鉄鍋ぎょうざとお酒のお店 杏っ子 店主徒然日記

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黒衣の美女の正体は・・・

2006-11-04 01:46:06 | 杏っ子
大阪滞在翌日 神戸市立博物館で開催中の「オルセー美術館展」へ行ってきました。
1996.1999年に続き3度目の展観です。19世紀に活躍した印象派の画家 日本でも人気の高いモネ マネ ゴッホ ルノワール等の 誰でも一度は画集でお目にかかったことのある作品が一堂に会していて 館内は平日にもかかわらず大勢の人で賑わっていました。
今回の目玉は 展覧会のポスターやチケットにもなったマネの「すみれの花束を持つベルト・モリゾ」です。この画家ならではの 黒の色使い 一見豪放磊落に見えながら 実は計算尽くされた的確なタッチ。これまで モデルは フランス上流階級のマダムだと推察していたのですが 今回の展観で 彼女が フランス印象派の女性画家で マネと深い親交があったことを知り 慌ててマネの画集をひっくり返してみると 彼女をモデルにした作品が少なからずありました。
俄然興味が湧いてきたので この女性画家に関する評伝や作品を調べてみようと思います。



この作品に出会えるとは思いもしませんでした。
19世紀後半 フランス郊外の風景作品を多く残したアルフレッド・シスレーの
「洪水と小舟」です。
小学生だった私が初めて模写した作品です。
初めて買い与えられた印象派の画集にその絵はありました。
油絵の具もキャンパスもカルトン紙も知らなかった小学生は 版画用に与えられた
板にいつも使っていた不透明水彩で 時間を忘れて没頭していました。
シスレーの風景画は どれも静謐で詩情溢れ その頃大好きな画家の一人でした。



今回の展覧会で ゴーギャン ゴッホ モネ ルノアール セザンヌらの名立たる画家の作品を差し置いて 私が一番好きだった作品「ボール」です。画家の名前は フェリックス・ヴァロットンというスイスの画家。初めて聞く名前です。なるほどボナールのナビ派に属した画家らしい独特の色使いです。
ボールを追う子供を高い視点から描いて とてもユニークな構図が気に入りました。茶目っ気たっぷりの リズム感のある楽しい作品です。

印象派の珠玉の作品以外にも 彫刻 写真など140点にも及ぶ見応えある展覧会でした。来年1月8日までの会期だそうです。年明けもう一度訪れたいと思います。