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迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

そして明日の一里塚。

2022-10-19 21:35:00 | 現代手猿樂
今日はレンタルスタジオで、手猿樂師としての活動。いざやってみてから氣が付いたり、考へたり、自分で創ったものでありながら、確かな“意思”をもって私に迫ってくる、私の作品。  その日に向けて、その日のために準備を重ねて、それを當日に無事やりおほせると、安堵と共に寂しさを感じたりする。しかしそれが、次(あす)への第一歩となることを、私は知ってゐる。さう繰り返して、私はここまで歩んで来たのだ。そしてこれか . . . 本文を読む

紫秋奮舞!

2022-10-10 23:11:00 | 現代手猿樂
「第七回おかげマルシェ」が開催された東京都目黒區の上目黒氷川神社の神樂殿にて、現代手猿樂「源氏紫(げんじむらさき)」を舞ふ。ここ數日来の惡天候は今朝まで續けど、私が出番の頃には厚い曇雲も切れてやうやく青空となり、心も雲晴れり。今回の「源氏紫」は私の好きな能のひとつ「源氏供養」を下敷きに、秋の實のムラサキシキブが紫式部の姿となって源氏物語の世界を舞ふ、と云っ . . . 本文を読む

本義奮舞!

2022-04-17 21:05:00 | 現代手猿樂
人災疫病禍にあることを鑑みて、規模縮小といふ形で二年半ぶりに再開された上目黒氷川神社の「第5回 おかげマルシェ」にて、現代手猿樂「村雨留(むらさめどめ)」を披露する。二年前に能の名曲「熊野(ゆや)」から取材し、小書(特殊演出)の“村雨留”を曲名につけて創り、御縁があればその年の「おかげマルシェ」で初演するつもりだったが、生憎の人災疫病禍に . . . 本文を読む

待春の俤(おもかげ)。

2022-04-11 23:00:00 | 現代手猿樂
座間市商店会連合会のFacebook「WE ❤ ZANA」に、四月二日の『さがみ野さくら祭り』で舞った「すゑひろかり」の舞臺冩真が掲載されてゐるのを、初めて見る。https://www.0462.net/自分の舞臺姿なのに、どこか他人(ひと)の舞臺を眺めてゐるやうな氣持ちになる。手猿樂を舞ってゐる時が真實(ほんたう)の私で、舞臺から降りてゐる時はまた別の私だからだらうか。なんであれ、真實の私がそこ . . . 本文を読む

待春奮舞!

2022-04-02 19:26:00 | 現代手猿樂
神奈川縣座間市の「さがみ野さくら祭り」の舞台にて、現代手猿樂「すゑひろかり」をつとめる。手猿樂じたいは昨年九月に神奈川縣が企画したオンライン文化祭「バーチャル開放区」に参加するための動画撮影で、同じく「すゑひろかり」をつとめてゐるが、舞臺に立つのは山形縣米澤市の「上杉雪灯篭まつり」以来、實に二年二ヶ月ぶり。昨年までならば、人が集まる催し會場の舞臺に立つなど絶對に考へられ . . . 本文を読む

續・時流奮舞!

2021-10-08 08:53:00 | 現代手猿樂
神奈川縣が企画した「バーチャル開放区」に参加するため、先月ニ十九日に動画撮影した現代手猿樂「すゑひろかり」が、開催事務局の考査を経て、十月七日付で公開される。https://kaihouku.pref.kanagawa.jp/blogshuffle私などは元来が文明の利器に疎い人種ゆゑ、應募にあたっては事務局の手を煩はせる場面もあり、何事も實際にやってみなければ覺えられないものだと痛 . . . 本文を読む

時流奮舞!

2021-09-29 18:27:00 | 現代手猿樂
神奈川縣が企画したオンラインイベント「バーチャル開放区」に参加するため、現代手猿樂「すゑひろかり」を動画に撮る。人を集めて舞台に立つべきではないこのご時世、オンラインによる作品發表と云ふ形態には昨年より関心があったところへ、今回の企画に逢ふ。https://kaihouku.pref.kanagawa.jp/おかげで、實に一年と七ヶ月ぶりに面と装束をつけ、扇を手にする。「動画撮影では . . . 本文を読む

燦雪奮舞!

2020-02-08 20:56:00 | 現代手猿樂
山形県米澤市の「第43回 上杉雪灯篭まつり」のステージイベントに参加し、現代手猿樂「河原左大臣(かわらのおとど)」を舞ふ。會場は米澤城跡の上杉神社に隣接する、「米沢市上杉博物館 伝国の杜」敷地内の屋根に覆われた野外ゆゑ、先日に降った大雪で厳寒なるは覺悟なれど、いざ出になると何も感じなくなる。屋根の外では小雪が舞ひ、時には晴れ間が覗き、そんな気まぐれな空に、ふと一瞬、「きれひだな……」とその表情(い . . . 本文を読む

臨海奮舞!

