年中無休の弁護士日記               

平成25年3月21日,『犯罪被害者者相談ルーム』を新設! 法律相談予約電話:06-6312-3316

訴状が届いたら(その後)

2013年01月31日 07時47分53秒 | Weblog
 昨年末,東京にある裁判所から訴状が届いて,あわてて私のところへ相談に来られた方がいて,その人の裁判が昨日,朝10時から行われました。

 しかし,私が「答弁書」(訴状に答える書面,訴えられた人=被告の言い分を記載した書面)を裁判所に提出したところ,被告を訴えた人(原告)が,その訴えを取り下げたいと言ってきました。この点,民事訴訟法では,被告が答弁書を裁判所に提出した後,原告が訴えを取り下げるには被告の同意が必要とされています。というのは,被告が答弁書を提出した場合,訴訟をそのまま進行させることについて被告にも利益がある場合があるからです。
 そこで,私は,この民事訴訟法の規定にしたがって,訴えの取り下げには同意しないと裁判所に連絡しました。

 昨日の第1回の裁判,原告は出席して,結局,「請求の放棄」を行ったそうです。

 請求の放棄とは,訴えによる請求をあきらめるというものです。これに対し,「訴えの取下」だと,訴えを起こさなかったときの状態に戻ってしまいます。つまり,請求の放棄では,「請求の棄却」と同じで,裁判で負けたことになるのです。
 原告は,ただただ,「請求の棄却」判決=はっきりとした敗訴判決を避けるために,請求の放棄を行ったのです。

 今回の訴訟は,1回の裁判で終わりましたが,いつもこう簡単に終わるとは限らないので,訴状が裁判所から届いたら速やかに弁護士に相談してください。

犯罪被害者の個人情報は誰が守るのか

2013年01月30日 09時26分22秒 | Weblog
資産家夫婦殺害 「300億円運用で年収5億」「明るくて美人」…夫婦の人柄は?(産経新聞) - goo ニュース

 今回の事件の詳細はまだわかりませんが,この亡くなった夫妻が犯罪の被害者であることは間違いないようです。

 ところが,マスコミは,被害者の個人情報を調べて開示しています。これに対し,被害者は亡くなっているので,その蛮行に対し,一言の文句も言えないのです。

 これは毎度のことですが,誰かが被害者の利益を守ってあげなければなりません。

 なお,死者には守られるべき利益はないのではないか,と言う意見もあり得ますが,我が国の刑法にも,死者に対する名誉毀損罪(230条2項)が置かれていることからしても,名誉等の人格的利益は残っています。

訴状が届いたら

2013年01月30日 05時42分19秒 | Weblog
 裁判所から「訴状」が届いたら,放置しないで,速やかに弁護士に相談してください。
 放っておくと,裁判で負けにされて,例えば持ち家を差し押さえられたりする可能性があります。

 昨年末,ある裁判所から訴状が届いて,あわてて私のところへ相談に来られた方がいて,
その人の裁判が今日,朝10時から行われます。

 しかし,私が「答弁書」(訴状に答える書面,訴えられた人=被告の言い分を記載した書面)を裁判所に提出したところ,被告を訴えた人(原告)が,その訴えを取り下げたいと言ってきました。この点,民事訴訟法では,被告が答弁書を裁判所に提出した後,原告が訴えを取り下げるには被告の同意が必要とされています。というのは,被告が答弁書を提出した場合,訴訟をそのまま進行させることについて被告にも利益がある場合があるからです。
 そこで,私は,この民事訴訟法の規定にしたがって,訴えの取り下げには同意しないと裁判所に連絡しました。

 今後,どうなるか,今日の第1回の裁判で結審(審理が終了すること)するか,見ものです。

寺島道子弁護士の最終講義

2013年01月29日 12時52分24秒 | Weblog
 今日は,朝から,『専門法律相談研修 医療事故被害救済業務 ①「医療事件ガイダンス」・「相談から保全まで」・「保全後、提訴まで」』という研修(DVDに録画されたものを視聴する形式,この収録は,平成24年1月18日)を弁護士会館で受けていました。

 この研修の講師の中に,昨年秋に病で急逝された寺島道子先生(弁護士)が入っておられたのです。

 もう,二度と,寺島先生から指導を受けることはできないのですが,寺島先生が生前おっしゃっていたことをしっかり胸に刻み込んで,医療法律相談及び事件処理に臨みたいと思います。

犯罪被害者法律相談

2013年01月28日 21時54分58秒 | Weblog
 今日は,少し前に日本司法支援センター(法テラス)から私に法律相談の担当を割り当てられた事件(殺人被告事件)について,その相談者(被害者の親族)から電話をいただきました。

 その人は,既に被害者参加することを裁判所に申し出ているそうですが,1番の関心は,被告人(加害者)からお金を取れるか,にあるようでした。

 私は,そのことに関して,それはそれでよいと考えています。お金が欲しいのは誰でも同じであるから,というわけではありません。
 むしろ,被害の弁償を求めて,実際に金銭を獲得することは,「被害の回復」というよりも,被害者の価値や存在を実証する意味があると思います。その意味で,損害賠償請求は,遠慮せずに行いましょう。
 

