ありゃりゃサンポ

近現代の建築と一日八千歩の散歩の忘備録。美味しいご飯と音楽と。
東京都全域を徒歩で塗り潰す計画進行中。

目白・徳川黎明会と徳川ビレッジ

2020年01月23日 | TOKIO散歩

池袋から目白へ。西池袋の住宅地はなかなかの高級っぷりで驚きます。あの目白と続きの土地だからか北池袋や、南池袋のような雑多な空気感はありません。
細い道路の向こうにそこだけ高い木々が頭を出している一帯があったので近づいて見るとこんな厳かな門がありました。
大きな石で組まれた塀と門柱。暗めのターコイズブルーの鉄扉の向こうに見える古風な洋館。ナニコレ。右の門柱に埋め込まれた銅のには「徳川黎明会」と刻まれていました。
徳川か~~。

クラシカルな唐草模様の装飾の中央には確かに丸に三葉葵の御紋が。平伏!

この日は門だけ見て帰り、家で調べました。
徳川黎明会は尾張徳川家19代藩主義親が伝来の美術品等の管理のために設立した財団法人で、現在は愛知県の徳川美術館と目白の徳川林政史研究所を運営しています。
義親一家が目白に居住したのは昭和7年から。住んでいた麻布の景観が悪くなったことを嫌っての移転でした。新居は国立博物館の設計で知られる渡辺仁に依頼しました。
その邸宅と7000坪の広大な敷地も戦後の財政難で西武に売却され、現在では主に外国人向けの高級賃貸住宅「徳川ビレッジ」となっています。
(今、書きながら知りましたが、渡辺仁設計の徳川義親邸はその後(昭和43年)長野県佐久郡に移築され八ヶ岳高原ヒュッテとして現存しているようです。いつか見に行かねば。


ということで別の日に改めて目白を訪問。開いている門から中を覗かせてもらいました。残念ながら立ち入りは禁止です。

黎明会の本部であるこの洋館も渡辺仁によるもの。茶のスクラッチタイルとアイボリーのテラコッタの組み合わせがきれい。中も見せてもらいたい。

黎明会本部の周囲、敷地内のロの字の私道を取り囲んで建つ36棟の洋風住宅が徳川ビレッジ。一戸当たりの専有面積は400㎡。7SLDKの賃貸料は150~200万円とのこと。
デザインやサイズは各戸異なるようですが茶色い壁や朱色の庇、白い煙突など多くの部分が共通します。

車2台分のカーポート。その奥に薪が置かれている家も多く見受けられました。住居案内板を見ると半数以上が外国人の名前。大使館員や海外企業の役員などが主な借主だそうです。

敷地内部の私道。道路も含めて外部から隔絶されたコミュニティなので住人同士のパーティや花見会、バーベキューなどが行われるそうです。

黎明会本部の裏側と徳川ビレッジは繋がっています。

道路脇のゴミ箱も抜かりなくスクラッチタイルで高級感を醸しています。 

GoogleMapでのビレッジ全体図。右下の大きい建物は徳川ドミトリーという学生女子会館。白っぽい屋根の中で右下2軒だけ赤い屋根の家は22代当主 徳川義崇氏のお宅です。

GoogleMap写真中央、更地になっている場所がありますが私が見た時は新築工事の終盤でした。元は70年代に建てられた邸宅ですが徐々に新陳代謝も行われているようです。
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