鉄鍋ぎょうざとお酒のお店 杏っ子 店主徒然日記

梅雨の合間 鴨川散策
子連れの鴨が のんびり泳いでます

ブラボーな夜は続く・・・

2006-06-15 09:20:34 | 杏っ子
さて 星マークの瞳のまま 降り立ったのは西宮北口からひと駅の夙川駅。
駅前の川を渡ってすぐに アルテシンポジオはあります。関西に数多あるイタリアンの中でも お気に入りの一軒です。まだ オープンして3年足らずですが オーナーシェフ 荻堂桂輔氏の徹底した食材選び 特に他の店では お目にかかれない
野菜や 秋から冬にかけては珍しいジビエを食べさせて貰えるので 季節ごとに
足を運んでいます。 コース料理もありますが 今日は アラカルト。耳慣れない食材や 調理法は テーブルまでシェフが足を運んで 丁寧に説明してくれるのは毎度の事。



チョイスした 前菜 プリモ セコンドに合うワインもこの場で相談して決めます。この日は シェフお薦めのトスカーナの白。確か2003年。残念ながら名前は 忘れちゃいました。
前菜は 石川産の名前に惹かれて コフグの白子のソテーと温野菜の盛り合わせ。もう一皿は 野生のアーティーチョークの輪切りのグリルに仔牛の心臓のソテー。
野生のアーティーチョークは 初めての食感。歯ごたえのある米茄子みたいで 面白かった。
プリモは 卵黄を練り込んだタリアテッレとキノコのソテー。 そしてこの店でしか食べられない カンパーニャ・グラニーニャの伝統的な製法で作られた硬めの腰のあるパスタ。
今日は 旬の野菜と合わせて頂きました。
プリモは シェフ この日イチ押しの 鮎のスモーク。何材のチップで燻製にしたのか とても芳しいいい香りがします。かといって鮎独特の青臭さもちゃんと残していて とてもよかった。私的には この日一番の一皿でした。
わたしは この時点でお腹いっぱい。
隣を見ると 友人は しっかりドルチェをオーダーしています。 
私が食べ切れなかったタリアテッレを平らげて貰ったはずなんだけど・・・
失礼ながらイタリアのヤサ男のような風貌の でも とってもハンサム ひげがセクシーな荻堂シェフに見送られて 終電ぎりぎりの駅まで 真剣に急ぎました。
夜空を仰げば 満月。
ごちそうさまな一夜でした。
 

ブラボーな一夜でした

2006-06-13 10:19:19 | 杏っ子
五月某日 さあ 今日は あの待ちに待った メトロポリタン オペラ2006日本公演の日です。演目は 生誕250年で注目のモーツァルトの「ドン・ジョバンニ」です。 会場は 西宮北口駅直結の兵庫県立芸術文化センター。開演時間ギリギリで到着すると ロビーやホワイエは 着飾った紳士淑女で既にに賑わっています。あー、もう少しマシな格好で来るべきだったと気づくも既に手遅れ・・・実はオペラのライブはこれが初めて。同行のオペラ大好き人間の友人に「だから 気入れてオシャレして来いって 言ったじゃん」とのっけから突っ込まれる始末。ご本人は
大胆な花柄のワンピースに 黒のボレロ 黒のリボンつきのお帽子で やたら目立ちまくり・・・
気を取り直して 席に向かうも最上階の4階席ほぼ真ん中の席。正しく天井桟敷。
思わず マルセル・カルネの名画「天井桟敷の人々」を思い出してしまった。
アルレッティ綺麗だったなぁ・・・
さて開演ベルが鳴りました。 あらすじは ご存知のように 17世紀 舞台はスペイン かのドンファンとして知られる好色貴族ドン・ジョバンニが美しい娘の部屋に忍び混み狼藉に及ぶも 娘の父親に見つかり 逆に殺してしまいます。
許婚と共に復習を誓う娘ドンナ・アンナ。
もう一人 かつてジョバンニにだまされ棄てられた女エルヴィーラ。執拗にジョバンニを追いかけ回すも全く改心の兆しナシ。
村の結婚式で 突然現れたジョバンニに強引に口説かれ 夫マゼットとの中が危うくなる花嫁ツェルリーナ。
こうしてに ドン・ジョバンニ退治の3連合が誕生します。
まあ 長くなるので 途中は はしょりますが 最後は 決して悔い改めようとしないジョバンニを 殺されたドンナ・アンナの父親の騎士長が亡霊となって現れて
ジョバンニを地獄に引きずり込んで 業火に焼かれてしまうといったストーリー。ドンナ・アンナ役は今や世界の歌姫 アンナ・ネトレプコ!評判通りの美貌 素晴らしい声量 演技力 でも わたしは個人的にはツェルリーナ役のコジェナーが好きだなぁ・・・
終演後 どうしてもアンナ・ネトレプコのサインが欲しい友人に付き合わされてサイン会の長蛇の列に並びました。待つこと30分余り・・・・並んでよかった。
メットの豪華スターがオールキャストで並んで座っているではありませんか! 
ジョバンニ役のアーウィン・シュロットは 超ハンサム。われを忘れて思わず見とれてしまいました。
歌姫ネトレプコはTVや写真で観るより ずっと綺麗で可愛い!
召使レポレッロ役のルネ・パーペは実際は王侯貴族のような高貴な風貌
そして 最後は お気に入りのコジェナーさん 舞台同様にとってもチャーミング
こうして 二人共 目が星マークのまま 会場を後にしたのでした。 

