浅井久仁臣 『今日の中東』

1971年のパレスチナ初取材から、30有余年中近東を見続けてきたジャーナリストが独自の視点をお届けします。

カザーフィ氏、首脳会議を退場

2004年05月23日 | Weblog
 チュニスで開催中のアラブ連盟首脳会議に出席していたリビアの指導者カザーフィ氏は23日、理由も告げずに会議をボイコットして帰国してしまいました。私の得た情報では、主催国であるチュニジアのビン・アリ大統領が行なった開会式の演説に腹を立てていたとのことです。ただ、それが彼のボイコットの直接の原因であるかは判明していません。
 「北アフリカの暴れん坊」として西側社会に恐れられていたカザーフィも今年に入って、国連やアメリカの経済制裁による圧力で、「ブッシュの軍門に下った」と批判を浴びているだけに、仲間内からの批判には相当神経質になっています。
 首脳会議では、イラク問題とパレスチナ問題が緊急課題として話し合われ、米英主導の在イラク占領軍やイスラエル政府に対して共同抗議声明が出されるはずです。しかし、パレスチナ自治政府を含む22カ国からなるアラブ連盟もかつての結束と影響力はなく、国際メディアの扱いも小さなものです。カザーフィ氏などは、アラブ連盟解体を叫ぶ始末です。

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