浅井久仁臣 『今日の中東』

1971年のパレスチナ初取材から、30有余年中近東を見続けてきたジャーナリストが独自の視点をお届けします。

PFLP、バルグーティ支持

2004年12月30日 | Weblog
 PLOの中でも最左派のPFLP。日本では、60年代から70年代にかけて次々に世界の飛行機を乗っ取り、勇名(?)をはせたグループと言うよりも、日本赤軍と連帯していたパレスチチナ組織と言った方が、分かりやすいでしょう。そのPFLPが29日、ガザで記者会見し、議長選の候補者の中から、「草の根人権活動」で知られるムスターファ・バルグーティ氏を推薦すると発表しました。
 PFLPは前回の選挙(1996年)では、選挙そのものをボイコットしていましたが、今回は何らかの形で選挙戦に参加すると表明していました。
 バルグーティ氏は非暴力を貫く活動家で、武装闘争を今も実践するPFLPとは考え方にかなりの相違点があります。バルグーティ氏がPFLPの推薦を受けるかどうかについては今のところ不明ですが、もし連帯が成立すれば、当選が確実視されているアッバース氏を脅かすところまでは行かないものの次点になるのはまず間違いないでしょう。
 そうなると、NGOの世界でその名を知られる存在であっても、一般的にはほぼ無名であったバルグーティ氏の影響力が大幅に増すことになるでしょう。

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