年中無休の弁護士日記               

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裁判員裁判に被害者参加弁護士として関わってみて

2012年06月16日 13時36分05秒 | Weblog
2008年6月、塩谷町の町道脇でスーツケースに入れられた女性遺体が見つかった事件で、女性を殺害したとして殺人罪に問われた埼玉県桶川市朝日、無職平垣巨幹(きよみき)被告(52)の裁判員裁判の判決が15日、宇都宮地裁であった。井上豊裁判長は「強固な殺意に基づく冷酷で残酷な行為」として、求刑通り懲役18年を言い渡した。

 弁護側はこれまで、殺害された大阪府守口市佐太東町、無職太田佐知子さん(当時25歳)に、不倫や性癖を会社や家庭に暴露されると精神的に追いつめられていたと主張。判決では「被害者の言動が被告の恐怖心のきっかけになったとはいえ、自己保身のためだけに殺害し、酌量の余地はない」と退けた。

 また、遺体を遺棄するなど証拠隠滅を図った点を指摘し、「犯行後の態様も悪質」と述べた。自白したことや、前科前歴がない点は評価しつつ、「殺人罪の有期刑の上限(20年)に近い18年が相当」とした。

 30歳代の女性裁判員経験者は、判決後の記者会見で「殺人までしなければならなかった理由は一つもないように感じた」と話した。

 懲役10年が相当と主張していた弁護側は判決後、平垣被告と話し、控訴について「検討している」と述べた。

 判決によると、平垣被告は07年9月18日午後11時半頃、東京都江東区のホテル客室で、太田さんの首をタオルで絞めるなどして殺害した。

(2012年6月16日 読売新聞
)』


 私は,上記記事に書かれている裁判に,国選被害者参加弁護士として,出席してきました。

 他の報道機関(例えば,毎日新聞)の記事には,被害者が被告人に対し,脅迫行為を行ったと裁判所が認定したかように書かれているものがありますが,それは,間違っています。むしろ,裁判所は,明確に,被害者に落ち度はなかった,と認定しています。

 それはともかく,この裁判を振り返ると,被害者参加というものが,それでなくても忙しい裁判所(裁判官,書記官,事務官)や検察庁(検事,事務官)の仕事を増やすことになることをあたらめて痛感しました。被害者参加する人は,裁判所や検察庁に対し,感謝の気持ちを忘れては絶対にいけないと思いました。


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