金融マーケットと馬に関する説法話

普段は資産運用ビジネスに身を置きながら、週末は競馬に明け暮れる老紳士の説法話であります。

【大相撲】 白鵬 対 遠藤 もう三日前の対戦ですが・・

2020-01-16 07:10:49 | 大相撲

 以前にも書きましたが、白鵬の立ち合いについて、横綱として相応しくないとか、品格がないとか、横綱審議委員の一部やマスコミが騒いでいますが、全く意味がないどころか、かえって悪影響が出かねない議論であることを、繰り返し申し上げたいと思います。

 今の大相撲で最大のテーマは、①土俵上では常にガチンコ(真剣勝負)であること、②土俵外での不祥事(シゴキや違法な賭博行為等)を根絶すること、の2点。当たり前だと言うなかれ。大相撲の歴史を見れば、それの実現と継続がどれだけ難しいかは明白です。

 特に、素人揃いの横審あたりから、横綱になると「堂々とした四つ相撲」を強いられることから、それまで押し相撲一辺倒だった力士が、早期に引退に追い込まれるか、あるいは「星」を買うか、という厳しい選択を迫られる‥。過去に、何度となく、そんな事態が発生していたのではないでしょうか。その発端の一つは、「横綱らしく」とか、「品格」とか、素人たちの無責任な要求だったと思います。

 白鵬の立ち合いは、勢いのある若手に対して、ルールの範囲内でギリギリできることをしているだけで、これはガチンコである一番の証拠であります。それに対して、遠藤は、先場所の失敗を跳ねのけて、「カチあげには、脇のスキを狙った両差しを!」との鉄則を守った相撲で、横綱に借りを返す結果を出しました。

 先場所の一番のあと、八角理事長が「(白鵬の立ち合いには)何の問題もない。遠藤が対処すべきことをしていないだけ」と、「品格議論」を一蹴していましたが、まさにそのとおり。本件については、ブレない八角理事長が非常に頼もしい。


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【大相撲】 横綱審議委員会に物申す!

2019-12-04 07:12:11 | 大相撲

横綱審議委員会は、横綱推薦、その他横綱に関する諸種の案件に関して、協会からの諮問へ答申したり、協会の発議に基づいて進言することを任とする(日本相撲協会定款第52条)


 もともとは、相撲協会が横綱を乱造しないように、歯止めをかける外部人材から成る諮問委員会だったそうですが、直近、横綱白鴎のカチあげについて「品位がない」「横綱らしくない」という批判が審議委員会で噴出したと多くのマスコミが伝えています。それが本当ならば、その審議委員の方々は、何を根拠にそんなことを言っているのかをお尋ねしたい。おそらくは、「横綱とは、四つ相撲を得意として、寄り切りで勝つのが本来の姿」とか言って、悦に入っている古株の審議委員の意見にマル乗りしているだけで、何か特別な考えがある訳ではないでしょう

 そもそも、今の相撲協会が解決しなければならない大きなテーマは、①土俵外での不祥事を無くすことと、②土俵内では常にガチンコであること、の2つです。当たり前だと言うなかれ、それがいかに難しいテーマであるかは、ここ数十年の不祥事件の歴史をみれば明らかであります。

 特に②については、審議委員が求めている「品位」「横綱らしさ」と無縁ではありません。力士には、そろぞれ自分の型があります。押し相撲、突っ張り相撲、前みつを取っての電車相撲‥。四つ相撲だけが相撲ではありません。その型を極めて、大関・横綱を目指していくもの。ところが、何も知らない素人が「横綱になったら四つ相撲」だと求めてくる。双葉山や大鵬を想ってのことですが、当然ながら、スピード相撲を得意としていた力士が、急に四つ相撲を要求されれば、短命横綱で終わるか、あるいは陰で「星を買う」という手段しか残らない

 少なくとも、相撲を愛する横綱審議委員であるならば、土俵の上ではガチンコであることだけを求め、一人一人の個性ある相撲を尊重する立場であるべきだと考えます。その立場で、「カチあげはみっともない」とか、「横綱らしくない」とか、技の中身に口を出すべきではありません。

 協会側が言っているとおり、相撲の技術的には、「カチ上げをすれば、脇が甘くなるので、相手がそこを突く相撲をすればよいだけ」であります。それが判らない人に、審議委員をやらせるべきではないというのが、自分の意見です。

 


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