新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

3つの医療系記事:あなたはどう思われますか?

2014-11-03 20:49:17 | 医学系

こんばんは

 

今、妻の実家から帰ってきました。妻の実家の前が車一台しか入れない道なのですが、妻の実家には車が二台おけます。と、言うことで車で行っておりますが、少しドキドキしながら車を入れたり、出したりしています。

 

さて、少しネットで気になったので3つ記事を紹介します。最初は軽いものから。

 

講演医師へ謝礼、昨年度110億円…製薬10社

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141102-00050108-yom-soci

読売新聞 11月3日(月)17時29分配信

 製薬企業の売り上げ上位10社が昨年度、医師らを対象に開いた薬などに関する講演会は計約7万回で、講師の医師らに支払った謝金の総額は約110億円になることが、読売新聞の集計でわかった。

 年50回以上講演を行い、1000万円を超える謝金を受け取った医師も10人以上いた

 国内の主要な製薬企業は昨年から、日本製薬工業協会の指針に基づき、医師・医療機関に提供した資金の情報を公開している。個人に支払った講師謝金などは今年初めて対象となった。

 各社が謝金を年200万円以上支払った医師はのべ226人。糖尿病や高血圧など生活習慣病分野が約4割と目立った。10社の医薬品売り上げは全体の約半分を占める。10月末までに公開した65社では講演会は16万回超、講師謝金は約236億円。

---------------------------------------------

講演会の演者や座長に払われる金額はそれ相応のものだと思いますが、50回以上はすごいですね。毎週末何かやっているということでしょうか?

 

ただ、多くの医師に情報を提供してくださっている(意外と薬とは関係のない情報が多い)演者の先生方には、準備なども含めてそれ相応の謝金は出ていてほしいと(聞いているこちらとしては、そのくらい出ているからと思い、安心して聞いているので)思ったりしております

 

続きまして、中国の救急車の運転手さんの素晴らしい話です。素晴らしいと思いますが、万一運転中に意識を失ったら、大きな事故になる可能性があったとも言えます。

 

救急車の運転手、患者の命優先し亡くなる―中国

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141102-00000028-rcdc-cn&pos=1

Record China 11月2日(日)22時12分配信

28日、黒竜江省ジャムス市の救急センターでこのほど、救急車の運転を担当していた賈海波さんが運転中に突然脳幹出血を発症。痛みに耐えながら患者を無事病院に搬送した後、亡くなった。

2014年10月28日、新華社によると、黒竜江省佳木斯(ジャムス)市の救急センターで、救急車の運転を担当していた賈海波(グー・ハイボー)さん(38)が24日、運転中に突然脳幹出血を発症。痛みに耐えながら患者を無事病院に搬送した後、亡くなった。ネット上では、若い命がこの世を去ったことを惜しむと同時に、「患者優先」の賈さんの行動を称賛する声が上がっている。

【その他の写真】

ジャムス市対外宣伝弁公室によると、同センターは同日午前8時55分、重症の糖尿病患者からの通報を受け、賈さんが救急隊員らと共に患者の家に急行。患者を救急車に乗せた後、賈さんは体の異常を感じたという。しかし、救急隊員の問いに、賈さんは「救急車に患者が乗っているから、先に病院に送ろう」と任務遂行を優先させた。

病院に向かう途中、助手席に座っていた救急隊員は顔面蒼白になっている賈さんを見て、運転を変わるよう勧めたものの、賈さんは「緊急の患者。もう少し我慢すれば到着する」と拒否。5分後にジャムス市中病院に到着した。しかし、賈さんはハンドルに覆いかぶさったまま動かず、懸命の応急手当が施されたものの、そのまま亡くなった。

ネットユーザーらは賈さんを「最も素晴らしい救急車の運転手」と称えている。また、あるネットユーザーは「患者か自分の命という選択で、患者の命を優先させた。最も美しい人間性が示されている」と称賛した。(提供/人民網日本語版・翻訳/KN・編集/TF)

