浅井久仁臣 『今日の中東』

1971年のパレスチナ初取材から、30有余年中近東を見続けてきたジャーナリストが独自の視点をお届けします。

シャロンーアッバース近く会談へ

2004年11月29日 | Weblog
 アラファト前議長の後継者として有力視されているアッバースPLO議長は28日、訪問先のカイロで記者団に、イスラエルのシャロン首相といつでも会う用意があると述べました。
 一方、シャロン首相もアッバース氏との会談を、申し出があれば受け入れるとしています。
 こうなると、かなり早い時期に両首脳の会談が実現する可能性が出てきました。ただ、事前交渉で前提を取り決めることなく拙速に会談にこじつければ、やがては綻びが出てくるのは過去の例からして容易に想像が付くことです。特に、エルサレムや自治区外にいるパレスチナ難民の帰属問題は避けて通れない難問です。だからといって、これまでのようにこの問題を後回しにすれば、必ずや近い将来大問題として和平交渉の前に立ちはだかってくるでしょう。
 この会談は恐らく先日中東訪問をしていたパウエル米国務長官の辞任にあたっての「置き土産」だと思われます。

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