問わず語りの...

流れに任せて

映画『ペット・セメタリー』

2022-01-04 13:56:50 | 映画

映画『ペット・セメタリー』2019年版予告編。

 

 

アメリカン・ホラー小説界の帝王、スティーヴン・キング原作による『ペット・セメタリー』、1989年に一度映画化され、2019年に2度目の映画化がされています。

亡くなってしまった愛する人を、もし蘇らせることができたなら、しかし、その蘇った人は

「元」のままではなかったとしたら......。

この発想の意地の悪さね。怖くて切なくて、悲しい物語。

私はこの原作、割と好きなんです。キングの作品の中でも、傑作の部類に入ると思う。

 

さて、その映画版ですが、

これは圧倒的に89年版の方が良いです。

原作に割と忠実だし、蘇ってきた3歳くらいの男の子の演技が上手い!これは当時としては驚異的でしたね。

この男の子がねえ、怖いんだけど、でも

可愛らしいんだ。これがまたなんとも

哀れさを強調するかたちになっていて、なんというか、観ていてちょっと鬱になる。可愛いから鬱になるなんて、この映画しかないんじゃなかろうか。

怖くて悲しくて哀れ。89年版『ペット・セメタリー』はそんな映画でした。

 

それに比べて、2019年版......。

89年版との違いを出すために、新たな展開を加えたりして、それは割と上手くいっていたと思う。蘇るのが男の子ではなくて、その姉だという展開は、なかなか上手くいっていた。

途中までは。

特に納得いかないのがラストの展開。あまりにお手軽な展開でビックリしてしまった。おいおい、これじゃ一家は幸せになりました、チャンチャンで終わってしまうじゃないか!それでいいの?

いや、いやいやいや、そんなわけないでしょ!それで良いわけないでしょ!あれが幸せなわけないじゃないか!そこのところ、もう少し掘り下げられなかったのかねえ。あれじゃあっさりし過ぎて、拍子抜けとしか言いようがない。

あのラストじゃダメだ。なんとかもう一ひねり出来なかったものか。

惜しいなあ、残念。

 

観るなら絶対89年版。ただ、軽い鬱になること請け合いなので、その点

お気をつけあれ。

 

そうそう、2019年版である意味一番よかったのは、名優ジョン・リスゴーの姿を久々に見ることができたことです。

ジョン・リスゴー、一時期は映画に出まくっていたのですが、ここ20年くらい姿をお見掛けしていなくて、思いがけないところで旧友に出会ったような感じでしたね。

以前はもう少し険しさがあったのですが、いまではすっかり丸くなって、良いおじいちゃんになっていました。主人公の隣人役で出ています。ジョン・リスゴーに会いたい方は、2019年版も併せてご覧あれ。

作品としては、89年版の方が断然良い。これ何度でも協調させていただく。

 

観るなら89年版!

 

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする