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ぶらりドリブルの旅

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DAZN観戦 2021年J2リーグ第35節 大宮アルディージャvsギラヴァンツ北九州

2021-10-25 18:15:31 | サッカー視聴記(2021年J2)

※前回の大宮の記事はこちら(31節・相模原戦、1-0)
※前回の北九州の記事はこちら(25節・愛媛戦、2-2)
※前回の両クラブの対戦はこちら(15節、北九州 3-1 大宮)

中々勝ち点3を得られず、降格圏が定位置となってしまっている北九州。
カンフル剤が欲しいという状況で、前節(ヴェルディ戦・2-2)からとうとう、不動のセンターバックであった村松がレギュラー陥落となってしまいました。

25節から6戦無敗という成績を描いたものの、その際も2勝4分と引き分けが多く。
何かの拍子で再度悪循環に陥る可能性は十分ありましたが、その通りに30節から5戦未勝利(3分2敗)へと転じてしまい。
しかも5戦で11失点と守備の破綻が顕著な結果となり、スタメン入れ替えという措置が採られたのも仕方無いでしょう。
最終ラインを変形させてのビルドアップが持ち味の北九州、村松はその舵取りとして不可欠な存在でしたが、その分高さに欠けるという弱点と付き合わなくてはならない。
この残留争いの終盤という局面で断が下された訳ですが、果たしてそれが吉と出るか。

大宮のホーム・NACK5スタジアムでの試合となり、残留争いのライバル同士の対戦。
過去8戦で4勝(2分2敗)と、ここ最近は勝ち点3を得る試合を作り、意気は軒昂といった状況の大宮。
いきなりの前半1分、北九州・佐藤亮がトラップで抜け出そうとした所を、西村慧祐がショルダータックルで倒してしまい反則。
激しいデュエルで北九州のサッカーを封じるという意思表示を見せたようなシーンで、その通りに北九州はボールを握りながらもフィニッシュには辿り着けません。

その北九州のビルドアップですが、村松不在の影響はやはり表れ、いつもの最終ライン3枚の基本形はイレギュラーなものに。
ボランチが降りて来る事は無く、右サイドバックの福森が上がらずに、CB2人(岡村・河野)とともに3枚を形成していました。
ここに来て基本の部分を変えざるを得ないという苦しさが露呈し、その揺らぎを大宮にしっかりと突かれてしまう事になります。

プレッシングにより、敵陣でのボール奪取を頻発させていた大宮の立ち上がりでしたが、14分に結果に繋げます。
敵陣左サイドでボールカットした小野がすかさず中央にパスを送ると、ニアでの小島のスルーを経て中央で受けにいった河田がさらにスルー、その奥の黒川がフリーで受け。
そしてエリア内に進入してシュート、ゴールネットを揺らす事に成功。
ショートカウンターをしっかり得点に結び付けた大宮。

大宮がいつもの4-3-3(4-2-1-3)からやや変形し、小野(予想の段階ではトップ下)を左サイドハーフにした4-4-2に近い形にして挑んでおり。
北九州はそのギャップにも苦しめられ、以降は得点どころか好機を生み出せない状況に陥ってしまいます。
逆に大宮はリードしても攻撃の手を緩めず。
17分には山越のロングパスから、跳ね返りを小島が頭でエリア内へ送り、河田がフリックしたボールを中野が受けてシュート。
ネットに突き刺したものの、オフサイドを取られ惜しくも2点目とはいかず。
その際に中野がGK吉丸と接触して痛んだものの(暫くして無事に起き上がる)、大宮は大過無く立ち上がりを過ごし、23分に飲水タイムが挟まれます。

一方ボール支配率では上回るも、劣勢ぶりは隠せなかった北九州。
ブレイクが明けるとビルドアップをいつもの形に戻し、ボランチ1人を最終ラインに降ろすスタイルを採ります。
上手くいかない故の修正か、ないしは第1クォーターを助走期間とし、慣らした上で普段通りのサッカーへと転じるという予定調和なのかは不明でしたが。

それでも大宮ペースが続いていましたが、序盤から激しいチャージも厭わずの姿勢も奏功したのもあるでしょう。
しかし30分に北九州のゴールキック、ロングボールを直接合わせにいった前川と山越が競り合い、山越の反則を取られ。
中盤からのフリーキックでしたが放り込みを選択した北九州(試合開始からこの姿勢は変わらず)、キッカー針谷のロビングがエリア内左へと上がり、岡村が折り返し。
大宮ディフェンスが掻き出すも、エリア内左へこぼれた所新垣が豪快なシュートをゴール上部に突き刺し。
セットプレーで劣勢を挽回、という同点弾となりました。

振出しに戻った事で、再び北九州が主体的にボールを繋ぎ、好機を得る展開に。
同点ゴールを挙げた新垣の突破力を軸に、左サイドでの攻撃が目立ったこの時間の北九州。
大宮はプレッシングをかけるも、北九州の2人のボランチのうち前に居る側が空く事で、脱出されてしまう事が数多。
それでも大宮は粘り強く守りつつカウンター気味に好機を作り、35分に河田が、36分に馬渡がシュート。(前者は枠外・後者はGK吉丸キャッチ)
フィニッシュという点では大宮優勢なのは変わりません。

そしてその流れが、そのままスコアに現れます。
42分の大宮、最終ラインでの三門の展開から左サイドで受けた小野がカットインの姿勢から斜めに縦パスを入れ、これを受けたのはストライカーの河田。
ペナルティアークから果敢にシュートを放つと、グラウンダーでゴール左へと突き刺さり。
いかにも点取り屋といったゴールで、再度大宮がリードを奪いました。
その後も大宮が好機を作り続けた末、2-1のまま前半を終えます。

後半に入る前に、北九州は選手交代。
1トップの佐藤亮に代え椿を投入、前川がFWに回って高橋がトップ下・新垣が右SHへとシフトという形を取ります。
夏の補強期間で再加入し、残留の切り札と目されましたが、故障により長期離脱を強いられた椿。
この日が復帰試合となり、状況打開の期待を受けての出場となりました。

後半の入り、その北九州に決定機が。
後半2分に前川が右サイドをドリブルし、パスを受けた新垣がエリア手前右からシュート。
ブロックでエリア内にこぼれた所を高橋がシュートしたものの、GK南のセーブに阻まれます。

いきなり肝を冷やした大宮でしたが、HTを経て修正を図ったのか、以降再び北九州のビルドアップを阻むシーンが目立ち始め。
相手のボランチをフリーにしてしまう事は無くなり、FWの中野がボランチへのパスコースを切りつつのプレッシングを見せる事で優位に立ちます。

そしてその姿勢が影響したのか、7分に北九州は針谷が西村恭史へのパスをミス(ここも西村恭には中野が付いていた)してしまい、すかさず拾った小野がエリア内右へラストパス。
受けた黒川のシュートが左サイドネットへと突き刺さり、早い段階でリードを広げた大宮。

