私にとっては史上最短と云ふより、“史上選択肢の無い”今回の衆院選、敢へて投票しないことで“民意”を表すことも考へたが、そもそも私が投票權を行使するのは「託す」ためではなく「ケチをつける」ためであり、今後も堂々と好き勝手に文句を云ふために、投票所へ出かけることにする。クチばかりで何も行動しないのでは、それこそ政治屋と同類になってしまふではないか!投票所は入口に行列が出来るなど珍しく混雑 . . . 本文を読む
ラジオ放送で、大藏流茂山家の「二人大名」を聴く。二人の大名が海道を都へ上る途中、道連れにした男に自分の太刀を持たせ、家来を連れた氣になって上機嫌でゐると、腹に据ゑかねた男に逆に太刀で脅され散々な目に遭ふ──人が恐れるのはその人よりも、その人の“持つもの”に對してである真理を、狂言ならではの風刺を効かせて樂しませる。だいたい狂言に出て来る“大名”とは、戰國武将を経て壱萬石以上と規定される、そのやうな . . . 本文を読む
dmenuニュースよりhttp://topics.smt.docomo.ne.jp/article/mainichi/nation/mainichi-20211030k0000m040281000c?fm=d誰からも歡迎されてゐない宮サマの、だうでもいい娘との婚姻噺など私には興味の外である。が、このやうなマヌケな殘念噺ならば大歡迎である。なにしろ先日の“記者會見”からして、自身の辯護すら満足に出来 . . . 本文を読む
dmenuニュースよりhttp://topics.smt.docomo.ne.jp/article/kyodo_nor/world/kyodo_nor-2021103001000447?fm=d『流行を引き起こしたデルタ株でゲノム(全遺伝情報)の変異を修復する酵素が変化し、働きが落ちたことが影響した可能性がある』──よって、疫病そのものが死滅したと考へられる云々。確認さ . . . 本文を読む
橫濱市歴史博物館にて「横浜の大名 米倉家の幕末•明治」展を見る。はじめは武田氏に仕へ、武田氏滅亡の後は德川氏の旗本となって江戸時代を迎へ、五代将軍綱吉の時代に同郷の柳澤吉保のおそらくは引き立てがあって大名となった米倉家は、武州金澤に陣屋を構へて當地のほか相模國の一部と下野國の合はせて一万二千石を治めて、明治の廃藩置縣に至る。六浦藩とも云はれた武州金澤は深い入江に面し、海上路の要所でもあったことから . . . 本文を読む
いきなり抗原検査器を渡され、緊張する。だうも私の行動範囲内に“怪しき”が現れたらしいが、そのためなのかは分からない。唾液を採取して容器に戻し、すこし待つ。結果は「陰性」。心底、安堵する。日々確認の感染者數は減少してゐることになってゐるが、根本的な感染要因は確實にいまも根強く存在してゐる──だから集團感染が収まらない。一時は絶滅したかと思はれた電車内での“ゲホちゃん”も、この頃は息を吹き返しつつある . . . 本文を読む
學生時代に購入したと思はれる長唄のカセットテープが出てきたので、久しぶりに聴いてみる。一曲目に収録されてゐる「京鹿子娘道成寺」は、この當時に好きだった芳村伊四郎師がタテを唄ってゐて、そのために歌舞伎座の晴海通りを挟んだ向かいにあったレコード店で購入したのではなかったか。十一代目芳村伊四郎師は七代目芳村伊十郎の息で、人間國寶だった父とはまた異なる太くて通る唄聲が好きだったが、いつしか木挽町の舞台とは . . . 本文を読む