------------------------------------

まず、この運転手さんのご冥福をお祈りします。また、自己犠牲の精神は素晴らしいと思います。

 

しかし、今回に関しては事故に合わなかったので、自己犠牲の精神として称賛されておりますが、脳幹出血であればいつ意識がなくなってもおかしくなかったと思います。もちろん、この中国人の方が職務への強い思いでそこまで意識を保ったのだと思いますが、本来は運転を交代するべきだったのだろうと思います。1分よりは長くならないのではないかと思うので。

 

万一、途中で大きな事故に合えば患者さんはもちろん、同乗していた多くの方の命を危険にさらしていたことでしょう。これは結果論としてよかっただけで、Bestの方法ではなかっただろうと思います。

 

しかし、それでも人間性としては素晴らしい方だったのだと思いますが・・・。

 

尊厳死予告の米女性が自殺 「さようなら、世界」

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141103-00000014-jij_afp-int

AFP=時事 11月3日(月)12時19分配信

【AFP=時事】(一部更新)末期の脳腫瘍を患いインターネット上で尊厳死を予告する動画を公開して話題を呼んでいた米国人女性、ブリタニー・メイナード(Brittany Maynard)さん(29)が、自殺したことが分かった。

尊厳死予告の米女性、新動画で実行日延期を示唆

 メイナードさんはソーシャルメディアに「さようなら、親愛なる全ての友人たちと愛する家族のみんな。今日、私は尊厳死を選びます。この恐ろしい末期の脳腫瘍は、私からたくさんのものを奪っていきました。このままでは、さらに多くのものが奪われてしまったことでしょう」「この世界は美しい場所です。旅は、私にとって最も偉大な教師でした。最も偉大な支援者は、近しい友人や仲間たちです。こうしてメッセージを書く間にも、私のベッドのそばで応援してくれています。さようなら、世界。良いエネルギーを広めてください。次へつなげましょう」とのメッセージを投稿した。

 メイナードさんを支援してきた尊厳死支援団体「コンパッション・アンド・チョイセズ(Compassion & Choices)」のショーン・クロウリー(Sean Crowley)氏によると、メイナードさんは11月1日、自宅で安らかに息を引き取ったという。

 結婚して間もない頃に激しい頭痛に襲われるようになったメイナードさんは、今年1月に余命6か月の宣告を受け、進行性のがんで苦痛を伴う死になると告げられた。その後、米国内で「死ぬ権利」が認められている数少ない州の一つ、オレゴン(Oregon)州に夫と共に移り住むと、先月に自らの命を絶つと宣言する動画を公開。これが何百万人ものネットユーザーに視聴され、話題となっていた。【翻訳編集】 AFPBB News

-------------------------------------------

尊厳死、安楽死の問題はいつでも問題になると思います。

 

僕はこういう診療科にいるので、多くの患者さんが亡くなるところに立ち会いました。死なせてほしいという患者さんもいらっしゃいました。前向きになること、その時間を与えられないことも血液疾患では多くあります

 

それでも僕はやはり患者さんを「故意に死なせる」ということはできません。患者さんができるだけ家で家族と過ごしたいので、飲み薬の抗癌剤と痛み止めと、様々な症状を抑える薬でと言われれば、できることをします。患者さんによっては急性白血病でも飲み薬で1年以上引っ張った人も思い出すだけで3名(緩和ケアになってからですよ)、数か月の時間であれば多くの患者さんで時間を作ることができました(ちなみに何もしなければ1ヵ月は持ちません)。

 

ただ、死なせてほしいといわれてしまった場合は「延命」のための処置は全くしないと思います。苦痛をとる処置だけを行い(時間を稼げればよいのですが、本人が抗癌剤などを飲みたくないといっているのに、飲ませることはできません)、できるだけ安らかな死をと思います。

 

自分で生きることができる範囲、頑張って生きていける範囲で生きてほしいと思っています。何もしなくてもこのくらいは生きていけるだろう…と思う時間を、医師が勝手に余命などを言って勝手に患者の生きる気力を奪って、その結果が患者の自殺というのではやっていられません。