痛すぎる失点となってしまった北九州。
以降も意気上がる大宮に対し守勢を強いられ、消沈ぶりは隠せずという状況になります。
大宮のコーナーキックからのカウンターで、椿がドリブルで持ち上がるシーンもありました(11分)が、大宮の素早いトランジションによりシュートまで辿り着けず。
逆に大宮は11分に黒川がシュート(ブロック)、12分に小島がシュート(GK吉丸セーブ)と、尚も点差を広げんとゴールを脅かします。

挽回したい北九州は、14分に西村恭→永野へと交代。
FWのような背番号(11番)の永野がボランチに入る事で、前に出る姿勢を強めたのか、以降前線でボールカットを頻発させた北九州。
16分には大宮・西村慧のミスを新垣がカットし、そのままエリア内でGKと一対一を迎えましたが、GK南が反応良く前に出てブロック。
21分には右CKから、GK南のパンチングが小さくなった所を新垣がエリア内左から折り返し、中央で収めた前川がシュート。
しかしこれも小島ブロック→南セーブと、必死に守る大宮の前にゴールを奪えません。
逆に次のCKで、ショートコーナーをカットされて大宮のカウンターを招き(カットした小野が一気にドリブルでエリア内左に進入、クロスを入れるも撃てず)、ペースを失う事となります。

25分に飲水タイムが取られ、尚も攻め上がる大宮。
河田が抜け出そうとした所を北九州・福森が肘打ちに近い格好で止めてしまう(腕が河田の喉に入る・反則)など、大宮の圧力に北九州は四苦八苦。
それでも30分、これまで攻守に活躍してきた中野が、左からクロスを入れた際に足を攣らせてしまい。(担架で運ばれる)
これを機に最初の交代カードを切った大宮。(中野・河田→柴山・イバ)

その後34分に山越が足を痛めて担架で運ばれる(一度交代の準備が取られるも復帰)等、ハイテンション故の傷が目立ってきた大宮。
それでも北九州が後方のミスでピンチを招く(こぼれ球をイバがダイレクトでエリア内にスルーパスも撃てず・33分)など、正の効果は相変わらず続いており、決して相手にパワー負けしないサッカーへと転身した節が窺えました。

何とか1点返したい北九州、42分に最終ラインからの縦パス(岡村)を経て椿がドリブルで中央突破。
エリア手前まで進んでエリア内右へ横パス、福森からのマイナスのクロスをニアで新垣がシュートしますが、枠を捉えられず。
2点差のままアディショナルタイムへと突入し、右CKを得た北九州。
キッカー高橋のファーサイドへのクロスを河野が合わせヘディングシュート、しかし前方に居た味方に当たって跳ね返り。
尚も繋いで右手前からの針谷のクロスを河野が折り返し、こぼれた所を椿がシュートするもこれも枠外に。
好機を作る事は作りましたが、劣勢を跳ね返す事は出来ずとなりました。

一方大宮は、43分に2枚替えとともにフォーメーションを3-4-2-1へとシフト。
既に今季限りでの引退が発表されている河本が投入され、守備固めの体制を取りました。(山越と交代、同時に小島→翁長に交代・右から河本・西村慧・河面の3バック)

憚らずも、昇格では無く残留が最後のチームへの貢献となってしまった河本でしたが、役割を果たして無事に逃げ切り。
勝ち点3へと辿り着いた大宮、これで降格ラインとは勝ち点4差となり。
この記事を書いた段階では下から1勝以上の差という苦境でしたが、今は上から1勝以上の差を付けるという逆転ぶり。
まだ予断は許さない状況で、仮に残留を果たしても大宮というクラブ規模を考えれば不本意なものでしょうが、何とか目の前の大課題をクリアしたい所です。


DAZN観戦 2021年J2リーグ第34節 ザスパクサツ群馬vs京都サンガFC

2021-10-21 16:19:58 | サッカー視聴記(2021年J2)

※前回の群馬の記事はこちら(31節・千葉戦、0-1)
※前回の京都の記事はこちら(32節・長崎戦、0-2)

現在首位である磐田は目下10戦無敗中で、それを追う京都。
こちらは過去10戦で2敗しているものの、甲府・長崎と上位に属しているクラブであり、安定度には変わりなく。
中下位の、特に下位で残留争いを演じる事となっているクラブにとって、この時期に2強と当たるのは厳しい以外の何物でもありません。
この日の群馬も例外では無く、個の力と組織力をふんだんに押し付けてくる京都相手に、いかにして勝ち点を得ていくか。

強風がピッチ上に吹く中、キックオフを告げる笛が鳴り響き。
群馬はこの日前半を向かい風の中で戦う事を強いられ、序盤の3節・琉球戦を思い出すような状況となり。
そしてキックオフからのフィードが直接左タッチラインを割るという、あの試合で頻発したシーンが生まれてしまいました。

そんな風を考慮しての立ち回りを強いられた相手に対し、京都は持ち味を生かして攻勢に。
果敢なプレッシングによるボール奪取を絡めつつ、攻撃権を支配。
前半7分には福岡が左サイドでのパスカットから前進し、カットインでエリア内に進入。
ディフェンスに阻まれ倒されるも、クリアボールを拾って攻撃継続し、以降クロス→クリアの繰り返し。
4度目のクロスがクリアされてやっと攻撃が途切れましたが、京都の圧力に対して凌ぎを強いられた群馬。
以降も押し込まれざるを得ない予感がありありで、そんな状況の中どう戦っていくかが問われる試合となりました。
しかし直後の8分、クリアボールを収めた久保田から左サイドを前進し、久保田のクロスに北川が合わせヘディングシュート。(枠外)
前掛かりになり易い京都の隙を突く攻撃で、フィニッシュまで辿り着けるかどうかがカギでしょうか。

その後も京都の攻勢は止まず、押し込んでいる証拠であるコーナーキックを数多獲得。
13分から立て続けに3本CKが続き、その最中2本目の攻撃で三沢がミドルシュート(ブロック)。
3本目からはエリア内で三沢がシュート(ブロック)、尚も繋いで飯田がミドルシュート。(枠外)
16分には群馬・久保田の反則によるフリーキックから、クロスがクリアされた後CKが2本続き。
1本目で白井がエリア内からシュート(ブロック)、2本目で飯田がミドルシュート(枠外)とフィニッシュを重ねていきます。
押し込む事で後方から上がる余裕も生まれ、ヨルディ・バイスのオーバーラップも冴え渡り。
21分にはエリア周辺でのパスワークにバイスも加わり、左ハーフレーンからミドルシュートを炸裂させたバイス。(ブロックに当たりゴール上へ外れる)

24分に飲水タイムが挟まれ、その直前に反則を受けていた群馬(京都・松田に警告)、自陣からのFKでしたが放り込みを選択。
これはシュートに繋がらず、以降も京都の前線での守備に対し、逆風の中でもロングパスを使わざるを得ない状況と攻撃でも苦戦を強いられます。

