マンタマンタに告ぐ

映画・政治経済・日常生活などの観察日記。

戦えよウルトラ・マンタロウ8

2007-03-28 20:28:50 | Weblog
怪獣キグルミ。

夏。酷暑。巨大化したマンタロウは、怪獣コドモノユメを倒すと、空高く飛んで消えて行った。

東京駅、通路にある貸しロッカー。
ここに、いつの間にか、縮小したマンタロウが舞い降りた。何をするつもりなのだ。時同(おな)じくして、縮小した怪獣キグルミもいた。こいつも、ここで何をしているのだ?

マンタロウ「おはようございます。暑いですねー。あたし今、そこで怪獣を倒して、仕事が終わったところなんですよー」
 
マンタロウは、カギでロッカーを開けて、人間の男性が着るジャージを取り出した。

怪獣キグルミ「私もね、先ほど、銀座で暴れてきたところ何ですよ。街を破壊するのは、私の主義に反するんですが、上司の命令だから逆らえなくてねー」

マンタロウ「お互い、平社員は大変ですねー」
 
マンタロウは、背中にあるジッパーに右手を伸ばした。ジッパーにヒモがついている。それをつかもうとしているようだ。ナカナカつかめられない。

マンタロウ「済みません。このジッパーを、下げてもらえませんか」
怪獣キグルミ「あー、いいですよ」
 
そこへ、小学生の子供2人を連れた母親がやってきた。2人の様子を目撃してしまった。
 
怪獣キグルミは、マンタロウの背中のジッパーを下げてあげた。ジーッ。するとマンタロウは、脱ぎだし始めた。これは「着ぐるみ」だった。

マンタロウは変身ではなく、モビルスーツを着脱しているようだ。脱ぎ捨てると、白いTシャツと短パンをはいた、中年の男性が出てきた。汗をいっぱいかいている。モワーンと、悪臭がただよっている。汗臭い。

マンタロウ「いやー、暑いですねー。これを着ていると、3分が限界なんですよー」
 
モビルスーツの胸には、丸い時計がある。長針・短針のある3分間用のアナログ時計だ。

怪獣キグルミは、アナログ時計を押してみた。モーターが回った。ウィーンという音とともに、さわやかな風がモビルスーツ内からあふれでてきた。

マンタロウ「あれ、こんなところに、冷暖房スイッチがあったんですか。今、知りましたよ。ハハハハハっ」
マンタロウは、笑ってごまかしている。

怪獣キグルミ「あの、済みません。ついでに、私のジッパーも下げてもらえませんか」
マンタロウ「あー、いいですよ」
 
そう言って、マンタロウも怪獣キグルミの背中のジッパーを下げてあげた。男性の背中が見えた。着ぐるみを脱いで、出てきた。怪獣のお面も、脱いだ。人間だ。
 
2人の子供が、呆然と見ている。スーパーヒーローのイメージが、台無しだ。
母親「子供たちの夢を、壊すなー」




美的少女セイコ7

2007-03-09 22:35:18 | Weblog
怪人ジョッカー。

純粋(じゅんすい)でいたいけな、美人で可愛(かわい)い16歳の女子高校生・星子(せいこ)が、怪人ジョッカーに誘拐(ゆうかい)された。

手術台の上で、人体を改造されそうになっている。星子が危(あぶ)ない。っキャー。

ジョッカー「ヒヒヒ。さーて、どんな怪人に変身させて上げようか。クモ女、蚊女(かおんな)、コウモリ女、ヘビ女。そうだ、ゴキブリ女に改造してやろう。さー、股(また)を大きく開いてー。ヒー、ヒヒヒヒヒー」。スケベ。

ジョッカーは、スケベな顔をして、ニタニタとよだれをたらしている。

星子「イヤー、誰か助けてーっ!」

ジョッカー「これで、あのマンタロウを倒せるぞ。ヒー、ヒヒヒヒヒー」

そして星子は、改造(かいぞう)人間(にんげん)にされてしまった。ヘンシーン。

だが、ジョッカーはしくじった。あれ、変だぞ、変わっていない。人間のままだ。おかしいな。どこで、間違えた。ジョッカーの医学技術に、狂いはないはずだ。

それでも星子は、超人的(ちょうじんてき)な能力(のうりょく)を発揮(はっき)した。

電車の座席を確保する早さは、誰にも負けない。5センチの狭(せま)い空間でも、デカいケツで無理矢理(むりやり)、座席(ざせき)に入り込む。

マナー最低、法律なんか通用しない。ルール無視。家事の手(て)抜(ぬ)きし放題(ほうだい)。あつかましい。ふてぶてしい。図々(ずうずう)しい。

星子は、人間の姿をした、「おばさん仮面」に変身していた。少しずつ、太ってきた。脂肪(しぼう)過多(かた)だ。ヘアーも短い。根性(こんじょう)が図太(ずぶと)い。卑(いや)しく、厚かましい。

