アーク・フィールドブック

四万十フィールドガイド・ARK(アーク)のブログ

こ・ん・が・り・サマー

2024-07-03 | ・最新のお知らせ・イベントなど

「こ・ん・が・り・サマー」いつかの夏に書いた旅雑文です。期間限定公開中

 最高気温35度。

 梅雨雲が去って1週間。

晴れ間が続き、水量がグンと減った川は、少しやつれて見えます。

シーズン・イン・ザ・サン。

ほぼハダカで夏を過ごす「四万十裸族」と化した僕は、

それまで黒かった顔以外のところも、しっかりこんがりと焼けてます。

 

 「ひゃーぁー焼けたなぁー!」

目の前の鏡に映るのは、がっつりと黒く焼けたハダカのオトコ。

それは、焼きすぎたトーストを連想させた。

鏡にうつった自分の姿をみた僕は、旅先でのあるデキゴトを思いだした。

 

 「おあいそね!」思わず日本語がでた僕。

「あらーっ、あんた日本人なの!!」

東洋人ぽい顔立ちのおねーさんは、おどろいた顔で言った。

「ええーっ!」と僕。

「私は、あんたメキシコ人だと思ってた・・・」

「日本人ですよー」

「だって、真っ黒だし、へんな英語だし、服装もそれっぽいし・・・」

「えーっ、店に入った時から英語でしか注文聞かれなかったし、

寿司屋だけど、ここはアメリカだから英語じゃなきゃダメなのか?と思って・・・」

 

 それはもう10何年も前。

アメリカ東海岸フロリダ、デイトナの町にある小さなお寿司屋さんでのコト。

早春のデイトナでは、1週間に渡りさまざまなバイクレースがおこなわれる。

「デイトナ・バイク・ウィーク」

その期間中の街は、全米からバイカーが集まり、お祭り騒ぎに。

車にキャンプ道具を積んだ僕らは、フロリダでのバイクレース観戦をメインに、

マイアミ、テネシー、ジョージアを旅していた。

 

 3月の終わりといっても、南国フロリダ、さらに南のキーウエストの陽ざしは、夏そのもの。

海と太陽が輝くキーウエストが気に入った僕らは、その美しい海でのんびり過ごした。

その後、デイトナに行き、そのお寿司屋さんに入るころには、すでに全身真っ黒になっていたのだった。

「アデイオス、アミーゴ!」と言ってメキシコ人に間違われた僕は、ニカニカ笑いながらすし屋をでた。

しかし、チップを置き忘れたことに気づき、あわててまた店にもどった。

 

 またそれは、ある秋のはじめのデキゴト。

「ヘイ!〇×☆△ △×〇☆!」

日比谷公園付近で、大きなバックパックを背負い信号待ちをしていた僕は、すぐ背後から聞こえた、

英語?スペイン語?の呼びとめるような声に、えっ?と振りかえった。そこには若い警官がいた。

「はぁ、何か?」と僕。

「あっ、あなた日本人?」と警官。

「そうですよ、なんで?」

「いや、ちょっと日本人には見えなかったんで、肌の色とか・・・」

「あー2か月ほど八重山を旅してたからね。これから板橋のアパートに帰る途中なのよ」

僕は、わざわざ財布から免許証をとりだして、警官にみせた。

いったい、何人と思ったんだろう・・・。たしかに、免許証の顔写真とはまるで別人のように黒いけど。

 

 真夏の土佐の太陽はキョーボーで、何のケアもせず肌をさらせば、短時間で肌は、

火傷をしたように赤みがかり、しばらくはビリビリと痛くヒサンです。風呂に入れないほどに。

まったくなぁ・・・。肌を焼くのも、ほどほどがイーねっ!と鏡の前でごちる真夏の午前7時です。



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