京都の猛攻を浴びる中、37分には藤井ロングパス→北川落とす→大前スルーパスという流れで、抜け出した田中を京都・白井が倒してしまい反則・警告。
この右サイドからのFK、キッカー大前のクロスを畑尾がヘディングシュートするも、競った京都・麻田がブロックして枠外に。
隙を突く事で京都サイドも、綻びが表われ始めて来たでしょうか。

尚も京都は、41分に三沢の右奥からのマイナスのクロスをピーター・ウタカが合わせシュート。(ブロック)
直後には川﨑が右ハーフレーンを前進してミドルシュート(GK清水慶記キャッチ)と、群馬ゴールを脅かし。
しかしペースが続く事で、綻びに気付き辛い状況となってしまっていたのか。
44分、群馬の攻撃を京都・飯田が奪って切るも、GKへのバックパスに対し大前が詰めにいき。
そしてスライディングしたGK若原のキックをカットした大前、そのまま無人のゴールにシュートを転がし、先制点をゲット。
京都の攻撃に入る瞬間を突いた格好となり、試合内容に反して群馬がリードを奪いました。

思いがけない形でリードを許してしまった京都、直後に同点にすべく反撃。
左サイドでウタカも交えて長らくパスを繋ぎ、エリア内左を突いた松田が左へヒールパス、さらにダイレクトでウタカが中央へ。
二転三転するパスワークを経て飯田がシュートするもブロックに阻まれ、こぼれ球をエリア内でウタカが拾うも撃てず。
群馬ディフェンスを揺さぶるも、結局前半は無得点のまま終える事となります。

選手交代が早いという今季の京都(というより曺貴裁(チョウキジェ)監督がか)の印象ですが、ハーフタイムでは動かず。
シュート数で大幅に上回りを見せていたため、好循環を維持すべくの選択をしたものの、後半はピッチが左右逆。
一転して追い風となった群馬、ロングボール主体の攻撃で押し込む入りとなり。
敵陣深めでプレーが切れると、岩上にロングスローをさせる選択も躊躇無く行い、好機を作っていきます。

流れを得たかに見えましたが、すぐさま反撃体制に入る京都。
その後半5分、右サイドで三沢のロングパスを中央でウタカが収め、一旦左サイドに叩くも白井の戻しを受けたウタカ。
そしてエリア手前左から果敢にミドルシュートを放つと、ブロックを掻い潜った末にゴール左隅へと突き刺さり。
ウタカに一瞬のスキも与えてはいけないという同点弾となりました。

尚も9分の京都、右サイドから福岡の低いクロスが入ると、武田のスルーを経て中央のウタカへ。
これをシュートにいったウタカでしたが、ミートせずとなり命拾いの格好となった群馬。
その後は10分に大前が、逆にやり返すようなミドルシュートを放った(ゴール右へ外れる)のち、ウタカへのチェックを厳しくして構える守備体制に入ります。

しかしこういう展開になると、自身を囮にしてのプレーも冴え渡るのがウタカ。
15分には群馬・大前が倒れていたのもあり遅攻でパスを回し、右サイドから中央へ回ったのち武田が縦パス。
これを受けたウタカがエリア内へパスを送り、狭い局面で尚も繋いだのちエリア内左から松田がシュート。
完全に崩したものの、ゴール寸前で群馬・小島が頭でブロックして勝ち越しならず。
直後のCKでも、二次攻撃でウタカのポストプレイを経てバイスがミドルシュートを放つ(ゴール左へ外れる)など、ウタカの脇を活かしてのフィニッシュを連発した京都。

追い付かれた事で劣勢になるのは避けられなかった群馬ですが、過激な攻撃を浴びたのを受けて先にベンチも動き。
北川・久保田→青木・加藤へと交代し、立て直しを図ります。

以降は粘り強く守り京都もシュートを撃てずに推移。
そんな中、24分にGK清水慶のロングフィードから好機、青木が京都・麻田を反則気味に振り切って抜け出して受け。
そしてカットインから低いクロスを入れた青木でしたが、ニアに走り込んだ大前は落としを選択して繋がらず、京都に拾われてしまいます。
京都の攻撃は熾烈なため、こうした撃てる局面ではなるべくシンプルに撃ちにいってフィニッシュで終わらなければ、失点の危機もそれだけ高くなってしまう。
そんな事を考えさせられましたが、幸いここでは京都の攻撃は好機に繋がらず、直後に飲水タイムに入ります。
明ける際に京都サイドも動き、三沢→荒木へと交代。(松田が左ウイング→右WGへシフト)

登録上は左WGに入った荒木ですが、投入直後は右サイドの組み立てに関与。
27分、武田のスルーパスに走り込んだ荒木が右からマイナスのクロスを入れるも、走り込んだ武田が合わせたシュートは大きくふかしてしまいます。
決定機を逃し、思わず頭を抱えた武田。
その後も30分にCKからの二次攻撃で、武田のミドルシュートが火を吹くもGK清水慶がセーブ。

京都の火力に晒される群馬でしたが、攻勢故の気の緩みは後半も時々見られ。
32分にGK清水慶のフィードを麻田がクリアミスし、拾った大前のパスを受けた田中がエリア内右を突いてシュート。(ブロック)
長らく攻め込む京都と、その前掛かりの姿勢を突かんとする群馬という図式が完全に出来上がり、時間が進んでいきます。

37分には右サイドでの細かいパスワークを経て、中央で荒木がエリア手前からシュートするも再度GK清水慶がセーブ。
ウタカを抑えられつつあった京都、他の選手がフィニッシュを重ねていきましたが、こじ開けるには後一歩といった展開。
38分に切り札のイスマイラを投入(福岡と交代、松田が中盤にシフト?)と、終盤でのジョーカーとして起用してきた曺氏。

群馬陣内での展開の連続で、バイスも上がりっぱなしという印象の終盤戦。
39分にはそのバイスの左からのクロス、こぼれ球をウタカのポストプレイを経て荒木がシュートするも枠を捉えられず。
その姿勢を突くように、群馬も縦パス攻勢で好機を作る場面が増えていき、オープンな展開になりつつありアディショナルタイムを迎えます。(40分に群馬は田中→進に交代)

そのATの最中に、両サイド同時に最後の選手交代。(京都=松田→李、群馬=大前→白石)
すると京都のミスからまたも群馬に好機が訪れます。
GK若原のトラップミスをエリア内左で進が拾い左へパス、白石が飛び出してきた若原をかわすもディフェンスに遭いCKに。
その左CKからの二次攻撃で、岩上のクロスが跳ね返された所を、中央で拾った白石がシュート。
GK若原のダイブを抜くも、ゴールバーを直撃してしまい跳ね返り。
決めていれば……という感情が、直後の反則の際の遅延行為(笛の後に加藤がボールを蹴る・警告)に現れていたような群馬サイド。

最後は京都がCKを得るもモノに出来ず、試合は1-1のまま引き分けに。
既に磐田が引き分けていたため、優勝するには是が非でも勝ちたかった京都。
残留のための勝ち点1は得たものの、以降も上位クラブとの対戦が目白押しという日程を強いられる群馬。
勝ち点2が惜しいという感情を双方に齎した試合となりました。


