Already 三丁目は夕日

徒然なるままの些細なブログ

Reader感想記

2011-06-06 22:16:27 | 日記

「日本の地震災害」:伊東和昭著を読了
日本という地震列島の地震災害を関東大震災から2004年までの新潟中越地震までの災害を津波、火災、山崩れ等の災害傾向について分析・解説をしている。中でも、気になったのは、「戦争に消された大震災」ということで、太平洋戦争中、直後に発生した「東南海地震」「三河地震」「鳥取地震」「福井地震」が興味深いものであった。マグニチュード7を超え、大きな災害が発生した地震であったにもかかわらず、その土地の人以外には、一般的にはあまり知らされていない。特に「東南海地震」の発生については、地震波の発生で敵国のアメリカでは感知していたとのこと。死者、行方不明者が1200名を超えていても当時の新聞にはほんの少しでさえ、記事にもなっていなかったことには、戦時中の報道管制に恐怖を覚えた。それに追い討ちをかけるような形で名古屋市へ空襲をしたアメリカも狂気の中をさまよっていたのであろう。「三河地震」においては、学童疎開の生徒が犠牲になったことを始め、2300名を超える犠牲者が発生したこともウヤムヤにされていた。
いずれ、戦時中に発生した地震と今回の東日本大震災について、いくらか共通点があるような気がした。それは「原発事故」である。原発事故で被災地の状況をあやふやに報道されたり、逆に、被災地の状況に重点を置くことで、原発事故の重大さを隠しているようにも思える。そして、原発事故についての報道管制も発令されているのではないのかと疑いたくもなる。発生年代は2004年までで、その後の宮城内陸地震の分析、記述が無かったが、トラフ型、直下型の災害パターンと都市型の災害状況とそれ以外の災害傾向についても分析されていた。東日本大震災で、多くの犠牲者を出した宮城県においては、宮城県沖地震が発生した時点で、統計的に行っても発生しておかしくなかったとの分析が5年前にされてあったことが驚きであった。大きな震災にあってもこの地震列島で生きていかねばならない。防災に関しての意識が高まった書籍であった。

今日は「シュレンティンガーの哲学する猫」竹内薫・竹内さなみ著を読みながら眠ることにする。