迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

えんま様を樂しむ。

2020-06-30 19:10:00 | 浮世見聞記
岩波文庫版「能狂言」上・中・下巻三冊を讀了す。著者の大藏彌右衞門虎寬は、「わらんべ草」を著した江戸初期の大藏彌右衞門虎明から七代、約一世紀後の大藏流狂言太夫で、岩波文庫に収められた三冊は、虎寬が大藏流狂言の正式な臺本として七冊に亘ってしたためた“正本”を復刻したもの。人間の可笑しく、哀しく、愚かしい性(さが)を文字を通して観ると云ふ、舞台とはまた違った視点で樂しめる名著。とりわけ閻魔大王や鬼など、 . . . 本文を読む
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新型コロナ感染、東京都内から他県に拡大か往来リスク浮かぶ

2020-06-29 22:57:00 | 浮世見聞記
dmenuニュースよりhttp://topics.smt.docomo.ne.jp/article/sankei/life/sankei-lif2006290045?fm=dあたしはかういふ樂しい知らせを、待ってゐたのよ!これはまう、人体實験の着實なる成果、そしてこの支那病菌を甘く見過ぎた施策の大失敗、それ以外に言ひやう . . . 本文を読む
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聞こえ難き夏かな。

2020-06-29 19:11:01 | 浮世見聞記
人のいない所で立ち止まり、一度マスクを外す。夏の陽を浴びた緑の香り。いまの生活様式では、さうした季節の香りすら聴くことが出来ない。これこそが、國難下にいま生きてゐることの現實なのだ。それは、これからも續く。  為政者が、このバカげた人体實験を續けてゐる限りは── . . . 本文を読む
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新しい平穏様式。

2020-06-28 18:29:00 | 浮世見聞記
午前には激しかった雨が、昼には上ってわずかな間ながら晴れ間も覗く。昼食をとってから散歩に出やうとTVをつけると、落語の中継がはじまったところだった。師匠ゆずりの、つまらない新作落語。滑舌も惡く、間延びがして、それでもはじめのうちは面白くもない駄洒落に付き合って笑ひ聲を立ててゐたお客が、次第にダレていく様子が、映ってゐなくてもはっきりとわかる。間違ひなく、感染の心配を押してまで寄席へ聴きに行けば、「 . . . 本文を読む
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夏を聴く。

2020-06-27 18:57:00 | 浮世見聞記
地元の古刹に立ち寄った帰り道、父親に手を引かれた浴衣姿の小さな女の子とすれ違ふ。ゴム風船のヨーヨーを手にしてゐたので、なにかさういふ催しでもあったのだらうか。“密”になる催しは八月末日まで自粛するやうに、との自治体からの要請により、今年は夏の風物詩に逢ふことが出来ない。一方で、この現状下に夏の行樂氣分を盛り上げやうとする氣運があることは事實で、かうした意識の不統一は何なのだらうと、私はむしろ氣味の . . . 本文を読む
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乖離行政。

2020-06-26 23:50:00 | 浮世見聞記
今日の東京都の病菌感染者は54人を數へ、全國では105人云々。事態は明らかに、“元の木阿彌”に向ってゐるとしか思へてならない。しかし女都知事は、相変はらずあからさまに根拠を隠したまま、余裕綽々な素振りを見せ續けてゐる。事實を何も知らされていない衆庶の立場からすれば、その落ち着きぶりが却って苛立ちを誘ふ。もっとも、「自衛しろ」と宣ってゐる以上、何もするつもりは無いだらう。ただ時流に乗っかるのは巧ひや . . . 本文を読む
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粛々たる昼の街。

2020-06-26 19:26:00 | 浮世見聞記
平日の人出が少ない時間帯を狙って、橫濱の伊勢佐木町へ出かける。とりあへず今は落ち着いた雰囲気となってゐる商店街では、ドラッグストアでない店で不織布マスクが自棄賣り状態となってゐる。商店街も外れ近くまで来るとシャッターを閉めたままの店も見受けられるが、古書店は幸ひどこも健在ぶりを示してゐて、また遊びに行く樂しみを保つ。関内驛につながる地下街では、シャッターを閉ざした店の増へたことに一瞬茫然としたが、 . . . 本文を読む
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悲報からの朗報。

2020-06-25 20:32:51 | 浮世見聞記
支那病菌のために亡くなった志村けんさんが、東村山市議會におゐて全會一致で、東村山名誉市民に選ばれた。實は志村けんさんの生前に、一度名誉市民の打診があったが、本人が「藝の道に終りは無いので」と、辞退なさってゐたさうだ。急逝には本當に全身から力が抜けたが、今では動画で手軽に生前の“名作”が樂しめるおかげで、お亡くなりになった、といふ感じが全くしていない。かつて追悼番組内で高木ブーさんが仰有った、「志村 . . . 本文を読む
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用心をも樂しまん。

