迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

明日の永遠を繋ぐ。

2024-07-26 20:15:00 | 浮世見聞記
上野松坂屋の六階で開催中の「結成60周年記念 ザ・ドリフターズ展 発掘!5人の笑いと秘宝たち」を觀る。ニッポンが明日に向かって元氣だった時代を象徴する、傳説的“バンドマン”たちの足跡を、久しぶりにあの頃に帰った心で笑ひながらたどる。(※會場内は一部のみ撮影可)かつては六人ゐた(※荒井注さんも含む)メンバーも現在では二人だけ、グループとしては長壽でも、人の命はそれに伴はないのが何事もエ . . . 本文を読む
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ミライのミイラの尊厳。

2024-07-25 20:47:00 | 浮世見聞記
上野の東京國立博物館「東洋館」にて、紀元前945年から同730年頃にエジプトで發掘されたミイラを見學する。(※商用目的でない場合に限り、フラッシュ禁止で撮影可)ミイラは生前、パシェリエンプタハと云ふ名の青年であり、死後に”永遠の命”への祈りをこめてミイラに仕立てられた云々。(※同)太古の昔より、ヒトは“死”と云ふ宿命を恐れる生き物であり、その逃れ難きから少しでも逃れやうと、死してなほ生前に近い姿を . . . 本文を読む
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夜明けを拓く男。

2024-07-24 16:32:00 | 浮世見聞記
新紙幣、今日は壱萬圓札と初會。肖像画は渋澤榮一。ニッポン大實業家の祖。生誕地の武州では譽と崇められ、令和となりてコドモ銀行券のやうな新紙幣の肖像画におさまりぬ。カネのある者こそ資本主義社會の覇者となりぬることを体現化した大物にて、もしかしたら無いかもしれぬ遠い未来、成金が紙幣の肖像となり得る道を拓いた、永遠の魁(さきがけ)なり。 . . . 本文を読む
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新型コロナ「第11波」か=感染者増加、変異株も流行―厚労省「手洗いなど対策を」

2024-07-24 06:30:00 | 浮世見聞記
dmenuニュースよりhttp://topics.smt.docomo.ne.jp/article/jiji/nation/jiji-240723X079?fm=d先月あたりから、人災疫病の流行はちらほら耳にするやうになってゐたが、先日には外出先でゲホゲホやりながらの歩きスマホや、店舗内でコンコンなどを見かけて、病菌に四季の起伏はないナ、と感じたばかりであった。この“熱さ”にかまけて、ヒトの集まる . . . 本文を読む
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二十日後の邂逅。

2024-07-23 20:20:00 | 浮世見聞記
今月三日から發行の新紙幣に、初めて會ふ。五千圓札、肖像画は津田梅子。日本人初の女子留学生にして、JR千駄ヶ谷驛前の旧德川公爵邸跡地に建つ大學の創立者云々。……それしても、地味な図案だと思ふ。手に取ってすぐに、飽きた。 . . . 本文を読む
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まだ見ぬあなたに、今日も逢ふ。

2024-07-22 20:56:13 | 浮世見聞記
學生時代に映画館で觀て、以来好きになった故人森田芳光監督の映画「(ハル)」(平成七年)のDVDを思いがけず見つけ、臨時出費だったが迷はず手に入れる。盛岡で暮らす若い女性と、東京で働く青年との、パソコンを介した靜かなトーンの純愛通信。當時、私の身辺でも盛岡に新たな親戚が出来たことで、より親近感を抱いた一篇でもあった。パンフレットも、ノベライズも、斷捨離對象から外してずっと大切に持ち續けて○十年、いま . . . 本文を読む
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トウキョウ破壊遺産。

2024-07-21 18:57:00 | 浮世見聞記
代々木公園の噴水池が、いつの間にか改築工事ため令和八年まで閉鎖されてゐるのを見る。ひと昔以上も昔、新たな人生を歩み始めたものの、その明確な行き先を見定められずにゐた頃、ここで當時の“お仲間”たちと、夜にお芝居ゴッコをやった場所。その後、いよいよ灯火を見失って暗闇に迷い込み、凌ぐ場所すら分からなくなって、ボンヤリ座ってゐたこともある場所。東日本大震災よりもっと前、まさかあんな天災に見舞はれるとは思っ . . . 本文を読む
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夏伏恐晩。

