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DAZN観戦 2021年J2リーグ第32節 ツエーゲン金沢vsアルビレックス新潟

2021-10-07 16:12:26 | サッカー視聴記(2021年J2)

※前回の金沢の記事はこちら(順延25節・山口戦、1-4)
※前回の新潟の記事はこちら(30節・ヴェルディ戦、3-1)
※前回の両クラブの対戦はこちら(8節・新潟 1-0 金沢)

試合前のアルベルト・プッチ・オルトネダ監督のインタビューで、金沢サポーターが迎える雰囲気に触れられたこのカード。
ダービーマッチに劣らぬ結び付きの強さと、ダービーマッチに反するようなお互い暖かさを持って相対する、複雑かつ濃密な関係といった所でしょうか。

周知の通り、2004~2017年という長期に渡りJ1の座をキープしてきた新潟。
その間に金沢がJ2入りし、前新潟の柳下正明氏を監督に迎えたという所で、同じ舞台で戦いを繰り広げる事となり。
同じ北陸地方のクラブ、というだけに留まらない関係がそこにはありました。クラブアンバサダーに辻尾真二氏が就いた事も影響しているのか

しかし今季は、開幕から昇格争いを繰り広げる新潟と、中盤から勝てなくなり一気に残留争いに巻き込まれた金沢と明暗がクッキリ。
特に13戦未勝利という汚泥にまみれている状態の金沢の方は、縁故ともいえる新潟相手に勝つ事で起爆剤としたい所でしょう。
堅守を売りとしたいにも拘らず、守備が崩壊気味の今季。
そのためセンターバックが流動的であり、この窮状で頼れるのはベテランのみ、という思惑か廣井を重用しているここ最近。

前回対戦でもシュート数で圧倒していた新潟。
当時とはチーム状態も差が開いている(といっても、新潟の方も当時の勢いは無いでしょうが)現状、一層新潟ペースの時間帯が長くなる事が予想され。
前半3分に最初に好機を掴む新潟、右サイドで早川のロングパスが通り、福田が奥へ進入してクロス。
これをファーサイドで鈴木が収めてシュート、ブロックに阻まれるもこぼれ球を繋ぎ、後方から島田がミドルシュートを放つもこれもブロックに防がれました。
この先制パンチを切欠にペースを掴みたい新潟でしたが、冷水を浴びせられる事となります。

8分に左サイドから攻撃を作る金沢、大橋の縦パスが遮断されるも長峰がこぼれ球を繋ぎ、今度は逆の右へ展開。
藤村から受けた松田、早い段階で手前からクロスを入れると、低いボールがエリア内中央を突いて右足で合わせたのは丹羽。
新潟サイドにとってはやや想定外というような、手前から低いクロス→ファーサイドから走り込んだ選手がボレーシュートという攻撃で、ゴール右隅に突き刺さり金沢が先制点を奪います。

金沢リードとなりましたが、同時にこれが主導権を新潟に固定させる事にもなり。
ボールを支配し、主体的な攻撃を以降飲水タイムまで継続した新潟。
右サイドバック・早川が中央に絞り、その分右サイドハーフの三戸がサイドに張り付く、3バックのような基本形で攻撃を組み立てるのは以前の通り。
長短織り交ぜたパスで金沢の守備を崩さんとしますが、金沢サイドは前半のうちにリードを奪ったのは14試合ぶりと、丁度最後の勝利(18節・愛媛戦、3-1)まで遡り。
攻められ続けてもモチベーションは下がる事無く、FW(丹羽・大谷)も積極的にプレスバックでディフェンス参加を見せます。

ボールを握ってもフィニッシュまで辿り着く事は出来ないという、ポゼッションスタイルの宿命ともいうべき時間を強いられた新潟ですが、22分に金沢・廣井の反則でゴール正面からの直接フリーキック。
これを高木が直接狙いますがゴール上へと外れ、それと同時に飲水タイムへ。

明けた後も攻勢を掛ける新潟ですが、一瞬の隙を金沢が突くシーンも目立ち始めます。
27分に大石のドリブルをロメロが反則で止めてしまい、金沢の右サイドからのFK。
キッカー藤村のクロスは逆サイドに流れるも、拾った平松が左奥から再度クロス。
中央の庄司を越えてファーサイドの丹羽に収まり、すかさずシュートを放ちネットに突き刺した丹羽でしたが、トラップの際ハンドを取られてノーゴールに。

肝を冷やした新潟でしたが、以降も主体的な攻撃を貫き、全員(GK除く)敵陣で攻めるシーンも増えていきます。
37分に左サイドを福田が前進したのちサイドチェンジ、受けた三戸がカットインの姿勢からゴールへ向かうクロスを入れ、合わせにいったのはロメロ・フランク。
しかしカンフーキックのような恰好で、飛び出したGK後藤と激突してしまい反則で終了となり。
新潟のドイスボランチに着目すると、ミドルシュートを持ちプレースキックも出来る島田が攻撃の軸と思いがちですが、好機を演出する仕事をするのは福田の方が多め。
そのためボール保持の際は福田が前に出て縦関係となるのが主で、両サイドに動き回り福田がパスワークに参加する事が目立っていました。

その後も攻撃権を支配する新潟ですが、金沢ディフェンスの前にフィニッシュを量産する事は出来ず。
32分に早川が、45分に千葉がミドルシュートと遠目から放つもモノに出来ず終わり。
前半は金沢1点リードのまま終了となりました。

