浅井久仁臣 『今日の中東』

1971年のパレスチナ初取材から、30有余年中近東を見続けてきたジャーナリストが独自の視点をお届けします。

議長選にバルグーティ氏の名

2004年11月26日 | Weblog
 PLO(パレスチナ解放機構)最大政治組織のアル・ファタハはアラファト議長の後継者としてアッバース氏を自治政府議長(パレスチナ人たちは大統領と呼ぶ)選挙戦に出馬させることを決めましたが、青壮年層から不満の声が上がり、2年半前からイスラエルの獄中にあるマルワン・バルグーティ氏を担ぎ出そうとする動きが見られます。
 バルグーティ氏の逮捕時、私は丁度パレスチナで取材中でしたが、逮捕理由が曖昧で、パレスチナ人たちは逮捕の報に怒り、デモが行なわれていました。彼の西岸地区における人気は絶大なもので、一部ではアラファト氏がイスラエルに対して、自分の地位を脅かす存在である彼の逮捕を黙認したとの説がまことしやかに囁かれました。
 バルグーティ氏が獄中から立候補することは出来るでしょうが、万が一当選してしまえば、イスラエルが彼を釈放するための政治取引が必要になってきます。しかし、そのような“面倒な”手続きは、現パレスチナ執行部は取りたがらないでしょうね。

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