DAZN観戦 2021年J2リーグ第34節 レノファ山口FCvs水戸ホーリーホック

2021-10-20 16:15:14 | サッカー視聴記(2021年J2)

※前回の山口の記事はこちら(順延25節・金沢戦、4-1)
※前回の水戸の記事はこちら(29節・秋田戦、0-3)

とうとう完全に残留争いに巻き込まれ、抜け出すべくの戦いを強いられる事となった山口。
個人的には、前回観た際の勝利で沼から抜け出すと思っていましたがそんな事は無く。

そんな最中に発生してしまった、監督の渡邊晋氏の辞任劇。
その際のコメントを額面通り受け入れる事が出来ないのは、仙台時代の忍耐強く、かつ組織的なチームを作り上げた監督業があったからでしょうか。
この状況で自発的に指揮を投げ出すとはどうしても思えず、フロントとの軋轢という穿った要素を想像してしまいます。(詳細は闇の中でしょうが)

スクランブルな事態に則し、火中の栗を拾うように監督の座に就いたのはヘッドコーチであった名塚善寛氏。
現役時代は平塚(現湘南)のセンターバックとして有名で、クラブが経営危機に陥った際、コストカットで泣く泣く移籍せざるを得なくなったという中心人物。
移籍先の札幌で現役を全うしたのち、札幌一筋で16年もの長い指導者生活を送り。
湘南・札幌という繋がりからか、中山元気氏が指導者として所属する山口へと転身し、ここまでに至ります。
あくまで個人の印象ですが、所属クラブへの忠誠心・義理堅さが伺える経歴であり、この苦境を打開するには相応しい人選なのかもしれません。

前節は上位・新潟相手に、敗れはした(0-1)ものの良い内容の試合を演じたという事で、結果に繋げたい山口。
もう既にリーグも終盤で、新監督の理想を落とし込むには決定的に時間が足りない状況。
そのため外野の自分としては、「前監督のサッカーを踏襲しつつ、前からのプレスを強めた総員突撃体制で上位に引けを取らない内容を演じる」という(勝手な)想像の下の視聴でした。(実際前節は新潟のビルドアップに対するプレッシングが冴え渡ったとの事)

しかしこの日の相手である水戸は、中位的な位置ながらサッカー的にはそんな山口と大差無いチーム。
前からの守備を重視し、実際にボランチやサイドバックが前に出てのパスカットないしはパスを受ける瞬間の選手に対するデュエルでの奪取が目立ったこの日の前半。
同じ属性のチームと相対した事で、腰が引けるような内容となってしまった前半の山口でした。

前半4分、ロングパスを受けにいった中山仁斗が山口・桑原に倒されての、右サイドからのフリーキックを得た水戸。
キッカー・伊藤がファーサイドへクロスを上げ、中山仁がヘディングシュートを放ちましたが、クロスバーを直撃して跳ね返り。
それを詰め、奥田がシュートを放つも枠を逸れてしまい、最初の決定機はモノに出来ず。

その後も水戸のディフェンスの前に中々ボールを運べない山口、11分に長いポゼッションで敵陣でサッカーを展開するも、楠本のパスがズレてしまいそこから水戸のカウンター。
これを松崎が右ハーフレーンからスルーパスを送るも、楠本のアフターチャージを受けた事で反則、再びの水戸のFKとなり。
先程と同じく右からのFKとなり、キッカー伊藤はエリア内中央へクロスを入れると、合わせたのはタビナス・ジェファーソン。
またもクロスバーを叩くも、内側に当たった事でそのままゴール内へと吸い込まれて得点となり。
攻勢をしっかり先制点に結び付けた水戸。

スコアが動いた事でどう変わるか、と思われた刹那の14分。
山口の攻撃、佐藤謙介の縦パスから島屋→池上へと繋がり、池上がドリブルする所を水戸・タビナスに倒されて反則。
左ハーフレーンからの直接FKとなり、シュートかクロスかという迷いを(攻守ともに)生みやすい位置から、キッカー池上は直接シュートを選択。
速い弾道で壁を越えてゴール左へと突き刺さり、最初のチャンスで同点に追い付いた山口。
ともにFKをフルに生かした得点を挙げた序盤でしたが、その後は従来の通り水戸が押し込む展開に。
17分に新里のミドルシュート(GK関キャッチ)、20分に伊藤のエリア内左からのシュート(GK関キャッチ)を炸裂させるも、同点のまま飲水タイムに入ります。

28分に水戸が敵陣での新里がパスカットしたボールを、ダイレクトで伊藤がエリア内へスルーパス。
奥田が走り込む絶好機となるも、前に出たGK関に防がれてシュート出来ず。
危ないシーンは相変わらず健在でしたが、徐々に水戸の前掛かりな守備に慣れてきた山口は、右CB(眞鍋)を前に出してのビルドアップを見せるシーンを作り始め。
前監督のサッカーを踏襲する姿勢も見られ、山口の攻撃機会も多くなりつつあったこの時間帯。

しかし38分に水戸が再度カウンターを展開し、伊藤がドリブルを経て右へ展開し、今掛のクロスがファーサイドに上がると大崎がヘディングシュート。
SBからSBというフィニッシュへの道筋が築かれたものの、GK関がセーブして何とか防いだ山口。
その後の水戸の攻勢を凌ぎ、42分に山口も流れの中から好機。
中央CBの渡部から右へ展開すると、手前からのクロスを選択し、田中渉のクロスにファーサイドで跳び込んだのは左ウイングバックの桑原。
ゴールネットを揺らす事に成功するも、オフサイドとなってしまいノーゴール。
水戸が押し気味でかつシュート数も上回っていましたが、スコアとフィニッシュシーンの影響故五分に近い印象を受けつつ、前半を終えます。

後半開始し、水戸の最初の攻撃。
ここも新里のカットから、中山仁がスルーパスをエリア内へ通すという素早い攻めで、伊藤が受けるも山口・楠本のスライディングに阻まれフィニッシュには結び付かず。
しかしこの際に、伊藤の脚が楠本の後頭部に当たってしまうアクシデントが発生。
脳震盪の疑いが持たれ、治療が行われましたが、何とか起き上がった楠本はプレーを続行します。

後半は山口の攻撃機会が多くなった立ち上がり。
水戸のプレスをロングパスでいなし、そのセカンドボールを拾って好機に結び付けるという、前半とは打って変わった攻撃。
しかし8分の水戸の攻撃、中山仁のポストプレイを交えて中央から伊藤がラストパス、エリア内右から奥田がシュート。(枠外)

