金融マーケットと馬に関する説法話

普段は資産運用ビジネスに身を置きながら、週末は競馬に明け暮れる老紳士の説法話であります。

【ゴルバチョフ氏が死去】 東西冷戦終結の立役者 東側世界の民主化を目指した指導者

2022-09-01 06:16:34 | 金融マーケット

 旧ソ連の最後の指導者ゴルバチョフ氏が亡くなりました。東西冷戦を終わらせた立役者であり、東側世界の自由化・民主化を目指した改革政治家でありました。

 

 

 ゴルバチョフ氏は、1985年に故チェルネンコ氏のあとを継いで、旧ソ連共産党の書記長に就任。改革と情報公開を意味する「ペレストロイカ」「グラスノスチ」を提唱して、旧ソ連の政治・経済改革を断行。87年には米レーガン大統領との中距離核兵器廃棄条約を、89年には米ブッシュ大統領との東西冷戦終結宣言を実現、この間にベルリンの壁崩壊が起こるなど、短期間で東側世界の自由化・民主化への道筋をつけました。

 このあとも、90年には旧ソ連共産党一党独裁の終結と大統領制の導入を決めて、旧ソ連国内の自由化・民主化を推し進めますが、あまりに急激な変化についていけなかった旧ソ連軍部指導者たちによるクーデターで91年に失脚。このクーデターを収束させたロシア大統領のエリツィン氏が権力を握ることになり、ゴルバチェフ氏は政治の表舞台から去ることになります。

 ゴルバチョフ氏が指導者として君臨したのはたった6年だけでしたが、1917年のロシア革命から続く、20世紀の歴史の歪みを、この間に一気に修正してみせた政治的な手腕は見事と言わざるを得ません。しかも、戦争や内乱といった血を流すプロセス無しに成し遂げたことは、人類の歴史を紐解いても、あまり例のない大偉業だったと思います。

 

 それにしても・・

 ゴルバチョフ氏が失脚したあとのロシアの状況は、自由と民主化への道を模索した時期もありましたが、結局は「強かったロシア」への憧憬の念が強すぎて、今のウクライナ紛争を引き起こしてしまう結果に。この状況を見ながら、死にゆくゴルバチェフ氏は何を想いながら亡くなっていったか。たいそう無念であったことと思います。

 

 20世紀の政治家の中でも、人類の歴史に大きな軌跡を残した偉大な指導者でした。 合掌


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