迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

流生小生。

2024-02-22 16:32:00 | 浮世見聞記
かつて¥100ゆゑによく利用してゐたその町の自販機が、いつの間にか賣価が上ってゐて幻滅し、「もふ買ふもんか…!」とそっぽを向いたはずが、いつの間にか「まぁ二十圓くらゐなら……」と、硬貨を投入してゐる。いつか何かで讀んだ、“いまは歳月にさらされ社会の枠組のなかに搦め取られ”云々──が、すなはちこれかと、變はらぬ味に變ったらしいおのれを知る。 . . . 本文を読む
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ニッポン徘徊──隠された“二番目”

2024-02-21 20:54:00 | 浮世見聞記
今年の初めに神戸で“日本一短い國道(國道147號線)”を体験したので、今度は信州の上田驛前に存在すると云ふ、“日本一短い縣道”を体験しに行く。「縣道162號線」がそれだが、神戸の場合と違って市販の道路地図にも、現地にも、それを示す物は一切無く、私と同じことを考へて出かけた先達の報告書を検索し予習した上で向はなくては、まずたどり着けない、と云ふか、氣が付かない。上田驛「お . . . 本文を読む
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夢幻有現事業。

2024-02-20 18:51:00 | 浮世見聞記
長らく氣になってゐた、長野縣小縣郡青木村の「五島慶太未来創造館」を訪ねる。上田驛からほぼ一本道を路線バスで約四十分、終點からさらに十分ほど奥へ入った長閑な場所に、五島慶太の生家を参考にした外觀のそれはある。相手の會社の株を大量購入して次々と自分の傘下に収めていくその豪腕ぶりから、“強盗慶太”と揶揄を込めた異名をとるほどの強烈な個性を發揮しながら、現在につながる東急グループの礎を一代で . . . 本文を読む
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雨櫻春魁。

2024-02-19 21:00:00 | 浮世見聞記
豆州河津へ、二年ぶりに河津櫻を觀に行く。昨年は行くのをやめて結局後悔したので、今年こそはと計画したものの、今日は予報通りの雨模様。「やはりこれか……」と嘆息したところで、前後の予定の都合もあって日程の変更も利かず、土砂降りにならぬことを願って出かける。早咲き櫻は、すでに盛りを過ぎ始めてゐたが、御當地の花を今回は觀られて、まずは満足。櫻並木では、花におのれの作り笑ひとを並べて、スマホで“自撮り”して . . . 本文を読む
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和洋同音。

2024-02-18 21:40:00 | 浮世見聞記
東京都世田谷區の昭和女子大學 人見記念講堂へ、世田谷フィルハーモニー管弦樂團と世田谷區民合唱團による、ベートーヴェン「交響曲第九番」の演奏會を聴きに行く。もともと令和二年二月に予定されてゐた演奏會だったが、あいにく人災疫病禍元年に當ってゐたため直前に中止、それから四年後、第九の初演からちゃうど二百年の節目に當る令和六年2024年に開催云々。第九の演奏會と云ふと年末の印象が強いが、戰後ニッポンにおい . . . 本文を読む
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黎明繊指。

2024-02-17 20:05:00 | 浮世見聞記
長野縣千曲市の長野縣立歴史館にて、「和田 英~糸づくりに懸けた明治の女性~」展を觀る。明治六年(1837年)、その前年に操業したばかりの武州富岡製糸場へ傳習工女として入り、一年三ヶ月にわたって糸繰りの技術を學んで故郷の信州松代へ戻ったのち、明治八年八月に當地で創業した民營の製糸場六工社(ろっこうしゃ)で技術教師になるなど、明治初期のニッポン近代化に貢献した . . . 本文を読む
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笑笑耳揃。

2024-02-16 18:34:00 | 浮世見聞記
過日、雑多な情報を暇つぶしに繰ってゐると、大昔に共に同じ世界に身をおいてゐた人が、現在は別の世界で順調に生きてゐるらしいことを知り、人生は人それぞれ、色々だなァ、とつひ目線が遠くなる。人にはそれぞれ分相應と云ふものがあり、ムダな苦勞はその枠を知らぬところにある。私は現在(いま)の生活が分相應と心得てゐる。今日の夕方にスーパーで買ひ物をしたところ、合計金額が思ひがけず税込¥1000キッチリ、レジ係の . . . 本文を読む
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関東地方で「春一番」昨年より14日早く