水戸ペースを剥がすには何か大きな切欠が欲しい。
そんな状況で、直後のゴールキックでショートパスを繋ぐ選択を採った山口。
この攻撃を桑原のエリア内左でのクロスに繋げ、ブロックされて左コーナーキックに。
キッカー池上のクロスをニアで川井がフリックにいき、こぼれた所を桑原がシュート(枠外)と、主体的な攻撃でフィニッシュまで繋げます。
しかしこのCKの際に、楠本が再度脳の異常を疑われるシーンが見られると、12分には水戸・中山仁の反則を受けた際にとうとう続行不能になってしまいます。
頭部固定用の担架が持ち出されるも、何とか自力でピッチ外へ退き、ヘニキと交代となった楠本。(脳震盪のためカードは消費せず)

これが今季3試合目の出場と、すっかり忘れられていた感のあるヘニキでしたが、以降存在感を発揮します。
15分に、交代により左CBへとポジションを移した眞鍋が、前半の水戸のような前へ出てのパスカットで水戸・奥田の反則を誘い。
敵陣左サイドでのFKを得た山口、キッカー田中渉のクロスがファーサイドに上がると、大外から合わせたヘニキの強烈なヘディングシュートが炸裂。
ゴール左へと突き刺さり、再びのセットプレーによるゴールで逆転に成功した山口。

投入されて間も無い時間で得点を挙げたヘニキでしたが、直後に空中戦の際、自身がクリアしたボールを再度合わせに前に出たヘニキ。
勢い余って水戸・中里に思いきり体をぶつけてしまい、反則・警告となってしまう有様。
出場して5分と経たない間に、正と負両面で記録を残してしまう事となりました。

一方前半の攻勢が嘘のように、ビハインドを強いられた水戸。
21分に交代カードを切り、奥田・松崎→藤尾・山根と2枚替えを敢行します。
それでも一度失った流れを取り戻すのは容易では無く、失点以降はシュートまで辿り着けぬまま、後半の飲水タイムへ。(24分)
明ける際に再度2枚替えを敢行(中山仁・今掛→安藤・村田)と、苦境を跳ね返すのに必死な水戸ベンチ。
直後の26分、クリアボールを中央で拾った伊藤がエリア内右へミドルパスを出し、走り込んだ山根が足で折り返し。
中央に藤尾が走り込むもクリアされ、惜しい所でシュートに繋げられず。

交代選手の働きもあり攻め上がる水戸。
それを受け、山口も29分に大槻→草野へと交代。
しかし正直大槻は後半消えていた時間が長く、遅かったという印象で、水戸の攻勢を堰き止めるには至りません。

そして迎えた31分、最後方からのパスワークでサイドを振っての攻撃を展開する水戸。
右サイドで受けた村田から斜めの縦パスが入り、受けた安藤からエリア内へスルーパスが送られると、抜け出した藤尾がシュート。
オフサイドの疑いが持たれる中、放たれたゴール左へのシュートがポストの内側を叩いてネットに突き刺さり。
絶妙に飛び出した(とはいってもVTRでは余裕でノーオフサイドだった)藤尾が同点弾を叩き出し、再逆転へモチベーションを高める水戸。
直後の32分、縦パスを受けにいった山根が山口・渡部のオブストラクションで反則・直接FKに。
これ(中央やや右という位置)をキッカー伊藤が直接狙うも、ゴール右へと外れてしまいました。

再び得点が欲しい状況となった山口、35分に島屋・田中渉→高井・佐藤健太郎へと交代。
これで「佐藤ケンのドイスボランチ」という図式が出来上がるも、現在の山口にはそれを笑える余裕などありません。
終盤に突入し、草野が敵陣エリア近くで反則を受けるも、FKを素早くリスタートし右サイドから攻め。
しかし高井のクロスは精度を欠く(グラウンダーのボールをGK牡川が直接抑える)など、折角の好機にも焦りが伺えるシーンが。

何とか勝ち越しを狙わんとする山口を尻目に、43分に最後の交代カードを使った水戸。(伊藤→渡邉柊斗、山根が右サイドハーフ→左SHへシフト)
44分にその渡邉柊の右→左へのサイドチェンジから、左サイドに切り込んだ山根の戻しを新里がダイレクトでループシュート。
ゴール上へ外れ、ネット上部に突き刺さるという(見た目的に)際どいシーンを作ります。
アディショナルタイムにも、渡邉柊のロングパスのこぼれ球を藤尾が拾い、左への展開から山根がドリブルでエリア内を急襲。
しかし山口・ヘニキのディフェンスに阻まれ撃てず。

水戸の攻撃力に脅かされながらも、ATにようやく自身のターンを得る山口。
その最中に2枚替えを敢行(川井・桑原→澤井・浮田)と、カードを切るのが遅いという印象が拭えない(桑原の動きが良かったため迷った末だったでしょうが)ながらも攻め上がり。
しかし代わって入った浮田・澤井のクロスが精度を欠いてしまい、有効打を放てないまま試合終了の笛が鳴り、2-2で引き分けという結果に終わりました。

クラブ最大の危機と言ってもいいような今季の山口ですが、J2に上がるまでが順調すぎたためか、苦境を跳ね返す術を知らずといった印象。(2017年はヤバめでしたが)
主力選手が引き抜かれるという事象は慣れている節があるでしょうが、監督に去られるという事は完全に想定外だったと想像します。
仮に今季降格が決まってしまうようだと、立ち直れずにズルズルと過ごしてしまう予感がしますが、果たして免れる事は可能でしょうか。


DAZN観戦 2021年J2リーグ第34節 V・ファーレン長崎vsアルビレックス新潟

2021-10-18 16:28:03 | サッカー視聴記(2021年J2)

※前回の長崎の記事はこちら(32節・京都戦、2-0)
※前回の新潟の記事はこちら(32節・金沢戦、0-1)

3位と4位の対決という好カード。
しかしベストな状態でぶつかる、とは双方ならなかったようで。

長崎の方は、売り出し中の植中が前節(愛媛戦・2-0)で脳震盪(の疑い)による交代という憂き目に遭い大事を取って欠場、併せてこの日はエジガル・ジュニオがベンチ外。(放送席の談では、コンディション不良のようで)
2トップを丸ごと入れ替える必要性が生まれてしまいました。
選択したスタメンは都倉と、サイドハーフから名倉をシフトして起用。
そのSHも澤田がベンチ外で、右にウェリントン・ハット、左に山崎とともに入れ替え。
これまでの経験があるとはいえ、前線4人の連携面はどうなるか。

一方の新潟ですが、こちらも本間が故障離脱で不在。
おまけに千葉が警告4度で出場停止という不測の事態も併さってしまいました。
ロメロ・フランクも2試合ベンチ外が続き離脱が疑われる状況で、早川・田上を最終ラインに組み込むやり繰り。
特別指定で加入したシマブク・カズヨシが初のベンチ入りとなるなど、メンバーの薄さを隠せない状況です。
今季の新潟のポゼッションを支えていたのは紛れも無くベテランの千葉であり、彼を欠く中で普段通りのサッカーが出来るかどうか。

