浅井久仁臣 『今日の中東』

1971年のパレスチナ初取材から、30有余年中近東を見続けてきたジャーナリストが独自の視点をお届けします。

新内閣誕生

2006年03月29日 | Weblog
 パレスチナ評議会(議会)は28日、自治政府首相に指名されたハマースのイスマイル・ハニヤ氏が提出した閣僚名簿を賛成多数で承認しました。新内閣は数日中にも発足する予定です。

 ハマースは、イスラエルとの和平交渉路線の維持に務めようとするアッバース大統領の支持基盤ファタハに連立を呼びかけましたが、それに失敗、事実上の単独政権を率いることになりました。

 一方、アッバース大統領は28日から始まったアラブ首脳会議(22カ国・地域が参加)に、ハマースのメンバーを含まない人選をした代表団を引き連れてスーダンの首都ハルツームに乗り込みました。首脳会談に先立って行われた外相会議に出席したキドワ外相が、「自治政府の外交の責任は大統領にある」と発言したのもハマースに刺激を与えています。

 ハマース最高幹部のメシャール氏は、「我々は排除された」と強い不快感を示しており、両派の亀裂がさらに深まる可能性も出てきました。


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