そんなわけで、映画『空の大怪獣ラドン』、アマプラで早速鑑賞いたしました。こちらはHDリマスター版なので比較的映像はクリアですが、4Kリマスターとなればさらにクリアな映像となるわけで、これは楽しみだわあ~。
今まで何度観たか知れないくらい、この作品を観てきました。やはりラストシーンは哀しい。
阿蘇山の噴火炎に捲かれ、燃え落ちていくラドンの悲哀。ピアノ線を使ったラドンの動きは実に繊細で情緒的。本当に飛んでいるかのように見える羽ばたきの細かさ、炎に捲かれた苦しみ、藻掻き。リマスターされた映像で観ると、若いころに観た時の印象以上に、より心にグッとくるものがあります。
このシーンを、さらにクリアな4Kで観たら、どれだけ心に刺さるんだろう。これは楽しみにせずにはいられません。
『空の大怪獣ラドン』は基本的にはエンタテインメントな怪獣映画です。しかしそこに込められている様々な暗喩にも注目すると、より深く楽しめます。
昭和30年公開の映画にしてそこにはすでに、地球温暖化や異常気象、人間による大規模な自然破壊と、原水爆実験の大自然への影響などの問題点が仄めかされており、ラドンの誕生との関係性がそれとなく示されています。
人類文明の驕りと、それに対する大自然の怒り。そうして生まれてきたラドンは、生まれてくる時代を間違えてしまった巨大生物の哀しみをも内包しているわけです。
怪獣映画だけど、ただの怪獣映画ではない。その「深み」を4Kリマスターで味わうことができるなんて、ホント良い時代ですよ。絶対、
死ねないわ(笑)
ところで、山崎貴監督が撮る「超大作」怪獣映画ですが、ゴジラのリメイクか!?とか、ラドン、いやモスラ、あるいはバラン!?とかなんとか、色々取り沙汰されていますが、私としてはそうしたリメイクではなく、是非とも新作で勝負していただきたいですね。いつまでもいつまでも、いつまでーも、
過去の遺産に頼っていてはダメなんだよ!
本当に怪獣映画の将来を思うなら、優れた新作で勝負しなきゃダメ!絶対ダメ!
ラドンが福岡の町を襲撃するシーン。あのミニチュア特撮は史上最高峰なもので、あれを超えるミニチュア特撮は後にも先にもありません。もしあのシーンをCGで再現したら......これはおそらく、ほぼすべての特撮ファンが抱く妄想かもしれません。でもやってはいけない。なぜならあのシーンは、
ミニチュア特撮の聖域、絶対領域だから。
CGは素晴らしい技術ですよ。でもね、やっちゃいけないことというのは、あるんです。
だから、ゴジラ第1作も、ラドンも、
リメイクしてはいけない。
ラドンの4Kリマスター版公開を楽しみに待ちつつ、山崎貴監督の「超大作」がおかしなことにならないよう、希望する次第です。
お願いしますよ、ホント。