2024-07-20 17:10:00 | 浮世見聞記
我が町の廣場でも、盆踊りの準備が仕上がってゐた。梅雨が過ぎ、とたんに炎暑となって、その余熱が夜通しで續くこの御時世では、とても見物する氣にはなれぬ。事實、町によっては夜でも下がらぬ氣温を理由に、盆踊りの中止を決めたところも出始めてゐる。費用の暴騰と住民の苦情などにより花火大會も今夏は全國二十ヶ所以上で中止云々、かくして風物や文物は自らの手で失なひ、やがては植物だけで季節を聞く時代になるのだらうか。 . . . 本文を読む
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しょっぱい海、いたい海。

2024-07-19 16:24:00 | 浮世見聞記
小田急線車内で見た、新江ノ島水族館のクラゲ廣告。さう云へば先日、TVのニュース番組のなかで、新江ノ島水族館の職員が、海水浴中はカツオノエボシの毒に氣を付けるやう呼びかけてゐた。私も過去に、海でクラゲと覺しきに噛まれた記憶がある。この廣告、いっそのことクラゲの図案をすべてカツオノエボシにしたら、氣の利いた注意喚起となったらうに。 . . . 本文を読む
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ニッポン徘徊──秦野雅苑

2024-07-18 21:08:00 | 浮世見聞記
神奈川縣秦野市東田原1018-2、静かに緑の廣がる一帯に佇む、「源實朝公御首塚」と傳はる石塔を訪ねる。建保七年(1219年)正月二十七日、右大臣拝賀のため鶴岡八幡宮を詣でた鎌倉幕府三代将軍の源實朝は、甥の公暁に暗殺されて首を落とされ、遺骸は首のないまま葬られた云々、行方不明となった首級は、その後に公暁を討った三浦氏の家臣武常晴たちによって秦野に持ち込まれ、生前に實朝が深く帰依してゐた . . . 本文を読む
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関東甲信・東海地方で梅雨明けいずれも平年より1日早く

2024-07-18 13:28:00 | 浮世見聞記
dmenuニュースよりhttp://topics.smt.docomo.ne.jp/article/mainichi/nation/mainichi-20240718k0000m040047000c?fm=d梅雨明け宣言──つまり夏のはじまり。ビショビショとした氣候の次は、官も認めた殺人的炎暑のはじまり。「これまでに經験したことのない」云々を、何度も聞かされることになるであらう日々が、今日から始ま . . . 本文を読む
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時空除暑。

2024-07-17 21:16:00 | 浮世見聞記
昼過ぎに降り出した雨は夕方には止んで、再び雲が切れたを幸い、今日こそ散歩に出る。その道沿ひの藤が、二度咲きしてゐるのを見つけて、足をとめる。蒸し暑くさへなければ、時間が戻ったかと錯覺したらうか。……戻らなくてよい。それよりも、このイヤな氣候がゐなくなるやうに、時間を早めておくれ。少しだけ。 . . . 本文を読む
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盤渉を凌ぎ味はふ三つの味。

2024-07-16 21:44:00 | 浮世見聞記
昼から雨は本降りとなり、散歩に出ることも叶はず。雨とその音にはなんら風情を感じぬ我なれば、せめてあの音くらゐは消さんと、かなり久しぶりに三味線を引っ張り出して、しばし時刻(とき)を忘るる。大昔に、誰かがおのれを棚に上げて「ヘタの橫好き」などと評したままの技量(うで)なれど、今では好きでやってゐることゆゑ、誰憚ることもありゃしねェ。かつて人に頼んで手に入れた、いまは亡き人間國寶自筆の譜が、そのまま私 . . . 本文を読む
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未来疾走ノ失踪。

2024-07-15 18:14:00 | 浮世見聞記
ショッピングモール内で、’83の日産スカイラインに逢ふ。昭和に生まれ、昭和で物心ついた世代には、いとなつかしし。なにかと失速してゐるいまの浮世に、元氣に加速してゐた時代の名殘りに逢ふことで、こちらの氣持ちも原點回帰する。ただし。その加速した先にあるのが現在(いま)であることだけは、ゆめゆめ忘れるべからず。そして、昭和四十四年(1969年)に登場した、初代フェアレディZ。「歴史はここから始まった」と . . . 本文を読む
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太閤ノ地團駄……?

2024-07-14 17:18:00 | 浮世見聞記
歌舞伎座の前に立てられた、今月の芝居らしき繪看板を見て、おや、と足を停める。赤いキモノに金色の烏帽子をのせた、三番叟に扮してゐるらしい役者の手にした扇の繪柄が、引っ掛かったのである。單純に見れば、能の修羅物で敗将の靈が用ゐる「負修羅扇」の繪柄と、似てゐる。これは“波に日の入り”とか云って、赤い日輪は波に沈む夕陽を表はしたものであり、三番叟のやうな祝ひモノには似つかはしくないのではない . . . 本文を読む
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