街中に身をおひてゐると、頻りに流れる救急車のサイレンを縫って、この頃は衆院選挙立候補者の口上が聞こえてくる。忘所では、「大學生の若者への補償を!」などと頻りに叫ぶ候補者がゐた。では、大學生ではない若者はだうなのだと思ふ。かの太平樂どもの困窮など、自ら太平樂の道を選んだがゆゑの宿命であって、生死の程などこちらの知ったことではない。そもそも生産性の無いタダの金喰ひムシどもへの資金援助など . . . 本文を読む
現代人の中毒症状を象徴するスマホ。ちょっとした事柄ならすぐに調べられるなど、百科事典代はりに活用してゐる私も、その毒氣に充分あてられてゐるクチと云へるだらう。ところが、そうした便利さが却って思考能力の低下を招き、“うっかりミス”を頻發するなど、30代から「スマホ認知症」の要因となってゐる云々。スマホからの膨大過剰な──つまりムダな──情報量に脳が對應しきれず、麻痺状態に陥るゆゑ云々。人間が茫として . . . 本文を読む
ラジオ放送で、今年八月に亡くなった野村幻雪追悼の觀世流「定家」を聴く。野村幻雪──私には、長らく名乗ってゐた本名の野村四郎のはうに馴染みがある。和泉流狂言方の六世野村万蔵の第四子に生まれ、狂言方として初舞台を踏んだのちに十代で二十五世觀世左近の弟子となって能樂師に転向すると云ふ、特異な道を歩んだ傅統藝能家だ。ゆゑに厳しい目を向ける周囲を努力によって培った藝の力で見事に黙らせ、「二十五世觀世宗家の高 . . . 本文を読む
橫濱市中區の馬の博物館で、特別展「鞍上にて駆ける近代」を観る。明治、大正、昭和の天皇三代の乗馬好きと、その趣味を下支へした部署の歴史を、豊富に展示された資料から追っていく。馬はかつて貴賤を問はず日本人の生活に必要不可欠なものであり、現在も古道沿ひに遺る馬頭觀世音が、その歴史をいまに傅へる。もっとも、三代のミカドが好んだ乗馬とは洋式のそれで、特に軍人の衣裳を着た馬上の昭和天皇の姿は、ビゴーが見たらど . . . 本文を読む
報道屋が、朝からなにやら山手線のことでお祭り騒ぎをしてゐるので、JR東日本がまた何かやらかしたのかと思ひきや、今月23、24日に實施する澁谷驛改良工事に併ふ一部区間の運休につひてなり。通勤客に影響の少ない土日の實施にも拘ず、やれ54万人の利用者に影響するだの、迂回運賃が割高になるだの、挙げ句には氣色惡い“鉄チャン”までが現れてケチつけるなど、まるで山手線がなにか惡いことでもするかのやうな騒ぎやうに . . . 本文を読む
dmenuニュースよりhttp://topics.smt.docomo.ne.jp/article/kyodo_nor/nation/kyodo_nor-2021102101000834?fm=dつひ先日、我が町内の道端でも雨に打たれながら件の作業をカチカチやってゐる姿を見かけたばかりですが、アレもいよいよ過去になるのですな。その箇所での集計數に差が大きいと再調査となり、そのぶんの時間と人件費がバ . . . 本文を読む
朱色が目を惹く植物を見かけたので傍にいけば、猩々草と云ふ帰化植物なり。猩々──私には風雅な響き。深秋の謠。私が現代手猿樂を立ち上げて最初に創り、披露した曲。もし人災疫病禍でさへなければ、今秋もどこかで舞ってゐるかもしれない。日々發表される感染者の數を鵜呑みにしてはならぬ。なぜ重症者と死亡者の數は橫這ひで續く?いまは猩々草の景色を愛でて、自分を忘れないことにつとめん。 . . . 本文を読む
幕末から明治にかけて活躍した浮世繪師•歌川芳員(うたがわ よしかず 生没年不詳)が嘉永六年(1853年)に發表した異色な「東海道五十三次内」を、神奈川縣藤澤市にある藤澤浮世絵館の企画展「江戸時代のご当地キャラ? おもしろ東海道の名優たち」にて樂しむ。従来の東海道五十三次の構図を踏襲しつつ、そこに戯画化された人や動物、または名所旧跡が、稚氣に富んだ遊び心いっぱいに描き込まれてゐて、旧東 . . . 本文を読む