2024-02-15 18:54:00 | 浮世見聞記
dmenuニュースよりhttp://topics.smt.docomo.ne.jp/article/tenkijp/nation/tenkijp-27488?fm=d昼前に都内忘所でビュッと強い風がぶつかり、あれが今年の“春一番”であったかと覺ゆ。今朝のラジオで聴くところによれば、“春一番”とはもともと、強風による水難事故を警戒する漁師たちの専門用語云々。それが昭和三十八年(1963年)の今日、新 . . . 本文を読む
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銅鐘憧鐘。

2024-02-14 18:00:00 | 浮世見聞記
久しぶりに神奈川縣海老名市の海老名市温故館へ出かけ、「海老名に伝わる銅鐘」展を觀る。古代國分寺の流れを受けてゐるとされる、温故館からも近い真言宗國分寺の銅鐘が國寶に指定されて百年──大正十二年(1923年)指定──を記念した企画展で、件の鐘は鎌倉時代の正應五年(1292年)、當時の領主だった國分次郎左衞門尉季頼(源季頼)より寄進云々、いらい七百年以上の現役を誇る。國寶となってからさら . . . 本文を読む
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ゆひ縁彷々。

2024-02-13 17:55:00 | 浮世見聞記
春に近い陽氣となった日中、目黒區下目黒まで来たついでに、前にもお参りした成就院“蛸藥師”に立ち寄る。江戸時代に鳥居清長が矢の根五郎(曽我五郎)の繪を奉納した由縁の寺で、(※複製)今年も我が活動の充實を願ふ。池のほとりの風は、やはりまだ冬にある。「困ってゐるんです」と寄ってきた人がゐた。私には記憶のある相手だった。良い印象はなかった。私が躱した理由を、相手は知らないだらう。他人(ひと)をアテにしたこ . . . 本文を読む
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靈歌威德。

2024-02-12 16:51:00 | 浮世見聞記
ラジオ放送の寶生流「蟻通(ありどおし)」を聴く。紀貫之が和泉國で、蟻通神社の前と氣が付かず乗馬のまま通らうとして馬が倒れ、そこへ現れた老神職から謂れを聞いた紀貫之はお詫びの和歌を一首詠んで神前に奉げると異變はおさまり、老神職は蟻通神社の御神体であると正体を明かして、言祝ぎ舞 . . . 本文を読む
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無意識と云ふ“鍵”。

2024-02-11 18:55:00 | 浮世見聞記
ペットボトルの蓋を開ける手つきで、高齢者の筋力低下の程度がわかると朝のラジオ番組で聴き、私は高齢者にはまだだいぶ時間はあるが、ふだんペットボトルの蓋の開け方など氣にしたこともなかったので、「いつもどふやってゐるかな……」と、初めて注意してみる氣になる。結果、私の場合、その時その時で手つきが違ふことに氣付いたが、いちばんよくやるのが、右手を輕く握り、親指の内側と人差し指の側面とで蓋を挟み、ひねるやり . . . 本文を読む
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芳梅軌跡。

2024-02-10 19:53:00 | 浮世見聞記
大田區立郷土博物館の企画展「花香る おおたの梅林~愛でられる花々~」を觀る。江戸時代、梅の實を生産するため大森・蒲田界隈に數多植ゑられた梅は、やがて「梅の木村」と稱されるほどの梅の名所に發展し、明治に入ると、旧名主や新興實業家などが梅林を賣りにした遊興地を開業するなど、“梅どころ”大森蒲田は、風雅と歡樂が混在した様相を呈する。現在、第一京浜國道(國道15號線)の擴幅を阻 . . . 本文を読む
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Rockabilly night  in Shibuya!   

2024-02-09 23:57:00 | 浮世見聞記
澁谷のduo MUSIC EXCHANGEへ、ロカビリーバンド「The Biscats」のライヴ “ノッてけ!J-BOP SUMMER” を聴きに行く。昨夏にラジオでこのバンドの新曲「ノッてけ! Sunday」を何度か耳にしてゐるうちに、私の年代にはどこか懐かしい旋律と、ヴォーカルの女のコがなかなか上手いことにだんだん興味をそそられ、画像と映像を検索して、「おや、カワイ . . . 本文を読む
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名を殘さず實を殘す。

2024-02-09 17:14:00 | 浮世見聞記
東京都立川市に近年開館した、たましん美術館にて、「邨田丹陵 時代を描いたやまと絵師」展を觀る。邨田丹陵(むらた たんりょう)なる画家の名は初耳だが、教科書の図版などでよく目にした「大政奉還」の作者と聞いて、ああ……、と頷く。(※昭和九年制作の下図 案内チラシより)明治五年(1872年)、田安德川家に仕へた儒者の家に生まれ、同十六年に十二歳で川辺御楯に入門して画家として道を歩み始め、二十代には期待の . . . 本文を読む
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