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新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

新型コロナウイルス:国内アウトブレイクの対策を考える必要がある

2020-02-15 19:55:55 | 医療

こんばんは

 

さて、先ほどインターネットを見たら新型コロナウイルスの話題で持ちきりですね。外来でもよくウイルスに関してのことを聞かれます。

 

僕は自分の外来の患者さんには次のように伝えております。

 

1、基本的に風邪のウイルスです

2、おそらくマスクと手洗いをきちんとすることである程度防げます

3、人混みとかで感染している人と2−3mとかで接するとか、密閉空間の中でウイルスが高濃度になっているとかでなければそれほど感染するリスクが高いとは言えないと思います。

4、ただし、皆さんは(だいたいなんかの治療をしている、抗癌剤治療後の患者さんが多いので)普通の人より抵抗力が低いです。よって、人混みは避けてマスクと手洗いはきちんと行うようにしてください。

 

そんな感じです。で、流行り出した時に看護師さんとかには言っていましたが、「症状が軽い人がかなりいるので、もうすでに広まっているかもしれないよ」「多分、風邪だと思ってそのままにしている人の方が多いのではないか」というような話をしていました。

 

で、実際に多分潜在的な感染者が多いのだろうと思います。

 

鳥インフルエンザもそうですが、普通はウイルスは宿主を選ぶ(鍵と鍵穴の関係で、感染しない動物には感染しない)わけですが、これが人に感染するようになると爆発的に増えるわけですね。理由は人間が免疫を全く持っていないので、みんなが感染する。体に侵入されると基本的に発症するので。

で、今回は発症する人数は多い(多分、把握されているよりは多いのでしょう)のだと思いますが、致死率がそれほど高くないためより広まりやすいわけですね。

致死率が高いウイルスであれば見つかるのも多いですし、そこで感染拡大が途絶える可能性がありますので。

 

感染拡大といえば日本の細かい感染対策を把握しているわけではないのですが、2009年頃の新型インフルエンザは検疫などが主体となっていました。実際に重篤になるケースが少なかったため(それでも200人くらい亡くなられたはずですが)、途中から騒ぎが収束したかと思います。

 

今回はおそらくすでに国内に入っているのだと思いますので、水際対策だけではダメだろうと思います。正直にいうと日本国内でどういう対策が取られるかなと思いながら、様子を見ています。本来、ここでパタパタするのではなく、淡々と予定通りの対応がされていく・・・という感じだと頼もしいなぁと思います。

 

仮ですが「国内でアウトブレイクし始めたウイルス感染」に対する対策が真剣に検討されていない場合(今から検討を始める場合)、それを行う良い機会ではないかと思ったりしています。

 

正直、出血熱クラスのウイルス感染が広がり始めたら、国内は大混乱になります。医療従事者も混乱するでしょう。

 

致死性の高いウイルスであれば隔離するのが基本でしょうが、致死性の低いウイルスだと「ただの風邪」と思って日常生活を続けてしまうかもしれない。仮ですが、ただの風邪と思っていたら重篤化する(今回のウイルスは僕の想定しているものよりは軽い印象です)ウイルスだった場合にどうするか。

 

新型コロナウイルスは感染力が高いため、重症化する患者さんも一定数いらっしゃいます。しかし、出血熱のような致死率が100%に近いウイルスがアウトブレイクするような話ではないので、感染力が高くて致死率が高いウイルス性疾患が万一発生した場合にどうするのか。

その対策を検討する良い機会ではないかと思ってしまいました。

 

このウイルスに対する対策をきちんと検討し、これから実施して行き、どのように抑えられるようにするのか。このウイルスに対する治療法が確立されてしまえば、怖いウイルスではなくなりますので、そういう研究が速やかに出来る体制作り、検査法の確立も早く出来る体制づくりをすることは重要ですよね。

そして実際に多くの患者が発生した時にどこの病院が受け入れるのか(陰圧室などを持つ病院にそれぞれ回していたら、感染拡大の温床になりそうなので、一箇所にまとめるのか。それが都会の病院だと感染が広がりそうだというならば、昔の結核療養所ではないですが山の中にそういう施設を作るのか。病院船をそういう時のために作るのか)

 

色々なことを日常診療の合間に考えています。

 

もちろん、感染力が高くて致死率も高いような病原体が出現しないことを願うばかりですが。

 

世界中でこのウイルスと戦っている患者さんや医療従事者、それをサポートする多くの方々、世界中のすべて人に早く安息の日が訪れるよう祈念しております。

 

いつも読んでいただいてありがとうございます。今後もよろしくお願いいたします。

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それでは、また

コメント (2)
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