池上本門寺を訪ねると、今年の御會式の準備が着々と進んでいた。昨年は當日に御縁あって見物が叶った萬灯練供養、今年も行きたいものだ。大石段をのぼったところで、三人づれの高齢女性が、傍らの『心眼成就』としたためられた幟旗を見て、「……宝くじが當りますやうに、かしら」あはは、と笑ってゐた。たしかに、おカネは憎いし、欲しいし、だ。 . . . 本文を読む
茨城縣日立市の日立シビックセンターで、喜多流による演能會「第二十四回 初秋ひたち 能と狂言」を觀る。そのためだけに何もわざわざ常州まで……、と思はなくもないが、私には魅力的な番組であり、また常磐線に乗って鐵道旅行もいいなァと思ったら、その自分の氣持ちを正直に實行するのが、嵐悳江(わたし)である。「弱法師」は“舞入”と云ふ小書(特殊演出)が付いて中之舞が挿入され、話しの舞薹である四天王寺の謂れ因縁云 . . . 本文を読む
近頃やたらと姿を消したJRの「みどりの窓口」が、浮世の非難囂々を受けて、期間限定で復活云々。……しかし私は、騒動以前から、すでにこの窓口をほとんど利用しなくなっていたな、と思ふ。旅行に必要な列車は事前にきっちり調べて、あとは驛の特急券と長距離の専用券賣機で切符を買ひ求めるか、たまに旅行會社經由で入手するか、である。私は基本的にアナログ人なので、ネット云々といふやつは利用しない。 行列 . . . 本文を読む
dmenuニュースよりhttp://topics.smt.docomo.ne.jp/article/mainichi/politics/mainichi-20240927k0000m010174000c?fm=dもしかしたら、日本初の女性総理大臣誕生の“歴史的瞬間”を目撃出来るかと固唾を飲んでゐたが──さういふ話題性のオモシロさだけの話しで、決して件の女性政治屋を應援だの期待だの、そんなバカなこと . . . 本文を読む
歌舞伎座地下の賣店街に、歌舞伎十八番の内「勸進帳」の中啓が展示されてゐるとのことで忘日、いまさらながらドレドレと見物に出掛ける。(※冩真撮影可)中啓(ちゅうけい)とは、「たたんでも半ば開いてゐるやうに見える扇」のことで、室町時代の頃に誕生云々、狂言「すゑひろかり」で太郎冠者が何のことか分からず大騒ぎになる原因の小道具でもある。(※歌舞伎十八番の内「勸進帳」 七代目松本幸四郎の武藏坊辨慶、七代目澤村 . . . 本文を読む
dmenuニュースよりhttp://topics.smt.docomo.ne.jp/article/mainichi/nation/mainichi-20240924k0000m040292000c?fm=d當然その判決が下るべきことではありましたが、我が事のやうにホッとしました。司法とは、あくまで集められた証拠を法と照らし合はせて判斷を下す場であり、決して「正義」を証明してくれる場ではありません . . . 本文を読む
明治通りから早稲田大學に通じる道沿ひに連なる古書店群を久しぶりに訪ねた……、つもりが、だいぶ店が消えてゐて、「やはりさうか……」と予想してゐたとは云へ、殘念な氣持ちになる。現在はネットなる電子通信文明でなんでも情報が手に入る──氣になれることに錯覺して、紙媒体を輕んじるゆゑの現象か。私が今日、目的のものではない面白いものを見つけたのは、いまでもお爺さんがひとりで頑張ってゐる、そんな小さな古書店の店 . . . 本文を読む
散歩しながらやや遠征して覗いてみた大型スーパーでも、精米が山積みで賣られてゐた。ここも出回ったか……、と価格を見ると、5kgが税込で3200円~、10kgが6400円~!かつての倍で、バカにしてんのか、とつひ呟いてしまふ。實際、山積みのわりにさほど賣れてはゐないやうに見えた。忘日、信州へクルマで出かけた人が、道の驛で精米が賣られてゐるのを見つけ、5kgで5 . . . 本文を読む
