新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

日本をよりよくするために:報道の力で認知の架け橋を!

2008-06-20 20:57:25 | 報道関係の方々への期待

こんばんは

本日は全般的に行ったり来たりの毎日でした。

まず、6時半にメインの職場に出勤。その後、8時半くらいに職場の病院へ移動。午前中の外来の数は40名弱か? 短い人2分、長い人20分で、どたどたと診療。

その後実験室へ行き、実験をした後に再びメインの職場へ移動。来週からの準備を行った後に(ちょっと、湖のそばに行きます)、再び実験室のある病院へ移動。

そして今帰ってきました。 何か、移動ばかりで疲れましたねw

 

さて、今日はまずCBのこの記事から。医系技官の方の記事です。

日本の医療を良くしたい。僕もまったく同じ考えです。現場から声を上げるのか、行政と言う方向から行くのか、政治からか・・・それともマスメディアを通じてか・・・・いろいろやり方はあると思いますが、是非とも頑張ってほしいところです。

 

「日本の医療を良くしたい」

【第16回】 医系技官文部科学省スポーツ青少年局学校健康教育課専門官・高山研さん  

 

「医系技官」と呼ばれる医師免許を持った行政官をご存じだろうか。厚生労働省を中心とした国内外の多くの機関で、医学知識を生かしながら国の医療政策などにかかわる。医療安全の推進や臨床研修の推進などの「医療制度分野」のほか、感染症や生活習慣病対策などの「公衆衛生分野」など、医系技官が活躍するフィールドは広い。給与体系などは、「国家公務員採用Ⅰ種試験」を受けて採用される他の行政官(キャリア組)と同じ扱い。医師として臨床や基礎研究の道を選ぶのではなく、行政にかかわる仕事を選んだ動機はどこにあるのだろうか

2001年に弘前大医学部を卒業後、厚労省に入省し、現在は文部科学省で児童や生徒の健康問題に取り組んでいる高山研さんに、医系技官になったきっかけや仕事内容、日本の医療をめぐる今後の課題などを聞いた。(新井裕充)

 ―医系技官を志した理由を教えてください。 

大学を卒業後、東京都内の総合病院で初期研修を行っていました。研修が進むにつれて、日本の医療のさまざまな問題点を感じるようになりました。患者さんが来院して退院していくという流れの中で、医師も看護師も満足できる仕事ができていないように思えました。たとえ大変でも、納得のいく仕事ができていれば顔は良い表情になるものですが、どこか疲れていて本当の笑顔がないのです。そんな日々を過ごす中で、「日本の医療を良くするために自分はどうしたらよいのだろうか」と問い続け、出た答えが「医系技官」という仕事でした。臨床医としてやっていくよりも、多くの人に良い影響を与えられるのではないかと考えたからです。

―「日本の医療を良くする」とは、具体的にどのようなことでしょうか。 

当時、医療費が増えていることが話題になっていましたので、医療経済や保険制度に関心がありました。医療費の増加や少子・高齢化が進む中で、何か解決の糸口を見いだせないか、患者も医療スタッフも満足できるような医療制度にできないかと考えていました。 

05年4月に厚労省に入省し、配属は保険局医療課医療指導監査室になりました。

“医療Gメン”とも呼ばれる仕事で、医療機関に立ち入り、保険診療の指導や監査などを行いました。これは適切な医療を普及させるために必要なことですから、「日本の医療を良くする」ということにつながるものと思っています。その後、06年4月から健康局の結核感染症課で予防接種などを担当し、今年4月に文科省に異動になりました。

―医系技官になることを学生時代から意識していましたか。 

医系技官として活躍している先輩の講演を聴いたり、採用案内のポスターを見たりして医系技官という職種があるということは認識していましたが、医系技官になろうとは思っていませんでした。最も関心があったのは、地域の人々の健康状態を総合的に把握する「家庭医」でした。そのため、初期研修では多くの診療科を回ることができる「スーパーローテート」が充実している病院を選びましたが、勤務時間は非常に長く、心が休まることはありませんでした。担当している患者さんの状態が気になり、休日も病院に行きました。三百六十五日、一日も休むことはなく、元旦も病院です。 医療スタッフはみんな、仕事量の多さと「患者さんに十分なケアができなかった」という不完全燃焼感によって心身共に疲れていたようでした。患者さんは「ありがとう」と言ってくれますが、心から満足しているわけではないように見えました。「家庭医」は魅力的な分野だと思っていますが、今、自分がやるべき仕事は医療制度にかかわる仕事だと考えています。

■ 共通理解を生み出す仕組みを

―医療制度にはどのようにかかわっていますか。 

現在、児童や生徒の健康を管理する「学校保健」や、保健の教科書の内容を検討するなどの「健康教育」にかかわる仕事を担当しています。未来のある子どもたちに健康を提供する仕事ですから、とても楽しく仕事をしています。虫歯や熱中症の予防に始まり、酒やたばこ、麻薬など、健康を害する要因がたくさんありますので、健康であり続けるための生活習慣を小学校から高校までの間に身に付くようにしてあげたいと思っています。学校を卒業した後も健康であり続けるために、正しい生活習慣を継続的に実践してほしいです。 

厚労省での仕事も同様ですが、現在の健康政策や医療制度の問題点を改善し、人々が今よりも健康に近づけたと感じる時にやりがいを感じます。

―「治療」よりも「予防」へと、関心の分野が移ったのでしょうか。 

そういうわけではありません。治療も大切です。しかし、医療の最終目標は、病気を治すことではないと考えています。人々の幸せや夢の実現をサポートしてあげるのが医療の役割だと思っています。生まれてから死ぬまでの間に自分のやりたいことをどれだけできるかが重要で、たとえ病気になり、健康だった時と同じ状態に回復できないとしても、今後の人生でやりたいと思っていることができるように医療技術を用いて助けてあげ、トータルの人生が納得いくものになればいい。医療とは、多くの人々が自分の望む人生を送れるようにコーディネートしてあげることだと考えています。