 

患者さんに…血液疾患であっても、もはや使える抗癌剤がない、使える治療手段がないということは多々あります。他の癌ではもっとそういうことは多いと思います。それでも時間があれば受け入れて、自分の時間を有意義に使っていくこともできるようになると思います(血液疾患はできることがなくなってからが早いので、できるだけその前にいろいろやっていただくようにしたいと思っていますが)。

 

この患者さんに関しても医師が余命半年と告知をして、半年以上生きている。苦痛を伴った死になるって、それをとるのも医師の仕事であってそういう告知が正しいかはわからない。死ぬ時期も死に方もだれもわからないわけだから。

 

ですので、そういう告知はしていません。戦う気力を失った患者さんに「無理やりでも戦え」というつもりはありませんが、どうしてよいかわからなくなったのであればともにできることをしましょうというのが重要ではないかと思ってしまうところではあります。

 

僕も若いので、この考え方が正しいかはわかりませんが、そういう風に思いました。

 

いつも読んでいただいてありがとうございます。今後もよろしくお願いいたします。

http://blog.with2.net/link.php?602868

人気ブログランキングへ←応援よろしくお願いします

なかのひと

blogram投票ボタン

それでは、また

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

日本血液学会に参加してきました

2014-11-03 13:04:44 | Weblog

こんにちは

 

金曜日から昨日まで開催されていた、日本血液学会に参加しておりました。金曜日の発表だったので、木曜日に大阪入りし、その日の夜も他大の先生と食事を一緒にさせていただきました

金曜日の発表を終えた後はのんびりと講演を聞いて回っておりましたが、その日の夜もまた他大学の腫瘍内科の先生と大阪のまちを歩いておりました。非常に有意義な時間(楽しい時間も)過ごすことができました。3次会が終わった後、うちの若手でやっていた二次会に合流し・・・翌日に若干二日酔い気味になっていたという(まぁ、5時から温泉に行っていましたので二日酔いというよりは普通に酒が抜けきっていないだけなのかも)。

 

その後、会場の入り口で他院で働いている同期(うちの大学のです)と一緒になりました。たまたま、ジェムザール絡みの講演を聞きに行ったところでも一緒になり、その後は一緒に講演を聞いてました(午前中は)。

その後は移植関係の講演を主体に聞き、ポスターを見て、若手で0次会を行い、教授を含めた当科のメンバーで1次会、その後若手で2次会・・・という経過でした。

 

飲んでばかりですね(汗

 

その際にびっくりしたのは「アンフェタミン先生は大学に残るんじゃないんですか?」というのを、金曜日の夜や土曜日の夜に様々な後輩から言われたことですね。

 

だって、今・・・うち…枠ないじゃん。大学に残りたいです…とか言っても、枠がないから血液内科やりたかったら辞めるしかないっしょ…的な話をしておりましたが、まぁどうなることか。

 

他にも他大学の先生や一部の後輩から「先生がいなくなるころが一番心配」と言われましたが、僕は「教授と講師の先生が退官される頃(ほぼ同時)」が一番心配で、逆にそのタイミングは絶対に戻らないよと言っても良いタイミングですね。やるならその前に良いシステムを作っておかないと。

 

まぁ、システム上改善の余地がたくさんあるのですが、それを誰がやるのかと思いますし(汗

 

一昨日の飲み会で冗談半分口にしたやり方もあるのですが、それは完全に他人におんぶにだっこのやり方だしなぁ・・・

 

と、思いながら過ごしておりました。

 

血液学会、日中は勉強になりましたし、夜はいろいろな情報交換ができてとてもよかったと思っています。

 

いつも読んでいただいてありがとうございます。今後もよろしくお願いいたします。

http://blog.with2.net/link.php?602868

人気ブログランキングへ←応援よろしくお願いします

なかのひと

blogram投票ボタン

それでは、また。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする