迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿楽師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

急くな急きゃるな。

2019-02-20 23:02:47 | 浮世見聞記
河津桜の本場豆州では、いまが見頃を迎へてゐるさうだが、今年はそこまで足を運べさうもなゐ。 代わりに近隣で見物しやうにも、こちらはまだ蕾か咲き始めで、本格的な開花は待てしばしである。 そこで、古民家が移築された公園でロウバイを眺めて、 まずは今日の暖かさに春を聴く。 . . . 本文を読む
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復帰の笑顔。

2019-02-18 18:02:48 | 浮世見聞記
今年も確定申告の受付が始まる。 この時期が来ると決まって思ひ出すのが、大阪時代に初めて確定申告をした時のことだ。 朝早く税務署に出かけて、係員に書き方を教わりながら何とか仕上げて提出し、ホッとして驛前まで来ると、大判の封筒を携ゑた大先輩が、向かふから歩ひて来られるのに逢った。 大先輩は私の姿を見つけると、「おう」とにこやかに手を挙げ、「お前、(確定申告に)行ったんか」と、気さくに話しかけ . . . 本文を読む
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時間も買ふ時代、か?

2019-02-18 00:10:35 | 浮世見聞記
東海道本線の驛弁が、スーパーマーケットで売られてゐたので、買っていく。 列車内で、車窓を楽しみながら── も、今は昔。 東京圏の列車はおしなべて通勤電車仕様に変化したので、あの車内で驛弁をひろげるのは、現在(いま)では却って野暮ったく映ってしまふ。 何とも風情の無ゐ時代になったもんだと思はなくなゐが、しかし沿線人口の爆増による朝夕の殺人的混雑を思へば、通勤電車仕様への転換はやむなし、そ . . . 本文を読む
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那須の氏神様のおかげにて。

2019-02-16 18:09:21 | 浮世見聞記
今年も実家の町内会主催の文化展にて、現代手猿楽を舞ふ機会を得る。 今回は「平家物語 巻之十一」より、『扇之的』──那須与一の物語を題材に選ぶ。 猿楽にならって前場、後場の二場構成をとり、前場(前半)のシテは那須与一、 後場(後半)のシテは、扇を射落とせと舟から手招きをした、平家方の女房(女官)。 戦さの勝者(源氏)と敗者(平家)、双方の視点からひとつの物語を描ひたのが、今回の工 . . . 本文を読む
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まさに慶事!

2019-02-15 18:43:45 | 浮世見聞記
大正三年(1914年)に横浜市の綱島──当時は橘樹郡大綱村字樽──で、温泉が発見されたことを記す記念碑が今日、鶴見川に架かる大綱橋のそばに移設される。 もともとは大綱橋を横濱方面に渡った数メートル先、旧綱島街道との分岐点に、雑草にまみれて半ば傾ひた姿で佇んでゐたが、数ヶ月前に背後の古ゐ家屋が解体されて更地となった際、記念碑も姿を消してしまった。 さては解体業者が撤去して廃棄したか── . . . 本文を読む
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総優良運転手。

2019-02-14 16:51:01 | 浮世見聞記
裏道を歩ひてゐると、見通しの悪ゐ箇所で、向こうから減速もしなゐで走って来るクルマに、出くわすことがある。 また、信号のなゐ交差点やΤ字路で、ウインカーすら点けずにそのままの速度で曲がって来やうとするクルマに、出くわすこともある。 そしていづれも、慌ててブレーキを踏んでゐる。 あきらかに、向かふからは何も来なゐと、勝手に決めつけてゐるのである。 その独り善がりな根性が、私は大嫌ひだ。 な . . . 本文を読む
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早春先生。

2019-02-12 22:27:06 | 浮世見聞記
今日を逃したら今年は地元の梅林で花を見られなくなる気がしたので、まだ満開ではなゐのを承知で、出かける。 團体で押し寄せたお爺さんの一人が、「いやぁ、咲ひてる咲ひてる!」と大音聲で絶賛するほどではなかったが、ぼちぼち開きはじめた梅を見て、まずは目的を達する。 花に逢ふことで季節を知る心は、浮世の流れに身を任せ過ぎると、つひ忘れてしまふ。 「今年もそろそろ見頃だな……」 と心に留めておく . . . 本文を読む
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寒中梅。

2019-02-10 18:07:48 | 浮世見聞記
先日の暖かさに、近所の梅が咲き始める。 同じく近所には、枝垂れ梅の綺麗な庭があったが、安普請な一戸建てに建て替はる際に伐り倒され、今年からは見られなくなった。 名所の梅林はまだ二分咲き程度。 今週末あたりが見頃かもしれなゐ。 空を見れば、厚ひ雲が陽を覆ひはじめてゐる。 今日は本當に、中休みの晴天だったやうだ。 . . . 本文を読む
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うっすらと大雪。

