怪獣キグルミ。
夏。酷暑。巨大化したマンタロウは、怪獣コドモノユメを倒すと、空高く飛んで消えて行った。
東京駅、通路にある貸しロッカー。
ここに、いつの間にか、縮小したマンタロウが舞い降りた。何をするつもりなのだ。時同(おな)じくして、縮小した怪獣キグルミもいた。こいつも、ここで何をしているのだ?
マンタロウ「おはようございます。暑いですねー。あたし今、そこで怪獣を倒して、仕事が終わったところなんですよー」
マンタロウは、カギでロッカーを開けて、人間の男性が着るジャージを取り出した。
怪獣キグルミ「私もね、先ほど、銀座で暴れてきたところ何ですよ。街を破壊するのは、私の主義に反するんですが、上司の命令だから逆らえなくてねー」
マンタロウ「お互い、平社員は大変ですねー」
マンタロウは、背中にあるジッパーに右手を伸ばした。ジッパーにヒモがついている。それをつかもうとしているようだ。ナカナカつかめられない。
マンタロウ「済みません。このジッパーを、下げてもらえませんか」
怪獣キグルミ「あー、いいですよ」
そこへ、小学生の子供2人を連れた母親がやってきた。2人の様子を目撃してしまった。
怪獣キグルミは、マンタロウの背中のジッパーを下げてあげた。ジーッ。するとマンタロウは、脱ぎだし始めた。これは「着ぐるみ」だった。
マンタロウは変身ではなく、モビルスーツを着脱しているようだ。脱ぎ捨てると、白いTシャツと短パンをはいた、中年の男性が出てきた。汗をいっぱいかいている。モワーンと、悪臭がただよっている。汗臭い。
マンタロウ「いやー、暑いですねー。これを着ていると、3分が限界なんですよー」
モビルスーツの胸には、丸い時計がある。長針・短針のある3分間用のアナログ時計だ。
怪獣キグルミは、アナログ時計を押してみた。モーターが回った。ウィーンという音とともに、さわやかな風がモビルスーツ内からあふれでてきた。
マンタロウ「あれ、こんなところに、冷暖房スイッチがあったんですか。今、知りましたよ。ハハハハハっ」
マンタロウは、笑ってごまかしている。
怪獣キグルミ「あの、済みません。ついでに、私のジッパーも下げてもらえませんか」
マンタロウ「あー、いいですよ」
そう言って、マンタロウも怪獣キグルミの背中のジッパーを下げてあげた。男性の背中が見えた。着ぐるみを脱いで、出てきた。怪獣のお面も、脱いだ。人間だ。
2人の子供が、呆然と見ている。スーパーヒーローのイメージが、台無しだ。
母親「子供たちの夢を、壊すなー」
夏。酷暑。巨大化したマンタロウは、怪獣コドモノユメを倒すと、空高く飛んで消えて行った。
東京駅、通路にある貸しロッカー。
ここに、いつの間にか、縮小したマンタロウが舞い降りた。何をするつもりなのだ。時同(おな)じくして、縮小した怪獣キグルミもいた。こいつも、ここで何をしているのだ?
マンタロウ「おはようございます。暑いですねー。あたし今、そこで怪獣を倒して、仕事が終わったところなんですよー」
マンタロウは、カギでロッカーを開けて、人間の男性が着るジャージを取り出した。
怪獣キグルミ「私もね、先ほど、銀座で暴れてきたところ何ですよ。街を破壊するのは、私の主義に反するんですが、上司の命令だから逆らえなくてねー」
マンタロウ「お互い、平社員は大変ですねー」
マンタロウは、背中にあるジッパーに右手を伸ばした。ジッパーにヒモがついている。それをつかもうとしているようだ。ナカナカつかめられない。
マンタロウ「済みません。このジッパーを、下げてもらえませんか」
怪獣キグルミ「あー、いいですよ」
そこへ、小学生の子供2人を連れた母親がやってきた。2人の様子を目撃してしまった。
怪獣キグルミは、マンタロウの背中のジッパーを下げてあげた。ジーッ。するとマンタロウは、脱ぎだし始めた。これは「着ぐるみ」だった。
マンタロウは変身ではなく、モビルスーツを着脱しているようだ。脱ぎ捨てると、白いTシャツと短パンをはいた、中年の男性が出てきた。汗をいっぱいかいている。モワーンと、悪臭がただよっている。汗臭い。
マンタロウ「いやー、暑いですねー。これを着ていると、3分が限界なんですよー」
モビルスーツの胸には、丸い時計がある。長針・短針のある3分間用のアナログ時計だ。
怪獣キグルミは、アナログ時計を押してみた。モーターが回った。ウィーンという音とともに、さわやかな風がモビルスーツ内からあふれでてきた。
マンタロウ「あれ、こんなところに、冷暖房スイッチがあったんですか。今、知りましたよ。ハハハハハっ」
マンタロウは、笑ってごまかしている。
怪獣キグルミ「あの、済みません。ついでに、私のジッパーも下げてもらえませんか」
マンタロウ「あー、いいですよ」
そう言って、マンタロウも怪獣キグルミの背中のジッパーを下げてあげた。男性の背中が見えた。着ぐるみを脱いで、出てきた。怪獣のお面も、脱いだ。人間だ。
2人の子供が、呆然と見ている。スーパーヒーローのイメージが、台無しだ。
母親「子供たちの夢を、壊すなー」