マンタマンタに告ぐ

映画・政治経済・日常生活などの観察日記。

映画キルドレに告ぐ

2008-09-03 07:06:29 | Weblog

4週間以上も過ぎてから、鑑賞した。劇場で観るか、レンタルDVDにするか迷った末に、結果観に行った。デジタルの映像美がすごい。

動きが細かい。監督の実直な性格、こだわり、忍耐強さが現れている。ポニョは鉛筆書きを主体にした、原点に戻ったアナログ作品だ。押守監督のアナログ作品も、観て見たいな。

会社の遺伝子操作によって、「大人になれない永遠の子供」が誕生した。身体は大人だ。タバコも吸う。アルコールも飲む。子供も産める。

戦死することで、死ぬことができる。選ばれたその職業が、パイロットだ。その大人になれないことで、葛藤に悩む。

通常、戦争とは国と国との戦いだ。この作品では、会社と会社との戦いになっている。欧州を舞台に、なぜか日本人がキルドレになっている。こいつらはみな、傭兵か。

よく分からない。原作者の言いたいことが、よく分からない。テーマが不明だ。監督が、この作品を選んだ理由が理解できない。

新人パイロットが、赴任した。戦闘機を引き継ぐときは、通常前任者との間で、語り合うようだ。しかし、その戦闘機の持ち主が、女性司令官によって銃殺されていた。

説明を受けることなく、戦闘機に乗った。その理由が、ラストで明らかにされる。それは、キルドレとして生きるための、偽装工作のようだった。

この作品、ベネチアに出品するそうだ。このキルドレの意味が、審査員たちは分かるだろうか。無理にキルドレを作らないで、通常の戦闘マンガでもよいと思う。

ポニョのほうが、分かりやすいな。物語も映像も、単純なほうが子供たちに受ける。この作品は、難解すぎる。小学生以下が観ても、理解できないであろう。

実力のある監督だけど、映画としてのビジネスでは失敗だぞ。年齢層が限定されるから、収益が減るぞ。次の制作費を、稼ぐことができないぞ。

監督のほかに、演出家もいるようだ。監督と演出とは、違うのか。どんなに映像美が優れていても、最終的に判断するのは、物語の面白さにある。

4週間以上も経ってからの鑑賞だから、今さら語っても仕方がないが、最後まで観ましょう。