ありゃりゃサンポ

近現代の建築と一日八千歩の散歩の忘備録。美味しいご飯と音楽と。
東京都全域を徒歩で塗り潰す計画進行中。

鎌田鳥山

2024年03月31日 | 食べ物のはなし
1年以上前から行きたいと思っていたお店に行きました。間違いなく素敵で美味しそうだったのですが少し遠いので実現するのに時間かかってしまった。

京王線で北野駅。駅前の三番バス乗り場から南大沢行きのバスで10分足らずで野猿峠バス停に。
バス停から斜面の住宅地の中を少し登ると都立長沼公園の入り口が見えてきます。

長沼公園は敷地内で下から上までの高低差が100m以上もあります。計画では下界に見える一番低い所から園内を登ってこの場所に来るつもりでした。
しかしこの日は前夜からの春雷。関東各地で大荒れとなってしまったあの日でした。歩いて登るのは諦めてバスで運んでもらいました。
そしてもうひとつ、一番の計画違いは3月の末にこの場所に立てば、広い斜面は満開の桜色で埋め尽くされているはずだったのです。残念。

長沼公園の天辺に沿って歩くこと5分で目指す鎌田鳥山の建物に到着しました。山小屋風の建物は写真で想像していたよりかなり大きかった。

玄関入って、大座敷のある2階に上がると窓の向こうに多摩丘陵の緑がいっぱい。

こちらがメインの大座敷で囲炉裏が10ほど切られています。左側の座敷が一段高くなっているのは眺めの良い窓を部屋の奥側からも良く見えるようにという設計です。

むき出しの小屋組みも素敵ですが、一番すごいのが壁面のほぼ全てを覆っている網代。
高級旅館や数寄屋の天井で見かける網代がこれだけの面積で大きな座敷の壁一面に設えらえているのは見たことがありません。ラフな造りの山小屋とのギャップがすごい。
お店の方から聞いたところによれば、100年ほど前の昭和初期にこの地で野鳥を食べさせる商売を始めた初代はその前は神田で竹カゴやざるを製造販売していたそうです。
狩猟が趣味だったことから八王子のこの地に移って商売替えをしたようですが、そもそも竹や木を編むのが専門だったのです。
建物自体は何度か建て替わっていますが、その度に初代が制作した網代は保管して新しい建物にも取り付けて現在に至っているとのことでした。すごい。

大座敷から少し飛び出した部分にある囲炉裏の前に陣取りました。少しですが高さがあるので焼くのも食べるのも楽です。
すぐに良く焼けた炭と食材が運ばれてきました。

鎌田鳥山は囲炉裏で串に刺した鳥を焼いて食べるお店です。うずらを含む野鳥コースと含まない若鶏コースの2種類。
砂肝、手羽中、銀紙に包まれた四角い棒はつくねです。

ネギ、ししとう、シイタケ、うずら玉子。

こんがり焼けた手羽中。

うずらは鳥の形そのものでちょっと引きますが食べて見ると濃厚で鶏とは異なる美味しさです。一番太い骨まで全てバリバリと噛み砕いていただきます。

窓を開けるともうもうと立つ煙がこちらに向かってきます。

ボトルで頼んだ芋焼酎も終わり、大きな鶏ももも食べ終わり終わった所で運ばれるなめこ汁。

最後は麦とろ。これだけ美味しい物を楽しく食べて1人前たったの3,500円です。ニューヨークだったらベーグルサンド1個とジュース一杯で終わる値段ですね。

小雨の中、11時半に入店して、お店を出たのは14時半でした。外はすっかり晴れていました。

帰りは長沼公園の中を下って長沼駅まで。20分くらいです。中央が窪んだ石畳は排水路も兼ねているようでした。
滑るから気を付けて!と言った直後に滑って転倒したのは私でした。
次は秋に一度行って、それから来年の桜の季節にリベンジだ!
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