試合が始まり、新潟が普段通りにボールを握り、最終ラインから組み立てる立ち上がり。
右サイドバックには藤原がスタメンという事で、彼を偽SBのように動かしつつの攻撃になるかと思われましたが、注目は逆の左サイドとなり。
左SBの田上が中に絞り、左SHでの出場となった堀米をサイドに張らせるのを基本路線としていました。
ロメロ不在により、彼のポストプレイ能力を活かした2列目のキープがあまり期待出来なくなった影響でしょうか。
そんなポジションチェンジを見せつつ主導権を握る新潟でしたが、前半9分にボールと無関係な所で早川が長崎・都倉のチャージを受けて倒れ込んでしまうシーンが。
故障に対しナイーブとなっている現状、以降も都倉の存在にこの日は(主にサッカー外の部分で)悩まされる事となります。

プレスは控えめで、ブロックを作るのが主体であったこの日の長崎の立ち上がり。
それ故新潟はボールを握ってもフィニッシュに結び付かない展開が続いたものの、迎えた13分。
最終ラインから展開し左サイドで繋ぎ、島田が堀米とのワンツーで前進すると、手前から早めのクロス。
これに意表を突かれたのか長崎・江川はクリアしきれずエリア内にこぼれ、すかさず拾った鈴木のシュートがゴール右に突き刺さり。
相手ミスをキッチリとモノにした鈴木、新潟らしからぬ(?)1トップの存在感を見せ付けて先制点を挙げます。

先制された事で、守備を固めるだけではいけなくなった長崎。
その後攻勢に出て、17分には長いポゼッションを経て、左サイドから米田がカットインからシュート。
枠外となるも、新潟・三戸のアフターチャージにより反則・長崎のフリーキックとなります。
こうしたアフターチャージを含め、激しいデュエルにより難しいレフェリングとなった試合でしたが、その幕開けのようなシーンとなり。(尚、その後のFKはシュートに結び付かず)
20分には敵陣右サイドでハットがボールカットし、ドリブルする所を新潟・舞行龍ジェームズに倒されて反則。
このFKから、都倉のヘディングシュート(枠外)に繋げた長崎でしたが、プレーが切れると都倉が競り合いの際の新潟の(引っ張られたという)反則をアピール。
するとこれが舞行龍の感情を逆撫でしヒートアップ、その後主審に対して都倉の競り合いに対して肘の振り回しをアピールするという、珍妙なシーンとなってしまいました。(まあ後半に島田が都倉の肘打ちの被害に遭ったシーンもあったので間違いでは無いのでしょうが)

冷静さを欠きやすい状況なピッチ上でしたが、直後の新潟はゴールキックから繋ぎ、長崎のプレッシングを無事にかわして長いポゼッションを展開。
落ち着きを取り戻したようなシーンを演出しましたが、今度は飲水タイムに良い時間帯となっても中々プレーが切れず。
新潟がFK・CKを連続で得たのち、長崎がポゼッションを高めての攻撃を敢行した事でブレイク出来ない状況に。
その間に毎熊のシュート(27分・ブロック)・鍬先のシュート(29分・空振り)と長崎がフィニッシュシーンを展開して、ようやくの飲水タイムに。

失点後はプレスの意識を高め、前掛かりな姿勢を見せる長崎。
しかしそれが仇となったのか、34分に最悪のシーンを招いてしまいます。
GK富澤のパスを受けた新里でしたが、戻りながらキープしようとしたのが仇となり、コントロールミスを新潟・鈴木が奪われてしまい。
たまらず足を掛けてしまった新里、笛が吹かれて主審が突き出したカードは赤色。
エリア手前での決定機阻止という事で、容赦無い判定となってしまいピッチ外に去っていった新里。
この右ハーフレーン・エリアからやや手前での新潟の直接FK、田上が右足で直接狙い右ゴールポストを掠めるシュートとなって命拾いしたものの、以降長時間10人で戦う事を強いられます。
すぐさまベンチの二見を準備させ、その間に毎熊センターバック・鍬先右SB・山崎ボランチへとポジションチェンジで凌ぎ。
そして38分に山崎に代えて二見を投入、毎熊と鍬先を元のポジションに戻し、名倉を左SHとする4-4-1で以降戦う事となった長崎。

一方の新潟もアクシデントに見舞われ、40分に右サイドを三戸が前進する所長崎・米田のディフェンスに遭うと(タッチを割る)、勢い余って削られてしまいピッチ脇に倒れ。
そのまま治療を受けるも、続行不可能で交代となってしまいます。(星と交代)
新潟も10人となっている間に、長崎は左サイドで人数を増やしてのパスワークでエリア近辺を突き、高さのある舞行龍を引っ張り出してのクロスを都倉に供給。
10人な以上、こうした狂骨な攻撃が以降のカギになる予感をさせた長崎でしたが、それだけに後半の大反撃は予想外でした。
結局残り時間は、再度数的有利になった新潟がボールを握りっぱなしの末に、スコアは動かず前半終了となります。

長崎はハーフタイムにさらに動き、名倉→加藤聖に交代。
加藤聖が左SBに入る事で、米田が右SBに回り、さらに毎熊が空いた左SHに回って後半に臨みました。
その後半、都倉の島田に対する肘打ち(反則無し)が露わになったのち、長崎がカイオ・新潟が田上というミドルシュートの応酬で幕開け。(カイオはゴール左へ外れ、田上は枠外)

しかし後半5分、さらに新潟にアクシデントが。
長崎のFKでキッカー・ハットのクロスを直接抑えたGK阿部が、都倉との接触で足を痛めて倒れ込んでしまいます。(これは流石に不可抗力だろうが、故意ならば都倉は超一流のマリーシアであろう)
中々起き上がれない阿部を尻目に、新潟ベンチは控えの藤田が準備に入りました(一旦は×印も出た)が、何とか立ち上がった阿部はプレーを続行します。

数的有利を活かし、新潟が落ち着いてボールを支配する時間が長くなると思われましたが、ここから長崎が反撃。
最終ラインからの繋ぎでポゼッションを高めていく姿勢を見せると、これが功を奏して13分以降は攻撃権を独占していきます。
守備に奔走させられ、攻撃の体力が残っていないという事に陥るのがこの状況(数的不利かつビハインド)での負けパターン。
それならばと、相手の攻撃機会を出来るだけ削るべくのこの振る舞いは正解といえたでしょう。
個人の動きでは、ハットがハードワークで攻守に目立ちます。
敵陣でのボール奪取で相手にペースを掴ませず、かつ右SHに留まらずに中央~左でのプレーも厭わない八面六臂の活躍。
数的不利を跳ね返し、流れを手繰り寄せた長崎。

そしてその結実はセットプレーからで、24分に得た右CK。
キッカー加藤聖のクロスが中央に上がると、走り込んだ二見が合わせてヘディングシュート。
巧い具合に都倉がニアで舞行龍を引き付けたのも奏功し、ゴールネットを揺らして同点に追い付く事に成功します。
この直後に飲水タイムが挟まれ。

