを務め、右サイドからロビングが入れられ、跳ね返りを拾った藤山がミドルシュート。
ブロックに当たり枠を外れ引き続きの右CK、クロスがクリアされた後の二次攻撃で、再度右サイドから稲葉の低いクロス。
これを飯尾がヒールでフリック、ファーサイドへ浮かせた所に武が跳んだものの、僅かに合わずという際どい攻撃となります。

しかし39分、秋田のロングボールを愛媛・大谷がクリアした所、競らなかった吉田伊吹によりバランスを崩して地面に激突。
このプレーは当然反則ですが、吉田伊に警告という事態になったのは秋田サイドとしては誤算だったでしょうか。
その影響故か終盤は愛媛に流れが訪れ、アディショナルタイムにチャンス到来。
クリアボールを左サイドで収めた近藤、そのまま右へラフに浮き球を送ると、秋田・飯尾のクリアミスで高木が拾って抜け出す絶好機。
そのままエリア内に進入して放たれた高木のシュートでしたが、GK田中雄がセーブして防ぎ。
その後のCKも近藤のシュート(ブロック)に繋げた愛媛でしたが、追加点は奪えずとなり前半を終えます。

思いがけない愛媛の変貌にお株を奪われた感のある秋田。
同一イデオロギーのぶつかり合いというサッカーの内容を強いられた感があり、そんな中でリードを奪われてしまったため、後半立ち上がりからその威光を取り戻さんとするかのように攻勢を掛けます。
その最中の後半2分に左CKを得た秋田は、ショートコーナーからの沖野がクロスを入れ。
中央で合わせにいった吉田伊でしたが、GK岡本がパンチングでクリアすると、両者激突して岡本が倒れ込む事態を招いてしまいます。(秋田の反則)
心配された岡本は1分程で何とか起き上がり、脳へのダメージチェックののち復帰。

攻撃機会では勝りながらも、栗山を中心とした愛媛ディフェンスの粘りでシュートまで辿り着けない秋田。
逆に14分に愛媛がカウンター、左サイドで茂木のロングパスを収めた藤本から、中央へのパスに走り込んだ川村がシュート。(ブロック)
しかしこの際に足が伸びたためか、足を攣らせてしまった川村。
このサッカーに慣れていない分、ダメージは愛媛の方が目立つという状況だったでしょうか。

それでも自身のサッカーを貫く以外に取れる手が無い秋田、早い段階でリードされてしまったのが痛恨でしたが、それを後悔しても前進はできず。
16分にようやく流れの中から、飯尾のエリア内へのロビングを吉田伊がスライディングで何とか繋ぎ、稲葉のダイレクトパスを収めた武が中央からシュート。
しかしこれも愛媛・大谷のブロックに阻まれます。
同じスタメンを長く続けていた故か、若干読まれていた感もあったこの日の秋田の攻撃。
そして22分に選手交代に踏み切り、藤山・武→普光院・齋藤へと2枚替え。
普光院がボランチに入り、輪笠が右サイドバックに回るというポジションチェンジを(4試合ぶりに)採ります。

しかし23分に致命的なミスを犯してしまいます。
飯尾のバックパスを足下で受けたGK田中雄でしたが、愛媛・藤本のプレスを前にしてうっかり手で抑えてしまい。
これがバックパスの反則となり、愛媛のエリア内からの間接フリーキック。
気合を入れて全員でゴール前に壁を作った秋田でしたが、(藤本の蹴り出しからの)内田のシュートは前に出てブロックするも、跳ね返りが内田に当たって混戦に。
これを脱出させる事が出来ず、内田シュート(ブロック)→藤本シュートという立て続けに突き出された槍の前に屈してしまった秋田。
愛媛が追加点を挙げたと同時に、後半の飲水タイムに。

2点差となり、死に物狂いで攻めなければいけなくなった秋田。
ブレイク明けは右サイドに攻撃が偏り、行き詰まりを感じさせるものとなり。
すかさずベンチは動き、31分に3枚替えを敢行。
茂・吉田伊・沖野→三上・半田・中村へと交代し、今季初出場の半田をFWとして、中村が右サイドハーフに入るという変節を見せます。(愛媛もその直前に川村→山瀬に交代)

この中村をファーサイドのターゲットとするかのようなシフトで、以降秋田は左サイド中心の攻撃に。
35分は自陣深めから左サイド~中央をパスで前進し、三上のクロスから半田がニアサイドでヘディングシュートを放ちましたが、ゴール右へと外れ。
何とか愛媛を押し込みつつ、セットプレー攻勢を掛けて1点を奪わんとします。
39分に愛媛は藤本→唐山へと交代、ロングボールの収め役の藤本が退いた影響か、以降攻撃機会は殆どなくなってしまい完全な専守体制へ。

41分に、センターバックの増田が前線に上がりっぱなしとなり、パワープレイ体制を採る秋田。
それに呼応するかのように、43分にCKを得ると、以降4本連続のCKとなる長いセットプレー攻勢に。(左右とも普光院が蹴る)
その3本目、クリアボールをエリア手前・中央やや左で稲葉が拾いシュート。
ボールはワンバウンドでブロックをすり抜けたものの、GK岡本のファインセーブに阻まれます。
この攻勢が終わったのちの45分、GK田中雄ロングフィード→増田落としという単純明快な攻撃が完全に裏を取り、受けた齋藤がエリア内へ進入してシュート。
しかしこれもGK岡本がセーブと、愛媛ディフェンスの集中が切れた瞬間を突いたもののゴールは生まれず。

そのままATに突入し、CKではGK田中雄も前線に上がるシーンを作る秋田、スローインではロングスロー攻勢の体制。
左から稲葉のロングスロー、(増田が合わせるもエリア外へ逸れた)こぼれ球を拾った普光院からクロスが上がり、ファーサイドで千田がヘディングシュート。
ワンバウンドして左ゴールポストに当たるも、すかさずGK岡本が抑え、目前に2人が詰めていた秋田でしたが得点はなりません。
結局0-2のまま試合終了となり、愛媛の意地の前に屈した、という試合内容となってしまったこの日秋田。

逆に愛媛にとっては貴重な勝利であり、ようやく今季6勝目。
最下位脱出はなりませんでしたが、残留ラインは押し上がりますます混迷を極める事となり。
サッカー的には、この日見せた「相手の長所を消す」スタイルを今後も継続させるかどうか。
それとも秋田へのインスパイアの方を継続させるのか、という事が焦点となるでしょうか。