まあまあかな。予告編通り、予想できる物語展開である。ラストでも、これといった大ドンデン返しはなし。この監督、極彩色が好きだなー。
この手の、実在しない架空の登場人物や病院は、現実主義の自分としてはなじめない。自分は、好きではない。見づらい。観るかどうか、迷ってしまった。結果、興味本位で観てしまった。
まともな人物は、パコだけだ。俳優たちも、自分のイメージとは180度方向転換した演技には、脱帽する。
国村は、よくオカマの役を引き受けたな。男性らしい貫禄が、台無し。少しは、仕事を選べよ。
この監督は、絵本に対して、ファンタジーを描いたつもりなのかな。意図がつかめない。テーマは、「強い者、弱い者」か。強い者だけが、最後に生き残る。
それが、ジジイの信念だ。でも、パコとの出会いで、自分の「弱さ」を知ってしまう。権力・財力・暴力では勝てる。
しかし、純粋なパコの前では、強いはずの自分が負けてしまう。それが、もどかしい。パコに勝つには、記憶に残しておくことだけだ。
このテーマに、一部反論があるな。強い者が、弱者を倒して生き残るのではない。その時、その時代に合致した環境に、適応できる者が最後に生き残れるのだ。
自然災害の前では、弱い者でも生き残るチャンスがある。知恵と勇気と判断力と体力などで、即座に順応できる能力があれば、生き延びることができる。と思う。
「お母さん、助けてー」などと、自動車の中でギャーギャーと叫んでいるだけの女性では、濁流から生き延びることはできない。他人に頼るな、自力で脱出しなさい。
パコのひたむきな心が、人々の心を揺り動かされ、一致団結へと導かれた。みんな、強くなって生き延びることができたのかな。大人は、子供には勝てないな。
児童を虐待するような大人は、最低だな。これは、「強さ」ではなく「弱さ」の表れだ。
強い相手に勝てないから、その反動で、自分よりさらに弱い相手を罵倒しているのだ。
弱い者も、生き延びる方法を間違えてはいけない。