その後も長崎の勢いが止まらず。
負けられない状況の中でのホームゲームと、後押しの効果もあったでしょうか。
31分には再びセットプレー(右サイドからのFK)で、加藤聖のクロスをニアでハットがフリック気味にシュート。
ゴール左へと突き刺すも、その前に中央で反則が取られ笛が鳴っており残念ながらノーゴール。

人数差を活かして勝利、どころか一気に窮地となった新潟。
30分に堀米→谷口へと交代し反撃を図ると、32分にその谷口による好機。
最終ラインからの前進を経て左サイドで受けた谷口、そのまま得意のカットインからのシュート(GK富澤セーブ)でゴールを脅かします。
しかし長崎の跳梁は止まず、36分にはカイオの右サイドでのボールキープを経て、米田がサイドチェンジ。
一転して左サイドから仕掛けたのち、加藤聖がエリア内左からシュート。(GK阿部キャッチ)
長崎のボールポゼッションですが、立ち位置云々というよりは、カイオやハットが縦横に動き回ってパスワークに絡む事によるものが多め。
その姿は数的不利故の苦肉の策のようでしたが、気持ちが前面に出されたのがかえって効果的となり、組織的な新潟のサッカーを壊す要因にもなったでしょうか。

37分に双方選手交代となり、長崎はハットに代えてビクトル・イバルボ。
新潟は2枚替えで、鈴木・高→高澤・福田。
その後39分に、長崎が右サイドから米田クロス→中央で都倉折り返し→イバルボ収めるもオフサイドというシーンが見られたのち、ようやく新潟にペースが傾き。
41分には藤原が右サイドを前進で奥に進入ののちカットイン、エリア内に進入してグラウンダーでクロス。
ディフェンスに遭いこぼれた所を福田がシュートしますが、江川が判断良くスライディングでブロックし防ぎます。

数的不利による燃料切れが嫌でも頭を過るこの時間帯の長崎、試合展開もそれに近いものとなって来ましたが、44分に最後の交代カードを切ります。
都倉→加藤大で、てっきりイバルボをFWにシフトすると思われましたが、そのまま加藤大が最前線に。
守備的な加藤をFWで使う事で、引き分け上等という思惑も伺えましたが、最後にそれが覆される事となります。

新潟は攻勢を掛けにいくも、細部でのらしくないパスミスも目立って完全にはペースを掴めず。
そのままアディショナルタイムに入り時間が進む中、長崎に決定機が訪れます。
カイオが敵陣でカットして右サイドへ叩き、エリア内右からの毎熊のクロスが上がると、中へ入り込んだカイオのヘディングシュート。
至近距離でGK阿部が足でセーブするもさらに米田が詰めてシュート、完全に決まったかと思われましたが、高木ブロック→GK阿部セーブと紙一重で防いだ新潟。
不利を跳ね返した末の逆転、という出来過ぎのシナリオとはいきませんでした。

最後に新潟も高木がヘディングシュートを放ちましたが、枠外となった所で試合終了の笛が鳴り。
自陣エリア内で倒れ込むカイオはじめ長崎選手の姿が印象的な、死力を出し尽くしたゲームとなり。
新潟に勝ち点3を渡さず3位をキープしたものの、翌日勝利した甲府にかわされて4位転落となった長崎。
上位2クラブ(磐田・京都)も取りこぼしたため、仕方無さと勿体無さが交錯する結果となりました。


DAZN観戦 2021年J2リーグ第33節 松本山雅FCvs栃木SC

2021-10-14 16:06:51 | サッカー視聴記(2021年J2)

※前回の松本の記事はこちら(28節・磐田戦、0-4)
※前回の栃木の記事はこちら(28節・山口戦、3-2)

リーグ再開後、9試合で勝ち点9の松本。
ペース的には一般的な残留のボーダーである「1試合で勝ち点1」を保っているものの、如何せん今年は降格枠が4つもあり、一般的な常識が通用しないのが悩みの種でしょう。

そんな中で、頼みとしていたセルジーニョが前々節(北九州戦・2-1)で故障により途中交代、離脱の運びとなってしまい。
前節(千葉戦・0-0)は非常に低調な内容なうえ、両軍合わせて警告8度(松本は4度)という反則塗れの試合を強いられました。
何とか勝ち点1を得たものの、今度は前回対戦時ラフプレーで物議を醸した栃木が相手と、計られたようなカードの巡り合わせ。(ちなみに今季のJ2・反則ポイントは千葉がダントツでワーストとの事)

前半1分、栃木が早くも持ち味の攻撃を見せ。
左サイドでのスローインからのこぼれを、スローした溝渕が素早くロングパス、エリア内で豊田が落下点に入ったこぼれ球を谷内田がダイレクトでシュート。(枠外)
ファーストシュートを放つと、以降もGKオビ・パウエル・オビンナのロングフィードも交えながら、普段通りの攻撃を貫く姿勢を見せます。
豊田と矢野が揃ってスタメンでしたが、2人による2トップでは無く、矢野は右サイドハーフに入っておりFWには畑。
前回観た時の後半途中からの布陣を頭から採用していました。

一方の松本、セルジーニョを失った事でビルドアップはどう変わるのかと注目したものの、この日は風上に立った事でその思惑は外され。
栃木に付き合うように、阪野を目掛けたロングパス中心での組み立てを図りにいきました。
しかし阪野が落としたり、競り合いでこぼれた所のセカンドボールを拾う事が出来ずに終わるシーンが多々。
果たして事前に準備したものか、それとも当日の環境で突如変更したものなのか。
セカンドボールの繋がらなさを見るや、後者の疑いを持たざるを得なくなり。
結局得たのは10分にこぼれ球を拾おうとした阪野が、栃木・矢野が振った腕を顔に受けてしまい出血するという傷のみになってしまいました。(阪野は14分に戦線復帰)
主審(御厨貴文氏)は前回対戦時の事も頭の中に入れていたのか、23分にはアフターチャージした栃木・豊田に対し、カードは出さずに長々と注意を与えていたシーンが印象的でした。

そんな中、15分に栃木が右サイドの矢野の突破からコーナーキックを得ると、キッカー西谷のショートコーナーを経て谷内田がクロス。
ファーサイドで溝渕が折り返したのち、エリア内右で拾った西谷からのマイナスのクロスが混戦を生み、溝渕のシュート・柳のシュートが立て続けにブロックされたこぼれ球。
さらに詰めにいった佐藤祥に対し、防ぎにいった松本・常田の腕にボールが当たると、主審の笛が鳴ってハンドの反則に。
当然PKが与えられる事となりましたが、常田は腕を伸ばしている訳では無かったため微妙なシーンではあり。
ノーハンド⇔決定機阻止で追加でカード、の中間を取ったような感じの判定だったでしょうか。(尚、栃木選手は一斉にカードをアピールしていた)
このPKは谷内田が務めますが、強風の妨害を受けてポイントからボールがズレる事2度。
判定の件もあり集中力を欠きやすい状況に陥り、谷内田はとにかく思い切り蹴り込む事を選択したでしょうか。
シュートはゴールバーの内側を叩き、跳ね返りをGK村山が抑えるも、ゴール内にバウンドしたという事でゴールが認められ。
最後まで判らないといったシュートになりましたが、ともかく栃木が先制。

