
今年も実家の町内会主催の文化展にて、現代手猿楽を舞ふ機会を得る。
今回は「平家物語 巻之十一」より、『扇之的』──那須与一の物語を題材に選ぶ。
猿楽にならって前場、後場の二場構成をとり、前場(前半)のシテは那須与一、

後場(後半)のシテは、扇を射落とせと舟から手招きをした、平家方の女房(女官)。

戦さの勝者(源氏)と敗者(平家)、双方の視点からひとつの物語を描ひたのが、今回の工夫であり、またもっとも苦心した点である。

さうした産みの苦しみも、
繰り返しの稽古で克服し、
ワクワクして今日を迎へ、
観客たちの食ひ入るやうな視線を全身に感じたとき、
「稽古は嘘をつかない」といふ聲を、
耳の奥で確かに聞く。

今回は「平家物語 巻之十一」より、『扇之的』──那須与一の物語を題材に選ぶ。
猿楽にならって前場、後場の二場構成をとり、前場(前半)のシテは那須与一、

後場(後半)のシテは、扇を射落とせと舟から手招きをした、平家方の女房(女官)。

戦さの勝者(源氏)と敗者(平家)、双方の視点からひとつの物語を描ひたのが、今回の工夫であり、またもっとも苦心した点である。

さうした産みの苦しみも、
繰り返しの稽古で克服し、
ワクワクして今日を迎へ、
観客たちの食ひ入るやうな視線を全身に感じたとき、
「稽古は嘘をつかない」といふ聲を、
耳の奥で確かに聞く。
