低地の烏山川緑道から台地の上の世田谷区役所へ向かっているところ。梅が丘から世田谷通りまでのこの道には世田谷区役所通りという通称がつけられています。
真っ白に仕上げられた擁壁の外側が元の地形の傾斜で、その真ん中を切り通して車道が作られています。
切り通しの上が塞がれていますのでトンネル風になっていますが、なんとなく純粋にトンネルとは言い難い。台地の際でよく見かける風景です。
側壁に模様がつけられているのも珍しい。
トンネルの「フタ」の部分は国士舘大学のキャンパスの一部分になっています。
このような形になっていなければキャンパスは区役所通りによって左右に分断されていました。このフタ部分のおかげでキャンパス内の移動がスムースです。
いったいいつごろからこうなっているのか調べてみましたがよく分かりませんでした。
国土地理院の航空写真では1960年代→ただの坂道、1970年代→切り通し化、2009年には道路を東に移動して直線化して現在の形になっています。
この時、写真右の校舎も新築されているので、おそらくキャンパス整備と道路整備が一体となって行われたものと推測しています。
世田谷キャンパス中央図書館。
メイプルセンチュリーホール(2012年・久米設計)。アリーナ、温水プール、武道館、会議室、教室などが入る複合施設。
普段ならもう少しキャンパス内もうろうろしてたいところですが、この後の区役所の要件が気になるので本日は外観見学のみで。
世田谷区民会館の特徴的な折版構造は以前より表面が磨かれたようできれいになっていました。
2019年に見に来た時にはたまたまロビーでバザーが開催中でだったおかげで、最後にホール内も見て過去の思い出と共にブログに残すことができました。
背後には新しい建物が姿を現していました。壁面がギザギザになっているのはたぶん区民会館の折版のギザギザと共通のモチーフのところなんでしょう。
それでもこれだけ質感が異なると、建て替えにあたって区民会館だけ残すという方法が本当に良かったのか疑問も感じます。
区としては前川國男の代表作を取り壊すのは忍びないけどせめて区民会館だけは残すから、という折衷案だったのでしょうがどうなることか。
とは言え、信頼のある佐藤総合計画のプランで行われている再開発ですから、きっちりまとめてくれることと信じています。
工事パネルに貼られていた完成予想図。相当スケールの大きな庁舎になります。
世田谷区の人口は93万人。都道府県で言えば世田谷区よりも人口の少ない県は10もあります。区役所の庁舎が県庁規模になるのも仕方ありません。
がんばれ大成建設。
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