浅井久仁臣 『今日の中東』

1971年のパレスチナ初取材から、30有余年中近東を見続けてきたジャーナリストが独自の視点をお届けします。

血の日曜日

2007年05月14日 | Weblog
 ガザ地区におけるファタハとハマースの武力衝突は13日、報復合戦へと発展、「血の日曜日」となった。これまでに分かっただけでも、少なくとも5人が命を落とし、多くの負傷者が出ている。

 13日の報復合戦は、ハマース・グループと思われる男たちによる「アル・アクサ殉教者旅団」の幹部襲撃から始まった。

 幹部のアブ・ジャラブ氏は車で移動中襲われ、車中で死亡、運転手も殺された。

 事件後、直ちに同旅団は、ハマースの犯行と発表、ハマース側は否定したが、数時間後、ハマースに所属すると見られる男性2人が殺され、9人が負傷した。

 すると今度は、ジャラブ氏の葬式の人の群れに発砲があり、数名が負傷した。相前後して、ハマースのメンバーや関係者と見られる人達が次々に何者かに拉致されたとの情報もガザを飛び交った。

 事態を重く見たエジプトの外交団が飛び回り、両派の指導者たちを説得、13日夜には一旦停戦状態に入った。だが、予断を許される状況ではなく、14日も調整が続けられるはずだ。

 

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