陶芸工房 朝

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イサム・ノグチ庭園美術館

2013年07月01日 | 美術館めぐり

 ずっと気にかかっていたのに、四国はあまりに遠く、なかなか決心がつかないでいた、イサム・ノグチ庭園美術館にようやく行くことができました。

 

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 (撮影禁止の美術館で、ここまでならOKという入り口)

 この美術館に行くには、先ず往復はがきでの申し込みが必要です。

*返信が来たところで訪問はOKなのですが、場所がまた大変で、四国高松から琴電に乗り換え約30分、八栗というところまで行き、さらにそこから徒歩で、石切場や石屋の多くある牟礼市のはずれの方?まで25分、便利な街中に住んでいる身にとっては、なかなかの難行です。

 

*上記写真の遠景に見える石垣がアトリエの城砦、緑の生い茂った道を入っていくと、イサム・ノグチのアトリエです。しかし、この入り口から先は撮影禁止。庭園の中も、アトリエも、住居も、作品も、1時間という決められた時間の間に、自分の目でしっかり見てくるしかありません。本当に興味のある人だけに見て欲しいという、今時珍しい美術館なのです。

 

 

 

 

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 (写真は、作品カタログから。「エナジー・ボィド」)

 

青い空と、山と、緑の木々と、石の彫刻。  

 

 

*昔の酒蔵を移築してきたという白壁の倉庫は、赤土の地面にむき出しの藁壁で、そこに石の彫刻たちが並んでいます。気になっていた彫刻エナジー・ボィドもここにありました。思っていたよりずっと大きく、凛として存在しているという感じです。

 

*「まる・円」は、石を城砦のように積み上げた空間で、最初の見学場所です。そこに石の彫刻が点在しています。反対側の斜面には、築200年の武家屋敷を移築した障子と畳にあかり、という純日本式の住まいがあって、彼は、昔の日本の暮らしを楽しんでいたということです。小高い丘の上には石舞台があり、お花見や酒宴も行われたとのこと、そこから八栗山と八島が見えるのです。

 

 

 

 

「ここは庭園美術館と名づけられています。これは世界のメタファ-です。そして一人の芸術家の世界生成への関与の試みのメタファーです。」(イサム・ノグチ)

*牟礼に浮かぶ雲、吹く風は、世界中のどこからも見えていた。彫刻作品のすばらしさはいうまでもないが、空間そのものが自然や宇宙法則に感応する力を持っている。牟礼への旅は、自分自身の本当の姿を見つけに行く目的にこそふさわしい。(三宅一生)

 

 なかなか行きにくいところだし、今回も一人旅の人が5人ほどしかいなかったマイナーな美術館ではありますが、すばらしい美術館にはちがいありません。

 イサム・ノグチが求めたような「時間」と「空間」を越えて存在する何かが、どんなものなのか、本当にあるのかどうかも知らないけれど、私も、なんとか自分の納得の行く作品を作りたいと思った旅でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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