旧新橋停車場 鐵道歴史展示室の企画展「おどろき!!!! 鉄道博物館収蔵展」を觀る。さいたま市の鐵道博物館が平成十九年(2007年)に開館して以来、“重量がありすぎる”などの理由で展示の機會がなくお藏に眠ってゐたおタカラや、新収藏品を紹介した展示會だが、やはり私は「青春18きっぷ」のポスターに目が惹かれる。 (※案内チラシより、以下同)昭和五十七年に發賣して大好評だった「青春18 のびのびきっぷ」を . . . 本文を読む
街の歩道で、やたらキツいに臭ひに一瞬顔をしかめてから、ああギンナンか、と足許を見る。かつて、人災疫病禍のために停滞した生活を平常に戻さうと、あれこれ思考と行動を重ねてゐた頃、やはり足許のギンナンに出逢った。ギンナンと臭ひは今も變はらないが、私は思考と行動を、今や怠ってはゐないか……?近所のスーパーマーケットでも、やうやく精米を見かけるやうになった。 価格は5kgで税込¥ . . . 本文を読む
橫濱市開港記念會館へ、橫濱キネマ倶楽部主催の映画會に出かける。上映作品は嵐寬壽郎(アラカン)主演の「鞍馬天狗 大江戸異變」(昭和二十五年 新東寶)、“御一新”も目前の慶應四年の江戸を舞薹に、“ニセ鞍馬天狗”の暗躍、杉作少年をはじめとする浮浪児たちの更生、そしてほろ苦き戀──この時はすでに“鞍馬天狗”としての第一線を退き、靜かに繪筆をとる浪人と云ふ設定のアラカン天狗が、特徴である「です・ます」調の落 . . . 本文を読む
大名跡のわりに普段は脇役ばかりに廻されてゐる坂東彦三郎が、「夏祭浪花鑑」の主役に起用されたことに興味を覺えて、新國立劇場中劇場の“國立劇場主催”歌舞伎公演を觀に行く。制作發表の記者會見では、「人(主演者)に使はれてばかりでは、いつしかそれに慣らされた役者人生になってしまふ」と、かなり直球な表現で語ったと云ふ今回の主役起用の舞薹、生来が江戸役者のため上方物に求められるこってり感が無く、またどうしても . . . 本文を読む
dmenuニュースよりhttp://topics.smt.docomo.ne.jp/article/dailysports/sports/20240920107?fm=d實によく頑張ったと思ひます。師匠が角界から事實上追ひ出され、一門が事實上崩壊し、兄弟弟子は次々に脱落し、さうした逆境逆風のなか、師匠貴乃花につけてもらった四股名を變へずに踏ん張る姿に私は共感を覺え、頻繁にカド番となる様子にヤキモキ . . . 本文を読む
dmenuニュースよりhttp://topics.smt.docomo.ne.jp/article/jiji/nation/jiji-240919X396?fm=d盛岡驛で連結した「はやぶさ六號」・「こまち七號」東京行きは、午前八時過ぎに古川~仙薹間を走行中、宮城縣大崎市で連結が外れて分離、緊急停車云々──併結列車が走行中に分離するなど前代未聞な事故であり、オイオイ何をやってんだ、と . . . 本文を読む
西武拝島線「玉川上水驛」より徒歩約五分、靜かで平和そのものな都立東大和南公園を通るうち、木立の向かふに穴だらけの古いコンクリート建造物が姿を現し、ハッと胸を衝かれる。前から訪ねたかった、東大和市指定文化財「旧 日立航空機株式會社變電所」が、これなり。昭和十三年(1938年)、ガスや電氣器具、工作機械に自動車、航空機のほか兵器製造の総合企業であった東京瓦斯電氣工業株式會社 . . . 本文を読む