かつての“目蒲線”が多摩川駅で目黒線と分断された、現在の東急多摩川線。
そして、同じく蒲田を発着駅とする池上線の駅には、私が幼少時に目にした懐かしい光景が、現在もほぼそのまま残されています。
上の写真は沼辺駅上りホームの屋根と支柱、
↑は同じホームの壁です。
こんな昔そのままの板張りの壁が現役で頑張っている駅は、たぶん東京中心部では東急線くらいなものでしょう。
そして極めつけは、こ . . . 本文を読む
山形県鶴岡でもう一カ所訪ねたかったのが、鶴岡公園の一角にある、高山樗牛(たかやま ちょぎゅう)の文学碑。
高山樗牛は明治4年(1871年)に鶴岡で生まれ、わずか32歳の若さで死去したジャーナリストの草分け的存在。
東京帝大在学中の明治27年には、“大学生某”の筆名で「瀧口入道」を読売新聞の懸賞小説に応募し、第二位に入賞しています(この時、第一位の該当作品はなし)。
「瀧口入道」は、わた . . . 本文を読む
山形県鶴岡市黒川へ、500年以上に亙って伝承されている「黒川能」を初めて観に行く。
今日は野外の水上舞台で、薪能形式で上演される「水焔の能」の予定だったが、先日から続く天候不順のため、会場そばの体育館に舞台を移しての開催。
演目は半能「箙」と、「石橋」、そして狂言「附子」(※写真撮影は、周りの観客の迷惑にならない範囲内で可)。
謡いはテンポが早く、また東北訛りがとても強いため、素人 . . . 本文を読む
宝生能楽堂にて、毎夏恒例の「納涼能」公演を観る。
“初心者にも優しい内容”を心掛けた企画とのことだが、入口のモギリが「いらっしゃいませ」の一言も言えない無愛想かつ上から目線な人種では、初めて観に来た人は、
「二度と来るものか!」
と憤慨し、そっぽを向く。
はじめの“ミニ講座”のなかで解説者が、能楽の観客人口の減少を訴えていたが、その一因はまさに、こういうところにある。
金春流宗家 . . . 本文を読む
初夏に豊潤な花を咲かせていた近所の藤が、再び蕾を開いた。
暑さに倒れる人間あり。
暑さに蘇る花あり。
かつてこれと同じ光景を、その時にいた土地でも見たことがある。
わたしはその時、なにかを予感した。
しかしそれは、結局その場の予感だけで終わった。
あれがたしかなものだったならば、
私はいま、
ここにこうして、
生きてはいない。 . . . 本文を読む