おばさん仮面「ヤダ、おばさんに変身しちゃったー。お願い、誰か助けてー。オシャレで、ぶりっ子で、スタイル抜群(ばつぐん)の女性に変身させてーっ」。イヤー。

ジョッカー「我(わ)が社(しゃ)の医学技術でも、それだけは不可能だ」。ごめんね。

怒ったおばさん仮面は、ジョッカーに突進(とっしん)して行った。
おばさん仮面「三段(さんだん)腹(はら)、アターック!」

でかいお腹(なか)で体当たりして、ジョッカーを倒すのであった。ジョッカーにとって最強の敵(てき)は、「おばさん」だった。

その後、ジョッカーに「変身マシン」を改良してもらって、「美的少女セイコ」が誕生(たんじょう)した。

でも、たまに不具合(ふぐあい)が発生して、「おばさん仮面」に変身することがあるようだ。

おばさんには、なりたくなーい。


戦えよウルトラ・マンタロウ6

2007-03-09 22:21:50 | Weblog
怪獣裁判長。

裁判員(さいばんいん)制度(せいど)が実施(じっし)された。裁判官1人、裁判員3人とマンタロウがいる。

今、裁判長が判決(はんけつ)を読み上げるところだ。怪獣ビルコワシが、被告人席(ひこくにんせき)で立っている。ビルを破壊した罪(つみ)で、裁判を受けているようだ。

裁判長「主文(しゅぶん)、被告人(ひこくにん)を懲役(ちょうえき)3年とする。判決理由、糾問的(きゅうもんてき)捜査(そうさ)観(かん)は…、現住(げんじゅう)建造物(けんぞうぶつ)損壊(そんかい)につき…、不法行為にもとづく損害(そんがい)賠償(ばいしょう)請求権(せいきゅうけん)が…、未必(みひつ)の故意(こい)とみなし…、観念的(かんねんてき)競合(きょうごう)をもって…、原因において自由な行為とは、許された危険の法理(ほうり)によって…、可罰的(かばつてき)違法性(いほうせい)につき…、客観的(きゃくかんてき)に外形的(がいけいてき)な標準(ひょうじゅん)を備(そな)え…、目的(もくてき)効果説(こうかせつ)からして…、禁(きん)反言(はんげん)の法理(ほうり)は…、憲法(けんぽう)保障説(ほしょうせつ)との因果(いんが)関係(かんけい)で…、危険(きけん)分配(ぶんぱい)の法理(ほうり)を…、法(ほう)益(えき)権衡(けんこう)の原則(げんそく)から導(みちび)かれる…、主観的(しゅかんてき)予備的(よびてき)併合(へいごう)に従(したが)い…、私はアルファでありオメガであって…、特別(とくべつ)の犠牲(ぎせい)により…、統治(とうち)行為(こうい)につき司法(しほう)審査(しんさ)が及(およ)ばず…、部分(ぶぶん)社会(しゃかい)の法理(ほうり)が適用(てきよう)されず…、得(え)べかりし利益(りえき)が…、ファン・デル・ワールスカの力(ちから)が引き出す…、フラグメントアナライザーを用(もち)いて…」

マンタロウが、申(もう)し訳(わけ)なさそうに手を挙(あ)げた。

マンタロウ「済(す)みません、裁判長ー。あのー、何を言っているのか、全然(ぜんぜん)、分からないんですけどー…」

弁護士、検察官、傍聴人(ぼうちょうにん)、裁判員、書記官、廷吏(ていり)、取材記者たちみんなが、ポカーンと、口を開けている。意味不明で、判決理由を理解できていない。

マンタロウ「もっと、分かりやすく、素人でも理解できる判決理由に、書き直して下さい」

裁判長「(嘆(なげ)く)1人で、100件以上も裁判を受け持っているのだぞー。1カ月以上もかけて、この理由を書き上げたんだぞー。少しは、理解してくれよー」。オヨヨ。




戦えよウルトラ・マンタロウ5

2007-03-09 22:04:44 | Weblog
怪獣シュクシャ。

東京、赤坂の高級マンション。日本政府からマンタロウに、住居として、マンションが提供された。

4LDK、家具付、サウナ風呂付、ジム付で家賃が9万円だ。やったね。

ところが、そこへ怪獣シュクシャが現れた。赤坂周辺のビルを、壊している。大変だ。

しかし、この赤坂マンションだけは、殴っても蹴っても、なぜかビクともしない。頑丈だ。

怪獣シュクシャは、とうとう疲れてしまった。そこへ、巨大化したマンタロウが参戦し、怪獣シュクシャと戦った。

強い。マンタロウは、歯が立たない。やられてばかりだ。必殺技を、使うことにした。

マンタロウ、キーック!

