浅井久仁臣 『今日の中東』

1971年のパレスチナ初取材から、30有余年中近東を見続けてきたジャーナリストが独自の視点をお届けします。

ハマース、議長選への関与否定

2004年12月03日 | Weblog
 ハマースの有力幹部数名が2日、アラファト後継者のアッバースPLO議長と会談しました。会談後記者団に囲まれた幹部達は、ハマースがアル・ファタハの内政干渉はしないと述べました。
 これは、自治政府の議長(大統領)選にアル・ファタハから2人の有力者が出馬したことを指しています。情報提供者の話では、ハマースの影響力を恐れるアッバース氏が、対抗馬のバルグーティを支持しないように釘を刺したとのことです。そして、冒頭の発言になったわけです。
 パレスチナの強硬派路線で知られるハマースは、マスコミで言われている以上に幅広い人脈を有していますし、その活動も福祉や教育に熱心に取り組むことで民衆の支持を得ています。ただ時として、その幅広さが組織の方針を曖昧にさせる事があります。今回の議長選挙も、選挙そのものに賛同しないと言いながらも、自派の影響力は自治政府内に有しておきたいとの思惑があって会談に応じたものと思われます。

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