浅井久仁臣 『今日の中東』

1971年のパレスチナ初取材から、30有余年中近東を見続けてきたジャーナリストが独自の視点をお届けします。

首脳会談へ

2005年08月23日 | Weblog
 ロイター通信が伝えるところによると、アッバース首相は22日、イスラエルのシャロン首相の元に電話を入れ、当日に完了したイスラエルのガザ撤退を賞賛、両首脳による首脳会談を持ちかけたとのことです。
 両首脳の側近は、何れもその電話会談の事実を認め、近く首脳会談が行なわれることを示唆しました。首脳会談は、実現すれば約2ヶ月ぶりのことになります。
 シャロン氏サイドから出された声明には、アッバース大統領がガザからの撤退を「勇気ある歴史的な決断」と持ち上げたとあります。
 アッバースさん、イスラエルにヨイショしすぎですよ。パレスチナ人たちはあなたのこういう「お調子モン」が嫌いだという事がまだお分かりでないようですね。あなた以外にパレスチナ人の誰が、今回の撤退をこのような表現をしますか。「軍事占領をしていたのだから撤退は当然」と誰もが考えています。
 読者の皆さんには、アッバース氏の外見から、「思慮深い政治家」との印象をお持ちの方が多いようですが、彼を良く知る人間は全く反対の見方をしています。だから、彼の周囲には、「イスラエルと話し合うのは良いが、変な安請け合いをしてこなければ良いが…」と心配する向きも多くいます。

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