2019-02-09 09:33:39 | 浮世見聞記
今年も、冬の“恒例”がやって来た。 首都圏の天敵──さう、“雪”だ。 今朝、外を見てうっすら程度で止んでゐることに、まずは安堵する。 とにかく首都圏は雪に脆弱である。 雪しかなゐ土地の人はそれを見て嗤ふらしゐが、 “それ”とは雪で転倒してゐる人の姿ばかりを集めた報道屋の映像であり、そんなつくられた首都圏像を鵜呑みにしてゐる人たちを、私は嗤ふ。 首都圏人も、なかなか強かにやってゐる . . . 本文を読む
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音樂藥。

2019-02-07 23:52:07 | 浮世見聞記
平成もあと二ヶ月といふ現今、奇妙(おかし)なニュースばかりが伝ゑらると感じてゐるのは、私だけだらうか。 報道屋はさういふものばかりを選って流してゐるのではなゐか──と、疑ひたくなるほどに、目を背け、耳を塞ぎたくなる悪報ばかり。 それらにまともに取りあってゐたら、それこそ頭がおかしくなりさうだ。 そんな折り、懐かしゐ音楽を手に入れた。 私が幼かった頃に黄金期を迎へてゐた、“ザ・ドリフ . . . 本文を読む
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その時に逢ふ。

2019-02-07 17:32:32 | 浮世見聞記
横浜市青葉区の横浜市民ギャラリーあざみので、「暗くて明るいカメラーの部屋」展を見る。 何を言ひたゐのかがよくわからなゐ案内チラシそのままの、何を見せたゐのかがよく見ゑてこなゐ展覧会。 結局かういふテのものは、制作者の自己満足にすぎなゐ。 そのなかでただ一点、私が足を留めたのは、米國のスペースシャトル“チャレンジャー”と、その最後の乗組員たちを写した作品。 1986年1月28日、スペ . . . 本文を読む
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毒は藪の中。

2019-02-06 19:46:11 | 浮世見聞記
川崎市多摩区の明治大学平和教育登戸研究所資料館で、「帝銀事件と登戸研究所」展を見る。 昭和二十三年(1948年)一月二十六日の十五時半頃、帝国銀行椎名町支店におゐて行員たち十二名が毒殺された凄惨な事件は、今なお真相は謎とされてゐる。 横溝正史はこの事件も参考に「悪魔が来りて笛を吹く」を書き、作中では“天銀堂事件”としてゐるそれを通して、当時學生だった私はこの事件を知った。 のちに私は熊 . . . 本文を読む
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突発事態。

2019-02-05 20:20:53 | 浮世見聞記
一通りの型が出来上がったと思ひ、稽古を重ねてきた手猿楽の作品におゐて、俄かにふっと、ほかに新たな型を思ひ付く。 それも稽古中ではなく、全く別のことをやってゐる最中に。 すぐにそれを中止して、稽古扇を手にとる。 やってみて、問題なし。 その作品の披露は、来週末の予定。 すでに面(おもて)も掛けて実際の感覚を会得するなど、詰めの段階に入ってからの、思ひがけなゐ“改良”。 新たな案とい . . . 本文を読む
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元号の正体。

2019-02-04 17:34:27 | 浮世見聞記
横浜市旭区の神奈川県立公文書館で、「改元漫遊」展を見る。 今年の五月一日に控へた改元に因み、江戸後期に行はれた“享和”への改元過程をはじめ、その時々の改元にまつわる人間模様を、所蔵資料とパネルで分かり易く展示した企画展。 元来、天皇は時間を支配する唯一の存在であり、その象徴が元号だった。 その元号をあらためる“改元”こそ、天皇の権威がもっとも発揮される時だった。 しかし、そんな権威も . . . 本文を読む
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職人藝博覧会。

2019-02-03 18:25:02 | 浮世見聞記
横浜みなとみらいのランドマークプラザで開催された、「ヨコハマ鉄道模型フェスタ」に出かけてみる。 初日に出かけた人の話しから、私の気持ちにそれほど合ふ内容でもなささうな予感がしたが、二日目に出かけてみることは前から予定してゐたことなので、取り敢へず足を運ぶ。 やたらごった返した物販コーナーは、 やはり小児向けの品揃ゑでまったく食指は動かず、 模型メーカーが展示した京浜急行の“スター . . . 本文を読む
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