2020-06-24 19:05:00 | 浮世見聞記
午前中の靄がかった雨空は昼になるとすっかり晴れ渡り、なれば散歩に出んと支度する。……が、「さて今日はどのマスクをしやうかな」と、すっかり時世慣れして當然のやうにタンスの抽斗を開けてゐる自分に、つひ苦笑せり。今日は鎌倉街道“上道”の一部と考へられてゐることを最近になって知った、城の裏手の古道を行くことにする。と言っても、1キロ半ほど先で寸断されてその先は消滅してゐるので、近くの新道へ逸れなければなら . . . 本文を読む
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いつか見上げた旅空。

2020-06-23 18:33:00 | 浮世見聞記
いつもの古道を散歩してゐて、はや夏の表情を見せる空に、ふと足をとめる。綿を放ったやうな雲も、すっかり夏の表情(いろ)。しばし夏の旅行に出た氣分を味はふ。どんなに浮世が煽らうと、私は人体實験に協カするつもりは全く無い以上、今夏の旅行は計画しない。すべては、確實な安心安全のもとで、手猿樂を演じられる日を迎へんがため。ただ、その一点に尽きる。有象無象が致死 . . . 本文を読む
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墓穴も自力で掘れとかや。

2020-06-22 17:48:00 | 浮世見聞記
切れ間なく降り續ける雨。その下を切れ間なく流れ續けるヒト。地球の含有する水分は廣大無辺。さりながら、ヒトの湧出量の廣大無辺ぶりは氣味が惡い。防菌對策の心得など、すでに口ばかり形ばかりのやうに映る。ヒトが滅んだのは、致死病菌への「狎れ」の果てと、次世代生物は記録することだらう。隣町にあるスーパーの入口で見つけた“新發明”。「新しい生活様式」、續々。 . . . 本文を読む
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説得力、納得カ。

2020-06-21 23:05:00 | 浮世見聞記
早朝にラジオ放送で、金春流の独吟「卒塔婆小町」を聴く。私のやうな素人耳では、この謠曲の深い世界までは聴き取れないが、この流派で今やほぼ唯一の名手の、聲の深さだけは感じ取れたつもりだ。猿楽の舞台では前半に、百歳の老女となった小野小町が卒塔婆に腰掛けてゐる姿を衝撃的場面として設定してゐるが、あの板にだうやって腰をおろすのだらう──?實際の演能では、鬘桶に腰を掛けてそれを表現してゐる。この . . . 本文を読む
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静寂新様式?

2020-06-20 19:54:00 | 浮世見聞記
有要で訪れた正午少し過ぎの銀座を観る。人出はそこそこあり、めいめいに街歩きを樂しんでゐるが、そこに喧噪さはない。病菌が、さうしたヒトやモノを駆逐したからだらうか。「新しい生活様式」とやらが、いつまでも、かうした粛々としたものであるならば、私は大いに賛同する。可能な範囲内で資料集めをしやうと向かった神田神保町で、大昔の自分かと思ふやうな青年を見る。たとへ細々でも、日本の傅統文化はかうした青年がゐる限 . . . 本文を読む
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それでどこへ行くつもりじゃ。

2020-06-19 19:42:00 | 浮世見聞記
今日から國内のどこへ行かうが他人(ひと)から澁い顔をされる気遣ひは無くなり、報道屋あたりはさすが為政者の手先らしく、『Go Toナントカ』とお得意の横文字で夏旅行の氣分を煽り立てる。総じて支那病菌への用心などもはや口ばかり、今は昔の物語にせんとの意図が見え透ひてゐて、その愚態はただ呆れるばかりだ。為政者の本當の狙ひは、國民のフトコロを当てにしながら、感染の人体實験を續けることである . . . 本文を読む
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経済的備蓄令を発出す。

2020-06-18 19:14:00 | 浮世見聞記
今日集計した東京都の感染者數は四十一人、うち“夜の商賣人”は十人で、ならばあとの三十數名は何なのだらうと思ふなか、為政者代表は「明日から國内の自由行動を解禁する」と宣言す。経済活動のさらなる再建と促進、を標榜してゐるやうだが、要は「来る“第二波”に備へて今のうちにカネをよく蓄へておけ」、と云ってゐるやうに私は聞き取る。しかし、肝心なことは総て隠して喋ってゐるからだらう、あとの咄は相 . . . 本文を読む
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