2強(京都・磐田)の追撃に向け負けられない新潟、逆転のため早くも手を打ってきたハーフタイム。
鈴木・早川→本間・藤原へと交代し勝負を賭けにいきます。
空いた1トップにロメロが入るというシフトチェンジに加え、早川と性質の違う藤原が同ポジションに入る事で、ビルドアップの形も変えに掛かった節があり。

早々の後半1分に舞行龍ジェームズのロングパスから、堀米が受けにいったこぼれ球をエリア内でロメロが収め、そのままシュート。(GK後藤キャッチ)
ロメロ1トップはそのポストワーク能力で十分機能を見せ。
また右サイドで藤原が上がり目の位置を取る事で、福田が逆の左サイド中心でのプレーに傾倒していたでしょうか。
左サイドに人数を増やして組み立てていく後半立ち上がり。
4分にはロメロのポストプレイから左サイドで前進、福田のスルーパスに走り込んだ高木がエリア内左からグラウンダーでクロスを入れるも、GK後藤がダイブして抑えます。

しかし金沢もパスカットからのカウンターで対抗し、10分には丹羽のカットから右サイドで組み立て、大石のグラウンダーのクロスがニアサイドを突くも合わせにいった大谷がオフサイドを取られ。
前掛かりになって逆に追加点を奪われる、という展開だけは避けたい新潟。

攻撃の一翼を担っていたロメロ・福田ですが、ともに故障がちでフルは持ちづらいのが難点。
16分にベンチもそれを踏まえ、両者を交代させるという手を打たざるを得なくなりました。(谷口・高と交代)

直後に金沢が自陣からのスローインで攻撃。
右サイドで大石のスルーパスに丹羽が走り込み、入れられたマイナスのクロスを中央で大谷が合わせる絶好の形になるも、シュートはふかしてしまいモノに出来ず。
2人が退いた影響か、この時間帯の新潟は主導権を失い、直接FKを堀米が直接シュート(壁の下を通すもGK後藤キャッチ)した場面のみとなり。
(21分に金沢は平松→力安に交代)

こぼれ球を拾いにいった松田を新潟・本間が倒してしまい、反則・警告となったタイミングで、後半の飲水タイム。(23分)
敵陣でのFKという事で、再開後直接放り込む選択をした金沢でしたが、集中力を切らさず撃たせない新潟。
27分に堀米→田上に交代と、早くも5人の交代枠を使い切る事となりました。

堀米と異なり、田上は中に絞ったうえで上がる動きが中心で、HTでの交代同様に変化を付けて同点にせんとする新潟。
そして32分の新潟の好機。
千葉縦パス→谷口ポストプレイ→高木右へパスという流れで受けた三戸が、クロスかシュートか区別しづらいボールを入れると、GK後藤が何とか弾き。
ファーサイドへのこぼれ球に走り込むのは田上、しかし金沢・力安に後ろから倒されると、反則の笛が鳴り響き。
最後は田上の特徴が活かされ、貴重なPKをゲットした新潟。

キッカーは谷口が務め、その間に金沢は選手交代。(大谷・大石→杉浦恭平・高安)
チームトップスコアラーの谷口、その存在感を発揮して同点にしたい所でしたが、放たれたゴール右へのシュートをGK後藤が読み切ってセーブ。
高木が詰めてシュートするも枠を捉えられずと、最大の好機を潰してしまう事となりました。

その後は田上が絞る分、左サイドに張る本間を橋頭堡とした攻撃を仕掛ける新潟。
37分にはカットインからミドルシュートを放った本間でしたが、枠を捉えられず。

一方無事にリードを失わずに済んだ金沢。
強まる新潟の攻勢を受けつつも、一矢を放つ姿勢を見せ。
38分にはゴールキックからの攻撃、左サイドで繋いだのち藤村のスルーパスに長峰が抜け出し、奥からクロスを入れる体勢に。
最初のグラウンダーのクロスがブロックされるも拾い直した長峰、今度はマイナスのクロスを選択し、受けた丹羽がワントラップからのシュートを狙うもディフェンスに阻まれて撃てず。
前回対戦時も、シュート数は少ないながらもその攻撃で新潟ゴールを脅かしていた金沢。
ネットに突き刺したシュートがオフサイドを取られる事もあり、一歩何かが違っていれば結果は逆になったかもしれない内容であり、そう考えればこの日の結果は妥当なものといえるでしょうか。
しかしこれ以降は新潟の一方的な展開となり、耐え忍ぶ事を余儀なくされます。(39分に松田→片倉へ交代)

それでも新潟サイドももう人数を掛け押し込むしかないという試合終盤。
CBの千葉・舞行龍も積極的に持ち上がり、人数を増やしたうえでパスワークで崩さんとします。
アディショナルタイム最初の攻撃、舞行龍の左への展開を経て、受けた本間から高→島田→田上→高木と繋いで最後はエリア内の谷口へ。
DFに付かれながらも強引にシュートを放ちましたが、威力無くGK後藤がキャッチ。
金沢の集中力は途切れる事無く、最後は田上のロングスローという手段に訴えるしか無くなった新潟。
そこから藤原がミドルシュートを放つ(ブロック)シーンも生まれましたが、結局最後までゴールを奪う事は出来ず。
自陣で耐え忍び試合終了の笛を聞く事となった金沢、ついに長いトンネルを脱出する勝利を挙げました。


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