昨日、休日のお昼、阿武さんお取り寄せラーメンを 作ろうと湯を沸かし、たまねぎを刻んでいると、『オヤジ、どうも!』と長男が台所に顔を出した。
新しい勤務先なって2度目の帰宅である。10連勤で今日がやっと休み、しかし夕方取引先が東京から来るのでサービス出勤になるとゆう。
『昼飯まだだったら、親父と食いに行こうと思ってちょっと寄ったんだ。』
『そうか、まあ、こうゆう状態なんで、じゃあ、うんめえラーメン作ってやるから待ってろや(よ)。』
燕三条系極太背油ラーメンの出来上がりである。
もちろんメンマは塩漬けを戻し、自分で味付けしたものである。
息子は自分で茶碗にご飯を盛ると、ラーメンとともに食べ始めた。
『これ、うんめえ!ラーメン屋と一緒だ、いやそれ以上かもしんねえ(しれない)』と。
アッとゆう間にスープまで飲み干した。
実は長男のことが気になっていたのである。10日前、焦点の定まらない目をして家に戻って来た。『この仕事、きつすぎるから続かないかもしれない』と。
親としては、やっと掴んだ正規雇用である。 『もう少し頑張れや(よ)』と、言うしかなかった。
たぶんそのことを気にしての帰宅だと思うのだが。
はたして、十日目に帰って来た彼は吹っ切れた様子であった。 そのことについては、ほとんど何も触れなかった。
『じゃあ、戻るまで昼寝でもしてゆっくりして行け』とゆうと、『いや、会社で使う工具を買って帰るので、もう行く』と言い、わずか1時間ちょっとの滞在であった。
帰り際に、『レモン(まっちゃん家産)と缶ビール、持ってけ』とスーパーの空き袋に入れて手渡す。
何で、レモンと缶ビールなのか分からない。
無意識で目についたものを渡したのだ。 親ってそんなもんなのかもしれない。
『じゃあ、かあちゃんも心配してるから今度ゆっくり来いや(よ)』と送り出す。
親父の作ったラーメンを旨いといって食ってくれた。ちょうど阿武さんラーメンが絶妙のタイミングでそこにあったからだ。
旨いものは、元気をくれる、笑顔をくれる。