浅井久仁臣 『今日の中東』

1971年のパレスチナ初取材から、30有余年中近東を見続けてきたジャーナリストが独自の視点をお届けします。

バグダッド爆弾テロ 詳報

2007年04月19日 | Weblog
 18日のバグダッドは、4年前の開戦以来最悪の「血塗られた1日」となった。

 中でも犠牲者の多かったのは、サドリヤ地区の車爆弾によると思われる爆破現場で、これまでに分かっただけでも140人が死亡した。サドリヤ地区はシーア派居住区。バグダッド西部にある繁華街で、2月にも130人の犠牲者を出すテロがあったばかり。建て直されたばかりの食料品市場が再び狙われた。

 現場はまさに血の海と化し、あまりに凄まじい光景に、スンニ派への復讐を誓う住民たちの声も上がったと言う。

 マリキ首相は、何を血迷ったか、サドリヤ地区の軍司令官を拘束したとの情報もある。

 「このような行為は、無信心者のやること。子供も年寄りも男も女も関係なく標的にしている。前の独裁者(故フセイン元大統領)が行なった虐殺を想起させる」と、マリキ首相は記者団に語っているが、彼の言うことに耳を傾けるものは、今やイラク人ではほとんどいない。

 それをあざ笑うかのように、サドル地区など他の居住区でも爆破事件が連続して発生、18日だけで200人以上が犠牲になった。

 

最新の画像もっと見る