そのためには国の役割も大きいですが、国民に理解されていない面もあります。 厚労省は、現在の状況や苦悩をもっと率直に話してもいいのではないかと思います。国民が不安になるかもしれませんが、ベストを尽くしても、いかんともし難い事態になっていること、いくら頑張っても物事には限界があることを正直に話してもいいと思います。厚労省で働いた感想を言えば、役所のメッセージが十分に国民に伝わっておらず、国民から十分な理解が得られていないような気がしました。

―「天下り」のポストを増やすための政策を「不公正な審議会」で練っているという印象があります。 

今まで仕事をしてきた限りでは、「天下りしよう」とか、「つながりのある機関をつくろう」という意識で仕事をしている職員はいませんでした。皆、目の前にある喫緊の課題に頭をひねっていて、まじめな職員が多いという印象を受けました。審議会の委員の選考も公正だと思います。厚労省に有利な発言をしてくれる人より、良識のある考え方をしてくれる人や、特定の分野の経験があって建設的な発言をしてくれる人を選んでいるように思います。

―少し誤解をしていました。このように役所の方と話をすると理解できる面もあります。 

それぞれ立場があり、良かれと思って頑張ってはいますが、残念ながら各立場からの主張をお互いがよく分かっていないまま批判し合っている気がします。高齢化の問題もそうですが、役所の努力だけでは解決できないことがあります。それが、国民に十分理解されていません。同様に、医療スタッフの思いが患者に理解されていないことも多いと思います。

―日本の医療、どうしたらよいでしょう。 

お互いの考えを理解し合うことが必要だと思います。厚労省、医療関係者、患者、それぞれが日本の医療をどのように考えるか、そしてお互いの考えを理解し合えるような仕組みが必要だと思います。例えば、それぞれの立場の代表者が集まってオープンな議論ができる場を設けることなどです。国は、関係者を集めたシンポジウムなどを活発に開催していますが、今後も積極的に続けていくべきだと思います。 

それから、報道機関やマスメディアなどを通じて、お互いの意見を積極的に発信していくことも大切です。その意味で、厚労省、医療関係者、患者の間に入って、お互いの考えをつなぎ、橋渡しになりうるメディアの役割は大きいと思います。一方の主張を流すのではなく、共通理解を生み出せるような“仕組み”が必要です。今の日本の医療は、互いの理念を追求するあまり全員が納得できず、満足できない状況が続いています。これを改善していくことで、日本の医療はもっと良くなるのではないでしょうか。

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個人的にも、高山さんの考えは理解できます。

また、お互いの側面からばかり物を見ずに、相手の立場から者が見れるようになればすばらしい事だと思います

それが全ての人にできることではないですから・・・いや、ほとんどの人にはできない事ですから・・・この認知・認識を一致させるシステムが必要になってきます。

 

患者と医師であれば、医療メディエーターかもしれません。それだけでなく、Ai(Autopsy imaging)は画像所見を通して患者さんと医療従事者の認知の架け橋になるかもしれません

高山さんがおっしゃるように、メディアだって認知の架け橋になるのです。

 

過去・・・2~3年前の報道・・・いや、さかのぼれば1990年代後半からの一連の医療批判報道は「医師」と「患者」の関係を破壊し、医療崩壊を加速させました。

それは事実だと思います。

 

そういう形で「国民」に「認識」させたのだから

 

僕はそれゆえに逆も可能だと思います。実際の医療現場で働く人たちの様子を見て、知ってもらえれば・・・そういう認識は広がるでしょう。

どれだけ一つ一つの判断を慎重に行っているか。適当にやっているのではなく、慎重に相手のために、ベストになるように頭をフル回転させていることを知ってもらえれば・・・。

今日の患者さんの中でもっとも長く時間を費やしたのは「運動誘発性アナフィラキシー」の患者さん。「エピペン」処方医の登録を今の病院にうつしておけばよかったのだけど、うつしていなかったため、結局他院で処方してもらう事を薦めました。

たぶん「食餌」も関係しているのだと思いますが、そこはチャレンジテストをするわけにもいかず・・・

ただ、緊急用の「自己注射キット」の存在があることを知ってもらうこと、そして手元においてある事はこの方には非常に重要な事だったから、時間をかけて説明しました。

 

正直、医療は確率論ですから「慎重」に判断せざるを得ないと思っています。

 

ともかく、医療を取り巻く環境に対する理解、そして患者さんの本当の「不安」に対する理解を深める事。それらを実際に可能にするのは「Media」だと思っています。

だから、僕はマスメディアの人には頑張って欲しいし、可能であれば良い記事を書いて欲しい、良い番組を作って欲しい、多くの人のためになるメディアであって欲しい・・・そう思っています。

 

医療を含めた「日本」をよりよくするために、様々な利害関係にある人たちが「認識」を共有できるようにマスメディアの方々に頑張って欲しいと思われる方、応援をよろしくお願いいたします。

http://blog.with2.net/link.php?602868

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なかのひと 

僕はマスメディアはやはり、これからの日本の改善のためには肝だと思っています。だから、僕も自分のできることを全力で行いましょうw

僕も「高山さん」と同じように、日本をよくするために自分のできることを「命がけ」でやっていければよいと思っています。

その方が僕らしい(w)と思っています。

では、次の記事に行きます

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