流れを得られないばかりでなく、ビハインドとなった松本。
24分に下川が遠目から無理目なシュートを放った(枠外)所で飲水タイムとなり。
ブレイクで修正を図ったか、以降は最終ラインから繋ぐ攻撃を試みます。
しかし基本線である、センターバック3人をスライドさせての2CBによるビルドアップは変わらずも、セルジーニョが居ないので出口役をどう作るかという悩みが露わとなり。
結局栃木のプレスをかわせず、ロングパスで逃げるシーンが目立ってしまいました。

松本がペースを失うのを尻目に、サイドで素早くスルーパスを送り、奥からクロスを入れるという狙いがハッキリした攻撃を見せる栃木。
どう反撃すべきか迷いも見られた松本、40分には一旦作り直すバックパスが出されるも、受けに戻った野々村に対し左サイドで外山が戻るのが遅れ。
そして栃木のプレスに捕まってしまうも、パスを受けた外山が矢野に反則を受け何とか命拾い、というシーンが。
流れを得た栃木、終盤はスローインを数多得て押し込み。
アディショナルタイム、右サイドでのスローインから矢野がクロス、跳ね返りを中央で畑が拾ってシュート。(ブロック)
フィニッシュはこれだけと数少ないながらも、松本に反撃の糸口を与えないまま前半を終えます。

セルジーニョ依存のツケが露呈したかのように、自ら繋ごうとしても上手くいかなかった前半の松本。
ハーフタイムの交代はありませんでしたが、後半に入るとガラリと試合内容を変える事に成功します。
風に頼れなくなった事もあり、ショートパスによるビルドアップを中心とする覚悟が決まったでしょうか。

後半1分に早速、外山の左サイド手前からのクロスを、ファーサイドで阪野がヘディングシュート。(GKオビンナキャッチ)
この幕開けで松本がボールを握っての攻勢がスムーズに始まりを見せ。
3分にはゴールキックから短く繋ぎ、左サイドでパスワークののち中央→右へとサイドを変え。
河合の手前からのクロスを栃木・柳がクリアミスしてエリア内にこぼれ、すかさず阪野がフリーでシュート。
しかしGKオビンナが至近距離で足でセーブして同点ならず。
この後CKが3本続くなど、出だしから明らかに見違えた姿勢を見せる松本。

サッカー的には、ボランチの平川が最終ラインに降りる事で繋ぎがスムーズになり。
ミシャ式のような基本形となりましたが、上がるのはCBの片側のみが主で基本は3枚の最終ライン。
栃木は前回観た際、相手の山口のビルドアップにまるでプレスが嵌らない状態を続けていたという具合に、最終ライン3枚に対してのプレスが甘く。(前節も大宮に1-3で敗北)
この日は松本がサイドで人数を掛けてパスを繋いだのち、最終ライン経由で中央から逆へとサイドを変えられると、プレスが途切れてしまう事となりました。

一気に劣勢になった栃木、14分に左サイドで松本・常田の裏狙いのロングパスを、GKオビンナが判断良く飛び出してヘディングでクリア。
しかしタッチに出て松本のスローインとなったボールを、あろう事か妨害してしまい遅延行為で警告を受ける破目になります。俗に言うスイカ泥棒
ベンチもこうした展開を受けて先に動き、15分に谷内田→森へと交代。
(松本も16分に阪野→榎本に交代)

何とかやり返して一息つきたい栃木は、17分に自陣からのフリーキック、ロビングを矢野が落とした所に中央で黒﨑がシュート。(枠外)
しかしその後も松本に攻められっぱなしの状況が続き、最終ラインで跳ね返して凌ぐシーンが続きます。

そして後半の飲水タイムが挟まれる(23分)と、明ける際に再度動く栃木ベンチ。
畑→小野寺へと交代、FWを削ってDFを増やすという采配の通り、3-4-2-1へと布陣変更。
5バックのシステムで跳ね返しに掛かります。(小野寺は右CBに入り、1トップが豊田・シャドーには矢野と森)

所謂「引き籠りスタイル」となった事で、松本のボール支配は止まず。
左サイドでパスを繋ぎつつ、中央→右へとサイドを変える攻撃が顕著になり、フリーで右ウイングバックの下川が受ける事数多。
全員敵陣でプレーする時間も長くなりましたが、その代わりにスペースを探してフィニッシュに辿り着く作業を強いられる事となります。
下川の右サイドの突破からファーサイドに上がったクロスを、逆の大外である外山が受けるシーンも目立ちましたが、それでも栃木ブロックの中を中々突けません。
31分には左CKから、キッカー佐藤和弘のクロスが中央の榎本を越え、ファーで大野が合わせるもGKオビンナがセーブ。
その跳ね返りを伊藤がシュートするも、左マイナス方向に逸れてしまいモノに出来ず。

圧力は相当なもので、栃木は全く攻撃機会を得れずの防戦一方となり。
松本は36分に外山・佐藤和→村越・米原へと2枚替え(下川が右WB→左WBへシフト)、フレッシュな選手の投入で尚も流れを継続に掛かります。
(栃木も37分、豊田→有馬に交代)

村越は下川と異なり中央を使いたがるタイプのようで、右サイドで受けてカットインしたり、自分へのパスをダイレクトで中央へ縦パスを送ったりと変化を付け。
39分には最後の交代カードを使う松本、河合→山口へと交代。
プレースキックを山口が務め、開始当初とは別のチームという雰囲気を醸し出しつつ攻勢を強めます。

しかし栃木の中央はやはり固く、必死のディフェンスの前に決定機を掴めず、シュートシーンも少なく終わり。
ATも目前となり、栃木・矢野がCKのディフェンスの際に痛んで長々と倒れ込むシーンを目にすると、緊張感が切れてしまったのかとうとう攻め疲れを起こしてしまいます。

ATに入ると栃木がボールを拾っては、敵陣深くでボールキープするシーンを何度も作り時間を進めに掛かり。
何とかその流れを切った松本、最後は中盤右サイドからのFKに対し、GK村山も上がる総攻撃体制。
山口のファーサイドへのクロスを、抑えにいったGKオビンナが弾いた所を、村越がシュート。
しかし角度が無くマイナス方向のボールになってしまい、タッチを割り。
これが何故か松本ボールのスローインと判定され、栃木サイドが審判に対し怒りを露わにしますが、その後の松本の攻撃を切って事無きを得ました。
0-1のままスコアは動かず、6ポイントマッチを制したのは栃木という結果に。

今節開始時までは、14~22位の9クラブのポイント差が僅か4という大混戦となった残留争い。
とりあえず一歩抜け出す事に成功した栃木、やはり2年前の修羅場を制した経験は大きい、といった所でしょうか。