陶芸工房 朝

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さくらだよりー4

2018年04月02日 | 日記・エッセイ・コラム

今年の桜は、入学式を待たずに早くも終わりをむかえました。

 

 

もう、樹々の新芽がこんなに伸び始めています。

そんな朝、玄関前にたまった桜の花びらを掃きためたら、ほら、こんな量に! 

袋にためたら枕ができそうです。

 

ふと、昭和初期の女流俳人久女の「菊枕」のことを思いだしました。

   久女は、恩師虚子の還暦の祝いに、白羽二重の枕地に菊の花の干したものを詰め「菊枕」を作ります。その花の数は、大菊千何百輪、中小菊六千余輪、花を摘み帰った夜、花の数を数えながら灯の下に花を並べて干します。それは六畳間いっぱいになるほどの量でした。やがて菊の花が干し上がると、それを白羽二重の枕地に詰めて縫い上げます。それが「菊枕」です。

 

愛蔵す東籬の詩あり菊枕   久女

 

「愛蔵す東籬の詩」とは、陶淵明の 「采菊東籬下悠然見南山・菊を採る 東籬のもと 悠然として南山を見る」というもの。こんなたいそうな「菊枕」を贈られたら、どんな気持ちがするのでしょうね