陶芸工房 朝

アトリエ便りです。どうぞよろしく。

彼岸花ー2

2022年09月19日 | 野草

亡くなっ友だちから頂いた白色の彼岸花が、今年は妙に元気がよくて、ひと固まりになって咲いている。赤色が突然異変を起こして白色に変身する、そういうことはいろいろな生きものの中によくあることで、突然変異も驚くことではないと知ってはいるが、白色の彼岸花はなぜか「白花曼殊沙華」という別の植物のような感じがする。

 

子供のころ、川の土手いっぱいに咲いている赤い彼岸花を見て、怖いと思った記憶がある。毒があるから触ってはいけないとか、死人花とか誰かに言われたような気もするが、子供心にも美しいとは思わなかった。彼岸に咲くことから 死者・墓・地獄 などと言う言葉とつながっていて、それが一層この花を不気味なものにしていたように思う。

 

 

大人になって、寺山修司の短歌などを知ってから燃えるように咲いている赤い彼岸花を眺める目が変わったが、何よりここ(山の裾の家)に住むようになってからは、彼岸になると自然に生えてくるこの花の、その時と所のあまりの正確さに感動し、愛おしむようになった。

彼岸花の花言葉は「また逢う日を楽しみに」というらしいが、今年も、たくさんの人々のたくさんの想いを一身に背負って、今、満開である。