2020-01-19 18:34:00 | 現代手猿樂
横浜市内で行はれた祝賀会の席上にて、現代手猿樂「駿河天人」を舞ふ。海に臨む三保松原の傳説を、港に臨む横浜で舞ふのは、一年と四ヶ月ぶり。上演後に列席者の方々へ御挨拶申し上げ、さらに祝言小謠として「高砂」を、こちらは猿樂としてつとめる。今回、日本の傳統藝能に初めて接したといふ方も多くおられたやうで、自分の活動のひとつが大いに活きて、嬉しい御祝儀となる。 . . . 本文を読む

新春奮舞!

2020-01-18 18:54:00 | 現代手猿樂
横浜市神奈川区の神奈川公会堂が企画した新春ロビーイベントに、現代手猿樂をもって参加する。今年最初の番組は「那須与一」に、附祝言の踊りとして「すゑひろがり」の二題。「すゑひろがり」は初演だが、「那須与一」は能樂を出典としない完全自作といふこともあり、より多く舞ひたいとの念願叶って、今回で四回目。が、今回も含めてそのうち三回までが、嬉しくない天気に見舞はれる。考へたら、そもそもこの曲の初演を予定してゐ . . . 本文を読む

夜照奮舞!

2019-12-15 22:06:00 | 現代手猿樂
横浜市南区の蒔田公園で開催された「光のぷろむなぁど」の“水辺の光コンサート”に参加し、現代手猿樂の「河原左大臣(かわらのおとど)」を披露する。長期予報の「雨」は大ハズレ、昨年のやうに涙をのまされずに済んだのは、本當に何よりだ。手作りロウソクに彩られた会場の公園を散策しつつ、歌あり、ダンスあり、男性アイドルグループあり、和太鼓ありの、こちらも色彩豊かな番組を、まずは支度時間ギリギリまで樂しむ。──そ . . . 本文を読む

錦秋奮舞!

2019-11-03 18:10:00 | 現代手猿樂
今年も地元自治体が後援する文化祭に参加して、現代手猿樂「那須与一」を舞ふ。2019年はこの作品を多く演じたいといふ念願が叶ひ、これで三度目の上演となる。ただし今回は持ち時間が五分以内と決まってゐるので、その時間内に収まるやう少しばかり型を変へたが、もちろん舞ふ心持ちに変更はない。いろいろと“小書(こがき)”──特殊演出──を作っておけば、それだけあらゆる状況にも対応出来る、「財産」となるからの。そ . . . 本文を読む

“いいもの”の効力。

2019-10-14 19:40:00 | 現代手猿樂
東京都目黒区大橋二丁目、かつては玉電も走った大山街道、いまは国道246号線沿ひに鎮座する上目黒氷川神社で開催された『おかげマルシェ』に参加し、念願の神楽殿で現代手猿樂「那須与一」を舞ふ。性悪台風の二日後、しかも朝からイヤミな天候で、これまでの経験から中止かと半ば諦めてゐたが、実行委員会から「決行!」と連絡があり、その並々ならぬ意気込みに正直おどろく。それでも性悪台風のためにお店を出せ . . . 本文を読む

那須の氏神様のおかげにて。

2019-02-16 18:09:21 | 現代手猿樂
今年も実家の町内会主催の文化展にて、現代手猿楽を舞ふ機会を得る。 今回は「平家物語 巻之十一」より、『扇之的』──那須与一の物語を題材に選ぶ。 猿楽にならって前場、後場の二場構成をとり、前場(前半)のシテは那須与一、 後場(後半)のシテは、扇を射落とせと舟から手招きをした、平家方の女房(女官)。 戦さの勝者(源氏)と敗者(平家)、双方の視点からひとつの物語を描ひたのが、今回の工 . . . 本文を読む

永遠の連続篇。

2018-11-03 19:45:42 | 現代手猿樂
今年も地元自治体後援の芸術祭に参加し、公会堂の舞台で現代手猿楽を演じる。 内容がダンスばかりのイベントは妙に取り澄ましたヒトが多くてその空気が好きではないが──ところが肝心の中身(ネタ)に大差は無いのである!──、こちらは地元の人々が気さくに賑やかにやってゐて、その雰囲気が好きで毎年楽しく参加してゐるうち、今年で五回目を数へけり。 今回は、神奈川県三浦市の民俗芸能「菊名の飴屋 . . . 本文を読む