マンタロウは、宙を飛んで飛び蹴りをした。ところが、怪獣シュクシャは、軽くかわしてよけた。

マンタロウは、怪獣シュクシャにキックをくわえることなく、ビルに突っ込んでしまった。

ビルは、簡単に崩壊してしまった。そのキックの威力に恐れを抱いて、怪獣シュクシャは、地球から逃げ出してしまうのであった。

破壊されたビルは、赤坂マンションだった。マンタロウが居住する、高級マンションだ。

議員「バカ野朗。俺たちのマンションを、壊してんじゃねーよ。税金を、ムダにするなー」

マンタロウは、一緒に住む住人たちから、怒られた。結果、マンタロウは、1LDK、家賃3万円の県営アパートに暮らすことになるのであった。



戦えよウルトラ・マンタロウ4

2007-03-03 19:08:45 | Weblog
サタン星人。

12月24日。クリスマス・イブ。

恋人たちや家族たちが、街にあふれかえる日だ。ところが、恋人に縁のないエンゼンル星人が、否、サタン星人が、悪事を働いた。

マンタロウは、サタン星人を追いかけた。こいつのおかげで、クリスマスの日に、仕事をすることになった。因果な、職業だな。

サタン星人は、アベックを狙った。幸せ一杯の女性を、後ろから襲い、唇を奪って行った。キス魔だ。男性たちからは、ブーイングが飛んだ。

キレイな女性たちは、サタンの魔力にとりつかれ、キスされた後は、ボーっとしながら満面な笑顔を見せている。思い出しては、喜んでいる。キャッ。

サタン星人の足の動きは、素早い。マンタロウも、走って追いかけているが、追いつけない。空から下界を見下ろしても、足取りがつかめない。どこに行った。

サタン星人を、捕まえることができる人は、もう誰もいないのか。

いた。3人のおばさんA・B・Cだった。3人のおばさんも、キスしてもらいたくて、取り押さえたようだ。欲情を抑えきれないおばさんパワーは、怖い怖い。

マンタロウが、現場に舞い降りた。サタン星人は、3人のおばさんに、キスされてくたばっている。大切な唇を奪われて、もう生きていけられない。

そうだ、生まれ変わろう。「サンタ星人」に変身だー。ヘンシーン。赤い服に赤い帽子を、着ている。トナカイの車両が現れた。ブヒーン。

サンタ星人「俺は、生まれ変わった。心を入れ替えた。子供たちに、オモチャを贈ろう」

サンタ星人は、大きな白い布袋を手にしている。中を開けて、空に向けて放り投げた。

色々なオモチャが、空を舞った。多くのオモチャが、子供たちの家に届けられた。

マンタロウが、そのオモチャを片手で1つつかむと、「電動こけし」だった。それは、「大人のオモチャ」だ。子供向けではない。何を考えているのだ、こいつは。

マンタロウ「バカ野朗。大人のオモチャを、子供にプレゼントしてどうするんだよ」

マンタロウ・パーンチ!
サンタ星人は、1年後にはきっと、心を入れ替えてくれるであろう。



お掃除戦隊オバサンダー3

2007-03-03 18:49:20 | Weblog
マンタロウが怪獣を退治した後は、破壊された街の残骸だけが残っている。後片付けが、大変だ。

自治体も警察も自衛隊も、大忙しだ。保険会社も、支払いに大忙しだ。会社がつぶれてしまう。誰か、ガレキの山を掃除してくれないだろうか。

総理大臣は、「ほうき星座」にある「株式会社、清掃O-25」に依頼した。

正式名称、「清掃会社、25歳以上はおばさんだよ」だ。3人のおばさんA・B・Cが選任された。白いTシャツに、黄色の「稲妻」の絵柄が描かれている。

掃除機型の宇宙船に乗って、地球に向かっている。宇宙ハイウェイを走行している。しかも早い。明らかにスピード違反だ。

宇宙警察のパトカーが、追尾してきた。逃げた。おばさんだから、法律無視、ルール無視、マナー無視。

運転理論など無視。理屈が通じないから、乱暴な運転は、暴走族より始末が悪い。しかも、運転技術は超乱雑。事故を起こすことなど、考えてもいない。

それでも事故が起きないのは、周囲の宇宙船が、避けているからだ。困ったもんだ。

でも、その宇宙船の運転手が「おばさん」だと、よけきれなかった。運転の下手な者同士で事故を起こした。幸い軽い接触だから、助かった。

悪いのはオバサンダーだが、過失割合は「80:20」だ。被害者にも、絶対的な過失が発生する。それが法律だ。

そして、オバサンダーは逃げた。謝罪もしない。ろくな、もんじゃない。超光速スピードで、逃げた。

しかも、小惑星帯の中を突き抜けた。パトカーは、慎重に走った。怖い。ションベンが、ちびりそう。

オバサンダーは、掃除機を稼動して、小惑星を吸入口ブラックホールに吸い込んでしまった。

巨大な小惑星でも、圧縮して吸い込んだ。そして、後方部にある排出口ホワイトホールから、小惑星を吐き出した。巨大化した小惑星が、吐き出さられた。

パトカーにぶつかる。キキーッ。急ブレーキ。危うく、衝突するところだった。パトカーの行く手を、阻止されてしまった。

これにて、オバサンダーの追跡は、中断されてしまった。あきらめた。

こんな無謀なおばさんたちに、地球の掃除を任せていいものだろうか。
おばさんA「おばさんだから、許して…」。許せねー。