五年くらい前 本屋さんで平積みしてある文庫本に目が留まった。
「朗読者」
硬質な響きの中に 静謐な温もりを感じて その本を手に取った。
ナチの時代のドイツから現代が舞台の 年上の女性と青年の生涯にわたる
関わりを描いた作品で 私の中では 深く心に残る一作となった。
ちょうどその頃 英会話学校に通ってたこともあって 原作も取り寄せて読み始めた。
原題は
「THE READER]
翻訳者は 原題を尊重して「朗読者」としたのであろう。
英文は 口語の慣用句も多く 私の実力では 困難を極めたけれど(笑)
なんとか読破した懐かしい思い出がある。
いつか映画化されるだろうと思った。
そして今夏 その映画は公開された。
タイトルは
「愛を読むひと」
私は最初この映画が 「朗読者」が元になっているとは気が付かなかった。
あまりにも タイトルと原題がかけ離れていると思ったから。
日本の配給元は {愛」や「悲しみ」や「青春」といった言葉を多用して
原題とはかけ離れたタイトルをつけるキライがある。
そのほうが 動員できるから。
観客の感性を見下しているようで 不愉快に思うこともあるのは
私だけかしら・・・
「朗読者」
私は この響きが大好きなのだ。
蛇足ながら この映画 若い頃の主人公を演じたデビット・クロスくん。
演技がメチャうま!
これからが楽しみな俳優さんである。