フル稼働

2013年01月28日 06時52分30秒 | Weblog
 昨日は,朝,大阪の寝屋川市というところへ行って,1年以上続いている訴訟の状況を報告する集会に出席し,その後,事務所に戻って,午後,まず,ある交通犯罪事件に絡む法律相談(初回)を受け,さらに,夕方から,既に依頼されている夫婦関係調整事件についての打ち合わせを行いました。そして,打ち合わせが終了後,その打ち合わせで決まった方針に沿って,ある文書を作成しました。仕事が終わったのは,午後7時を過ぎていました。

 今年は,日曜日は,しっかり休む,と公言していたのですが,日曜日しか会えない人もおられるので,サービス業従事者としては,そのリクエストに応えなければなりません。

電話法律相談の仕方

2013年01月27日 07時54分59秒 | Weblog
 昨日も,3件の電話法律相談がありました。

 そこで,電話法律相談を申し込まれる方に言いたいのは,是非,質問事項を整理してから電話して欲しいです。

 事務所での面談相談なら,相談者から,いわゆるグチやその苦しい気持ち,さらに人生相談等々のお話をじっくり伺えますが,電話だと,事件の全容がよくわからないこともあって,長いお話にはお付き合いできないのです。

 よろしくお願いします。

自転車運転過失致死傷罪の新設

2013年01月26日 06時50分50秒 | Weblog
自転車でひき逃げ容疑、逮捕 歩行者はねて軽傷負わす(朝日新聞) - goo ニュース

 自転車による交通犯罪をすべて,現行の重過失致死傷でまかなうことには限界があります。というのは,重過失致死傷はその成立には,重大な過失,つまり,ほとんど故意に近いものが必要だからです。

 したがって,自転車という法律上は「車両」とされているものによる交通犯罪には,新たな犯罪類型で対処すべきです。

体罰,いじめ,チカン,交通事故,すべて犯罪です。

2013年01月25日 20時04分37秒 | Weblog
 学校教育法は,明確に体罰を禁止しています。

 したがって,教師による懲戒がゆきすぎたのだから,体罰も,ある程度,仕方ないとは,絶対に言えないのです。よって,体罰は,暴行罪や傷害罪,さらに傷害致死罪に該当するのです。

 今日,新聞記者の方から,私が桜宮高校の事件の被害者から相談を受けていないかを問い合わせる電話がありました,おそらく,体罰の問題は,これまでは「学校事故」として扱われてきたのではないでしょう。しかし,体罰による被害は,加害者や被害者にとって不運な「事故」では決してありません。

 体罰,いじめ,チカン,交通事故,すべて犯罪として,刑事手続にのせて厳しく対応していくべきです。
 

裁判員裁判の判決

2013年01月25日 06時07分22秒 | Weblog
 昨日は,私が国選被害者参加弁護士として関わった裁判員裁判で判決が下りました。

 法定刑は3年以上20年以下の罪で,懲役9年でした。
検察官の求刑は懲役10年,被害者参加弁護士つまり私の求刑は懲役14年でした。

 検察官の求刑と同じ懲役10年となると予想していたのですが。

 この結果について残念との想いはなく,裁判員の方々も苦労されただろうな,と思います。

裁判官とは

2013年01月23日 06時28分53秒 | Weblog
 昨夜は,大阪の北浜(大阪弁護士会館から徒歩7分)で,前田順司さん(長年,裁判官として活躍され,今は,大阪江戸堀公証役場で公証人をされている。)から,『裁判官生活、退官、信仰について考えたこと​』について,お話を伺ってきました。

 裁判官について,私は,国民のお手本であるべきだと思っているのですが,前田さんも,そうであるべきと考えておられるようで,前田さんには,是非,今後も,現役の裁判官に向けて啓蒙活動を続けていって欲しいです。
 

交通犯罪者には厳罰を!

2013年01月22日 11時29分40秒 | Weblog
自転車の信号無視、罰金…悪質運転は厳罰化へ(読売新聞) - goo ニュース

 交通犯罪を犯す人は,もともと社会のルールを守る気持ちがない,つまり,規範意識が鈍磨している人がほとんどです。

 この種の人達は,我々の身近に多数生息している点で,危険なのです。

 全てを捕捉することはできませんが,見つけたら厳罰を科すべきです。

原発賠償弁護団会議

2013年01月22日 06時09分14秒 | Weblog
 昨夜は,原発賠償弁護団会議が大阪弁護士会館で開かれ,出席してきました。

 そして,今年の9月11日(震災・事故発生から2年半)を目途に,国と東京電力を相手方として訴えを提起することが正式に決定しました。
 
 9月と言うとまだまだ先のようですが,今回は,原告団の結成,つまり,訴えを提起する人を集めることから始めないといけないとので,時間がないのです。

 また忙しくなりそうです。

刑事弁護人の辛さ

2013年01月21日 15時34分02秒 | Weblog
 今日は,2つの刑事事件について,弁論要旨,つまり,弁護人に事件についての総まとめの意見を拝聴しました。

 どちらも,それぞれ,弁護活動,本当に大変だっただろうなと思わせるものでした。

 私は,少なくとも今年は刑事弁護はしないと決めていたのですが,刑事事件,誰かが被告人を弁護をしないといけないのだから,誰もが敬遠する事件を担当してみようかな,と,弁論要旨を聞きながら,フッと思ったりしました。