浅井久仁臣 『今日の中東』

1971年のパレスチナ初取材から、30有余年中近東を見続けてきたジャーナリストが独自の視点をお届けします。

犠牲祭とは

2005年01月20日 | Weblog
 犠牲祭(イード・アル・アドハ)は、イスラム教徒にとって断食月(ラマダーン)と並ぶイスラーム教徒にとって大きなお祭りです。犠牲とはこの場合、自分の欲望を犠牲にして、アッラーの教える道に従うという意味です。犠牲に捧げた肉(羊)は貧しい人々に振る舞い、残りを家族や親戚で食べます。
 多くのイスラーム教徒は、この日に聖地メッカで祈りを捧げたいと、巡礼に訪れることを夢見ます。ハッジと呼ばれるメッカへの大巡礼をしたものは、近所から「ハッジ」と尊称で呼ばれます。今年は西暦1月21日がその日です。
 パレスチナはイスラエル軍の軍事封鎖の中でこの日を迎えることになります。かなりの数の信者達が封鎖を突破してモスクに礼拝に行くことが予測されます。懸念されるのはその際、犠牲祭の異様な雰囲気の中で恐怖心から解き放たれた信者がイスラエル兵の銃口の前に立ちはだかってしまうことです。イスラエル軍が兵を引くなりして自重することを強く求めます。

 

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