生誕120年 藤田嗣治展

2006-06-12 11:10:21 | Weblog
忙中閑あり。土曜日の昼間ようやく時間をやり繰りして行って来ました。
覚悟はしていましたが 館内は大変な混雑 とても ゆっくり鑑賞できるような状態ではありません・・・やっぱり平日の開館直後に来るべきだった。
しかし せっかく来たのだから と気をとり直して長蛇の列に並びます。
今回の展観は 初公開作品20点を含む約100点近い油彩・水彩画が出品されていました。これまで 国内の美術館・百貨店などでも回顧展は観て来ましたが
これだけの規模と内容の回顧展はたぶん今回がはじめてです。
彼を一躍画壇の寵児に祭り上げた あの「すばらしき乳白色の肌」と繊細かつ確信に満ちた墨の描線の初期作品から 中南米に渡り帰国してからの写実的な作風 
そして 二科会での活動 戦争画で高い評価を受け再び頂点に立つも 画壇との確執から 再びパリに戻り 晩年 洗礼を受け 彼独特の子供達や宗教画に没頭していく過程が 順を追って陳列してあり その作風と心情の変化が 丁寧に紹介されていて 久しぶりに見応えのある展覧会でした。
会期は 7月23日(日)まで。
もう一度是非 平日に足を運ぼうと思います。

念願叶って 創華飯店です

2006-06-07 12:49:21 | 京都 食べ歩き
5月某日 午後から 大阪のザ・シンフォニーホールで大植英次氏指揮ハノーファー北ドイツフィルのワーグナーを聴く。ほぼ満席 前から3列目の真ん中のシート。大植氏の溌剌とした指揮振りと生き生きとした表情が印象的でした。
さて お楽しみは この後の夕食。先般のワイン試飲会でお世話になった O氏のお誘いで ディープな生野区へ連れてって頂きました。
先ずは ギネスで口を潤してからということで 鶴橋駅で待ち合わせ。
O氏行き着けの英国パブ「THE DOGHOUSE INN」へ。駅から歩くこと数分 ブルテリアの「ヒーリー」君がお出迎え。その日ペットショップで彼自らがチョイスしたおもちゃをくわえてご機嫌です。 本来なら お出迎えのはずの三毛猫「恭平」君が現れず 同行の猫好きな友人はつまらなさそうな様子。
カスクエールやドラフトスタウト レアなシングルモルトも並んでいて うちの近所にこんなお店があったらなぁ・・・
ヒーリー君にうしろ髪引かれつつ 今夜のお楽しみ 創華飯店さんへ。
到着すると O氏の友人ご夫妻が 奥の座敷ですでにお待ちかね。
ご挨拶が済むと早速ビールで乾杯。今日われわれグループの為に 店主の蓮田さんが 作って下さった水ぎょうざからスタートです。 仄かにセロリの香りがする優しい味です。雑味のないシンプルだけど素直に美味しい水ぎょうざです。
手作りの皮も滋味豊かで 適度な歯応えもあって・・・いくつでも食べられそう。
そのあと 出てきた 牛肉と三度豆の炒めもの 手羽先の紹興酒煮込み 桜海老と野菜の唐揚げ 春雨と野菜の炒めもの 名物の豆腐餃子 等など 甕出しの8年もの紹興酒を頂きながら どれも美味しく頂きました。
店主の蓮田さんは 素材重視で 食材は有機 天然ものを取り入れ 調味料も添加物を極力使用せず オーガニックを心がけているそうです。
店内には 私達以外にも若者グループや家族連れが陣取って 週末の夕ご飯を楽しんでいる様子。
京都から 気軽に行ける距離ではないけど 季節ごとに旬の料理を食べに通いたいお店でした。  

幻のようかん だそうです・・・

2006-06-03 10:08:15 | Weblog
開店直後 久々にお顔を見せてくださったH氏。 既に いつものようにほろ酔いのご様子。スポーツ万能で とってもオシャレなナイスガイ 今もジム通いの毎日 とても60代後半とは思えない若々しさです。いつものようにスポーツ談義の最中 突然「羊羹食うかぁ?」「は?・・羊羹ですか?」  おもむろにポケットから取り出してきたのが くだんの羊羹です。 「今日 人と待ち合わせしてたんやけど どうも曜日間違えたらしいんや 土産にこれ渡そう思ったんやけど・・やるわ これ」「はぁ、有難うございます・・でも頂いていいんですか? 結構日持ちするって書いてありますが 」「かまへん やるわ 旨いで この羊羹。一時作るの辞めたんやけど ホンマ旨いから またワシが作らせたんや」
真偽の程は 別として有難く頂戴いたしました。
帰宅後 例の羊羹を 取り出し製造元を見ると 奈良県吉野郡にある 御菓子司 西善 とあります。 ネットで調べてみますと 江戸時代に山里の茶店からスタートした老舗の和菓子屋さんらしく 山の幸を使った羊羹や餅菓子が有名らしいのですが 何処にも だらにすけ羊羹の名前が ありません・・・はて H氏 如何にして調達してきたものか。
「だらにすけ」とは 古くから 大和に伝わる伝統薬で 1300年以上前に 役の行者によって作られた妙薬をいうそうです。 
しかし この羊羹の原材料を見ると 小豆・砂糖・寒天のみ と 今どき珍しいほどシンプル。 苦い羊羹ではないと分かってひと安心(笑)
だらにすけ とは 陀羅尼という仏教用語に由来するそうです。
因みに 私の故郷 金沢では 馬鹿なやつを罵倒するときは 「えーっ!だらすけ!!」と言います・・「だら」 とは馬鹿、 アホを指すの方言なんです。
なんだか すぐに開封する気になれず 只今冷蔵庫で保管中。
来週辺り お友達誘って 食べてみようかな。
それにしても この羊羹の名前 金澤人としては なんかひっかかるんですが・・・